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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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220: ダグラス ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 13:49:08.11 ID:yJZe+BOXo 【ドラクレア島】 【水の国からの転移ゲートで容易に訪れる事が出来るこの島は】 【別名"記憶の集う島"と言われ、ジャングルには様々な怪異や怪物が犇めいている】 【の、だが――ゲートからすぐの砂浜は別。危険は無く、南国の日差しが青い海を照らしていて】 いやぁ、良い天気だね……僕が運動の出来る人間なら迷わず海に飛び込むだろう、ってくらいだ。 "この身体"でも生憎、そう上手くは行かないけれど…――うん、良い日だ。 【その平和さを体現するような、一人の若い男が砂浜に腰を下ろしていた】 【格好は白のシャツにジーンズ。胸元や袖は開けていて、靴は履いておらず】 【ふわりとした金髪と、微笑を湛えた面立ちはどこか貴公子然としている】 【周囲には何もなく――故に、一人で海を眺める姿は目立って見えた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/220
221: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 14:42:58.33 ID:JtuH/bhPo >>220 ───知りたい事がある 【ザリ、と砂浜を踏みながら、男の背後から声をかける、常夏の明るい日差しとは対照的にも思える、暗い声と重苦しい雰囲気だ】 【それには僅かながら殺気も含まれており、近づいて来ていた時から探知は容易であっただろう】 【黒い外ハネの髪の上に、黒いキャップを被る、モノクロ迷彩のパーカーを来た少年だ。どうやらリゾートを満喫しているようでは無いらしい】 【キャップについたボロボロの缶バッチが鈍く太陽光を反射して、陽を拒否したような影が目元に挿している、その影の中の鋭い目が、男の背中を睨んでいた】 話にアンタの事は聞いている、ダグラス、とか言ったな? 単刀直入に言わせてもらう、『アーグの居場所を教えろ』 【ダグラスがこの島に訪れた人間に課した条件は知っている、だが、わざわざそれに応じて島中を探すだなんてやっていられない】 【仇の姿を一瞬でも早く見付け、殺す、その為に遊びまがいの事に付き合う暇はない───まるで余裕の無い少年は、しかし自分が対している存在がどれ程のものか知らぬ無知さも掛け持っていて】 【敢えて愚かと言えよう、『さもなくばお前から殺す』と言わんばかりの言葉を含み、ダグラスに問い掛けた】 /まだおりましたら http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/221
222: ダグラス ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 14:57:38.31 ID:yJZe+BOXo >>221 【海に向けられていた視線が、声に応じて背後に向き直る】 【明るい瞳だ。恐らくは、少年よりもよほど純粋に思える眼をしていた】 【そして黙ったまま話を聞くと、ゆっくりと立ち上がって】 ……ああ、僕はダグラス。ダグラス・マックスウッドさ 一応は六罪王……この間暴れてた、ベクターのお仲間だね まあ最も、僕は彼とは会ったことも無いんだけど……さて。 僕も単刀直入に話そうか。教えてあげてもいいけど、条件があるんだ ……キミの名前を教えて欲しい。名前も知らないで話すのは、なんだか無粋だろう? 【覇気がなかった。或いは殺意も、攻撃の構え一つダグラスからは感じられない】 【執念に燃える少年に比べて実に弱い――だが怯みもせず、名を尋ねた】 【なんだか道端で出会った友達と話すような、そんな軽々しい口調だった】 /居りましたー!よろしくです! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/222
