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【空知英秋】銀魂 二百十四訓 (760レス)
【空知英秋】銀魂 二百十四訓 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/
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432: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 01:22:33.80 ID:eLKzawf+0 「その結果が、“月子”殿ご健在の理由でござろうか」 周りをちらっと見て、月子が 「そうだ」と言った。ああ、産むことにしたのだ。 「それが、晋助に連絡をとらない理由でござろうか」 「・・・そうだ」きっと、晋助が良からぬ事をしてくると警戒している。 「連絡しようとしまいと、遅かれ速かれ晋助は真実を知るであろう。無駄だとは思わぬか」 「・・・俺はもう、奴に連絡を取る気はない」 はあ、と、ため息をついた。なかなか頑固な御仁だ。 「少しは、晋助を信頼して欲しいでござるよ。・・・連絡が無くて、ひどく落ち込んで。見ていてかわいそうでござる」と、人情に訴えれば、 「そんな訳あるか。俺をだまそうと思っても無駄だぞ、あの男とは俺の方がつき合いが長い。そんな男ではない!」と、ぴしゃりと言った。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/432
433: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 01:24:33.12 ID:uJM06DIm0 その剣幕が、月子にしては珍しかったのか、店の客が、一瞬、シンとなる。 若干の険悪な雰囲気に、お登勢が近寄ってくる。 「なんだい、客とケンカかい」 「いや、この男、・・・。もう帰るそうです。お勘定を・・・」 オイオイオイオイ!!! 「さっき、一本追加で頼んだビールをまだ飲んでおらぬ」 「なんだい、何があったのか言ってみな」 この方は、さすが四天王。分かる人だ。 「拙者、月子殿のご子息・松之助殿の実の父親の部下で河上と申す。今日は、あの人の使いではなく、個人的に月子殿にお願いに参った次第」 「なんだい?」 「あの人に、連絡を取って頂きたい」 ああ、そういうこと・・・と、煙を吐きながらお登勢は以外にもあっさり言った。 「あの男が、焦る面、さぞかし愉快だろうねえ」などと、楽しそうに笑っている。 「ご存じなのか?」意外!拙者だけでなく、驚いて月子もお登勢を見る。 「いやね・・・まあ、話さないでおこうと思ってたんだけど」と、月子を見る。 「松坊が入院した時、あたしが病院に行ったら、病室にいたんだよ、あの男が。高杉と言ったか、あんた達は気付いてなかったようだけど。 よく寝てて。少し、茶をしながら話をした」 ふうーーと、煙を吐く。まるで、そのときを思い出すかのようだ。 「ありゃ、危険な男だね。底がみえやしない。・・・でもね、私はあの男、意地っ張りなただの男にも見えたねえ。 あんたや松坊を大切に思う気持ちは、本物だと思ったがね。最近、あんたが連絡を取ってないようだから、心配はしていたが。 何も言わずにってんなら高杉って男の方も、焦っているはずさね。河上さんとやらが不安でここに来るくらいには」 なんと!さすが、四天王のお登勢!拙者の言いたいことを全て代弁してくれたでござる! と、喜んだのも束の間。・・・ http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/433
434: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 01:25:20.93 ID:U1xO6dnO0 「いやいや、お登勢殿。お言葉を返すようで悪いが、奴は、そんな優しい者ではありません。人の心につけ込んで、その心を利用する輩。 病院に来たのも、何か計画の一環で、松之助には死なれたら困る利用価値があったのかもしれぬ・・・そして、この子にも」そう言って、桂は腹をさする。 「何をするか、わからん男だ。関わり合いになりたくない」 「月子・・・」 「あの人は、そんなことしないでござるよ」・・・多分。確信はないけれど。 「わからぬ!知らぬうちに奴の駒にされるのはごめんだ。この子も、あの子も」 そう思っていたでござるか。・・・なんとも伝わってないでござるな。男同士で、幼なじみ。過ごした時間の長さが帰ってあだになったようだ。 晋助の愛情は、この人に全く通じていない。どう言ったら、分かってもらえるのだろうか。 「あの人は、どうでも良いと思った者と、お茶を飲んで話をするような方ではござらん。お登勢殿とそうしたのは、あの人なりに、筋を通そうと思ったからに違いない」 「そうだねえ。月子、あんたも聞いただろ。あいつは、天の衣を一生隠したいと言っていた。あんたを、ホントは誰にも渡したくないという気持ちがあるんだよ」 「・・・・」 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/434
