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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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282: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 02:07:27.31 ID:QH7AGMIso >>280 【少年の慟哭は、教会の奥にまでしっかりと響いた。無論、アーグの聴覚はそれを捉えてもいた】 【故に――喜悦、としか表しようのない笑みを浮かべて、彼は少年を見据えたのだった】 【手にした武器、声に滲む悲哀と怒気、憤懣やるかたないといったその心情】 【全てが真っ直ぐに伝わってくる。――楽しい、なんて甘露な感情を運んできたのだ、と。】 クっ、…クハッ……!これは、これは……!! 言わんでも良いぞ、名前など無粋な符号でしか無いと理解出来たわ……ッ! 私を殺したいのだろうな?心に付いてこない不器用な肉体で、私の心臓をえぐり出したいのだな? 違うとは言わせぬ……分かるぞ、その心=c―!素晴らしい感情の発露だ……褒めて遣わす。 ……だが内実を伴わぬ無謀と蛮勇は褒めるに値しない。どれ、まずは遊んでやろうではないか――。 【直進する少年に対して、アーグは徐ろに手をかざす。すると周囲の花々が一斉にソラに狙いを付け――】 【そして、その花弁や茎を散らしながら少年に迫る。単なる植物と侮っては行けない】 【魔術の効力か、その硬度は鉄に匹敵するのだ――つまり、プロペラや鉄針が飛来するのに等しい攻撃であり】 【そして何より、その攻撃は全て少年の脚部に向けられていた】 【動きを封じるつもりだろう。この攻撃を凌げば、教会内に飛び込んで緑の旋風からは逃れられる筈だが――。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/282
283: ヴェール=カタストルフ [saga sage] 2015/03/12(木) 02:07:59.36 ID:8ZmCQuR9O />>281は>>279宛てです http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/283
284: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 02:12:04.11 ID:AbzjfeUxo ―――――ん〜……。 【華やかな街の陰には闇がある。繁華街には人が多くいるが、街の外れには人がいない】 【即ち闇が集まり、悪事の坩堝となる事が多く―――大抵、そういう場所は廃れている】 【人気の少ない街の外れ、廃墟では”白い”と形容するのに相当な女性が歩き回っていた】 【うーん、と首をひねったり、立ち止まり辺りを見回したり……少女という歳ではないが、物騒にも程がある】 中心街から1時間以内……周りには森、川……勿体ないですわね〜……。 【崩れた瓦礫跡の中に幾分か綺麗な椅子を見つけて、彼女は少し休憩する様に腰掛ける】 【かぱっ、と手にしていたアタッシュケースを開いて―――取り出した紙にすらすらと書き記していく】 【月明かりの下、白髪の女性が一人ペンを走らせる。その光景は奇怪だろうか】 【深夜に女性一人でこんな所に来るべきではない。そう考えると彼女は余程の実力者か、危機感の無い凡愚か】 …………テーマパークは立地が悪いですわね。 【ぴたり、とペンを止めて一人つぶやく――――とりあえず、お仕事脳の様だった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/284
