[過去ログ] 【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
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645: [sage saga] 2015/03/18(水)20:36 ID:VKwlPg0D0(1) AAS
【川沿い――桜並木、曇り空の昼下がり】
【日差しは弱いけれど暖かい午後の日、今日だけ見れば、春と言われても十分に信じられ】
【日向ぼっこでもしてきたのか毛をほこほこに膨らませたドラ猫が大あくびで通りすがる、そんな、川沿いの風景】
よっ……、と、あっくそ、大人しく――。
【街の中心からは外れているためか人通りが少なかった。だけれど、ぽつぽつとすれ違う程度には人気があり】
【それならその姿はよく目立っただろう。等間隔で植えつけられた桜の木、やっと数輪の花をつけた一枝に伸びる手】
【まして高いところの枝に手を伸ばすなら余計に目立つ。なんせ、二メートルも身長のあるような人物が、しているのだから】
【色素なんて持たない真っ白の髪は尻を越すほどまで伸びる、ただ、光の加減で時々青白く見える気がして】
【硝子越しに血を透かせたような色の瞳は眩しいのか手が届かないのかで細められていた。或いは悔しげ――で】
【服装といえば色味の薄い、彩度のいたって低い和服。帯もそうなら、かざりっけなど消えうせて】
【下駄の爪先をさらに伸ばして背伸びして枝を手折らんとする、その不審者は男だった】
【多分白昼堂々という言葉はこういうときのためにある。植えられた桜は間違いなく公共物で、】
【子供だって折ったりしたらいけませんと習う。それを、いい年した彼は知らないのか、悪びれないのか】
【精一杯に指先まで伸ばした先で桜の枝がからかうようにそよ風に揺れる、男にしては長い爪も――まだ届かないみたいだった】
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