435: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 01:26:43.89 ID:6TOA6JH60 「松坊を心配してなかったら、わざわざ危険を冒して病院に行くかい?追われる身なんだろ、高杉という男は。あんたもか」と、挑むような眼差しで見る。 ああ、このお方は知っている。晋助の正体も、拙者達のしていることも。 ありがたいことだ。その上で、こう言ってくれている。 「しかし、しかし・・・」 桂はまだもごもごと言っている。 「入院費だって、くれたじゃないか。馬鹿みたいな金額だけど」 「あっ」と、突然桂が思いついたように言った。 「万斎殿。例の、あの金、持って帰ってもらえないだろうか。前、温泉でお会いした時は、銀時が居て・・・その、奴には内緒にしているものだから。 頼めなかったが、今日、持っていってくれると助かる。いくらなんでも、多すぎる。持っているのも怖い」 金、ときいて、キャサリンがキラーーーン、と目を光らせた。 ああ、なるほど。事情は分かり申したが。 「せっかくもらったもの故、定期にでもすればいいのに」 「だから、銀時にみつかったら大変なのだと言っている!」 「良くわかりもうさんが、いらぬといわば、あい分かった。ただ、今日は何分ちょっと・・・どうにも飲みに来ているだけなので、 あんな重いものを背負ってこの夜道、いくら難でも危険すぎる故・・・あとで、使いを出しますよ。それでよろしいか」こくりと頷く桂。 「あ、正直に言うと、その・・・十両だけ使わせてもらったのだ。すまない」 「だから、全然構わないと言ってるでござる。あれは、不器用なあの人なりの愛情故」 「愛などと!」突然桂が声を上げた。 「あやつがこの俺や松之助に愛情などあるものか!」 ・ ・・と、なにやら貌を紅くして、 「いつぞやの娘にしたように、あやつの気まぐれや戯れに起きたことだ・・・それか、利用するためにしたことだろう。愛情など、あるはずもない!!」 ええええ?何この人。ここまで言って、この鈍さ。お手上げでござるよ��。お登勢殿も、すっかりあきれ顔だ。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/435
436: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 01:31:26.78 ID:U43eZg+g0 「いくらなんでも、どの女に対しても一千両もの金額をぽんと渡す人ではござらんよ。ご自分が特別とは思わぬのか?」 「特別・・・それは特別だろうな。俺は他の女よりは利用価値が高い。何しろ、春雨に売って契約を結ぶ手だてに出来たり、将軍に売って身代金をせしめるほどにはな!!」 あいたたた・・・・本当に、お手上げでござるよ・・・天然というか、鈍いというか、石頭というか・・・ まあ、晋助の今までが今までだから、何ともフォローしようがない。 「月子、いい加減にしな。あんただって、気になるんだろ、あの男のこと」 「っ!気になど!大体、俺は、あいつが、高杉は嫌いなんだ!」 動揺したのか、赤くなる桂。 「だ・・大体、こないだの娘のように、あいつは女を道具としてしか見ていないのだ。そこも許せない。・・・あ、あのようなこと、・・どうせ、口の上手い奴のこと。 その気にさせるなんてたわいないのだ・・・誠実さのかけらもない・・・」 この間の娘に、やけにこだわるでござるな。・・・さては、桂・・・ 「こないだの娘さんなら、ちゃんと晋助は責任を取り申した。そんないい加減な男ではござらん」 「は・・・・っ。責任を取ったとは・・・奴が、・・ついに所帯を持ったのか??!!」 「へ??!!」 桂����!!おぬしは何処までくそ真面目なんだ!なんでそこで結婚っ!! 「あ、いやいや。ちゃんと部屋に招いてお詫びをしたでござるよ。おおかた、最後までしてやったのではござらんか」 「っ!!!!!それで、そのままか!!!ますます最低な男だな!!!!!!」真っ赤で、なおかつ涙目の桂。興奮しすぎだ。あちゃ。何かまずいこと言ってしまったか。 「月子、男ってモンは、そう言うもんさ。多少そう言う甲斐性がないと」 「!!そんなことはない!お登勢殿、俺は誠実だ!!」 「何言ってンの。あんたは女でしょ」 「・・・」と、そのとき 「チョットォォ����、そこのヘッドフォンの人ォ��。人の奥さん何泣かしてくれてんの��」 白夜叉が入ってきた。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/436