285: カニバディール ◆EQBB9rCCt1P5 [sage saga] 2015/03/12(木) 02:14:17.59 ID:3XpFJl+Mo >>277 【幾度も感じてきた、肉による打撃の感触。進路にあるもの全てを押しのけ、引き潰し、破壊する感触】 【異形を出迎えたのは、その慣れた感触ではなく、彼女の魔眼がもたらす引力であった】 【巻きつけられ、それを感じ取って初めて、先ほどまでの力の片鱗がわかる。彼女が操っていたのは、これだったのだと】 【だが、時すでに遅し。引き上げられる感覚を認識した時には、すでに彼女は下にいた】 【見開いた単眼の先で、彼女が矢を番え。無理な姿勢で傷を負いつつも、正確な狙いが異形を捉えた】 【鮮血と共に、異形の胸部の真ん中に矢が突き立つ。その身体がのけぞり。ぐらりと揺らいだ】 ――――がふっ……!! ……負け、か……この場は、退かせてもらうとしよう…… いずれ、その武器とその命……必ず、奪い取ってくれる…… 【カウンターをまともに浴び、体勢を崩しつつもその動きを止めず】 【異形は彼女とすれ違うように動き、同時に伸びていた肉塊を収縮して回収すると】 【捨て台詞を掃きながら、蟹足を動かして公園の闇の中へと消えていくだろう】 【盗賊らしい逃げ足の速さ。残された血痕も、途中で途絶えることになる】 【夜の公園での、小さな邂逅は、彼女の勝利で幕を下ろした――――】 /遅れましてすみません……眠気が怪しいので、締めでお願いします…… /遅くまでのお付き合い、ありがとうございました! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/285
286: エクレア ◆GBHFWL/yB. [saga sage ] 2015/03/12(木) 02:23:58.11 ID:lUcxguYGO >>285 ……っ…はぁ!…はぁ… 【バタンと】 【既に一人だけの公園に倒れこむ】 【盛大に息を吐き出し、吸い込む】 …はぁ……はぁ… 【自分が自分では無くなる感覚と】 【今さらながら戻ってくる本来の感情】 【戦いを乗り越えた彼女には】 【すでに、先刻の冷徹さなど消え去っていて】 …怖い…なぁ…… 【その一言】 【誰でもない、自身へと吐き出した一言が】 【静寂に包まれた公園に、響いた】 /了解です…遅くまでありがとうございました! /お疲れ様です! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/286
287: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 02:33:58.17 ID:RCMo5lcYo >>282 邪 魔 だ ッ ッ ! ! 【両手に燃やす焔を凝縮させ、硬質化させ、作り出すのは元の手より一回り程大きな龍の爪】 【鉄紺色のそれは、心を映し出したかのような禍々しい光を鈍く放ちながら、目の前から襲い掛かる植物達に振るわれる】 【足を止める事は無い、いくら傷使うとも進めれば良いと、小さな傷が幾つ出来ても気にせずに、天野は突き進む】 【取りこぼした植物達が作る傷からは、赤黒い血がネバつき、滴る】 【教会内へと飛び込んだ頃には、決して少ないとは言えないだけの傷がついていた】 アーグ!……アァァァァァァァァーグゥッ!! テメェは!何であんな事をしたァッ!!何のために皆を殺し、街を壊したァッ!!答えろ!! 俺がテメェを殺す前にッ!!理由を聞かせろォォッ!! 【『アーグを殺し、復讐する』……掲げる目的はそれ一つだが、それと同時に何故か問う、『スラウロットを壊した目的』を】 【何か目的が無くては、あんな大事件を起こす筈が無い。目的が無いなら無いで、それはそれで殺す理由の怒りが増えるだけだが】 【しかし、聞いたからと言ってわざわざ立ち止まり返事を待つ程悠長な余裕は心に持ち合わせていない。天野は叫びながらアーグへと突っ込んでいく】 【両手には未だ巨大な龍の爪、接近への妨害が何も無ければ、天野は右手の爪でアーグを肩から袈裟斬りに薙ぐ様に腕を振り下ろすだろう。身長が足りていない為に、『肩から』というよりは『胸から』程度の範囲になるが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/287
288: クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/12(木) 02:39:34.78 ID:F+5cAmx0o >>281 えぇー、これまた屁理屈っぽいものが……あぁもういいですよ、力づくに訴えずとも私が退きますから 【またもや不条理、本日二度目である】 【今までのやり取りでこの男と口論するのは時間の無駄ではないのだろうかと薄々感づいてしまった少女は、もう色々と面倒なので場所を譲ってしまうことにした──どのみち、さっきまで考えていたような思考は今日はもうできないだろう】 【そこはかとなく「譲るのだから感謝しろ」という思いを込めてそい言い残し、少女は再び翼を展開する】 それではごきげんよう、名も無き変質者さん──精々、いい夜を 【最後にも嫌味を込めた挨拶を残して、そのまま塔から飛び降りた】 【もしその後も少女の動向を注視していたら、そのまま勢いをつけて滑空していくのが見えるだろう……だからどうしたという話だが】 【一夜の不毛な言い争いは、何か意味のあるものを残したのだろうか?──彼女はその問いにNoと自答した】 //眠気がきついのでこの辺で……からみありがとうです http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/288
