紀州【中上健次】熊野 2 (440レス)
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163: [] 2022/07/11(月) 12:33:18.33 ID:MqLo3DUA 高山 文彦 著 『エレクトラ―中上健次の生涯』 https://kmoto.exblog.jp/20716925/ 健次は母ちさとにとっては、六番目の子であった。父親は戸籍上木下勝郎となっているが、実父は鈴木留造といい、背中に荊の刺青をしているところから「イバラのトメ」と異名を持つ荒くれ者で、背丈は百七十センチあまりあり、筋骨隆々とした体つき、指の関節はごつごつして木の節のように太かった。「三度の飯より喧嘩好き」と自分からも言っている。 鈴木留造は三重県の南有馬の被差別部落出身の私生児で、戦後直後の混乱期に流れ者のようにして新宮にやってきた博徒であった。またちさとも八人兄弟の末っ子として生まれ、戸籍上の父親は丸太を曳く馬の下敷きになって死んだ後、母親が別の男と出会って生まれた私生児だった。 ちさとは木下勝郎と所帯を持ったが、夫を失って終戦前後四人の子供を食わせるために行商人となり闇市に出入りしていたときに留造と出会った。ちさとはまだ二十八歳の女盛りで、留造と夫婦同然のように生活をしていた。 しかし留造は自分の男ぶりにものを言わせてよそに女を二人もつくり、一人の女に子を孕ませた。ちさとがそれを知ったのは健次を身籠もって半年を迎えた頃だった。ちさとは自分から留造に三行半を突きつけた。 つまり健次は母親も父親もよそ者の私生児の血を引く「部落の落ちこぼれの子」だったのだ。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/book/1654102444/163
高山 文彦 著 エレクトラ中上健次の生涯 健次は母ちさとにとっては六番目の子であった父親は戸籍上木下勝郎となっているが実父は鈴木留造といい背中に荊の刺青をしているところからイバラのトメと異名を持つ荒くれ者で背丈は百七十センチあまりあり筋骨隆とした体つき指の関節はごつごつして木の節のように太かった三度の飯より喧嘩好きと自分からも言っている 鈴木留造は三重県の南有馬の被差別部落出身の私生児で戦後直後の混乱期に流れ者のようにして新宮にやってきた博徒であったまたちさとも八人兄弟の末っ子として生まれ戸籍上の父親は丸太を曳く馬の下敷きになって死んだ後母親が別の男と出会って生まれた私生児だった ちさとは木下勝郎と所帯を持ったが夫を失って終戦前後四人の子供を食わせるために行商人となり闇市に出入りしていたときに留造と出会ったちさとはまだ二十八歳の女盛りで留造と夫婦同然のように生活をしていた しかし留造は自分の男ぶりにものを言わせてよそに女を二人もつくり一人の女に子をませたちさとがそれを知ったのは健次を身もって半年を迎えた頃だったちさとは自分から留造に三行半を突きつけた つまり健次は母親も父親もよそ者の私生児の血を引く部落の落ちこぼれの子だったのだ
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