223: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 15:18:47.82 ID:JtuH/bhPo >>222 ……… 【振り向いたダグラスの眼を見つめる、光の無い黒い眼】 【六罪王───カノッサ機関の幹部とも言える存在が、例えこんな人間でも許せる筈もなく、その上アーグに加担しているとなれば尚更。復讐と同時に殺す対象に彼も入っている】 【そんなダグラスの眼が、自分とは正反対な眼をしているのが気に食わない。人を何人も不幸に陥れておいて、その手助けをしておいて、何故そんな眼が出来るのか】 【心の中で渦巻き、哭く憎しみの魔物を抑え込みながら、答える……ここで今、すぐ目の前にいるアーグへの手掛かりを見失うのは、何よりも愚かだと知っているから】 ……天野、ソラ───アンタや、アーグが名前を知っている筈もない アンタらが排泄物みたいに水に流したスラウロットの、生き残りだよ……! 【名前と、自分のルーツを答えつつ、思い返される『あの日』の出来事に歯を食いしばり、ダグラスを睨み付ける】 【きっと名前所か、存在を認知してすらいない、そんな『その他大勢』の中から産まれた憎しみの化身、それが自分だと言いたそうに】 ……質問に答えたぞ、次はアンタが答える番だ 教えろ、アーグの居場所を……まずはアイツからだ 【無論、狙うべき相手はアーグだけでは決してない、あの事件に加担した人間や、何か間違えば止めようとしていた正義の者ですら───それ程に憎悪の棘が四方八方に向いている】 【勿論、無謀にもその憎悪はダグラスにだって向いてはいるが、まずは最初の目的、すぐ近くにいる筈のアーグだ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/223
224: ダグラス ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 15:36:39.54 ID:yJZe+BOXo >>223 なるほど、ね……深くは聞かないよ。僕は贖罪するつもりも無いし キミの恨みを全部引き受けるようなつもりもないからさ。 でも名前は聞けた。天野ソラ……いいよ、アーグの所に案内しよう。 【話を聞いて尚、六罪王の様子は変わらなかった。彼の悲劇には自分も関わっている】 【しかし、その贖罪も禍根も知ったことではない――もとい、係る気はないと言う姿は】 【きっと、少年の怒りに触れるだろう。しかしそれすらも気にする様子は無く】 【おもむろに歩き出すと、ジャングルの中に続く狭くも整った道を行く】 【本来は様々な危険が潜む場所だが――"仕掛け人"であるダグラスが居るからか】 【周囲から何かか飛びかかってくるような事もない。やがて5分か、10分ほども歩くと】 ……さあ、アーグはこの洞穴の奥だよ。今は、だけどね 内部がどうなってるかは、僕は知らない。……個人的には、行かないことを勧めるけど。 【この自分勝手な助言に、相手が従うとは毛頭も考えてはいない】 【――洞穴の入り口は狭い。奥へ進めば、一転して大きな空洞が待ち構えていて】 【そこから徐々に下る道が続いていた。所々、十字架にも思える岩や木片が立っており】 【それがぼんやりとした光を放って、暗闇に光明を齎している。――何か、腐臭が奥から漂っていた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/224
225: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 16:01:12.98 ID:JtuH/bhPo >>224 構わない、ここで謝られてもムカつくだけだ。……いっその事そうやって開き直られる方がやりやすい 【寧ろ、ダグラスがこう言ってくれて少し嬉しいのかもしれない。ここで謝られたり、何らかの同情を貰えばそれこそやり場が無くなっていた】 【思った程怒りはない、もしくは冷た過ぎて自分にも認識出来ていないのか、とにかく返答は穏やかで】 【ダグラスの案内通りに後についてジャングルを歩いて行くだろう、驚く程に何もない道中をスムーズに進んでいく】 【もしこれが罠か何かで、怪物や獣が襲い掛かりでもしてくればその場で殺すだけだ、邪魔をするなら無関係でも殺す、例えそれが生の営みを享受しているだけだとしても】 ……ここ、か 【案内された先は、狭い洞窟だ、城か砦かと予想していたが、思っていたよりも隠れ家じみている】 【何にせよ、ここだと案内されたならそれを信じるしかない、広大な島を一人で探すよりは余程いい】 目の前にブチ殺したい相手がいて、『辞めた方がいい』なんて聞ける訳がないだろ ……俺は行く、アンタはリゾートを満喫でも他の奴とお喋りでもしてなよ……事が終われば、アーグの仲間と一緒にアンタも殺すけどな 【今更助言なんて聞くはずも無く、役目を終えたダグラスに『好きにしていろ』とまで宣うと、臆する事も無く洞穴の中へと向かっていく】 【天野にとってダグラスは優先順位が低いだけだ、いつかは矛先を向けるというだけで、今はその時ではない、だから何もしない───力量の差を知っていないからこそ、そう思えるのだろう】 【洞穴の中の空洞を、真っ直ぐ、ひたすらに道に沿って降りていく】 【漂い出した腐臭も、一瞬眉を顰めただけで気にも留めず───『アレ』を取り込んだ時よりはまだ不快感は少ない】 【何も妨害が無ければ、最早一瞬すら足を止めずに最奥まで進行していくだろう】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/225