289: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage] 2015/03/12(木) 02:41:26.70 ID:YwcPYRcT0 >>284 【時は遡って少し前、女性の佇む町外れの廃墟から少し離れた林の中に、長身の男が一人、ぽつねんと座り込んでいた】 【黒々とした川面を見つめ、息を殺して動かない。面持ちは深刻だが、世を儚んで自[ピーーー]る一歩手前……などという事は別にない】 【それもその筈、男の右手には渓流用の釣り竿が握られていて、そこから伸びる糸の先端には、ひらひらと疑似餌が揺れていた】 【いわゆるところの太公望と言うやつだ。さて、男は数分のあいだ、そうして動かずいた訳なのだが】 フィーッシュ……ッな、これデカい!デカいよこれ!きた!?本命きた!?メイン川の主きた!?これで終わ……ああああッ! 【手の内にがつんと鋭いアタリを感じるや否や、それに合わせ、にわかに血相を変えてリールを巻き取り始めた】 【女の元まで届くほどのはしゃぎぶり。しかし矢鱈にハイテンションな叫び声は、数秒後には悲鳴に変わる】 【なんと釣り上げたその瞬間、魚が渾身の力で身を捻ったせいで釣り針が外れてしまったのだ】 【ルアーから逃れた魚は釣り上げられた勢いを保ったまま、明後日の方角へ──女性の方へと飛んでゆく】 【このまま行けば間違いなく、顔面直撃コースである】 そ、そこの人!避けて、避けてえええーっ!? 【月明かりを弾く白銀の髪は、闇の中でもよく目立つ。魚の飛んでいった先に人が居るのを素早く見てとった男は、大声で女性へと警告を発した】 //まだだいじょぶでしたらー。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/289
290: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 02:46:05.01 ID:QH7AGMIso >>287 【少年の雄叫びと竜爪の如き焔の光に、大司教の口元は裂けんばかりであった】 【攻撃の大半は躱された。確かに傷を付けられはしたが、笑うほどのものか。】 【――否だ。笑う理由は、まったくもってただひとつの愉悦≠ノ起因する】 『何故、殺して壊したのか』……―貴様は害虫を駆除せぬのか? 家に虫が湧き、鼠が跋扈しても脳天気に飯を喰らって生活するのか? 例え目の前を汚らわしい存在が絶え間なく横切っていても、全く気にかからぬのか? ……ならん、というのなら話は別だが…――ク、フフ……それだけのことよ。 邪魔だから消した。私にはそれが出来た。かの者達は信心が決定的に欠けていた。 それと、小僧……一つ訂正しておいてやろうではないか。『貴様が私を殺す』のではない…ッ! 『私が貴様を壊す』のだよ、子犬風情が爪の一本で図に乗るでないわ――ッ!! 【少年の振るう巨大な龍の爪に対して、アーグは事も無げに豪奢な宝杖を振るって之を受け止め、はじき返した】 【杖という言葉で侮る無かれ。その重量はゆうに20kgを越し、魔術の加護もある逸品であって】 【そして何より、その杖は稀代の大魔術師が振るうものであった。仕込まれた魔術は衝撃=z 【爪に触れた杖は、その類まれなる重量に加えて炸裂する衝撃波で攻撃を弾き返す≠フである】 【その威力は強烈の一言に尽きる。気を抜けば、少年は倒れこむのに十分な程の力を備えていて――しかし、反撃や移動の類は無い】 【まるで遊びだった。ニヤニヤと笑う大司教は、全く少年を殺す気がないように見えた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/290
