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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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297: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 03:49:34.68 ID:RCMo5lcYo >>295 【空気の層の中に穴を開けながら、何物をもその憎しみで貫く渾身の槍───その筈だった】 【自分の力を過信していたのはあるかもしれない、でも、まさか予想出来ようか?……アーグが作り出したそれは、空間そのものに黒い孔が空いたような存在は、実際に目にした事が無くとも、何であるかを理解する】 ───ブラック……ホール……だと? 【目の前でアーグの能力を目にして、体感するのは、実際にはこれが初めてか。天野はそのまさかの規模に、目を丸くする】 【空の星々を、光すらも吸い込み噛み砕く宇宙の暗黒を、こうも簡単そうに呼び出すなどとは予想だにしていなかった】 【そして、続くアーグの言葉、自分が人より上だと、疑いもせずに言い切れるその精神の強さ。ブラックホールの驚きも相俟って返す言葉が詰まる】 【強ち否定し切れないのだ、これだけの力量の差を目の当たりにして、まだ殊勝でいられる精神を育てる時間は天野には無かった】 【そのせいで反撃に対する反応が遅れる───目の前に現れた純白が何を意味しているのか、理解した時にはもう遅い】 【腕、脚、腹───自身の力が牙を剥き、身体中に突き立ち、冷たい冷気が体の内から染み渡る】 【悪運強く頭部や心臓には刺さらなかったが、苦しみと共に生命力を焼かれるのを考えれば、即死しなかった分だけ運が悪いのかもしれない】 ───あ……がァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 【喉から吐き出される血と叫び、同時に出てこようとするそれが、痛々しく混ざり合い、教会を染め上げる】 【いくら返されたとは言えど自分の力、落ち着いていれば直ぐに消せた物を、今の天野にそう出来るまで時間がかかった】 【叫び声が止んだ頃には、身体中から腐ったような赤黒い血を垂れ流しながら、しかし辛うじて生きているといった状態の天野が、床に倒れて荒く息をしていた】 【苦しみにのたうち回り、被っていた帽子は脱げて髪や顔が自身の血と土に汚れ、最早憎悪の感情だけで立ち上がる事すら出来ないようだ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/297
298: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 04:04:32.22 ID:QH7AGMIso >>297 【――カツン、と杖が床を打つ。――カツン、と異形の大司教が一歩を踏み出す】 【倒れ伏す少年を見ているのか、或いは居ないのか。視線は鉄の仮面で見えないが】 【アーグは少年の傷を舐め回すように所々へ瞳を走らせていた】 【憎悪はきっと強まるだろう。近付く大司教へ、きっとなけなしの力を叩き付けようとするだろう】 【そんな予測でもしているのか――アーグの姿は悠然として、しかしまったく隙が無かった】 【老獪。200以上の年月を重ねた怪異は、徹底的に己に迫る危険を認識出来ていて】 ……このまま死にたくは無かろうなあ。自身の全てを容易く奪い去った相手を前に 己の未熟と弱小故に呆気無く、まさに虫けらの如く死にたくは……なあ…――? ク、ハッ……。小僧…――お主に、ひとつの選択肢を呉れてやろうではないか。 単純明快なる選択肢だ。この場で死ぬか、我が術を受け入れ機を探るか。 ……私は貴様の傷を癒やすことが出来る。その身に、更なる力を与えることが出来る。 そして何より、私は貴様の生殺与奪を握っておる。……殺すのも、生かして再び戦わせるのも掌の上。 どうだな、小僧よ…――しばし我が軍門に降って、力を蓄えるというのは? もし貴様が私のために働くというのなら……そう、能力者を一人殺す事に、機会をやろう。 その都度証拠を持って参れ。殺して来れば、その度に私と戦う権利をやろう。 其処で殺せれば良し。