イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
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950: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 11/06(水)01:30 ID:Y0eQgh+Q0(1) AAS
…大晦日…
シルヴィア「……何か手伝いましょうか?」
クラウディア「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)、座っていて? 笑顔で私の料理を「美味しい」って食べてくれればそれで十分♪」
提督「お母さまの料理が美味しくなかった事なんてないわ」
クラウディア「まぁ、嬉しい♪ フランカの分は多めにしておいてあげるわね♪」
…エプロン姿で楽しげに台所を行き来するクラウディア……庭はすっかり冬枯れの様子で、数本の常緑樹が緑を残している以外はすっかり黄色っぽい土と枯れ草ばかりだが、暖炉で踊る火も楽しげなカンピオーニ家の食卓は色とりどりの野菜を使った前菜や、一月六日の「公現祭」まで飾られているクリスマスツリーの飾りで華やかに彩られている…
シルヴィア「それじゃあその間にワインでも取ってこようかしらね」
提督「私が行きましょうか?」
シルヴィア「フランカはいいのよ。その代わりにクラウディアが手伝って欲しいって言ったらよろしくね」
提督「ええ」
…そう言い置いて立ち上がり、家の奥にある小さな貯蔵室にしまってあるワインを取りに行ったシルヴィア……普段はあまり化粧っ気がないが、今日は指の結婚指輪に加えて、クラウディアとお揃いのネックレスを首にかけている…
クラウディア「さぁ、出来たわ……シルヴィアは?」
提督「ワインを取りに行ったわ」
クラウディア「それじゃあ戻るまで待ちましょう」
シルヴィア「待たなくてもいいわ……♪」ワインの瓶を片手に後ろから忍び寄るよると、首筋にキスをした……
クラウディア「あん……っ///」
シルヴィア「それじゃあ乾杯しましょう」白地に文字だけがあしらわれた地味なラベルのワインを机に置くと、コルクを抜いて染みこんだ香りを確かめ、それからグラスに注ぐ……
クラウディア「今日のワインは?」
シルヴィア「せっかくの年越しだから、記念のワインから一本開けたわ」
提督「いいの、おばさま?」
シルヴィア「ええ。お互い百歳まで生きても良いように、新婚の時にいいワインをあれこれ買いだめしたから……もし私とクラウディアで飲みきれなかったらフランカが相続してちょうだい。その頃にはヴィンテージものになっているでしょうし、お金に換えたって良いわ」そう言って提督に見せたラベルにはクラウディアとシルヴィアが結婚した年が書かれている……
クラウディア「もう、せっかくの年の瀬なのにムードがないんだから」
シルヴィア「悪かったわ……さ、機嫌を直して乾杯しましょう」
クラウディア「ええ♪」
シルヴィア「それじゃあ、来年も良い年になりますように……愛しているわ、クラウディア」
クラウディア「私もよ……ずっと貴女が好き♪」
提督「これからも末永くお幸せに」
クラウディア「ええ、ありがとう♪」
シルヴィア「フランカもね……乾杯♪」
提督「ええ」クルミや樫の樽のような風味を持った濃い赤ワインは食前酒にするには少し風味が強いが、じっくりと味わうにふさわしい良いワインだった……
クラウディア「さ、お料理が冷めちゃうわ……よそってあげるから、どうぞ召し上がれ♪」
…クリスマスと違って年越しにそこまでの重きを置かないイタリアとはいえ、やはりカレンダーが改まるというのは祝う価値がある……クラウディアもクリスマス料理と違って、肩の凝らない……しかしカンピオーニ家の味として受け継いできた料理をぎっしりと並べている…
提督「相変わらず美味しい……それにしてもここ数日ご馳走ずくめなのに、お母さまってばよく献立が続くわね」
クラウディア「ふふっ、私だって勉強しているのよ? 我が家に代々続く秘伝のレシピだけじゃなくて、旅先で食べた美味しい料理を再現してみたり」
シルヴィア「おかげで体重が増えること増えること……」
クラウディア「あら、それじゃあ決まり切った献立にしましょうか?」
シルヴィア「それは勘弁ね……もっとも、クラウディアがいるなら固くなったパンと水だけでもいいわ」
クラウディア「もう、シルヴィアったらお上手なんだから……ひゃんっ///」
提督「この調子なら新年も相変わらずの一年になりそうね」
シルヴィア「それでいいのよ……さ、新年に乾杯」
クラウディア「ええ、乾杯♪」
提督「乾杯♪」
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