291: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 02:58:01.01 ID:AbzjfeUxo >>289 ――――はっ、そうですわ。この辺りをサファリパークっぽくしてしまえばいいんですわ。 それから立地の悪いさは無料シャトルバスでクリアして……ってなんだか、うるさいですわね……。 【明暗ではないか、と新しい事業開拓の思いつきにほくそ笑む。まあ、利益の見込はほぼ考えていないだろうけど】 【趣味と仕事が直結して、なおかつ彼女のする仕事の大半が自分があったらいいと望むものだった】 【資金は一生遊んでも使い切れない程あるから良いが……今のところそれでも外した事がないので、実は金儲けの天才かもしれない】 【さて、そんな事はさておき。彼女は一気に不機嫌な色に顔を顰めた――折角良い案が浮かんだのに、五月蝿い声が】 【というかこんな深夜にこの辺りで騒いでいるとは、非常識な……と、まあ自分を棚上げに苛立ちを覚えつつあった】 まあ、下見はこの程度にして帰りましょうか―――――はい? 【馬鹿は放置に限る。最近は変なのと関わりすぎている気がする。わざわざ人と関わる必要もないのだし】 【軽く伸びをして、立ち上がろうとしたら一際大きな声が聞こえてきた。何をしているのか知らないけど、五月蝿い―――と、視線を投げた先】 ―――――――――んきゃふっ!? 【視界いっぱいに広がる大きなお魚。世界が遅くなる……そうだ、此処に私のお墓を建てよう】 【とかなんとか考える暇は実際にはなく、男の警告も虚しく顔面にクリーンヒット………】 【大きな叫び声を上げてその場に倒れた。真っ白な肌、華奢なその身体は倒れただけで脆く壊れそうだというのに】 【目から星とはよく言った表現で……彼女はチカチカと点灯する視界を認識しながら、意識が飛んで行くのを感じた】 【ばたり、と倒れた白い彼女。本当に気絶してしまった様だが―――軽く起こして頂ければ、意識は直ぐに回復すると思われる】 /問題ありませんことよ! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/291
292: ヴェール=カタストルフ [saga sage] 2015/03/12(木) 03:06:32.22 ID:8ZmCQuR9O >>288 テメェまだ言いやがるかクソガキィ! 【翼を展開する少女に向かって叫び立ち上がるとまではいかないが体を起こす】 【しかし男が体を起こすときには少女は塔から飛び立っており滑空しているのが見える】 【少女とのやり取りとの間で夜もすっかり更けていた】 チッ、あのクソガキの所為で余計な時間とられちまったぜ。まぁ退屈はしなかったからよしとしてやるか 【自分から呼びかけて自分から登ってきたにも関わらず男は少女に責任転嫁する】 【だがこの夜の問答は男にとっては退屈ではなかった、それだけで良しとしている】 あ、そういや寝床探していたんだっけか。まぁいいや今日はここで 【男は当初の目的を思い出し一度立ち上がって空を見上げると雨の降る様子もなく星と月が明るく見える】 【1日くらい外で寝ても差し支えないだらう、そう思い男は電波塔のの中央部分に寄りかかり座り直す】 【大きな欠伸を一つし眠りにつく男にはもう少女の怒りなどは消え失せているだろう】 /お疲れ様です。ありがとうございましたー http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/292
293: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 03:09:46.72 ID:RCMo5lcYo >>290 【巨大な龍の爪は、本物のそれと同じとは言えなくも、武器としては十分すぎる力を持っている】 【しかし、それだけで敵うのならばアーグという存在が脅威として語られはしない、杖に受け止められたかと思うと、それに対応する間も無く強い衝撃が天野を襲う】 ───……ガ…ァッ……!! 【まるで目の前で爆発が起きたかのような衝撃に、天野の体は弾き飛ばされ、呼吸も出来ずに宙を舞う】 【地面に落ちた天野の右手の爪は衝撃で割れて無くなっており、右腕そのものがグシャグシャに折れ曲がってしまっていた】 【度し難い苦痛、叫び声を上げても不思議ではない痛々しいダメージだが、天野は立ち上がり、アーグを睨み付ける】 ……『邪魔だから』……だと? 