[過去ログ] 【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
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574: [sage saga] 2015/03/17(火)00:25 ID:r6hpZdR80(1/2) AAS
【静まりかえった夜の街。この時間に出歩く者と言えば精々旅人だとかその程度】
【――――さて。そんな街の公園に備えられたベンチに一人の姿。緑色のローブを纏った女が座っていて】

「良し……これで下調べも終わったし、今できる事はこれで全部かな……?」

【隣には積み上げられた学術書。見る者が見れば其れは遺跡や遺物に関する事が記されているのだと分かるだろうし】
【そうで無い者が見たとしても少なからず専門的な物であると理解出来る筈で】
【「ん――――」なんて声と共に背伸びをすれば時計を見遣る。時刻は夜更けと言っても差し支えない時間】
【憂鬱げに溜息を吐いたならば積んでいた書物を膝の上に移動させて】

「思ったよりも遅くなっちゃったな……どうせならこのまま直接行っちゃっても良いんだろうけど……
ううん――――まだ宿が空いてるとも限らないし……」

【果たしてこの時間、宿に空きの部屋などあるのだろうか】
【無ければ無いで今からでも己の目的を果たしに行くか、でなければまた別な街へ行って宿を探すか】
【瞬く星々を眺めながらぼうっと考える様は正しく悩める人】
【加えて、ベンチは灯りの下に備えられているのだからその姿もよく目立つのだけれど】

【櫻の国。最早誰も訪れる事が無くなる程に朽ちた神社】
【普段ならば一つの気配も無い筈なのだけれど――――今宵は、其処から妖気を感じ取る事が出来て】

【石畳の階段を上ったならば、見えるのは風化した鳥居と小さな社であろうか】
【――――社の前に立つのは、巫女装束を纏い翡翠の首飾りを下げた一匹の妖狐】
【目を瞑り、手を合わせている所からして参りでもしているのだろう。然れど、廃れた場所に神も残るのかは疑問だが】

「…………」

【其れも終えれば、神社から去ろうとして――――新たにこの場に訪れた者と出会うとすれば、そのタイミング】
【耳と尾を立てて居る事から余程驚いている事も知れるだろうか。抱くのは敵意だとかでは無く、怯えた様な――と表すのが適切で】
【元より害意を抱いた者がこの場に訪れたのだとすれば少女にとっての不幸】
【或いは、漂って居た妖気に疑問に思って訪れた者だとすれば――――話はどの様に転がるか】
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