殺せなければ、殺せるようになるまで能力者を狩る毎日よ。 …――難しいか?『私が、私を殺すための力と機会を、貴様に与える』と言っているのだ 小僧、貴様の力と執念は実に惜しい…――不死≠ニいう物を、呉れてやっても良いぞ……? 【まるで、悪魔の様な甘言だった。それに何より、恐ろしく矛盾した駆け引きだった】 【頭を垂れれば、傷を癒して不死の力を彼に与え、その上で能力者を殺せば再戦しても良いと言い】 【加えてそれに失敗しても、何度でも機会を与えようと言うのだ。――少し考えれば、蹴って当然の提案だろう】 【――だが、アーグには言葉を裏付けるに十分過ぎるまでの"力"があった。そして、それは何より少年に突き立てられたもの。】 【大司教は、巨大な宝杖を少年に向ける。無言の静寂は、言うまでもなく選択を迫るものだった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/298
299: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [] 2015/03/12(木) 04:06:46.81 ID:YwcPYRcT0 >>296 【あ、良かった、気が付いた──女性が薄く目を見開いた事に喜び、男が顔を綻ばせたのも束の間】 【情け容赦無い平手打ちが、その頬めがけて襲いかかる。彼女を抱きかかえている現状、為す術はなく】 ────あ痛ったぁーっ! 【直撃、そして悶絶。乙女の繊手は紅葉のような赤い痕を、しっかりと男の頬に刻み込んだのであった。因果応報である】 【打たれた頬をさすりさすり、彼はぼんやり考える。重くは無いがスナップの利いた良い平手だ。多分、翌日まで腫れが後を引く】 【だが、それで彼女を咎めるのはお門違いというもの……なので、ここは取り敢えず、と】 目、覚めたみたいだね。……大丈夫かな? どこか痛む所とか、ない? 【目覚めたのだろう女性の顔の前でひらひらと手を振りながら、つとめて紳士的に、再度問いかける】 【傍らでびちびち跳ねている魚の事もやや気に掛かるが、まずは人間が優先だ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/299
300: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 04:17:28.48 ID:AbzjfeUxo >>299 私が魚如きに食べられると思ったら大間違いですわ――――……よ? 【ぱちくり、と琥珀色の眼を何度か開いて、閉じて、開いて】 【目の前にあったのは魚の顔ではなくて、人の顔。黒いスーツの男性だった】 【頬に見えるのは紅葉の形。そうして気づく、振りぬいた手がヒリヒリと痛い事に……】 …………強いて言えば、手のひらが痛いですわ。 【顔面が痛い気もするのだが、今はそれどころじゃなかった。いや、確実に痛いのだけど】 【目の前の男性に夢と現実の区別がつかず、頬を張ったなどと―――此処まで、彼が魚の犯人と言う思考は皆無】 本当に、本当にごめんなさい………あの、なぜか、魚が飛んで来て、それで、あのですね、その……。 【わたわた、しどろもどろ。あっちみたり、こっちみたり】 【夢と区別がついていませんでした、とは言えずに頬を張った事について謝罪を述べる】 【むしろ彼女の中では”数分”か”数秒”か”数時間”か……どれほど気絶してたか、という認識がなかった】 【実際には”数秒”程度だが―――目の前の介抱してくれた人に対して、頬を張ったという事実。彼が諸悪の根源とは思えなかったのだ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/300
301: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 04:34:16.24 ID:RCMo5lcYo >>298 【体中が激痛に苛まれ、まるで動かない、初めて経験したが、これが『死にかける』という事か】 【天野の思考は驚く程にクリアだった、泣き叫ぶほど混乱せず、怒りを撒き散らすほど力無く】 【ただ、自分を舐めるように見るアーグの視線が不快で、それでいて、自分がこれから殺されるのかと思っていた】 【だが、予想は外れる───】 【アーグの持ち掛けた話は、空間の中を散ること無く真っ直ぐ向かってくる様に天野の鼓膜を震わせ、心を突き刺す】 【その通り、自分は弱い、アーグにはまるで叶わない、殺すだなんて以ての外で、逆に今、殺されてしまいそうな程】 【だがここでアーグに助けを求めれば、その力を埋める事が出来るかもしれず、更に何時だって(条件付きだが)アーグを殺すチャンスが生まれると言うではないか】 【わざわざ探す手間もなく、殺せるまで何度も何度も殺しに行ける、そう考えれば、『全てを犠牲にしてでも』と決意したのに比べて条件は緩い】 ………… 【今にも止まりそうなか細い呼吸を必死に行いながら、天野は視線をアーグに向ける。