【今更何を言われようと、考えが変わる事は無い───例えばアーグの行動には深い理由があったとしても、それが世界の為だったとしても、一切変わらず彼はアーグを殺しにかかっただろう】 【故に、今更アーグの返答が悪逆非道に塗れていた物だとしても、今更『酷い』だのと宣う事は無い】 【しかし───それに対して激怒する権利は天野にだってある筈だ】 ふざけるな……!!テメェは人の上にでも立ったつもりか!? テメェなんかが!そんな理由で人を殺していい筈が無い!!そんな理由で、そんなゲームの魔王みたいな理由で、皆は……! ……───テメェは俺が殺す、命に違えても、地獄に落ちても、何が何でもテメェだけはぶっ殺す!!! 【ハエやネズミを駆除するように、街は壊された───そんな理由、聞いて怒らずにいられようか】 【より一層怒りを増した天野は、何度も何度も決意した事をハッキリと今一度口にする事で確立する。『自分がどうなろうと、アーグだけは殺す』】 【それは、家族や友達をゴミの様に扱ったアーグを許す事の出来ない怒りでも、自分がどうなろうと心配する人間はもういないと言う哀しみと現れでもあった】 【残った左手を高く掲げると、上にした掌に集まっていく鉄紺色の焔。渦巻いて渦巻いて、天野の心から幾らでも湧く怒りの如くその容量を増し、それを凝縮していく】 【やがて象られたのは巨大な槍、人に刺されば胴体を真っ二つに分かってしまいそうな程のそれが、左手を振るうと同時にアーグに向かって射出される】 【狙いは胴体……と言っても、その余りの巨大さ故に胴体以外を狙う意味がないのだが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/293
294: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [] 2015/03/12(木) 03:27:38.56 ID:YwcPYRcT0 >>291 【警告の甲斐無く、哀れ高速で飛来するお魚さんは女性の顔面にクリティカル】 【男はしばし放心状態で、倒れた彼女を眺めていたが】 【慌てて我に返ると、女性に駆け寄って抱え起こした】 や、殺っちゃった……? いや、まだ息はあるか。良かったあ……。 もしもーし、大丈夫かなー? 大丈夫でしたら返事ちょうだーい! もしもーし! 【女性の軽く華奢な身体におっかなびっくり、壊れ物に触れるように抱えつつも、一先ずポケットからハンカチを取り出して】 【魚直撃の影響で何やらぬるぬるしている彼女の額やら頬やらを軽く拭いつつ、問いかける。無事に気が付いてくれれば、何よりだ】 【女性が目を開けば、そこには心底安堵したような笑顔を浮かべる男の姿。使い込まれた黒スーツの上下に革靴と、何やらビジネスマンのような風体だ】 【かなり上背があり、一見して細身だが、スーツ越しの腕の感触から察するに、随分鍛えられているようだった。左腰にはホルスターを提げている】 【この物騒な世の中だ。護身用に拳銃くらい持ち歩いていても不思議ではないが、ひょっとするとこのお兄さん、堅気ではないのかも知れない】 //わぁい!よろしくお願いします! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/294
295: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 03:30:25.81 ID:QH7AGMIso >>293 ほう、人を殺すのに理由が要るのか。それは一体誰が決めた規則なのだ? 世の政治家か?それとも異端の神か?或いは貴様自身がそう決めたのか? 理由があれば人を殺しても良いのか、倫理を定めたその神は誰が正気を保証するのか そして或いは…――おっと、貴様が決めたのだとしたら、随分と"偉い"のだな? 【ケタケタと笑って答えると、アーグは杖を両手で持ち直して何事か、非常に短くつぶやいた】 【それが詠唱だと気付けるのは恐らく高位の術者くらい。だが次の動作を見れば誰でも"そうだったのだ"と分かるだろう】 【発生する黒い渦。全てを飲み込む深淵の黒は、見るもの全ての背筋を絶対零度の舌で舐め上げる――】 【――そう錯覚するほどの黒が出現した。そして、自らに向かって投げ放たれる焔の槍を】 【憎悪の塊である少年の全てを、腹底に響く低音を唸らせながら呑み込んでしまうのだった】 【槍の巨大さからか、アーグの頬には切り傷が一筋付いていたが――しかし、それきりであって】 天体に存在するという暗黒の渦……飲み込まれたものは二度と出ては来れぬ。 