紀州【中上健次】熊野 2 (440レス)
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1: P ◆8LHzvOF7F2 2022/06/02(木)01:54 ID:UXThJj2A(1) AAS
落ちてる様だから立てた。
語るぞ
前スレ
紀州【中上健次】熊野
2chスレ:book
2: P ◆8LHzvOF7F2 2022/06/03(金)13:08 ID:Znh5DrpM(1) AAS
あげ
3: 2022/06/03(金)15:57 ID:IdKHk1ib(1/7) AAS
浅田彰「昭和の終わり、平成の終わり」
【実のところ、被差別部落出身であることを公表して作家活動を行っていた中上健次には、一般社会の上に排除された天皇と下に排除された被差別部落民が背中合わせの存在だという神話的構図に惹かれがちなところがあった。たとえば『日輪の翼』(1984年)では、作家が「路地」と呼ぶ被差別部落が再開発のために地上げされ、追い出された老婆らを若者らが日本各地の霊場に連れて行ったあげく最後に東京の皇居前広場にたどりつく。そこで嬉々として清掃奉仕をする老婆らをおいて、若者らは新宿歌舞伎町でホストになるのだが、彼らが老婆らを見る目はあくまでも優しい。私は、ノーマルな日常社会の上にある聖なるものと下にある賎なるものの通底という神話的構図を批判しつつも、私なら直ちに否定してしまうそうした構図を中上健次が複雑なニュアンスをこめて扱っていることをいかにも彼らしいと思っていた。いずれにせよ、すでに海外に出ることが多くなっていた柄谷行人と中上健次は、「日本の外に出れば天皇をめぐる神話的構図など意味を持たない、ただマイノリティの横の連帯(アソシエーション)あるのみだ」という線で再び一致することになるのだが、それは少し後の話である。】
4: 2022/06/03(金)16:15 ID:IdKHk1ib(2/7) AAS
〈マゾヒズムの場合、法のすべては母へ投入される。そして母は象徴的空間から父を排除してしまう。〉〈ドゥルーズ「マゾッホとサド」〉
〈かつては、父は社会的規範を代表する「超自我」であったとされた。しかし、それは一神教の世界のことではなかったか。江戸時代から、日本の父は超自我ではなかったと私は思う。〉
(中井久夫「母子の時間 父子の時間」初出2003年 『時のしずく』所収)
5: 2022/06/03(金)16:21 ID:IdKHk1ib(3/7) AAS
高橋文樹の木澤佐登志著「ニック・ランドと新反動主義」
についての書評から
〈ここら辺のリバタリアンの思想的裏付けについては本書を読んでほしいのですが、僕の抱いた印象は「スキゾ・キッズのリア充番」です。
スキゾ・キッズというのは、浅田彰が『逃走論』で開示したモデルで、「分裂症的(スキゾフレニック)」に軽やかに色んな場所へ逃走していく生き方でした。〉
6: 2022/06/03(金)16:29 ID:IdKHk1ib(4/7) AAS
高橋文樹さんは、あまりこの種のことに詳しくないので、それについて書かれていないが、
いうまでもなく「逃走論」におけるスキゾというのは、
ドゥルーズ=ガタリの「アンチ・オイディプス」から来ている。
そのズキゾというのは、ようするにカントの言うような超越論的統覚がばらけ気味ということです。
近年、カント哲学を精神分析的解釈する柄谷行人の本を読めばわかりますが、
これは「マゾッホとサド」においてドゥルーズが称揚した「マゾヒスト的」というのと非常に似ているのです。
7: 2022/06/03(金)16:35 ID:IdKHk1ib(5/7) AAS
ジャック・デリダ、中上健次 『穢れということ −ジャック・デリダvs中上健次−』
中上健次は、1986年時点ですでに、日本を松阪牛に見立て、
それをリゾーム的なものとして批判しています。
浅田彰は、デリダと中上の対談の現場にいながら、それに気づいていなかった、
ということになるでしょう。
8: 2022/06/03(金)17:02 ID:IdKHk1ib(6/7) AAS
浅田
[私なら直ちに否定してしまうそうした構図を中上健次が複雑なニュアンスをこめて扱っていることをいかにも彼らしいと思っていた。]
その中上らしさを、もし良いと思っているならば、見習ったらいいと思うのだが、
どうもそうはならないようだから、良いとは思っていないのだろう。
9: 2022/06/03(金)17:13 ID:IdKHk1ib(7/7) AAS
6の補足
「自己意識とは欲望である」(ヘーゲル「精神現象学」〉
10(1): 2022/06/05(日)02:05 ID:ude32MvF(1/3) AAS
7の補足
いわば、リゾームは,中心のない多方向に展開していく関係性のことだ。
家父長的規範(「父」であるような超自我)からの逃走(浅田の「逃走論」のきも)と
欲望の多方向性による偶然的接続による多様な生を(ヘーゲル哲学的な目的論的生成、ではない非目的論的な生成)
「リゾーム」という概念を示して肯定した、といえると思う。
11: 2022/06/05(日)02:10 ID:ude32MvF(2/3) AAS
中上健次は、日本におけるドゥルーズ思想の受容の仕方が、
時流に合わせた天皇主義のモデルチェンジにしかならない
ということに気づいていたといえると思う。
12: 2022/06/05(日)02:47 ID:ude32MvF(3/3) AAS
×「父」であるような超自我
〇「父」であるような自我理想と同一視されるような超自我
13: 2022/06/21(火)17:48 ID:e3l+qgB/(1) AAS
死後急速に存在感なくなって行った作家だな
生前は何で文壇的にのさばってたんだろう?
14: [さげ] 2022/06/22(水)09:59 ID:LJvkw6xF(1) AAS
中上の『軽蔑』は朝日新聞に連載されたが、合田佐和子の挿絵が毎回女の眼だけを描く特異なものだった
しかし、単行本になった際、その挿絵は本のどこにも使われなかった
あれはとても残念で、自分は連載時の1回分の新聞切り抜きを単行本に挟んである
15: 2022/06/22(水)15:08 ID:njEVAkQO(1) AAS
作品はいいと思った。少なくとも村上龍とかよりは。比較してはいけないんだろうけど。
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