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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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644: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 20:21:06.25 ID:rfF8FLkho >>642 【男は、仕事の都合でしかたなーく裏路地を探索していた。】 【裏路地、という言葉に一般人はあまり良い印象を受けず、男も例外でない。】 【なにせ「裏」である。あやしいニオイがプンプンする。すれ違う人達もカタギではない格好、思わず顔を引きつらせる。】 【そしてなにより、スーツ姿で来たのが間違いだった。周囲から浮いているのを自覚しつつ歩調を早める】 【カオスと化している屋台を見付け更に早い歩調で通り過ぎようとしたのだが、不意に男の足が止まる。】 ……クンクン 【……なんだろうこのニオイは。どこかで嗅いだことのあるニオイ。思い出せない――】 【どうやらニオイの発生源は屋台のようで、回れ右して屋台の前へ。不信な行動だが本人は気付いていない。】 【男は鼻をひくつかせ、何のニオイか考える。当然店主に申し訳ないと思ったので、商品に興味があるように振舞ながら。】 あー……ここの商品、みんなイワク付きみたいな雰囲気を出してますね。 何か商品に関するエピソードとか聞かせていただけますか? /いらっしゃればっ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/644
645: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/18(水) 20:36:08.82 ID:VKwlPg0D0 【川沿い――桜並木、曇り空の昼下がり】 【日差しは弱いけれど暖かい午後の日、今日だけ見れば、春と言われても十分に信じられ】 【日向ぼっこでもしてきたのか毛をほこほこに膨らませたドラ猫が大あくびで通りすがる、そんな、川沿いの風景】 よっ……、と、あっくそ、大人しく――。 【街の中心からは外れているためか人通りが少なかった。だけれど、ぽつぽつとすれ違う程度には人気があり】 【それならその姿はよく目立っただろう。等間隔で植えつけられた桜の木、やっと数輪の花をつけた一枝に伸びる手】 【まして高いところの枝に手を伸ばすなら余計に目立つ。なんせ、二メートルも身長のあるような人物が、しているのだから】 【色素なんて持たない真っ白の髪は尻を越すほどまで伸びる、ただ、光の加減で時々青白く見える気がして】 【硝子越しに血を透かせたような色の瞳は眩しいのか手が届かないのかで細められていた。或いは悔しげ――で】 【服装といえば色味の薄い、彩度のいたって低い和服。帯もそうなら、かざりっけなど消えうせて】 【下駄の爪先をさらに伸ばして背伸びして枝を手折らんとする、その不審者は男だった】 【多分白昼堂々という言葉はこういうときのためにある。植えられた桜は間違いなく公共物で、】 【子供だって折ったりしたらいけませんと習う。それを、いい年した彼は知らないのか、悪びれないのか】 【精一杯に指先まで伸ばした先で桜の枝がからかうようにそよ風に揺れる、男にしては長い爪も――まだ届かないみたいだった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/645
646: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 20:40:14.21 ID:Q2YK1wGZo >>644 「あァっちの準備は順調じゃアねェしな……うゥむ、こォこいらで一発、街ごと頂く戦法も……」 【なんて、椅子に座って脚を組みながら一人ブツブツと呟く店主。不審さでは負けず劣らず】 【――道行く人々の中には、この店主に挨拶をするものもいる。店に立ち寄るわけではないが、やはりこの店主は裏の者か】 「しゃアっせー」 【適当に挨拶をしつつ、この屋台に立ち寄った男の方に顔を向けて】 「ククッ、曰くなァんてねェさ……俺様が適当に売ゥってるだけだ」 「――――こォーいう像は、俺様の部ゥ下共が……昔、人間共から貢がれた物を元に作ってる」 「俺様は仕ィ上げしかしてねェーが、質は中々だ――"魂"が籠っているからなァ」 【青銅製らしい像を一つ持って見せつつ、商品に関する説明を始める店主】 【これは"翼の生えた蛇"の像だ、大きさは大体20cm位で、羽毛の様な質感をしている】 【――そして、なぜだかこの像から視線を感じるだろう】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/646