すぐ目の前にあるのに、とても遠い】 【『条件を呑んでも、貰うだけ貰って裏切る事だって…』そういう浅はかな考えもあって、いよいよ条件を呑むかもしれないとして来た時】 【ふと落とした視線の先には、被っていたキャップ、そしてそれに付いた缶バッチ】 (……俺は───) 【脳裏に浮かぶは、幸せだった日々。責任感が強い父と、優しい母と、人懐っこい妹と……沢山の友達や知り合いと過ごした日々】 【それを全部奪われた時、なんと思った?『許せない』?『腹がたつ』?───それは、本当に犯人に?】 【そうだ、本当に憎み、怒りを持っていたのは、それを向けていたのは、誰でもない『自分』へではないのか?】 【あの日誰も助ける事が出来ず、どうすることも出来ず、悪魔に助けを求めるしかなかった自分。今この瞬間も、宿敵に助けを求めようとした自分】 【自分を何よりも憎み、怒り、それを認めたくないから他人にその分を向けていた、何よりもまず、成し遂げたいならば犠牲にしなければ行けないのに】 ───俺は…… 【今からでも遅くない、覚悟を決めろ】 【『自分』を犠牲にする、覚悟を=z ───誰でもない、俺の力で、テメェを殺す 【怨!!と音を上げ、天野がアーグを見据えた瞬間に、鉄紺色の焔が天野の体を包み込む】 【自決?いいや違う───よく見れば、焔は天野の体を包み込みながらも、形状を模っていき】 【次の瞬間、天野の体は跳ね起き、そうしながらアーグを両足で蹴り付けようとするだろう。硬質化した鉄紺色の焔が纏われた、鎧のような両足で】 【それに成功したかしないかに関わらず、天野は飛び起きアーグから距離を取って地面に立つ───その姿は、まるで人からはかけ離れている物】 【体を覆った鉄紺色の焔が硬質化して鎧となり、まるで龍を人型にしたかの様なその姿、禍々しくも力強い鎧の狂戦士のようにも見えて】 【しかし、その姿でいたのは一瞬もいいとこ、やがて鎧が焔と置換されて消えて行き、天野は再び片膝をつく】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/301
302: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 04:49:24.29 ID:QH7AGMIso >>301 【少年の姿が焔に包まれ、その鎧姿が一挙に息を吹き返して放った蹴りは】 【確かに、アーグという巨躯を捉えるだろう。――しかし、やはり足りない】 【不意を突いても、大魔術師はそう呼ぶに相応しいだけの覚悟と腕前があるのだ】 ククッ……!よもやと思いかけていた保険が……事実、形になったか……! 生憎と強烈な物理攻撃には……人間らしく、弱いものでなあ? 耐衝撃の術くらいは常に掛けておるわ。……だが、悪くない。 やはり貴様のその才、決して悪いものではないな……―! 【アーグは2つの傷を負った。小さくはあったが、頬を斬り付けたそれと】 【そして先程の蹴撃だ。どちらも致命傷には遠く及ばないが、確かに届いたのだ】 【或いは今の力を極限まで高められれば――この怪異たる大司教も、倒せるかも知れない】 【そう思わせるのに十分な力が、きっと少年にはあった。しかし依然として分が悪いのも確かだろう】 【――教会の外、緑の園は反り立つ壁を抜ければ、天井に穴が空いている】 【もう一度沼に戻るのが現実的ではない以上、考えられる逃げ道は其処だけ、だろう。】 【アーグをこの場で倒せれば全てはひっくり返るが――少年の出方を見るように、大司教は杖を握る】 【事ここに至って、ようやく戦う気を見せたと云うところか。そうして放つのは、一筋の黒い矢であった】 【魔術で形作られた一撃。――身体に受ければ、全身へと悪化≠フ術を転移させる力を持つ】 【悪化≠ニはなにか。それは全て。病、心身、そして能力。――嫌な雰囲気を纏った、漆黒の一閃だった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/302