437: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 02:31:15.98 ID:2Z7FIFz20 全く最近の書き込み見えると情けなくって涙が出てくる。 ガチガチのガタイしたいいオスが「トロマン」とか言って軟弱な菊門を誉めそやしてやがる。 アホかおめえら! そんなユルユルの死体みてぇな穴にチンポ入れて何が気持ち良いんだ? 男ならもっとビシッ!と括約を引き締めやがれってんだ! 俺はその為に毎日1000回の竹刀の素振りを欠かさない。 「オスッ!オスッ!」と気合を入れながら振り下ろす度に菊門にギュッ、と力を込める。 こうして鍛え抜かれた俺の肛門は「トロマン」なんて軟弱なシロモンとは対極を成す、まさに「ガチマン」だ。 そのあまりの締まりにハッテン場じゃあ“万力のイチ”って呼ばれてる。 そんな俺だが、俺でさえホリ抜ける程の逞しいチンポの持ち主を心待ちにしている。 勿論、最高のシマリを味わいたい命知らずの挑戦も受付中だ! 毎週金曜21時頃はだいたい******の大部屋にいる。178*74*30角刈りにねじり鉢巻がユニフォームだ。 俺の鍛え抜かれた金鉱脈!掘れるもんならホッてみやがれ!! http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/437
438: 名無しさんの次レスにご期待下さい [age] 2012/12/05(水) 04:26:15.44 ID:YE7H2uQ90 一番くじの話はここでしてもいいのかな? 5回引いて土方と沖田の上位当たった。でも当方婦女子ではないので、 銀さんと神楽が良かったな〜、誰か真選組ファン交換しちくり〜 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/438
439: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:35:25.73 ID:U43eZg+g0 >>437 桂はガチマン http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/439
440: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:35:52.02 ID:rc264Gzq0 >>438 神楽厨きしょい http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/440
441: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:36:59.36 ID:g22uwJx70 >>436 「あ、し・・・坂田殿」 「人の奥さんに、何してくれてんの?つーか、何しに来たわけ?」 だいぶ、カウンターが空いてきた。丁度良く、拙者の隣の空いていた席に腰掛ける。 「ここに来るのは、酒を飲むことが目的と思うが」 「ふ����ん」 さっと、桂が白夜叉にもビールを出す。 「銀時、こんなとこに飲みに来てていいのかい。松坊は?」 「寝かしてきたよ・・・んだ、ババア。いつも金曜はこの時間に俺は来てるだろ。何で今日に限ってそんなこと言うんだよ。俺に聞かれちゃいけない話でもあんの?」 ねえ?と、拙者の顔をのぞき見る。・・・これは分が悪い。 「どうせ、あの凶悪犯の話でもしてたんだろう。居場所さえ教えてくれれば、ちょっと行って俺がたたっきってきてやるのにな」 「そんなことは絶対させもうさん」 バチっと、短い視線の火花が散った。 桂と晋助の、定期連絡。はて、白夜叉はもしかしたら知らないのかもしれない。としたら、ここでこの話を出すのはまずかろう。ちょっとした心理作戦といこうか。 「最近、晋助が荒れていてな」 「へえ。ついに、性犯罪者にでもなっちゃった?」 「主はすぐそっちの方向に行くでござるな。そうではない。・・・・なんていうか、思考が荒い。」と言えば。 「ああ、あいつはいつも荒っぽい考え方だもんな��」という。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/441