647: リヒト・マグダウェル [sage saga] 2015/03/18(水) 20:40:44.60 ID:8zMRta+E0 とある教会】 【月の光が差し込み神聖な礼拝堂をさらに神秘的に見せて】 【特に凝った装飾もなくシンプルな教会の中に人がベンチにどっかりと座っている】 やーれやれ、どうしたもんかね 【ベンチの肘掛に肘をかけ悩ましそうに頬ずりしている一人の男】 【だるそうな雰囲気で長袖の灰色Tシャツに灰色パーカーのを着て、下には長ズボンを着用し】 【髪は黒でショートカット、瞳は濃褐色で目つきはだるそうでサングラスをかけている】 【そしてパーカーの袖口にはGIFTのシンボル金十字架のエンブレムがあった】 最近、他の連中との連絡が取れねぇ、しかも俺たちの活動が下火だと来た まぁ、小さいことならやってるんだが、さすがにこれだと大規模に動くことをためらうぞ 【頬ずりをやめて一回大きくため息をつき教会の天井を見渡し、なんもねぇという感想をつぶやく】 【そして、飽きたのか天井から顔を戻して再びため息ののち考える】 ……なら俺が動くとしようかね、さすがに忘れ去られたままじゃ困るものな 【そう言うやいなやベンチから静かに立ち上がる】 【このまま誰も来なければ彼はそのまま教会から出て行くだろう】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/647
648: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 20:58:34.00 ID:rfF8FLkho >>646 【物騒な人が店主だな……まあこんな通りに店を構えているってあたりからすると順当か……】 【街ごといただく――なんていう台詞と独特の口調に少し戸惑いながらも店のものを覗き見る。】 へぇ……魂が籠もっているんですか……面白い表現ですね。 【適当に場をつなぐために発した言葉だったのだが、店主の思いのほか親切な商品説明に意表をつかれ】 【しかも中々興味深い話だったので食いつき、少々居座る気のようだった。店主の『比喩』が気に入ったらしかった。】 【しかし昔人間に貢がれた――とか、一体何を言っているのだろうか?】 【貢がれるということは位の高い身分にいたのか?いや、それにしては人間という種を見下しているような……】 【男は店主が持ち出した像を見ながらそう考え、一体何者なのか問おうとしたところで自分を見つめる視線に気がつく。】 【いや、実はもう少し前から気がついていたのだけれど、その現実から目を背けていただけなのかも知れない。なにせ像からの視線なのだから。】 えーっと……その像、気のせいかも知れませんがコッチを見ているような気がするのですが……。 ホントに曰くつきの代物じゃないんですか……? 【恐る恐る、といった様子で店主に問う。否定して欲しい、と心の中で思いながら。笑って「そんなわけあるか!」と一蹴されることを期待しながら】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/648
649: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 21:16:45.98 ID:Q2YK1wGZo >>648 「ククッ、そォうだろう――まッ、モノを作る奴らはみィーんな、魂を籠ォめるとか言ィうけどな」 【"俺様はそんな奴らとは違う"、その口調は暗にそう言っているかのような、小馬鹿にしたそれ】 【青銅像の頭を指先で数回ほど軽く――生き物に行うかのように撫で】 「んゥ? 視ィ線?」 「ククッ、――だァから言ィっただろう? 曰く付きじゃアねェと」 【――この頬のつり上がり具合、……もし本当に知らないならば、笑いをこらえる必要なんてない】 【すっ、と相手に向けて青銅像を差し出す店主】 【勿論、受け取るか否かは自由だ】 「そォーだな……持ォってみりゃアわァかる、たァだの青ェ銅だ」 「……クククク」 【曰く付きか否かを判断するのに、持ってみればという選択肢は少々おかしなものがある】 【また、幾ら細身の生き物とは言え、20cm程の大きさの青銅像となればそれなりの重量があるので注意】 【なお、もし受け取ったとしても、呪われることはないと予め記しておく】 【……但し、青銅像と思われたその蛇が己の腕に巻き付こうとしてくるという、ある意味呪いより恐ろしい事が起こるのだが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/649
