イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (964レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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883: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/07/18(火) 01:47:20.45 ID:svOXb5PM0 クズネツォワ「ダー……詳細はもはや闇の中になってしまったが、基本的にはそういった経緯でフルシチョフのころに研究が開始されたらしい。そして何十年もかかってソ連崩壊の直前、ようやく実用化の目途がついた」 提督「……ええ」 クズネツォワ「そこで研究所としては誰か被験者を探さなくてはならない……とはいえ大祖国戦争を知る世代も減り、当初の目標だった「生産性のある人口の増加」も人海戦術に頼る時代が過ぎていたことから推進する理由が失われていたし、ソ連末期ということで人材を集める資金もなかった。そこで私の「片方の」母、科学者のユーリアが当時親しくしていたバレエダンサーのマリアを口説いて被験体になってもらったのだ」 提督「実験の被験体だなんて、よく了承してもらえましたね?」 クズネツォワ「ああ……当時のソ連では同性愛は違法だったが、ユーリアとマリアはお互いに愛しあっていたからな。マリアが被験体になることで当局に同性同士での「恋愛」や「結婚」を黙認してもらったらしい……」 …1980年代・とある研究所… 研究者「主任、これを……とうとう成功しましたよ!」 ユーリア・クズネツォワ(クズネツォワの母)「ハラショー、実に見事なものだ……皆もよくやってくれた」 …胸元のネームプレートに白衣姿で、鉄縁眼鏡をかけた研究主任のユーリアの元へと集まってくる研究者や技師たち……ラットに犬、そしてとうとうサルでの実験に成功し、みんな科学者らしく冷静さを装いながらも沸き立っている… 研究者B「これで所長にもいい報告が出来ますね」 研究者C「次はいよいよ人体での治験ですか……とはいえここの研究所で被験者を募るのは……」何十年と結果を残せずにいて今ではすっかり後回しにされている研究に、人を募るための予算が回してもらえるはずもない…… ユーリア「そのことだが、治験に応じてくれそうな人間に心当たりがある。所長の許可と被験者の承諾を取るあいだ、諸君は作業を続けてくれ」 …数日後の夜・モスクワ市街… ユーリア「……遅くなって済まなかった、マリア・ニコラーエヴナ。冷えてしまっただろう?」クレムリンのタマネギ型ドームが建物の狭間から見える橋のたもとで一人待っていたマリアに、自分の不格好な……しかしとりあえずは暖かい厚手のウールコートを羽織らせるユーリア…… マリア「いいのよ、ユーリア……一緒に歩きましょう///」 …バレエダンサーらしい華奢でほっそりとした身体に、青色の涼しげな目元と金色の髪をしたマリア……その柔らかなソプラノで教養のある話をするさまは、さながら乙女の理想像のように見える……薬品で荒れた手に、まるで技術レポートでも読み上げているかのように聞こえる素っ気ない自分の話し方と比較して、なんと対照的なのだろうとユーリアは考えた… ユーリア「ああ……」 マリア「……それで、話って?」 ユーリア「そのことだが、とりあえず座って話そう」川を望む道端のベンチを見つけた二人…… マリア「さ、座ったわ……話してくれる?」 ユーリア「ああ、そうだな……」 マリア「……言いにくいこと?」下からのぞき込むようにして顔を近づけるマリア…… ユーリア「いや、そういうわけじゃないが……」 マリア「そう……じゃあ話してくれるまで静かに待っているわね」 ユーリア「……」 マリア「……」 ユーリア「……その、マリア」 マリア「なぁに?」 ユーリア「実は、君に頼みたい事がある……」 マリア「頼みたい事?」 ユーリア「ああ。科学の進歩のためにも、君に協力してもらえたらと思っているのだが……」詩的な言い回しや心をとろかすような表現どころか、堅苦しい言い訳しか出てこない自分のセンスに内心でげんなりしながらも切り出した…… マリア「協力というのはお注射でも打つの? それとも何かのお薬でも飲めばいいのかしら?」 ユーリア「それなのだが……手術を伴う可能性がある時間のかかる大がかりな話で、おまけに君の身体にも大きく影響することになる……そして間違いなくバレエダンサーを続けることは不可能になるだろう」 マリア「……ずいぶんと危険な実験のようね? 貴女がそんな実験を行っているのかと考えると心配になるわ」 ユーリア「いや、私は危険でも何でもないんだ……」 マリア「それじゃあ、一体どういう実験なの? それに私でなければならないって……ロケットで宇宙へ行って、そこで『白鳥の湖』のオディールでも踊るのかしら?」 ユーリア「そうじゃないが……実は、私との子供を作って欲しいんだ///」 マリア「えっ?」 ユーリア「その……私の勘違いでないとしたら、君は私に好意を持ってくれているようだし……つまり……///」 マリア「えーと、それって体外受精かなにかの実験っていうこと?」 ユーリア「似ているがそうじゃない。実は……女同士で子供を作る実験なんだ……その、私は君のことが好きだし……実験のためとはいえ、二人の子供ができたらと……///」 マリア「貴女との子供? ……嬉しい、そういうことなら喜んで協力させていただくわ♪」警官に見とがめられないよう、コートの襟を立てて唇にキスをした…… ユーリア「……ありがとう、マリア///」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/883
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