442: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:38:00.68 ID:YU8ddC6p0 「そうではないのだ。戦略の大小や、方法の派手さのことではなく、それに至る計画・・・晋助は非常に繊細な、綿密な計画を立てる男だ。それが、ちと、変わった」 「はあ?」 「やや、自暴自棄的なところがある。自虐的といおうか・・・」 「いいことじゃねえの。それで、自滅して欲しいわ。マジで」 「主は・・・分かってないでござるな。主らがあの人を危険だというなら、それに磨きがかかっているとは思わぬのか。荒い思考で事を起こせば、犠牲も多くなる」 ダン!と、白夜叉がビールをテーブルにたたきつける。 「分かってねえのはてめえだよ!それがあいつじゃねえか!そんなに犠牲云々いうなら、俺があいつをぶっ殺してやるよ。それで全て終いじゃねえか。 人を殺すだの世界をぶっつぶすなんていう戯言に、繊細も粗いもあるか。勝手言ってンじゃねえ」 グイ、と、ビールを飲み干す。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/442
443: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:42:14.76 ID:Tiku66Af0 「変な夢見てないで、おとなしく、二人でユニットでも組んで、アイドルとかちゃらちゃらした音楽界でもぶっ壊してりゃいいんだよ」 「主に音楽とやかく言われたくないでござるよ」 「けっ、俺の歌を聴いたこともないくせに!」 「聞かずとも・・・想像はつくでござる」 「はあああ??何言ってンの。俺、プロ級だからね!」 「そうでござろうか・・・あ、今、上手い例えが思いついたでござる」 「はあ?」 「ん��、今までの晋助の奏でるメロディが、繊細で、だが独創的な・・そう、ブラームス交響曲三番のような、壮大かつ、力強いメロディだったとすると、」 「はああ???ブラ・・・?」 「迷いのある今は、四番のように、内面に秘めた情熱と孤独感からくる哀愁が感じられるでござる・・・それも、スコアのところどころが抜けて、 音が飛んでいるような・・・それをあえて埋めようとせず、タイやスラー、二分音符でごまかすような・・・そんな・・」 「っちょっとまって!!!分かんない!!分かりづらい!!っていうか、もういい!!」 「なんでござる、坂田殿。ものすごくわかりやすかったでござろうに」 「まっっっっったく、分かりません!!!」 桂も、お登勢もぽかんとしている。 何で、この人達には分からないのでござろうか。・・・もう無理だ。 「では、今日は、これで失礼するでござる」 「あ、ああ、・・・あ、あの、河上殿」 桂が、目で訴える。 「分かってるでござるよ、また」 それに、目で答えた。 そして、スナックお登勢を出た。 まあ、手応えはあったかもしれない。 あの、お登勢という女将はさすがだった。桂があまりにもきまじめすぎて、晋助の考えが理解できないだけであろう。 そして、あの、桂もまた。晋助に惹かれているのは間違いない。・・・あんなに、あの娘を気にして。真っ赤になって涙目になるほどに。 これは、案外・・・上手い方向に行くと良いが。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/443
444: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:43:06.84 ID:+ZSHPgxN0 余談 たとえ話 最近、晋助の様子が変だ。と、万斎は思う。 いや、正直に言うと、細かくは3ヶ月ほど前から変だった。 だが、その変調はとても微妙で、 多くの主要メンバーは気付いていない。 隊員に至っては全く分からないだろう、違和感。 2ヶ月前に一度、スナックお登勢に偵察に行ってきた。 収穫といえば、 桂がやはり白夜叉の子を身ごもっていたこと。 そしてそれを、かたくなに晋助に隠していること。 そのため、晋助との連絡を絶っていること。だ。 だが、晋助には、その時点ではまだ桂が女であることしか報告していない。 それだけで、あの人はきっと全てを悟ったろう。 わざわざ桂が連絡を取らなくしても、 聡いあの人は気付いてしまう。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/444
445: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:43:54.80 ID:vvYLIqUP0 そして、その後、贈ったはずの990両が、返金されてきた。 自分の愛する女と愛する息子。 その二人が女の愛する者と暮らしている。 そこに、女の愛する者の間に出来た子が加わる。 危ういバランスで経っていた柱が、軋んで、 傾いていくのを感じる。 晋助の奏でるメロディに、最近は不協和音が混じっている。 なんとかしなければ。 そう思っていたある日。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/445