650: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 21:29:14.96 ID:rfF8FLkho >>649 ……まるで自分は違うとでも続きそうな言い方ですね。 先程の人間を見下した雰囲気といい、あなたは普通の「人」……ではないんですか? 【まあもっともこんなところに店を構えている時点で普通の人ではない訳で。】 【この質問には矛盾が生じるのだけれど、男は気付いているのだけれど質問する。】 【この人は何か自分と近いものを抱えているのか……?さっきニオイといいこの雰囲気といい……】 えっ、あ、触っても大丈夫なんですか……? うわ……結構ズッシリとしてて重いんで――――ッ!? 【店主から青銅の像を受け取り、その重さに驚きながら、内心呪われるんじゃないのかとおっかなびっくりしながら像を検分し。】 【そして気が付く。動くはずのない青銅の蛇が自分の腕に絡みついていることに。】 【ヒンヤリと冷たい感覚が、だんだんと上の方へ上がってきて声にならない悲鳴を上げる。】 【気持ち悪くて振りほどきたいのだけれど、それは売り物、壊すわけにはいかなくて。】 【蛇に睨まれたカエルのように立ちすくみながら、ただ像が腕に巻きつくのを止めてくれという視線を店主に送ることしか出来ない。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/650
651: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 21:47:46.07 ID:Q2YK1wGZo >>650 「ほォう、――鋭い野ァ郎だ」 【瞬間、その目線に強い"邪気"が籠もった――攻撃のためか? 否、……単なる主張だろう。】 【もし攻撃の意志があるならば、もう既に何かしらの行動を起こしているに違いないのだから】 「確かに俺様は普ゥ通の人間とは訳が違い過ゥぎるな」 「どォの辺りが違うかはテメェーなァらわァかるんじゃアねェか?」 【と、腕に巻き付く青銅の蛇を見ながらのんきにそう言う店主。】 【すっ、と手を蛇に伸ばし――男が抵抗しなければ、その蛇を掴むだろう】 【それに成功すれば、蛇は巻きつきを止め、代わりに店主の腕へと巻き付くはずだ】 「ヒャハッ――だァから言ィっただァろう? ――魂が籠っていると」 【……本来比喩であるべきその言葉は、今は比喩でも何でもない事実だった】 「青銅の幼体の"羽毛のある蛇"――とでも言ィおうか、置物と警備を同時に行える優れものさ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/651
652: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 22:00:40.84 ID:rfF8FLkho >>651 【腕に巻きついた蛇を見ながら暢気にしゃべる店主、早く取ってくれと言う目を向ける男。】 【そんな見えないやり取りがあり、ようやく蛇は男の腕を離れ、一息つける展開に。】 【しかし、あの蛇人に巻きついている姿は中々かわいらしいじゃないか。なんて思いながら、息を整える。】 えーっと魂が籠もったものなのに今まで名前がなかったんですか、ソレ…… 【そんな店主の適当さに脱力しつつ。だがようやく今、店主の正体に確信がもてたようで。】 【判断できたのは店主の目の色。】 【以前、鏡で見たことがある目だった。やはり、似ている。そう、悪魔化した自分に。】 【しかし本物に会うのは久しぶりで、しかも部下もいるというのだから良家?の悪魔なのだろうか。】 【すこしかしこまったように、スーツの乱れを直すと単刀直入に言う】 あなたは、悪魔ですよね? 【当然自分のもつ悪魔の力も露見しているのだろうと思いながら、特に警戒せず】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/652
