[過去ログ] [ZOIDS]総合雑談スレ[ゾイド]part.216 (1002レス)
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9(3): 2024/11/19(火)11:00 ID:??? AAS
田舎町の一軒家で一人暮らしをする正二(しょうじ)は、未婚のまま50歳を迎えたこどおじだった。両親は数年前に他界し、今では誰もいない家で静かに暮らしている。そんな彼の生活に突然の喜びが舞い込んだのは、今月、ネット通販で「デスザウラー復刻版」を購入したときだった。
「これだよ、俺がずっと欲しかったやつ…!」
少年時代に手が届かなかった夢のゾイド。届いた箱を開けると、彼の目は輝き、子供のように手を震わせながらパーツを組み立て始めた。出来上がったデスザウラーを床に置き、正二は懐かしい咆哮を真似た。
「ガオー、ガオー!最強のデスザウラー、出撃だ!」
それから毎晩、正二は復刻版のデスザウラーで遊ぶようになった。戦場を駆け抜ける妄想を膨らませ、幼い頃に憧れたゾイドバトルの世界へと心を飛ばしていた。
ある日、近所に引っ越してきた小学3年生の優(ゆう)が、正二の家の前を通りかかった。窓から大きなゾイドを動かす正二の姿を見た優は興味津々で、思い切って声をかけた。
「おじさん、それ何のロボット?かっこいいね!」
正二は驚きながらも、少し照れくさそうに微笑んだ。
「これはデスザウラー。ゾイドの中でも一番強いやつなんだよ。」
それを聞いた優の目が輝き、次の日から毎日のように正二の家を訪れるようになった。二人は床に座り、復刻版のデスザウラーを中心に、ゾイドバトルの話や想像の戦いを楽しむようになった。
「僕もいつかこんなの欲しいな!」
そう言う優を見て、正二はかつての自分を思い出し、胸が熱くなった。
しかし、冬が訪れたある日、優が訪ねると正二の家の扉は開かなかった。数日後、町の人々が正二の家を訪れ、彼がその静かな家で息を引き取っていたことがわかった。復刻版のデスザウラーは部屋の中央に置かれ、まるでその主を守るように佇んでいた。
優は正二のデスザウラーをそっと抱え、小さな手紙を置いた。
「おじさん、ありがとう。このデスザウラー、ずっと大切にするね。」
正二の「ガオー、ガオー」という声は消えたが、彼の思い出と夢は優の心に受け継がれた。デスザウラーは、少年の未来へと新たな物語を紡ぎ始めるのだった。
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