446: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:44:48.43 ID:cR36ewro0 突然に、晋助が言い出した。 朝食の後で。 「おう、来島。聞きたいことがあるんだが」 「はいっ!なんっすか!」話しかけられることがまれなので、また子は嬉しそうだ。 「てめえ、武市のことどう思う?」 「えええええ???何すか?いきなり!きもいっす!近寄って欲しくないっすよ!」 「何ですか、あんた。私だって貴方のような猪女ごめんですよ」同じ部屋にいた武市がすかさず言う。この二人の折り合いが悪いのは有名だ。 「じゃあよ、好きな奴はいるか?」 「私の好きな人は晋助様っす!!!!・・・あっ」ぽーっとなって、言っちゃった!みたいな顔をする、また子。可愛い。・・・可愛いけど、 なぜそんなことを言い出すのだ、晋助。 「ちっと、たとえ話につき合ってくれや」 「いいっすよ!!」 「じゃあ、例えばよ、・・・そこの武市にてめえが犯されて」 「えええええ������!!!突然、なんて事言うンすか!!きもいこと言わないでほしいっす!!!!そんなの無理!!死んじゃう!!」 「うるさいですねえ。私だって貴方のような猪女ごめんでだって言ってるでしょう!!」 イラッとしたのか、晋助が、低い声で 「聞け」 と言えば、しんとなる。 「・・・武市に犯されて、てめえにガキが出来たとする」 あっ・・・なんかわかったかも。だけど。・・・。 「はあああ??!!超嫌っす!!もう無理!!想像もしたくない����!!うあ����!!」 「じゃ、もういい」また、イラっとしたのか、素っ気なく言うと、また子はたまらない。 「すみませんでした!!聞きます!聞きます!聞きますから、お願いですから、怒らないで下さい、晋助様ぁ��」 そう、見放されるほど、つらいことはない。この人に。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/446
447: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:45:43.50 ID:opVXFp+n0 「・・・じゃあよ、その武市の子を身ごもったお前が、お前の好きな奴・・俺と、結婚したとすらぁな」 「はっっ!!!!晋助様と結婚・・・・っ!!!!」カアアーーーと、顔が赤くなる。ほんわか��・・・と、幸せそうに笑っている。 「で、俺が、構わねえから、産め、といったら、お前どうする?」 「産むっす!!嫌だけど、晋助様が産めというなら産むっす!!!」ぐっと、握りしめた腕を押し上げて、ガッツポーズ。 「おう。で、かわいがれんのか?」 「分かんないっすね・・・産んだことないし・・・元々あんまり子供好きじゃないし」 「・・・そうか。ま、そうこうするうち、俺との間に子供が出来たとする」 「ええええ!!!まじっすか!!嬉しいっす!!超幸せっす!!」また、赤くなる。 「てめえならどうする?産むか?」 「もちろんっすよ!!!産む!!で、晋助様と幸せにくらします!!」今にも、踊り出しそうだ。 「武市との子はどうする」 「え?・・ああ、あーー」ちらっと、武市を見て、うう、ゾーッとした顔をした。 「邪魔っすよね。捨てちゃいたいっす」 その瞬間、 「!!!!!!」 ガタッと席を立って、部屋から去っていってしまう。 「え?あ。・・・なんで・・・晋助様ぁ��!私、何か行けないこと言ったっすか・・?どうしよう、何が正解だったっすかね。何の心理テストだったんだろう。 女として、心の狭い女と思ったっすか・・・あああ、どうしよう・・・」泣きそうな、また子。 いや、お前は悪くない。 それにしても、気持ちは分かるでござるが・・・ 例えがあんまりにも、悪すぎるでござるよ・・・晋助・・・ これは、もう一度、スナックお登勢に行くしかない。 と、思った。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/447
448: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:46:40.18 ID:/IqWr9UQ0 余談 二回目の訪問 どうにも、もう一度とおもって、足を運んだスナックお登勢。 金曜の午後六時。ふう。白夜叉が来る前に、少しゆっくり桂に話をしたいところだ。 客もまばらで、ホステスと話しやすい。丁度良い。 前回同様、カウンターでビールを頼む。 嫌そうな顔をしたが、桂が来てくれた。 「どうぞ」 「かたじけない」 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/448