もっとも、規模が膨らめば私もその渦中に引きずり込まれるが…――さて? 貴様は『お前は人の上にでも立ったつもりか』と言ったが……そうだ、何ぞ問題があるのか? 私は崇高なるゼン=カイマの大司教ぞ。世界にただ一人、神託を受けるに相応しいと認められた存在ぞ。 何故、それが害虫たる異端の木っ端と同列に並びものを考えねばならぬのか……ほとほと、付き合いきれぬ時がある。 さあ、て…――呑み込まれた物質は、一節にはまたある地点にて放出されるという。 私は天体の理は知らぬがな……術でそれを成す程度は、実に容易いわ…――! 【――白い渦が、少年の眼前に出現する。徐々に大きさを増すそれは、数瞬を数えた直後に破裂し】 【その内部から無数の鉄紺色の槍≠撒き散らす。大きさは小さく数が異なるが――間違いなく少年の能力による想像物であり】 【それが、まさに少年に向けて差し戻された形。回避する時間はある。――動ければ、だが。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/295
296: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 03:35:09.96 ID:AbzjfeUxo >>294 【魚が激突して気絶―――珍しい体験をしているものである】 【意識を飛ばしている最中、彼女は夢を見た。魚が自分を食べようとする悪夢】 【もうそして何よりも魚臭い、ぬるぬるしている。不快感は最高潮だった……っ!】 ――――――――食べさせませんわぁっ!!!! 【もう食べられないよ、という寝言はテンプレートだけど―――食べさせません、とはこれ如何に】 【兎にも角にも意識を一応は取り戻したと見て良いが、眼を見開いた瞬間に夢と現実の区別は一切ついていなかった模様】 【夢の中で目の前の魚を払いのけようと振りかぶった手、それに呼応するように振り払われる平手】 【現実とリンクして……まあ、つまり介抱する男の頬めがけて、彼女の白魚の様な手が振りぬかれる……!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/296
297: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 03:49:34.68 ID:RCMo5lcYo >>295 【空気の層の中に穴を開けながら、何物をもその憎しみで貫く渾身の槍───その筈だった】 【自分の力を過信していたのはあるかもしれない、でも、まさか予想出来ようか?……アーグが作り出したそれは、空間そのものに黒い孔が空いたような存在は、実際に目にした事が無くとも、何であるかを理解する】 ───ブラック……ホール……だと? 【目の前でアーグの能力を目にして、体感するのは、実際にはこれが初めてか。天野はそのまさかの規模に、目を丸くする】 【空の星々を、光すらも吸い込み噛み砕く宇宙の暗黒を、こうも簡単そうに呼び出すなどとは予想だにしていなかった】 【そして、続くアーグの言葉、自分が人より上だと、疑いもせずに言い切れるその精神の強さ。ブラックホールの驚きも相俟って返す言葉が詰まる】 【強ち否定し切れないのだ、これだけの力量の差を目の当たりにして、まだ殊勝でいられる精神を育てる時間は天野には無かった】 【そのせいで反撃に対する反応が遅れる───目の前に現れた純白が何を意味しているのか、理解した時にはもう遅い】 【腕、脚、腹───自身の力が牙を剥き、身体中に突き立ち、冷たい冷気が体の内から染み渡る】 【悪運強く頭部や心臓には刺さらなかったが、苦しみと共に生命力を焼かれるのを考えれば、即死しなかった分だけ運が悪いのかもしれない】 ───あ……がァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 【喉から吐き出される血と叫び、同時に出てこようとするそれが、痛々しく混ざり合い、教会を染め上げる】 【いくら返されたとは言えど自分の力、落ち着いていれば直ぐに消せた物を、今の天野にそう出来るまで時間がかかった】 【叫び声が止んだ頃には、身体中から腐ったような赤黒い血を垂れ流しながら、しかし辛うじて生きているといった状態の天野が、床に倒れて荒く息をしていた】 【苦しみにのたうち回り、被っていた帽子は脱げて髪や顔が自身の血と土に汚れ、最早憎悪の感情だけで立ち上がる事すら出来ないようだ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/297