653: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 22:05:34.74 ID:rfF8FLkho >>652 【もうほぼ同類みたいなものだし警戒しなくてもいっか、という短絡的思考で。】 【厳密には厄介は悪魔と契約した人間なので同類とは違うのだが。】 /途中送信っ /これ追加でお願いします http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/653
654: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 22:13:50.85 ID:Q2YK1wGZo >>652 「名前なァーんて、付ゥけたい時につゥけりゃア良ォいんだ」 「もォっとも、本人に気ィに入られなきゃア付ゥけた意ィ味はなァくなるがな」 【腕に巻きついた蛇を屋台の空きスペースに誘導し、そしてとぐろを巻かせる】 【そうすれば、蛇はまた置物のように微動だにしなくなるのだった】 「――ククク、御ォ名答」 「やァはり同ォ族の"におい"はわァかるものだな」 【左手を顔の高さまで上げ顔に当てて、ついでに決めポーズ(のつもり)をとる】 【――その左手の皮が黒色に染まる、赤い模様が生まれる、手は紫色の毛・手首は黒色の毛に覆われる、爪が鋭く赤くなる】 【これは……そう、間違いない、――"悪魔の左手"だ】 【口だけじゃあ嘘と捉えられるかもしれない、だから実演した】 「俺様は超ォ強ェ悪魔、邪ァァアア禍様よ!」 「――賞ォ金付きさ」 【賞金……そう言えば、指名手配されている数々の犯罪者の中に、邪禍という悪魔がいたようないなかったような。】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/654
655: 金梨 厄介 ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 22:33:51.85 ID:rfF8FLkho >>654 【気に入らなくとも、やはり名前がないと呼ぶときに不便なのではないか?】 【なんて一瞬思うも、相手は人じゃなくて物なのだからなくてもあまり困らないだろうという結論にいたる。】 【はたして青銅の蛇がその名を気に入ったかどうか。定かではない。】 【そんなことを考えているうちに、店主が悪魔だということを明かし。】 【腕だけを悪魔化させその証を示してくれるのを確認する。ここは自分も腕をみせるべきだろう。】 【そう考えた男は不意に財布から硬貨を掴むと、咀嚼。同じように片腕を悪魔のそれに変えてみせた。】 【もっとも悪魔といっても十人十色。赤い模様などは浮き出ず、ただ鋭く黒い鉤爪と】 【蛇のようにサラリとした鱗状の皮膚が浮かび上がる。】 邪禍さん……ですか……?しかも賞金付き? どうやら私とあなたは似ているようだ!金梨厄介です、同じく賞金付き。裏ではカネクイムシ、なんて呼ばれてます 【ハイテンションな邪禍の自己紹介、以前手配書を見たことがなければ二度聞きするところだったと苦笑】 【そして、邪禍と自分の共通点の多さに驚きこちらもテンションが上がっていく。】 【裏路地ってのも捨てたもんじゃないな、なんて思いながら。】 【そしてその親近感からか、少し打ち解けた様子で更に質問をする】 しかし邪禍さん、どうして値札を付けていないんですか? 付いていた方がお客も立ち寄りやすいでしょうに。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/655
656: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 22:53:26.49 ID:Q2YK1wGZo >>655 「ククク、そォーよ――人間共にちょォーっとちょォっかい出ァしてたら賞ォ金をかァけられちまってなァ」 「なァんだ、テメェーも賞ォ金首か――人間共は少し道を逸ォれた奴らをすぐ始ィ末しようとすゥるからな」 【テメェーが何をしたかは知らないが、名前からして金絡みか――と、言っていることから】 【相手も追われる者ということは今始めて知ったのだろう、もっとも知ったところで覚えてくれるかは怪しいが】 「――値ェ札がねェーのは単純な事、俺様は貨ァ幣以ィ外の支ィ払いも受ゥけ付けているからよ」 「人間共は何でもかんでも貨ァ幣で取引しィよォーとすゥるが、俺様は"そォれに見ィ合う価ァ値があァるモノ"が貰えりゃア何でも良ォいんだ」 「今は竹輪しか持ォってねェって言ィう場ァ合でェも、俺様の店は何かを買ァうことが出ェ来るってわァけだ」 【ポーズは既に解除済みであり、悪魔の左手はいつの間にか元の人間を模した手に戻っていた】 【そして、その左手に握られたチクワ(多分おでんの具だったもの)はきっと話の流れから用意したものなのだろう】 【どこから出したのか?】 