226: ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 16:17:25.70 ID:yJZe+BOXo >>225 そう?……それは良かったよ、僕も怒ったキミに殴られたくないからさ 我ながら喧嘩は苦手でね。……まあ、お喋りしてろって言うならそうするよ。 ……それじゃあ、元気でね?後でどうなっても責任は取れないから…――。 【――そう言って、ダグラスは実にあっさりと引き下がるのだった】 【一人が去って、洞窟内には少年一人。歩みを止めずに進んだならば】 【豊富な栄養を蓄えた大型のネズミや、そのネズミを捕食する複数の芋虫や】 【或いはその類形と思われる生き物の掘ったらしい、岩に空いた無数の穴を見るだろう】 【ジメジメとしていた。唯一、十字架の光だけが途切れること無く続いていて】 【やがて下りが終わる。今までの道よりも、圧倒的に広い空間が地下には待っていた】 【まるで別世界――巨大な沼と、天井の見えない空洞がそこには在って】 【沼は深いのか、僅かに流動しているようにすら思えた。其処を横切るように】 【古ぼけた木板で渡り橋がかかっていて、所々に足場の様に土が持ってあって】 【そして、最奥には巨大な十字架が見えた。他の場所にも、意味ありげに転々と十字架の明かりが見えるだろうが】 【誰か居るなら最奥の其処だろう。沼を抜けた先に洞窟が続いているのが遠目に見えた】 【――どのような経路をたどるにせよ、この沼には注意点が幾つかある】 【それは足下から這い登ろうとする芋虫だ。彼らはおおよそ、大きい物で10cmほどで】 【足に這い登ると、服の上からでも顎の刺を肉に突き刺そうとし、その血液を吸い取らんとするだろう】 【加えてその刺には微量ながらも麻痺毒が仕込まれている。――素早く動けば、多少は避けられるが。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/226
227: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 16:46:50.55 ID:JtuH/bhPo >>226 【まるで地獄か冥界へと続いているような、もしくはいつの間にか入ってしまっているのか、そんな風に思える道中だ】 【足元で這い回る芋虫を表情一つ変えず踏み潰しながら、段々と重く湿っぽくなってくる空気を吸い込みながら、奥へと進む】 【恐らくは最奥が近くなってきた頃、開けた場所に出ると、確認の為に一度立ち止まった】 ……悪趣味だな 【『こんな所にいてよく大司教などと言えたものだ』と、端的にその旨を吐き出す。どう見たってここは魔界か何かだ】 【どれくらい潜ったのかわからないが、とにかく広い、もしかすれば島の地下すべてがこの空間なのだろうか?】 【生憎地質調査をしに来たのではないので、それは深く考えない事にしたが】 【足元に広がる沼に足を踏み入れる勇気はない、この奥にアーグがいるとするならばアーグやその仲間がここを通るはずで、だとすれば使っているのはこの頼りない橋だ】 【だったらここを通る他に道は無いだろう、御誂え向きに怪しげな十字架も自己主張している事だし、この橋を渡る事にした】 ───触んじゃねえよ、気持ち悪い…! 【だがその前に、足元に来ていた不気味な芋虫に対し、右手に燃やした鉄紺色の焔をぶつける】 【生命を燃やす冷たい焔は、その芋虫が『ちゃんと生きている生物なら』圧倒的な苦しみと共に生命力を焼き尽くす筈だ】 【それも無尽蔵という訳にもいかない、一々相手していてはキリが無いと、天野は覚悟を決める】 【一度さがり、木板の隙間と土島の位置を確認、そして隙間や蟲を避けるようにして、一気に駆け抜けようと走り出した】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/227
228: ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 17:00:56.00 ID:yJZe+BOXo >>227 【木板の渡り橋に足を乗せれば、比較的軽い少年の体重でも板が沈む】 【足を上げれば再び浮上するが、次第に靴や足は泥で汚れることとなるだろう】 【そして芋虫も其処に付随する――が、少年の放った焔を浴びれば】 【甲高い金切り声を上げて虫は燃え上がり、僅かな合間は他の芋虫も近寄らない。】 【――もっとも、やはり数が多すぎる。暫くすれば再び芋虫は"獲物"に飛びかかろうとした】 【だからこそ駆け抜けるのは懸命な判断と言えた。そして、半ばほどまで行った辺りで次の脅威が現れるのだ】 【キチキチ≠ニいう顎の音。低い羽音を立てて飛来するのは、2m程もある羽虫。】 