298: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 04:04:32.22 ID:QH7AGMIso >>297 【――カツン、と杖が床を打つ。――カツン、と異形の大司教が一歩を踏み出す】 【倒れ伏す少年を見ているのか、或いは居ないのか。視線は鉄の仮面で見えないが】 【アーグは少年の傷を舐め回すように所々へ瞳を走らせていた】 【憎悪はきっと強まるだろう。近付く大司教へ、きっとなけなしの力を叩き付けようとするだろう】 【そんな予測でもしているのか――アーグの姿は悠然として、しかしまったく隙が無かった】 【老獪。200以上の年月を重ねた怪異は、徹底的に己に迫る危険を認識出来ていて】 ……このまま死にたくは無かろうなあ。自身の全てを容易く奪い去った相手を前に 己の未熟と弱小故に呆気無く、まさに虫けらの如く死にたくは……なあ…――? ク、ハッ……。小僧…――お主に、ひとつの選択肢を呉れてやろうではないか。 単純明快なる選択肢だ。この場で死ぬか、我が術を受け入れ機を探るか。 ……私は貴様の傷を癒やすことが出来る。その身に、更なる力を与えることが出来る。 そして何より、私は貴様の生殺与奪を握っておる。……殺すのも、生かして再び戦わせるのも掌の上。 どうだな、小僧よ…――しばし我が軍門に降って、力を蓄えるというのは? もし貴様が私のために働くというのなら……そう、能力者を一人殺す事に、機会をやろう。 その都度証拠を持って参れ。殺して来れば、その度に私と戦う権利をやろう。 其処で殺せれば良し。殺せなければ、殺せるようになるまで能力者を狩る毎日よ。 …――難しいか?『私が、私を殺すための力と機会を、貴様に与える』と言っているのだ 小僧、貴様の力と執念は実に惜しい…――不死≠ニいう物を、呉れてやっても良いぞ……? 【まるで、悪魔の様な甘言だった。それに何より、恐ろしく矛盾した駆け引きだった】 【頭を垂れれば、傷を癒して不死の力を彼に与え、その上で能力者を殺せば再戦しても良いと言い】 【加えてそれに失敗しても、何度でも機会を与えようと言うのだ。――少し考えれば、蹴って当然の提案だろう】 【――だが、アーグには言葉を裏付けるに十分過ぎるまでの"力"があった。そして、それは何より少年に突き立てられたもの。】 【大司教は、巨大な宝杖を少年に向ける。無言の静寂は、言うまでもなく選択を迫るものだった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/298
299: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [] 2015/03/12(木) 04:06:46.81 ID:YwcPYRcT0 >>296 【あ、良かった、気が付いた──女性が薄く目を見開いた事に喜び、男が顔を綻ばせたのも束の間】 【情け容赦無い平手打ちが、その頬めがけて襲いかかる。彼女を抱きかかえている現状、為す術はなく】 ────あ痛ったぁーっ! 【直撃、そして悶絶。乙女の繊手は紅葉のような赤い痕を、しっかりと男の頬に刻み込んだのであった。因果応報である】 【打たれた頬をさすりさすり、彼はぼんやり考える。重くは無いがスナップの利いた良い平手だ。多分、翌日まで腫れが後を引く】 【だが、それで彼女を咎めるのはお門違いというもの……なので、ここは取り敢えず、と】 目、覚めたみたいだね。……大丈夫かな? どこか痛む所とか、ない? 【目覚めたのだろう女性の顔の前でひらひらと手を振りながら、つとめて紳士的に、再度問いかける】 【傍らでびちびち跳ねている魚の事もやや気に掛かるが、まずは人間が優先だ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/299