303: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [] 2015/03/12(木) 04:56:40.28 ID:YwcPYRcT0 >>300 【てっきりこのままお説教の流れかと思っていたら、何やら向こうも気まずそうな様子】 【現状に頭が追っつかず、男は小さくあー、とも、うー、とも付かない唸り声を上げつつ、しばし思案して】 【ようやく、自分が魚直撃事件の加害者だと気付かれていない可能性に思い至る】 ……まあ、そりゃそうだろうね。 【言うべきか、言わざるべきか。苦笑いを浮かべて生返事しつつ内心悩みに悩んだ結果】 いや、構わないよ。寧ろ俺の方こそごめんね。その魚を釣り上げたのって、実は俺なんだよ……。 本当に、大丈夫? 俺は兎も角、女の子の顔に痕でも付いたら大変だ。倒れた時にどこかぶつけてない? 【結局、このまま黙っているのも良心が痛むので、彼は正直に全てを打ち明けることにした】 【人懐こい笑みを浮かべて頬を掻きつつ、相手の謝罪を軽く流すと、こちらも謝罪を返し】 【直撃した場所が場所だけに、しきりに女性の容態を気にする素振りを見せる。下手をすると無理矢理にでも医者に引っ張っていきかねない勢いだ】 【きわめて殊勝な態度だったが、強いて欠点を挙げるとするならば、時折目線をちらちらと脇の魚に向けている事か】 【ぐったりし始めたこの生魚の事が、ずいぶんと気になっているらしい。そりゃまあ、随分な大物だけれども】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/303
304: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 05:10:29.64 ID:AbzjfeUxo >>303 【介抱してくれた相手に張り手とは自分が少し恥ずかしくなってしまう】 【どうしたものか、と気まずい雰囲気を醸し出していたら―――衝撃の事実、発覚である】 な、なんですって……? あなたが、釣り上げて……私に、ぶつけた、と? 【どうやったらあの大きな魚が私に飛来してくると言うのだ。少し驚きつつも、疑り】 【とはいえ彼女はプライドの高い女性だった。身長を除けば、彼女は自分の外見に自信があった】 【その顔面に魚を激突させて来たのだから――――とはいえ、張り手してしまったし】 ………ふぅ、まあ正直に仰ってくださったのなら、私も頬を打ってしまいましたから……許してあげますわ。 少しヒリヒリしますけど、魚臭い以外には特に問題はありませんわ。この程度で気絶、というのも恥ずかしいお話ですわ。 【まったく、自分の身体の貧弱さには最近なんというか落胆の一途をたどるばかりだ】 【直ぐに足を挫くし、体力切れで動けなくなるし……その果てが顔面に魚で気絶だ。笑い話にしかならない】 人のことは言えませんけど、こんな夜更けに釣りとは……余程、お魚が好きなのです―――――ね? 【平常心。もう別に怒っていないし、寛容な笑みを見せていた。特に顔に傷がついたというわけではないのだから】 【そうして、衝突の際に散らばった仕事用の紙面や、ペンを拾い上げながら会話していると、男の視線が何やら気になる】 【なんだろう、と目線の先を負えば……とても、とても、大きい魚が元気をなくし始めていたが】 …………ずいぶんとおさかながおすきなのですね? 【じろり、と男を睨む様に、責め立てる様に。そんなにも魚の方が気になるのか、と言いたげな眼だった】 【少し顔を顰めつつ、男に落胆のため息を見せて―――荷物をアタッシュケース仕舞い終えた。もう一度、男と魚を交互に見てため息をついておく】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/304