【天井にぶら下がっていたようで、その数はやはり多い。手足は細いが、顎の刺は凶悪で】 【硬い皮膚でも容易に貫くギザ付いた刃が付いた、レイピアの様な形状をしており】 【彼らはおもむろに羽根を畳むと――少年目掛けて、凄まじい速度で降下を始める】 【そのまま刺で貫いて体液を吸い取るつもりなのだろう。薄暗い分、動きを読むことは難しく】 【そして何より数が多かった。芋虫ほどではないものの、雲霞の如く天井に犇めくその姿は】 【まさこの洞窟が、一種の"餌場"なのだと思わせるのに十分過ぎるほどであり】 【――奥の十字架の明かりが、俄に消えた。と言うより、何かの影に覆われた様だった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/228
229: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 17:25:35.13 ID:JtuH/bhPo >>228 【靴やズボンが泥に汚れるのすら気にしない、今考える事は奥に進む、ただそれだけ】 【故に飛び掛かろうとする芋虫達すら、振り払うか踏み潰すか、もしくは焔を持って撃退する】 【無数に湧き出す雑兵に足を止めている暇は無かった───が、半ばほどいった土島で立ち止まる】 ……チッ……何なんだここは…!? 【地面からと思っていたら、次は上から。耳障りな羽音と、耳を塞ぎたくなるような威嚇音を立てて巨大な羽虫が襲来する】 【蟲の気持ちなんて知る由もないが、考えている事はすぐにわかった、だが、尊重は出来そうにない】 【羽虫の突撃を間一髪で躱すと、掠った頬から一筋の血が流れ出る。まるで腐ったような赤黒い血を拭い、上を見た】 【気絶しそうになる光景だ、これらを一々相手にするなんて出来ないが、放っておく方が危険なのは目に見えている】 クソ───! 【アーグの場所まで出来るだけ力を温存しておきたかったが、妨害が何もないとも思っていなかった】 【両腕を包むように焔を灯すと、其れを集め、合わせた両手に巨大な鉄紺色の焔を燃やす】 【それを天井に向けて打ち出すと、巨大な鉄紺色の火球は巨大な飛竜の姿を型取り天井へと飛翔していった。飛竜を模る焔は天井へと到達すると爆発し、生命を奪う焔を広範囲へと広げる】 【後は───と、目的地へと向き直った時、天野は気付く。十字架の明かりが消えている……いや、影が挿している?】 ……また新手か、お次は何だ? 【呆れた風に言って、しかし今更引く事は出来ない。巨大な影を睨み付ける】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/229
230: ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 17:40:47.40 ID:yJZe+BOXo >>229 【攻撃を躱された羽虫の一匹は、勢いもそのままに沼へ突っ込んで行く】 【そして、数秒もせずに別の場所から浮かび上がって空中へ飛び上がる】 【どうやら全身にうっすらと油を纏っているらしく、泥に濡れるということもなくて】 【――だからこそ巨大な火球を打ち上げるというのも良い策だと言えた】 【偶然ではあったが、着火するのだ。巨大な羽虫の何匹かは、あっという間に消し炭へ代わり】 【沼に落ちてジュウと音を立て、沈んでゆく。残った羽虫も攻撃を迷うように浮遊を続け――】 ――――GRUUUUUUUUAAAAAAaaaaa__! 【羽虫の一匹が、その影の方に引き寄せられて消えた。直後に響くのは、バリバリという咀嚼音】 【更にもう一匹が消える。空中で動きを止めて、急に影の方に引っ張られてゆくのである】 【――影は、次第に大きさを増して少年に近付いていく。その姿は目が慣れれば見えるだろう】 【大きな――丸々と太った、大型トラックよりも大きなナメクジが其処には居た】 【しかし特異種なのだろう。真っ赤な口を持っていて、牙には羽虫の残骸が引っかかっているのが見える】 【そのナメクジは、くろぐろとした複眼と触覚を少年の方に向ける。――向けるが、すぐには何もしない】 【寧ろ少年には、敵を観察する余裕すら出来るだろう。そして数秒すると、低い羽音を立てていた虫の一匹が】 【吐き出された糸≠ノ絡め取られて、ナメクジの口元に吸い込まれていったのだ】 【問題は――これから少年がどうするかだ。糸を吐いて無造作に生き物を食らうナメクジを倒すのか】 【それとも、よくよく観察して考えれば――、――ナメクジは、既に奥の十字架の光を塞いではいなかった。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/230