【――手を握り、そして離した時にはもうあった。】 「貨ァ幣ももォのもなァーんにもねェーって奴は、己自身で支ィ払う事も出ェ来るぜ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/656
657: ミーレ=スティーバ ◆db8egkjV8E [sagesaga] 2015/03/18(水) 23:00:49.96 ID:wAOGXIvIo 【某国のとある路地裏。昼間でも薄暗い此処は、夜になれば更に闇を増して華やかな繁華街の隅にひっそりと存在していた】 【そんな路地裏。そこでは様々な裏取引の中で、「命」という名の物までもが一方的に取引されていた】 「――――――……終わった。じゃあ、また」 【ピ、という音とともに携帯電話の通話画面が消える。そのまま携帯をポケットに入れて、なにか取り出し始めた1つの人影】 【灰色の首まで伸ばした髪に、同色のキャスケット帽を被った背の低い少女だ。前髪で左目が隠れている。】 【紺色のPコートに少々傷んだ所謂クラッシュデニム。首にはチェック柄のマフラーを巻いて、履くのは赤いスニーカー。至って普通の服装をしているが】 【パーツこそ年相応なもののその顔には一切の表情が見えず、まるで人形かのように眉すらピクリとも動かない】 【世界の何物も何とも思っていないような少女の前には、1つの死体が有った。服装からするに、自警団員の物】 【しかし、個人を特定するには至らない。なぜならその死体には"頭がない"のだ。首から上らしき細かい肉は、死体の周りに散乱していた】 【そして死体の頭が有ったであろう場所の後ろにあるコンクリ壁には、夥しいほどの血と此処にも頭だったパーツがぶち撒けられていた】 【まるで首から上を強烈な力で殴られたような死体。それを目にしても、少女は顔色を変えなかった。それが当たり前かのように】 【少女が取り出したのは何枚かの写真だ。それに写っているのは自警団、SCARLET、そしてUNITED TRIGGERといった正義に属する組織のメンバーの写真】 【その中から1枚―――先ほどの自警団員が収められたそれを取り出すと、二つ折りにしてまたポケットへと納めた】 「これで、15人目……」 【ポツリと呟き、死体の横を抜けて繁華街へと歩を進めようとする少女。返り血の一滴も付いていないその服装は、繁華街に出ればすぐに紛れてしまいそうで】 【とはいえ少女は素早く身を隠すわけでもない。後ろからでも前からでも、声を掛けようと思えば容易に掛けられるだろう】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/657
658: ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 23:14:03.16 ID:rfF8FLkho >>656 【きっと人を殺めたとか、そういう規模の話なんだろう。】 【自分とは畑違いの領域、しかし害さえ及ぼされなければ別段どんな事をしでかしていようが関係ない。】 【なんて事を考えていると、邪禍が店のシステムを説明してくれているところで。】 【男も邪禍にならって腕を元の、人間の状態に戻すと傾聴し。】 い、一体いつからチクワを手に……!? ……じゃなくて、お金じゃなくても取り引き出来るんですか? 【きちんと会話終了後にチクワに対してツッコんだのは評価できる点だろう。】 【話の腰を折らずツッコみを我慢するというのは結構もどかしかったりするのだが、そんなことはどうでも良い。】 【男は、お金以外でも取り引き出来るという制度に感心していた。】 【実は借金まみれで生活はカツカツ。しかしお金の対価とはどのレベルでの話なのか。】 【今日の晩飯作って、だとか。軽犯罪手伝って。程度なら喜んで購入するのだが。】 【まさか悪魔がそんなに優しいクリーンな物を見返りに要求するとは思えない。】 たとえば……その『羽毛のある蛇』をお金以外の方法で買いたいといったら? 【半ば冗談半ば本気。男は両腕を広げノーマネーで高価なものも身に着けていないことを示す】 【着ているスーツも、身に着けている腕時計も安物。はたしてどうでるのか?】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/658