300: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 04:17:28.48 ID:AbzjfeUxo >>299 私が魚如きに食べられると思ったら大間違いですわ――――……よ? 【ぱちくり、と琥珀色の眼を何度か開いて、閉じて、開いて】 【目の前にあったのは魚の顔ではなくて、人の顔。黒いスーツの男性だった】 【頬に見えるのは紅葉の形。そうして気づく、振りぬいた手がヒリヒリと痛い事に……】 …………強いて言えば、手のひらが痛いですわ。 【顔面が痛い気もするのだが、今はそれどころじゃなかった。いや、確実に痛いのだけど】 【目の前の男性に夢と現実の区別がつかず、頬を張ったなどと―――此処まで、彼が魚の犯人と言う思考は皆無】 本当に、本当にごめんなさい………あの、なぜか、魚が飛んで来て、それで、あのですね、その……。 【わたわた、しどろもどろ。あっちみたり、こっちみたり】 【夢と区別がついていませんでした、とは言えずに頬を張った事について謝罪を述べる】 【むしろ彼女の中では”数分”か”数秒”か”数時間”か……どれほど気絶してたか、という認識がなかった】 【実際には”数秒”程度だが―――目の前の介抱してくれた人に対して、頬を張ったという事実。彼が諸悪の根源とは思えなかったのだ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/300
301: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 04:34:16.24 ID:RCMo5lcYo >>298 【体中が激痛に苛まれ、まるで動かない、初めて経験したが、これが『死にかける』という事か】 【天野の思考は驚く程にクリアだった、泣き叫ぶほど混乱せず、怒りを撒き散らすほど力無く】 【ただ、自分を舐めるように見るアーグの視線が不快で、それでいて、自分がこれから殺されるのかと思っていた】 【だが、予想は外れる───】 【アーグの持ち掛けた話は、空間の中を散ること無く真っ直ぐ向かってくる様に天野の鼓膜を震わせ、心を突き刺す】 【その通り、自分は弱い、アーグにはまるで叶わない、殺すだなんて以ての外で、逆に今、殺されてしまいそうな程】 【だがここでアーグに助けを求めれば、その力を埋める事が出来るかもしれず、更に何時だって(条件付きだが)アーグを殺すチャンスが生まれると言うではないか】 【わざわざ探す手間もなく、殺せるまで何度も何度も殺しに行ける、そう考えれば、『全てを犠牲にしてでも』と決意したのに比べて条件は緩い】 ………… 【今にも止まりそうなか細い呼吸を必死に行いながら、天野は視線をアーグに向ける。すぐ目の前にあるのに、とても遠い】 【『条件を呑んでも、貰うだけ貰って裏切る事だって…』そういう浅はかな考えもあって、いよいよ条件を呑むかもしれないとして来た時】 【ふと落とした視線の先には、被っていたキャップ、そしてそれに付いた缶バッチ】 (……俺は───) 【脳裏に浮かぶは、幸せだった日々。責任感が強い父と、優しい母と、人懐っこい妹と……沢山の友達や知り合いと過ごした日々】 【それを全部奪われた時、なんと思った?『許せない』?『腹がたつ』?───それは、本当に犯人に?】 【そうだ、本当に憎み、怒りを持っていたのは、それを向けていたのは、誰でもない『自分』へではないのか?】 【あの日誰も助ける事が出来ず、どうすることも出来ず、悪魔に助けを求めるしかなかった自分。今この瞬間も、宿敵に助けを求めようとした自分】 【自分を何よりも憎み、怒り、それを認めたくないから他人にその分を向けていた、何よりもまず、成し遂げたいならば犠牲にしなければ行けないのに】 ───俺は…… 【今からでも遅くない、覚悟を決めろ】 【『自分』を犠牲にする、覚悟を=z ───誰でもない、俺の力で、テメェを殺す 【怨!!と音を上げ、天野がアーグを見据えた瞬間に、鉄紺色の焔が天野の体を包み込む】 【自決?いいや違う───よく見れば、焔は天野の体を包み込みながらも、形状を模っていき】 【次の瞬間、天野の体は跳ね起き、そうしながらアーグを両足で蹴り付けようとするだろう。硬質化した鉄紺色の焔が纏われた、鎧のような両足で】 【それに成功したかしないかに関わらず、天野は飛び起きアーグから距離を取って地面に立つ───その姿は、まるで人からはかけ離れている物】 【体を覆った鉄紺色の焔が硬質化して鎧となり、まるで龍を人型にしたかの様なその姿、禍々しくも力強い鎧の狂戦士のようにも見えて】 【しかし、その姿でいたのは一瞬もいいとこ、やがて鎧が焔と置換されて消えて行き、天野は再び片膝をつく】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/301
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