231: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 17:57:02.48 ID:JtuH/bhPo >>230 【流石に羽虫全てを殺す事までは出来なかったが、警戒心を強く残す事は出来た】 【これで隙を見せたりしなければ羽虫が一斉に襲い来るという事もないだろう、後は───】 ……何なんだここは 【ナメクジ……と言っていいのだろうか?こんなに巨大なモノを見た目がそうだからと常識に当てはめた考えで分類分けする事すら疑問になってくる】 【問題なのはその大きさと特性、空中の羽虫を的確に捕まえる糸に捕まれば一溜まりも無く、ぬめる表皮には焔が効きそうにもない】 【だとすれば物理攻撃か、若しくは───放っておくか、だ】 ……わざわざ相手にするのも面倒だ 【芋虫や羽虫と違い、どうやらナメクジはこちらを明確に狙っているようではない、ただ単に空腹を満たしているだけのようなら相手にする意味もないか】 【そう判断した天野は、ナメクジを大きく避け、刺激しないよう先程よりもスピードを落として奥へと進む事にした。とはいえナメクジへの警戒心は怠らずに】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/231
232: ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 18:07:42.52 ID:yJZe+BOXo >>231 【静かに――刺激しないことを意識して進めば、ナメクジは少年の方には意識を向けず】 【むしろ逃げ散る羽虫を追って、何処かくらい奥地へ進んでゆくだろう】 【ゆっくり進む分、足下から迫る芋虫は払いきれないだろうが――仕方のない選択肢と言えた】 【かのナメクジは、恐らく音を頼りにしているのだ。だから大きな音源である羽虫を襲った】 【大きな口と牙は敵を見極めずとも食べるための、実に乱雑な大食漢故なのだろう】 【――そのまま焦らず、多少の血と麻痺毒を引き換えに奥まで進めたなら】 【無数の大十字に囲われた、狭い洞窟――通り道に出ることとなる】 【進むと上り坂で、途中の苔の隙間からは日が差しており】 【更に進むと、簡易な木の扉が見えるだろう。その向こうからは、何やら気配。】 【一息つくならここで最後といった感じだ。勿論、そのまま突っ込んでも良いし――扉には覗くだけの隙間もあった。】 /っと良いところで申し訳ない、そろそろ家を出ねばならず…… /戻ってこれるのが23~24時になってしまうので /それくらいからか、明日の昼に再開をお願いできますでしょうか http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/232
233: クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/11(水) 18:22:28.25 ID:BgCvwll0o ……うーん 【そろそろ街にも夜が降りてくる頃合い】 【今日は周りのビルよりも頭一つ抜けた高さの電波塔の上に、白い髪の少女が佇んでいた】 【だが今日はいつものようにただ夜景を眺めるのでなく、考え事に耽っている】 (……目標ある人生、かぁ……) 【ある自警団の男の生きざまを見て、自分の今の生き方というのは果たしてどうなのだろうかと思う】 【特に指針があるでもなくやりたいままに自由にする──楽な生き方ではあるが、あまり面白味もないように思えてきた】 【だが何か目標を考えようにも、なにも出てこない──まぁ、だからこそ今までそういう生き方をしていたわけだが】 【そうやって思索に溺れていくうちに、夜は更けてゆく】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/233
234: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/11(水) 18:25:42.33 ID:JtuH/bhPo >>232 【気味悪い芋虫に突き刺され、血を奪われる代わりに毒を送り込まれる。全くふざけた体液のトレードを意志に関係なく行いながら、ようやく十字架の場所まで辿り着く】 【ナメクジの方を見れば追って来ている様子もなく、判断は正解だったようだ───本当に正解だったのかは不明だが】 【沼地から通り道に出ると、まだ足に群がる芋虫を振り払い、焔で焼きつつ少し休息を取る】 【休息と言っても数分も無い、息を整える程度の物だが。麻痺毒により痺れる体を無理矢理動かしながら階段を上る】 【あの気持ち悪い沼地から離れ、アーグに近付いているというだけで気分は悪くはない、寧ろ高揚して来た様にも感じられる】 ───ここか…? 【階段を登り終えた頃先にある簡易的な木の扉、あれだけの通り道を作って置いて、最終的にある扉は簡単に蹴破れそうな物で】 【事実、扉の奥の気配が何者かを確かめるまでもなく、天野は扉に近付くと右足を上げ───】 【ガン!と扉を蹴破ろうと、足を蹴り出した】 /わかりましたー、では深夜からまた再開と言う事で一先ずお疲れ様でした http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/234