659: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/18(水) 23:31:13.61 ID:Q2YK1wGZo >>658 「種も仕ィ掛けもねェー手ェ品で出ァしたのさ」 【チクワは隣の半ば飾りと化してる泥人形の口に突っ込んでおき――食事は出来るらしい】 「――と、つゥまりはそォーいう事だな」 「対価に見ィ合えばそォれで良ォい」 【但し見合うかどうかを決めるのは己の気分次第だ――と、付け加えて】 【そもそもの価値がどうなっているのかは言わないし、それ以前に気分次第なので聞いたところで意味も無さそうだ】 【店主は椅子(センス悪い)から立ち上がり、そして屋台の外にへと出て行くと】 「ふゥむ、そォーだな……あァれは15〜25万位ふゥっかけるつゥもりだァったが……」 「――うゥーむ、こォいつはこォのくゥらいとしィて…………」 【意外と低めの値段を提示する予定だったらしい悪魔は、相手を観察し始める】 【おそらくは"前述した価値に見合うモノを探している"のだろう、その内相手の顔に眼を向けたかと思えば】 「……そォーだな、文字通り素裸にしィても良ォいがそォれじゃア足ァりねェ、"片前腕"で手ェを打ゥとうか」 「あァ、なァーに"肉体はそォのままにしィておォいてやる"」 【――そのへんの浮浪者の前腕をよこせなんて言っているわけではまずないだろう、しかし肉体はそのままとのこと、では前腕の何を請求するつもりなのだろうか?】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/659
660: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage] 2015/03/18(水) 23:36:20.83 ID:cfVObxd9O 【町中】 ……んー……本当に何処なんだろ……? 【人々の間をすり抜けるのは春の夜風よりも冷たい空気】 【その冷気に人々がその先を見やればトコトコと歩く一人の少女】 【年は十五歳程だろうか? ハニーブロンドのセミロングに赤紫色のパーカーといった出で立ちで、腕を組んで何かを思案中といった様子】 ……適当に訊いても教えてくんなかったしなー、ゼン=カイマの場所…… 【呟きを耳にするとどうやらゼン=カイマの場所を捜している様子】 【少女は立ち止まると唸りながら無造作に頭を掻き】 ……しょうがないなあ、やっぱりそこら辺の聖職者辺り脅して聞き出すかなあ…… 【痛めつければ嫌でも言うでしょ、などと怖いことを呟きながら少女は辺りをキョロキョロと見回す】 【路地裏】 【仄暗い路地を薄く照らすのは微かに入り込んだ町の灯りと月明かり】 【その中に浮かびあがるシルエットは、地面に伏す幾つかの影と何かを持った櫻の人形】 【前髪は目元まで伸ばし両側は顎の辺りで切り揃え、後ろは肩甲骨の下まで伸ばした蘇芳色の髪に焦茶色の瞳】 【緋色の着物を左前にして着ている】 【年の頃は十代半ばといったところか】 【そんな、櫻の雰囲気が漂う少女】 ──つまらないわ、どうして皆死んでるの? 鞠で遊ぶのは飽きちゃったわ 【不服そうな表情で呟く彼女の足元に転がるのは、幾つかの物言わぬ死体】 【ぽい、と少女が放り投げたのは人の首】 【ごろりと物言わぬ死体の中に転がり出でて加わる】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/660
661: ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/18(水) 23:52:56.69 ID:rfF8FLkho >>659 案外ユーモラスなんですね。びっくりだ。 【日常の動作に手品を混ぜこむとはこれはどういうことなんだ?】 【真顔で手品されても気付かないだろうが、道化っぽく振る舞われるのも困るな……】 【なんて思いながら土人形に突っ込まれるちくわを見送る】 【気分しだいということは常連になるに連れて割り引かれる確率があがるということか】 【中々考えられた営業形態じゃないか、なんて店主の言葉に反応しつつ対価とやらを聞き、困惑する。】 