449: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:47:36.34 ID:tqcfrz7d0 腹・・まだまだ分からないでござるな。見た目には。細い方でござるし。 視線で感じたのか、手をおなかにやる。 「拙者、何もしないでござるよ」 「・・・そう願いたい」 ああ、母とはこのような者なのか。 「月子殿。・・・早速だが晋助のことで」 「万斎殿。俺の気持ちは変わらない」 「そこを何とか、一度で良いから、連絡して欲しいでござる。最近は、輪を掛けて荒れているでござるよ。 前に言ったメロディーが、既に崩壊してきているでござる。抜け落ちた音符を、聞くに堪えない不協和音で埋めている・・・」 と、そこまで言って、はっとなった。月子がまたぽかんとしている。 ああ、この例えじゃだめなのだった。・・・なんと言えば。 そう考えているうちに、えらくまじめな面持ちで、月子の方から切り出した。 「あのな、万斎殿。この際だからはっきり言うが」 と言って、はっきり言う、と言ったわりには、とても小さい声で話し出した。 「俺のことを、・・・だ・・・抱いた夜・・・あいつは、俺を、・・・“気持ち悪かった”・・・と、言ったんだ」 「!!!??」 晋助・・・なんて事を言うでござるか・・・!!!おおかた、自分でもどうしてそんなことをしたか分からなかったのでござろうが・・・にしても、 相手に聞こえるように言って言い言葉じゃないでござる!! と言うことを考える余裕もなく、口に出してしまうほど、テンパっていたのか。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/449
450: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 07:48:26.73 ID:xNkdx3KC0 「だから・・・あいつが、俺に愛情があるとかどうとかいうことは、ない。なにしろ、・・・き・・気持ちの悪い・・・俺を、だ・・抱くのは、 それなりの理由があったからだ。・・・分かったら、お引き取り願えるだろうか」 「いや、それは誤解でござるよ。晋助は」 ここで引き下がるわけにはいかない。だが、桂は更に、声を潜めて話し出す。 「奴は、俺に将軍を、寝床で殺害しろと言った。だから、きっと、その為に俺を、男に馴染ませるために・・・したことだ。それ以外に理由はない。あの行為に・・・」 なぜか、桂はとてもつらそうに、哀しそうに言った。 ああ、そのときのことを思い出しているのか。 そう言うことに、二人の間ではなっていたのか。 晋助が、拙者に言ったこととは矛盾する。ということは、本当は理由など無かったのだ。 戦略など、あるはずのない行為。 当然だ。ただの、“愛”に、理由などない。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/450
451: 名無しさんの次レスにご期待下さい [sage] 2012/12/05(水) 08:01:12.10 ID:fAX2QgGq0 「あ��。また来てるのか、しつけーな、ヘッドフォンの人!」呑気な声。 白夜叉が・・・。偉く今日は早いな。拙者の情報不足だったか。 「何?また、あいつの話?いい加減にしてよ。荒れようが何しようが興味ないって言ったでしょ!!!」 ・ ・・はあ。 「大体、不思議と女にゃ、不自由しないんだから、ホント、月子にちょっかい出すの止めてくんない?得意の、どこぞの娘捕まえて発散してくれればいいじゃん」 「!!・・・ま、まあ。そ、そうだな・・・。その、むやみに娘に手を出すのは良くないが、もう、俺たちのことは、放っておいて欲しい」 「では、なんで、貴殿は、女に不自由しないであろうあの人が、そんなに月子殿に執着すると思っておいでか?」 「執着などと・・・何か考え合ってのことじゃないのか」 「貴殿は、よほど理由づけをせねば納得しないらしいようですな」 「ああ?何言ってンの」 「主らは、晋助を誤解しているでござる。あのような物言いをするため誤解されがちだが、言うほど、女性に興味はないでござるよ。むしろ、超淡泊でござる」 「はあ??そんな訳あるか!!いつも人の奥さんをコソコソ狙っているような奴だぜ」 ����だから、それが特別執着している証なのだ。気付いてくれ、桂。 http://hello.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1353720877/451
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