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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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280: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 01:55:26.74 ID:RCMo5lcYo >>278 【蹴破った扉から差し込む光が、暗闇に慣れていた目を不意打ち、地下の腐った空気と違う新鮮な肺に入ってくる】 【毒の中からいきなり薬に放り込まれたみたいに、環境の急な変化が体の感覚を狂わせる、しかしそれも時期に慣れるだろう】 【三原色の光球が中を泳ぐ視界で、辺りの様子を改める。まるであの地下空間と繋がっているとは思えない緑溢れる自然の世界】 【だが、それに感嘆の声を表す前に、視界の奥の奥にいる『ソレ』の姿を見た瞬間から、もう他には何も見えない】 ───アァァァァァァァァァァァァァァァァーグゥゥゥゥ!!!! 【溜まりに溜まった憎悪が爆発し、慟哭が辺りの空気を震わせる。齢17の少年が出せるとは思えないような怒りの叫びだ】 【挑発に乗った?いや違う。何があろうと彼はこうしていた、叫びながらアーグへと真っ直ぐ駆け出し、両手に鉄紺色の焔を燃やす】 【この瞬間から少年はヒトから獣と成る、憎しみと怒りに囚われた復讐の獣】 【しかし、地下での芋虫による麻痺毒が効いているのか、動きが洗練されているとは言えず、油を注していない機械のようにそれはぎこちない】 【そうでなくとも、船でアレだけの数の能力者を相手取ったアーグだ、たった一人、能力者に成り立ての少年が向かって何になろうか】 【だが、そんな己の状態を見て歩みを止める事は不可能でしかなかった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/280
287: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 02:33:58.17 ID:RCMo5lcYo >>282 邪 魔 だ ッ ッ ! ! 【両手に燃やす焔を凝縮させ、硬質化させ、作り出すのは元の手より一回り程大きな龍の爪】 【鉄紺色のそれは、心を映し出したかのような禍々しい光を鈍く放ちながら、目の前から襲い掛かる植物達に振るわれる】 【足を止める事は無い、いくら傷使うとも進めれば良いと、小さな傷が幾つ出来ても気にせずに、天野は突き進む】 【取りこぼした植物達が作る傷からは、赤黒い血がネバつき、滴る】 【教会内へと飛び込んだ頃には、決して少ないとは言えないだけの傷がついていた】 アーグ!……アァァァァァァァァーグゥッ!! テメェは!何であんな事をしたァッ!!何のために皆を殺し、街を壊したァッ!!答えろ!! 俺がテメェを殺す前にッ!!理由を聞かせろォォッ!! 【『アーグを殺し、復讐する』……掲げる目的はそれ一つだが、それと同時に何故か問う、『スラウロットを壊した目的』を】 【何か目的が無くては、あんな大事件を起こす筈が無い。目的が無いなら無いで、それはそれで殺す理由の怒りが増えるだけだが】 【しかし、聞いたからと言ってわざわざ立ち止まり返事を待つ程悠長な余裕は心に持ち合わせていない。天野は叫びながらアーグへと突っ込んでいく】 【両手には未だ巨大な龍の爪、接近への妨害が何も無ければ、天野は右手の爪でアーグを肩から袈裟斬りに薙ぐ様に腕を振り下ろすだろう。身長が足りていない為に、『肩から』というよりは『胸から』程度の範囲になるが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/287
293: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 03:09:46.72 ID:RCMo5lcYo >>290 【巨大な龍の爪は、本物のそれと同じとは言えなくも、武器としては十分すぎる力を持っている】 【しかし、それだけで敵うのならばアーグという存在が脅威として語られはしない、杖に受け止められたかと思うと、それに対応する間も無く強い衝撃が天野を襲う】 ───……ガ…ァッ……!! 【まるで目の前で爆発が起きたかのような衝撃に、天野の体は弾き飛ばされ、呼吸も出来ずに宙を舞う】 【地面に落ちた天野の右手の爪は衝撃で割れて無くなっており、右腕そのものがグシャグシャに折れ曲がってしまっていた】 【度し難い苦痛、叫び声を上げても不思議ではない痛々しいダメージだが、天野は立ち上がり、アーグを睨み付ける】 ……『邪魔だから』……だと? 