ウィリアム・フォークナー 5 (838レス)
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(1): 2023/12/05(火)06:40 ID:1DbH69GG(1/3) AAS
フォークナーがサスペンスフルなメロドラマの作家だったという議論がされているけど全くそのとおりだと思う

外部リンク[pdf]:repository.kulib.kyoto-u.ac.jp
推理小説の語りの歴史 --ディケンズ、ポーからフォークナーへ-
佐々木,徹

ベネットが今の推理小説はおもしろくないと言った 1929年に、アメリカでは、黄金時代の古典的でコージーなミステリーに対抗する
ように、ハードボイルド派の旗手ハメットが『血の収穫』を発表した。まさしくこの頃、おそらくはそのハメットやもっと安物のダイム・ノヴェルにヒ
ントを得たと思しき、センセーショナルな『サンクチュアリ』(1931)をフォークナーは発表する。

しかし、『サンクチュアリ』はもとより、『アブサロム』や『八月の光』などを考えると、推理小説的な要素にはかなり惹かれるとこ
ろがあったのだろう。いや、もう一歩遡って、フォークナーはコリンズをはじめとするセンセーション・ノヴェルの延長線上にある作家だ、と言う方が
正しいのかもしれない。

『サンクチュアリ』に代表される初期のフォークナーは、しばしばその厭世観と悲観主義を非難されたが、ほんとうのところは、
『パイロン』以後の彼の作品をほかの同時代のわが国の作家と区別する顕著な特質は、読者にうしろめたい気持ちなしにメロドラマのス
リルを味わわせてくれる、一種ロマンティックな道徳観であった。
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