片前腕?肉体には傷付けない……? 【何かの謎かけだろうか?片前腕ということはどちらかの腕の肘から先ということ。】 【そこまではなんとなく予測がつくのだが肉体には傷付けないという。】 【もしかして自分の契約している悪魔の片前腕なのか?悪魔が悪魔の腕を欲しがるか?】 【正直意味が分らなかった。しかし、面白い話を提供してくれて、ハイさようならというのはどうなのか】 【男の美学というか信念に反するので、ここは一つ取り引きを成立させることに。】 【自分の身になにが起ころうと、男は文句を言わないだろう。】 分りました。いえ意味は分りませんが、それを私は差しだしましょう。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/661
662: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage] 2015/03/19(木) 00:22:19.36 ID:NTVcLlbMo >>661 「ククッ、まァー普通はピンとこォねェーわな」 【私は答えを知っていました、そんな余裕を持った表情が相手を捉える】 【――店主は相手に接近する、何もしなければ一般的な人間のパーソナルスペースよりも踏み込むだろう】 「"ディルムサーセスプ"――"魂斬技"と言ィえば通ゥじるか」 「今、差ァし出すと言ィったな? なァらば好ゥきな腕を選びな、俺様はそォの腕を"斬る"」 【その手は既に手刀の体勢になっていた、こっちの腕を差し出すと言えばすぐさま斬りにかかるだろう事が予想できる】 【――さて、実際に任意の片腕を差し出した場合どうなるか】 【まず、店主は手刀でその腕の肘から先を斬りにかかるだろう】 【但し、手刀が当たったとしても肉体に当たることは一切なく、つまり外傷はゼロ】 【代わりに、その腕が持つ"魂"を斬られるのだ――もし成功すれば、切った片前腕の魂をもう片方の手で素早く捕えるはずだ】 【魂のみが切り落とされるとどの様な感覚になるのか、まず普通に痛い。実際の切断時くらいは痛い――だが、数分〜数十分程度で徐々に引いていく】 【ただ、痛みが引いても"肘から先が己の物でない感覚"――義手を付けているような感覚は残るだろう】 【なお、補足だが1〜2週間くらいで魂は治るらしい】 【無論、腕を差し出さなければ魂を斬られることはない。 が、"羽毛のある蛇"も手に入らない。逆もまた然り。】 /すみません、今日はもう落ちる時間になりましたので、持ち越しかここで適当に締めるかの二択でお願いします! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/662
663: ◆IjMn4A7nco [sage] 2015/03/19(木) 00:46:26.54 ID:Lz9YMaBNo >>662 【懐まで詰め寄ってきた邪禍に気圧され、思わず一歩後ろに下がる男】 【邪禍はそれほど迫力を有していたといえるし、己の迫力の使い方を心得ているともいえた。】 魂斬……?なんとなーくニュアンスは伝わりましたが…… 【なるほど、魂を貰うというわけか。確かにこの店主は、最初からこだわっていた気がする。】 【そう思い合点がいったようだった。しかし、魂を捕るのに手刀とは、なかなか面白い。】 【そう思いながらも男は対して躊躇わず利き手と逆をさし出し、斬られる。切り取られる。】 ……ぐぅぅぅ。これ、腕切れてんじゃ……ないかっ……? 【手刀が触れた瞬間、灼けるような痛みと感覚のなくなった手先。】 【まるで瞬時に義手に取り換えられたみたいな、そんな感覚。最悪の気分だ。】 えーっと……部分的に欠損した魂は時間経過で戻るんですよね…… なに、その程度の知識は持ち合わせていますよ…… で、では取り引き成立ということで。また会いましょう、邪禍さん。 【男は切られた腕を庇うようにして、青銅の蛇の像を受け取るだろう。】 【そして、痛みに顔を歪めながらも上機嫌で裏路地から姿を消した。】 /では〆ということにしましょう /長時間のロールお疲れさまです、ありがとうございました! /何時でも良いのですが羽毛のある蛇の補足があれば嬉しいかなぁなんて。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/663
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