305: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 05:12:21.13 ID:RCMo5lcYo >>302 …………! 【今、自分は何をやった───?何が起きたのかわからなかった、だが】 【一瞬とても体と心が軽くなったような、『力と一体化した』ような感覚がした】 (今のは……クソ、体が動かねえな……もう一度今のが出来たら…) 【何をどうやって、どうして出来たのかわからないが、しかし、それはアーグに豆鉄砲を食らわす事が出来たらしい】 【だとすれば、それをもっと洗練し、手にすれば───その為には、ここで死ぬ訳には行かない】 【依然として健全なアーグを睨み付けてから、視界の端で出口を探る。記憶の中でそういえば、この空間には空があったと思い出す】 【さすればそこか、天野は再び、先程の感覚を思い出しながら身体中を焔で包む】 【寒気のする冷たい焔が身体中を包み、その源である憎悪が心を塗り替え雑色を無くして行く。だが今はその憎悪を目の前には向けず、もっと後に向ける】 【心の奥底にある源まで全て、真っ暗な深みに落としたなら───再び、天野の体は鎧に包まれた】 【鉄紺色の鎧は、龍の様に見えて、手足には剃刀のような爪と、肘や肩には鋭い牙が、そして背中には真紫のマント状のオーラの塊がたなびいている】 【己の体を力そのものとした今、体は思っただけでそう動き、肉体の重みが感じられない。一色に染め上げた心に迷いはない】 アーグ、テメェはゼッタイにコロす……オレはまたテメェをコロしにクるぞ クビをアラってマっていろ……! 【その声は、籠っているような、別の声と重なっているような、独特なエフェクトがかかっていて】 【放たれた矢の鏃を両手で掴む様に受けると、矢を放り投げた瞬間素早くキャップを拾い、跳び上がる】 【人間よりも遥かに高い跳躍力で教会を飛び出し、木々と岩場を蹴って登っていくと、空の隙間から外へと逃げて姿を消した】 【……そして、アーグのいた場所から離れた所で、三たび天野は崩れ落ちていた】 【心を一色に染め上げた事の心労や、肉体の多大なるダメージ、能力使用の反動など、理由を挙げれば枚挙に暇が無い】 【誰かに発見されるか、傷が癒えるまで、暫し休息を取る事を余儀なくされた天野は、考える】 【アーグを殺すには、あとどれだけ必要なのか───】 /お疲れ様でしたー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/305
306: アーグ ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木) 05:28:45.45 ID:QH7AGMIso >>305 【少年の――それは進化とは違う。変貌、と受け取ればよいのだろうか】 【執念をそのまま昇華させたような禍々しい鎧の姿、そして声。】 【――堪らない。大司教の眦は、刻一刻と変化を続ける少年の姿に囚われていた】 【まるで大好物を前にした犬か、それとも玩具を前にした幼児のように】 【ただひたすら純真に、興味を惹かれる対象が其処にある――だから、文句など言わない】 【攻撃のために放った黒矢がその役目を果たせずとも、仕方ない。】 【全く気にする様子など見せず、寧ろ攻撃を防ぐでも無く、掴み取ったことに感動すらして】 …――貴様は私を楽しませるために生まれてきたのではないのか? く、ククッ……!!心の奥底からそう感じるぞ、小僧……! 家族も友も、自分自身すらも捨ててまで私をころさんとする執念、か……。 【やがて少年は逃げの一手を選ぶ。そうしなければ、きっとアーグも殺すという選択をしたに違いなく】 【そして逃げたからこそ、アーグは後を追うことをしなかった。彼が単純な狂戦士ではなく――】 【撤退≠ニいう知的な選択をしたからだった。これから、まだ伸びる。まだ見ることが出来る――!】 圧倒的な矛盾を孕んでおるわ……何のために私を殺すのだ? ……フ、フフッ…。復讐、仇討ち……最早、それは通り越しているのではないか。 殺すことが執着……そのためならば、何もかもを投げ捨てる覚悟。 ……欲しいな。あのような小僧は実に良い素体になる、が…―― ―――――もう暫く堕ちてゆけ。深淵を覗いて抜け殻になったら、拾ってやる。 【崩れ落ちた少年――天野ソラには、南国の暖かな風と陽光が降り注ぐ】 【まるで凍った身体を溶かすように。或いは勇気づけるように】 【しかし――当の少年が思うのは、きっと太陽の事などでは無いのだろう。風の音が俄に、冷たいものに感じられた】 /こちらこそっ、大変お疲れ様でしたー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/306