【今更何を言われようと、考えが変わる事は無い───例えばアーグの行動には深い理由があったとしても、それが世界の為だったとしても、一切変わらず彼はアーグを殺しにかかっただろう】 【故に、今更アーグの返答が悪逆非道に塗れていた物だとしても、今更『酷い』だのと宣う事は無い】 【しかし───それに対して激怒する権利は天野にだってある筈だ】 ふざけるな……!!テメェは人の上にでも立ったつもりか!? テメェなんかが!そんな理由で人を殺していい筈が無い!!そんな理由で、そんなゲームの魔王みたいな理由で、皆は……! ……───テメェは俺が殺す、命に違えても、地獄に落ちても、何が何でもテメェだけはぶっ殺す!!! 【ハエやネズミを駆除するように、街は壊された───そんな理由、聞いて怒らずにいられようか】 【より一層怒りを増した天野は、何度も何度も決意した事をハッキリと今一度口にする事で確立する。『自分がどうなろうと、アーグだけは殺す』】 【それは、家族や友達をゴミの様に扱ったアーグを許す事の出来ない怒りでも、自分がどうなろうと心配する人間はもういないと言う哀しみと現れでもあった】 【残った左手を高く掲げると、上にした掌に集まっていく鉄紺色の焔。渦巻いて渦巻いて、天野の心から幾らでも湧く怒りの如くその容量を増し、それを凝縮していく】 【やがて象られたのは巨大な槍、人に刺されば胴体を真っ二つに分かってしまいそうな程のそれが、左手を振るうと同時にアーグに向かって射出される】 【狙いは胴体……と言っても、その余りの巨大さ故に胴体以外を狙う意味がないのだが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/293
297: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 03:49:34.68 ID:RCMo5lcYo >>295 【空気の層の中に穴を開けながら、何物をもその憎しみで貫く渾身の槍───その筈だった】 【自分の力を過信していたのはあるかもしれない、でも、まさか予想出来ようか?……アーグが作り出したそれは、空間そのものに黒い孔が空いたような存在は、実際に目にした事が無くとも、何であるかを理解する】 ───ブラック……ホール……だと? 【目の前でアーグの能力を目にして、体感するのは、実際にはこれが初めてか。天野はそのまさかの規模に、目を丸くする】 【空の星々を、光すらも吸い込み噛み砕く宇宙の暗黒を、こうも簡単そうに呼び出すなどとは予想だにしていなかった】 【そして、続くアーグの言葉、自分が人より上だと、疑いもせずに言い切れるその精神の強さ。ブラックホールの驚きも相俟って返す言葉が詰まる】 【強ち否定し切れないのだ、これだけの力量の差を目の当たりにして、まだ殊勝でいられる精神を育てる時間は天野には無かった】 【そのせいで反撃に対する反応が遅れる───目の前に現れた純白が何を意味しているのか、理解した時にはもう遅い】 【腕、脚、腹───自身の力が牙を剥き、身体中に突き立ち、冷たい冷気が体の内から染み渡る】 【悪運強く頭部や心臓には刺さらなかったが、苦しみと共に生命力を焼かれるのを考えれば、即死しなかった分だけ運が悪いのかもしれない】 ───あ……がァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 【喉から吐き出される血と叫び、同時に出てこようとするそれが、痛々しく混ざり合い、教会を染め上げる】 【いくら返されたとは言えど自分の力、落ち着いていれば直ぐに消せた物を、今の天野にそう出来るまで時間がかかった】 【叫び声が止んだ頃には、身体中から腐ったような赤黒い血を垂れ流しながら、しかし辛うじて生きているといった状態の天野が、床に倒れて荒く息をしていた】 【苦しみにのたうち回り、被っていた帽子は脱げて髪や顔が自身の血と土に汚れ、最早憎悪の感情だけで立ち上がる事すら出来ないようだ】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/297
301: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 04:34:16.24 ID:RCMo5lcYo >>298 【体中が激痛に苛まれ、まるで動かない、初めて経験したが、これが『死にかける』という事か】 【天野の思考は驚く程にクリアだった、泣き叫ぶほど混乱せず、怒りを撒き散らすほど力無く】 【ただ、自分を舐めるように見るアーグの視線が不快で、それでいて、自分がこれから殺されるのかと思っていた】 【だが、予想は外れる───】 【アーグの持ち掛けた話は、空間の中を散ること無く真っ直ぐ向かってくる様に天野の鼓膜を震わせ、心を突き刺す】 【その通り、自分は弱い、アーグにはまるで叶わない、殺すだなんて以ての外で、逆に今、殺されてしまいそうな程】 【だがここでアーグに助けを求めれば、その力を埋める事が出来るかもしれず、更に何時だって(条件付きだが)アーグを殺すチャンスが生まれると言うではないか】 【わざわざ探す手間もなく、殺せるまで何度も何度も殺しに行ける、そう考えれば、『全てを犠牲にしてでも』と決意したのに比べて条件は緩い】 ………… 【今にも止まりそうなか細い呼吸を必死に行いながら、天野は視線をアーグに向ける。