[過去ログ] 【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
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703(1): (チベット自治区) 2015/03/20(金)02:18 ID:SypAun70o(1/6) AAS
【夜も深い森の中、草木は眠り生き物さえも深い微睡みに落ちる頃】
【音さえ無い筈の其処で響くものがあった、それは人の息遣いと刃が鋭く空を裂く音】
【意せずして苦悶の声が漏れる程の鍛錬の声】
――――――――……っ!ひとつ!!
【銀の一閃は夜を別けそして融かすように】
【声の主の掌で踊るそのナイフは己の鋭さを誇らしげに表す】
【腕、そして掌から溢れる汗はやがて刀身に伝わる、雫が伝わり切先から落ちるその瞬間】
ふたつ、―――――――
【怒号と等しい声が重なるその瞬間に刃は眩いばかりの輝きを放ちその姿を変える】
【短刀、櫻の地方に多く伝わる冷たい刃を持つ剣は本来宿す「退魔」の気質をより強く受け】
【山紫水明、流れ溢れる水滴は清く弧を描いてやがて散る】
【踊るような刀剣の振りに担い手の長い白髪は揺れて惑う】
【一歩踏んでは突いて、二歩戻っては横に薙ぐそんな幾らかの定形、所謂「型」のような物】
【何度と無く繰り返したのだろう動きにやはり淀みは無いながらそれでいてどこか未熟であるのは若さ故か】
【赤と紫白の瞳の輝きは強くとも、その道に身を捧げている者ならば理解る事】
……………っ、ふー……
【かれこれ2時間程と続けた頃には手に握る刃は歪な剣へと変化している】
【壊れた剣を無理矢理に溶接したような不揃いな白磁色の剣は、不完全な「破邪」を宿し揺蕩う如く】
【それは担い手の心象を表しているようで、ならば彼もそれを理解しふと止まり呼吸を整え空を見上げる】
【振り返れば流れた汗で地面の土色は濃さを増していた、時の流れを忘れる程に集中していた】
【それ程までに専心せども求める物はやはり遠く、遠くと見上げた空に浮かぶ月だけが剣士をただただ見つめていた】
【どこか儀式めいた修練の光景、振るう剣の異能は同種或いは異種の物への誘引となる】
【誘われたならばぼんやりと見上げる青年がその場に立っていて、一呼吸置いて気がついたなら】
【「散歩か?」などと酷く日常めいた言葉でも掛けるのだろう】
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