235: ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/11(水) 18:27:07.70 ID:yJZe+BOXo >>234 /ありがとうございます、では戻り次第呼びかけさせて頂きますのでっ! /一旦失礼しますね。お疲れ様でしたー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/235
236: ヴェール=カタストルフ [sage sage] 2015/03/11(水) 19:22:45.00 ID:35Bgh8sqO >>233 あー…だりぃ 【明るいうちは多くの人で賑わっていたであろう街路だったが夜も更けてきて人気も少なくなっている】 【そんな街路を黒いローブの男が不満を漏らしながら歩いている】 【黒いローブの男はフードで顔まで覆っており両耳には逆十字のピアス、深い緑色の髪が確認出来る】 【風貌からも分かるが荷物が無い様を見ると一層放浪者の様に見える】 (つってもそろそろ寝床の一つでも見つけねぇとなぁ…クソだりぃ…) 【乱暴に頭を掻き舌打ちや不満を溢しながら辺りを見渡す】 【男が考えている寝床とは宿などのことではなく廃墟や廃工場の様な場所である】 【しかし街中では視界を遮る遮蔽物は多くのよく探索ができない】 【苛つく男が次に思いついた行動が高いところから探すことだ】 【そう思いついた男は高い建物を探そうと上を見上げる】 ──何だ…?ガキ…しかもメスか…? 【不意に周りより背の高い電波塔…の上にいる少女が目に入る】 【髪が白く夜の闇には目立って見えたが不思議と自然に見えた】 /まだいらっしゃるのなら http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/236
237: クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/11(水) 19:45:48.20 ID:BgCvwll0o >>236 (とりあえず、何か始めたりでもすればいいのかなぁ……) 【下からの視線には気づかず、なおも思考する少女】 【それもそうであろう、夜の街において上を見上げる理由のある人間というのも中々多くはない】 【仮にいたとしても、その視界に映る一人の人影を注視するというのもまた少ないであろう、普通の人なら見間違いくらいに思って見過ごしてしまう──そんなとこに人がいるという発想自体、そうあるものではないからだ】 (これくらいの年頃の人間なら……うーん、バイトとか?) 【そういうわけで、外への注意の薄い少女には下からの視線には気づけない】 【だが、大声で声をかけるなりしたら反応はあるかもしれない】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/237
238: ヴェール=カタストルフ [sage sage] 2015/03/11(水) 20:17:25.80 ID:mlQ5AoYEO >>237 【男の視界に入っている奇妙な少女】 【別段無視をしている訳では無いのだろうが男には気づいていない、と男も理解をした】 【普段ならば気に留めない程度、だが男は今大層暇であった】 ──おいそこのクソガキィ!! 【なんの躊躇いもなく大声で呼びかけた】 【昼間ならそこらを歩く人々がこちらを見るだろうが今は夜、人っ子一人もいやしない】 【別に用があった訳でもなく、別に何かされた訳でもない】 【ただただ暇だった、それだけである】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/238
239: クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/11(水) 20:28:41.57 ID:BgCvwll0o >>238 にょわぁ!? 【静謐な夜を破る突然の大声に、奇っ怪な声を上げ危うく塔から落ちかける少女】 【体勢を整え直してから声のもとを探すと、ちょうどこっちを見ている黒いローブの男が目に入った】 【他に人影もなく、こいつが怒鳴ってきたのだろうと検討をつけると、苛立ちをそのまま声に変え怒鳴り返す】 いきなりクソガキとはあんた何様ですか!というか私に何のようですか変質者! 【中々の言い様である】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/239
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