すぐ目の前にあるのに、とても遠い】 【『条件を呑んでも、貰うだけ貰って裏切る事だって…』そういう浅はかな考えもあって、いよいよ条件を呑むかもしれないとして来た時】 【ふと落とした視線の先には、被っていたキャップ、そしてそれに付いた缶バッチ】 (……俺は───) 【脳裏に浮かぶは、幸せだった日々。責任感が強い父と、優しい母と、人懐っこい妹と……沢山の友達や知り合いと過ごした日々】 【それを全部奪われた時、なんと思った?『許せない』?『腹がたつ』?───それは、本当に犯人に?】 【そうだ、本当に憎み、怒りを持っていたのは、それを向けていたのは、誰でもない『自分』へではないのか?】 【あの日誰も助ける事が出来ず、どうすることも出来ず、悪魔に助けを求めるしかなかった自分。今この瞬間も、宿敵に助けを求めようとした自分】 【自分を何よりも憎み、怒り、それを認めたくないから他人にその分を向けていた、何よりもまず、成し遂げたいならば犠牲にしなければ行けないのに】 ───俺は…… 【今からでも遅くない、覚悟を決めろ】 【『自分』を犠牲にする、覚悟を=z ───誰でもない、俺の力で、テメェを殺す 【怨!!と音を上げ、天野がアーグを見据えた瞬間に、鉄紺色の焔が天野の体を包み込む】 【自決?いいや違う───よく見れば、焔は天野の体を包み込みながらも、形状を模っていき】 【次の瞬間、天野の体は跳ね起き、そうしながらアーグを両足で蹴り付けようとするだろう。硬質化した鉄紺色の焔が纏われた、鎧のような両足で】 【それに成功したかしないかに関わらず、天野は飛び起きアーグから距離を取って地面に立つ───その姿は、まるで人からはかけ離れている物】 【体を覆った鉄紺色の焔が硬質化して鎧となり、まるで龍を人型にしたかの様なその姿、禍々しくも力強い鎧の狂戦士のようにも見えて】 【しかし、その姿でいたのは一瞬もいいとこ、やがて鎧が焔と置換されて消えて行き、天野は再び片膝をつく】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/301
305: 天野ソラ ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木) 05:12:21.13 ID:RCMo5lcYo >>302 …………! 【今、自分は何をやった───?何が起きたのかわからなかった、だが】 【一瞬とても体と心が軽くなったような、『力と一体化した』ような感覚がした】 (今のは……クソ、体が動かねえな……もう一度今のが出来たら…) 【何をどうやって、どうして出来たのかわからないが、しかし、それはアーグに豆鉄砲を食らわす事が出来たらしい】 【だとすれば、それをもっと洗練し、手にすれば───その為には、ここで死ぬ訳には行かない】 【依然として健全なアーグを睨み付けてから、視界の端で出口を探る。記憶の中でそういえば、この空間には空があったと思い出す】 【さすればそこか、天野は再び、先程の感覚を思い出しながら身体中を焔で包む】 【寒気のする冷たい焔が身体中を包み、その源である憎悪が心を塗り替え雑色を無くして行く。だが今はその憎悪を目の前には向けず、もっと後に向ける】 【心の奥底にある源まで全て、真っ暗な深みに落としたなら───再び、天野の体は鎧に包まれた】 【鉄紺色の鎧は、龍の様に見えて、手足には剃刀のような爪と、肘や肩には鋭い牙が、そして背中には真紫のマント状のオーラの塊がたなびいている】 【己の体を力そのものとした今、体は思っただけでそう動き、肉体の重みが感じられない。一色に染め上げた心に迷いはない】 アーグ、テメェはゼッタイにコロす……オレはまたテメェをコロしにクるぞ クビをアラってマっていろ……! 【その声は、籠っているような、別の声と重なっているような、独特なエフェクトがかかっていて】 【放たれた矢の鏃を両手で掴む様に受けると、矢を放り投げた瞬間素早くキャップを拾い、跳び上がる】 【人間よりも遥かに高い跳躍力で教会を飛び出し、木々と岩場を蹴って登っていくと、空の隙間から外へと逃げて姿を消した】 【……そして、アーグのいた場所から離れた所で、三たび天野は崩れ落ちていた】 【心を一色に染め上げた事の心労や、肉体の多大なるダメージ、能力使用の反動など、理由を挙げれば枚挙に暇が無い】 【誰かに発見されるか、傷が癒えるまで、暫し休息を取る事を余儀なくされた天野は、考える】 【アーグを殺すには、あとどれだけ必要なのか───】 /お疲れ様でしたー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/305
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