307: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [] 2015/03/12(木) 06:05:35.68 ID:YwcPYRcT0 >>304 うん。俺が釣り上げたらこいつが身をよじって、針が外れて、そのまま勢いでぽいーっと飛んでっちゃって。 【何だか懐疑的な様子だったので、もう一度筋道立てて説明しておく。こうして言葉にしてみると、何とも間の抜けた話で】 【疑われるのも無理はないが、事実そうなってしまったのだから仕方ないのである……】 ありがとう。……大事ないみたいで、ほんとに良かったよ。 君みたいな可愛らしい子に何かあったら、俺、後悔しても仕切れないとこだった。 ……え、そうかな? 結構な大男だって、顎の辺りをこう、いい感じに小突かれたらオチちゃう訳だし、人間って意外と脆いもんなんじゃないの? 【さて。謝罪ついでとばかりにさらりと気障な台詞を吐く男だが、別にこの期に乗じてナンパしようとか、そういう下心がある訳ではない】 【まあ、とりあえず褒めておけば多少態度が軟化するかなあ、という思惑は無きにしも非ずだが──】 【謝罪の気持ちと、彼女が可愛らしいと思った事については本心からのものである】 【さておき。虚弱体質を気にする彼女に、経験則からくるフォロー(余談だが男は落とされた側である)を入れたのち】 いやさ、ちょっとした頼まれごとでね。釣り自体はそこまで好きって訳じゃないんだ。 ただ、クライアントがどうしても釣ってきて欲しいっていうからさあ。結構なお得意様だから、逃すと色々響くんだよ……。 【視線の先を辿られている事は露知らず、溜め息交じりに肩を竦めて、そんな事をボヤくのであった】 【振り向いて釣り道具一式をあらため、魚を拾い上げてシメてクーラーボックスに放り込む背中からは、どことなく仕事人の悲哀が感じ取れる】 …………アッハイ、ごめんなさい。許してくださいお願いしますなんでもしますから。 【そんなこんなで再び女性に向き直った男。ここでようやく、自分が白い目で見られている事に気付く】 【これには返す言葉もなく、すぐさま再度頭を下げて全面的に謝罪。えらく腰が低い。放っておけば土下座しかねない勢いだ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/307
308: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage] 2015/03/12(木) 06:15:38.93 ID:YwcPYRcT0 >>304 //すみません、寝落ちてました……。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/308
309: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 06:30:21.06 ID:AbzjfeUxo >>307 ふふ、顔に傷でもついていたら生涯かけて償って頂く所ですわ。 【人間って意外に脆い――確かに、と彼女は納得する】 【むしろその逆もまた然りなのだが……なんにせよ、男の言葉は全て肯定しておいた】 【その中の”君みたいな可愛らしい子”という言葉にはにっこり、とだけ笑みを返しておく――言われ慣れてる模様】 【とりあえず脅し言葉を突きつけておいた。別に責任を取ってもらうつもりはないけども】 …………そうですか。 【さて、クライアントがどうとか宣う彼―――この私になんでもすると言ったわけで】 【その瞬間、彼女の笑みが禍々しさ全開と言うか、悪巧み顔というか、悪女顔というか】 【とにかくねっとりとした笑みは畏怖を覚えさせるに十分であり……】 何か、お仕事をされてるんですね? 察するに便利屋さん? ふふ、なんでもいいですわ。 ちょうどこの辺りを開発しようと思いますの……動植物豊富の様ですし、キャンプ場でもサファリパークでもなんでも出来ますわ。 それに付随して、遊戯施設も作ればこの辺りも活気づきますわね――――というわけで、私のお仕事をお手伝いしませんこと? 【この辺りを開発し、近郊外を発展させる……という目論見】 【まだ彼がどんな仕事をしているか聞いていないのに、それはどうでもいいと言わんばかりの勢いで】 というわけで、この近隣に住む方々も居ますし……大規模な開発になりますから、当然退去だとかそういういざこざもございます。 ですが、中にはやはり中々聞き入れていただけない方もいますので―――説得をしてくださいませんか? あぁ、この近くの民家100軒程です。リミットは一週間という所ですわ。引き受けてくだされば嬉しいですわ! 【それは建設会社とかその辺りの人たちがやることであって……というのはないらしい】 【キラキラ、と愉しげに役割を伝える彼女―――見えるだろうか、この廃墟や周囲の森、川……全てが夢の国(?)と化す未来が】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/309
310: リリルカ・メリフルアス ◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木) 06:32:41.10 ID:AbzjfeUxo >>308 /どうしましょう、ここらで一旦明日以降に持ち越すか、次のレスで無理やりにでも締める……と言う感じにいたしますか? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/310
311: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga] 2015/03/12(木) 18:34:15.43 ID:M3tjOb1bo 【繁華街】 【曇天が街を覆い尽くしていた。やがて降り出す雨は次第に勢いを増し、帰宅の途に着く人々が小走りに行き交っていく】 【そんな雑踏で幾度となく肩をぶつけ、ふらふらと彷徨うように歩く青年がいた。傘も差さず、雨に降られるがまま】 【淡い茶色の髪から水滴が滴り落ち、黒縁メガネの奥の瞳の色はレンズに映る曇天のせいで読み取り難い】 【黒のスーツは雨に濡れタイトな身体のラインを晒し、青地に黒の星柄のネクタイは水を吸って重たげに揺れていた】 【革靴は踏み進む度びちゃりびちゃりと不快な水音を鳴らし、時折水溜まりを大きく踏み付けるのも最早気にしないようだった】 ──……、…… 【次第に人気の無いシャッター街へと入って行くが、青年の足が止まる様子はない。何処か、人を遠ざける空気が今の彼にはあった】 【此処は治安の良くない地帯だ。若いリーマンが一人ふらふら、格好な餌食とも言えたが──或いは彼が、餌を待つ蜘蛛なのか】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/311
312: 柳小猿+小狐 ◆5CR8PxLmeE [sage] 2015/03/12(木) 19:23:07.44 ID:Om7F0pYV0 「―――ほんとうに、酷いですね。」 水の国・交叉の街アトラヴェル。 そこの旧市街と呼ばれる区画に足を踏み入れ、その惨状に僅かに侮蔑を含んだ声音で、その少女はそんなことを呟く。 そこは幼い少女の言葉通り、とてもじゃない限り人が住めないような場所だった。 先程歩いていたまさしく『大都市』といった風の景観の場所と同じ街だとは思えない位である。 最初に綺麗な側面を見てしまったが故に、辿り着いた旧市街に対する少女の不快感は上昇する。 「ここの時点で既に荒廃としているようですが……『あちら』は一体どうなっているのでしょうか。」 そう言いつつ歩く少女の姿は、そこではかなり目立つ格好だっただろう。 2つのお団子を模している黒髪は、夕陽に照らされ僅かに赤味を帯びている。 紅の胴着は一際目を引き、ズボン・靴と見ても装飾等はなく地味ではあるがキチンと手入れが行き届いている。 それに加えて、彼女の右肩に乗って暢気に欠伸をする金狐ですら、丁寧に世話をされているのか毛並みに汚れ一つないのだ。 服装がやや珍しい形状なこともあって、旧市街の人間でないということは一目瞭然だった。 現に、先程すれ違った男には何か奇妙なものを見る目を向けられた。 こちらからも思い切り睨み返してやったが。そそくさと逃げてくれた辺り職を失った放浪者…もしくはその家族の類いだろうか。 そういった無害な人間だけならいいのだが、恐らくそういう訳にもいかないだろう。 周囲に若干警戒を示しながら少女は塗装の剥がれた路地を歩いてゆく。その手にはしっかりと武器が握られていた。 /少し早い気がしますが絡み待ちです。 /日付が変わるまで募集してます。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/312
313: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage] 2015/03/12(木) 21:11:55.53 ID:BJAUvQSio >>312 ──観光客の冷やかしなら、帰った方がいいな。 【道の脇から、そう、少女に向けて声がかけられた】 【道端の椅子に座っていたのは、すらりとした女だ。──胸元まで垂らされたプラチナブロンドと白い肌は、雪国の出であろうことを思わせる】 【服装は金具で内側を止めたチェスターフィールドコートに、インにはスポーティなホワイトのタートルネック】 【右肩から先は欠損しているらしく、彼女が動く度に、袖が柳の様に揺れる。脚も悪いのか、左手では杖を突いていた】 さっきの彼が、君を奇異な目で見るのも当然さ。 「こういう所」に来るのなら、ドレスコードぐらいには従うべきだよ。郷に入れば、と言うやつだ。 ……と、言うよりも、それ以前の問題か。どうでもいいんだけど。 【咎めるような口調とは反対の、面白そうな、からかう様な口調で話す。──そう言う彼女の服装も、ここに似合う物ではないのだが】 【それでも、欠損した右腕と杖が、寂れた街の風景とマッチしていたのも事実だった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/313
314: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga] 2015/03/12(木) 21:16:25.15 ID:M3tjOb1bo />>311であと一時間程待機しますー http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/314
315: クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/12(木) 21:27:07.58 ID:F+5cAmx0o >>311 むぅー……なかなかいいのがないですねぇ 【雨のなか、周りのお店をキョロキョロと見回しながら白い髪の少女が歩いている】 【普段とは違い雨傘を差した少女の目的はただひとつ、バイト探しである】 【目的のない日々からの脱却を目指し、とりあえず思い立ったのがそれだったわけだが……】 (意外と見つからないものですねぇ、求人) 【まだ景気もよくはないこのご時世、そうポンポンと就職先候補が見つかるでもなく】 【そのまま求人を求めて、繁華街を進んでいく】 【気がつくと、そこはシャッターの閉じた店の方が多いくらいの寂れた場所であった】 あっれ、いつのまにこんなところまで……うーん、もう帰りましょうか…… 【こんなとこに求人が転がってるとは思えない、引き返そうとすると、不意に妙な男の姿が目に映る】 【こんな雨のなか傘を差さないというのはよっぽどの物好きなのだろうか……】 //絡みおなしゃす http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/315
316: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga] 2015/03/12(木) 21:36:19.60 ID:M3tjOb1bo >>315 ──……あーあ、もっと気分の違う日に会いたかったかなぁ 【ぼそりと呟いた青年は、雨に濡れた髪をぐしゃりと掻き上げて相手を一瞥した。どうにも、穏やかでない視線だった】 【苛立ちに塗りたくられた双眸は、眼前の白髪の少女を視界に入れてもその獰猛さを隠さないままだった】 ……俺、見世物じゃ無いんスけど。邪魔、 【そう狭くもない通り、それでいて無理矢理に、相手を避ける事も無いまま青年はふらつく歩みを進める】 【相手がそのままでいれば肩と肩がぶつかるだろうが、青年はまるで意にも介さない様子だった】 【──殺気立っている。そんな気配をありありと漂わせる彼は、それでも未だ、攻撃の対象に相手を入れていないようだ】 /よろしくお願いしますー http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/316
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