紀州【中上健次】熊野 2 (440レス)
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24: 2022/06/26(日)18:28 ID:cie7tnez(1) AAS
やるならちゃんとやってほしい
否定してやったぜ以外何も言っていないのに等しいのではあまりにも
25
(1): 2022/06/26(日)23:42 ID:8e1ZIUJP(1) AAS
父殺しの主題がそもそもよく分からん
秋幸はなんで龍造を殺したのかもよく分からん
26: 2022/06/27(月)00:16 ID:skmctN9j(1/9) AAS
神話とギリシア悲劇からみる「父殺し」の普遍性
島田雅彦

中上健次はもともと、神話やギリシア悲劇が好きだというのがある。
また、精神分析や文化人類学(この場合は「父殺し」と「王殺し」とが重なることがある)的な図式を
あえて用いているというところもある。
のちには、中上はそれからずれて、↓の方向に行ったということもあるだろう。
「桜川」だったと思うが(ただし記憶が不確か)、龍造が随分と弱々しい人物として描かれていたのでなかったか。

〈マゾヒズムの場合、法のすべては母へ投入される。そして母は象徴的空間から父を排除してしまう。〉〈ドゥルーズ「マゾッホとサド」〉

〈かつては、父は社会的規範を代表する「超自我」であったとされた。しかし、それは一神教の世界のことではなかったか。江戸時代から、日本の父は超自我ではなかったと私は思う。〉
(中井久夫「母子の時間 父子の時間」初出2003年 『時のしずく』所収)
27: 2022/06/27(月)00:22 ID:skmctN9j(2/9) AAS
↑の書き込みは、「神話とギリシア悲劇からみる「父殺し」の普遍性」島田雅彦

からの引用ではない。
島田氏の批評文は、参考になるので、いちおう挙げておいただけ。
28: P ◆8LHzvOF7F2 2022/06/27(月)00:53 ID:M0/KNkQP(1/2) AAS
>>25
待ってくれ。秋幸は龍造を殺したのか?
29: 2022/06/27(月)01:11 ID:skmctN9j(3/9) AAS
龍造は縊死だったか。
30: P ◆8LHzvOF7F2 2022/06/27(月)01:12 ID:M0/KNkQP(2/2) AAS
ネタバレになるから突っ込まない方がいいのか😂
31: 2022/06/27(月)01:30 ID:skmctN9j(4/9) AAS
中上健次論 : 王殺しと物語の定型の破壊
増田真奈美

26で書いたようなことは、↑の論文に詳述してあった。
32: 2022/06/27(月)01:52 ID:skmctN9j(5/9) AAS
それと、26の引用文中で中井先生が「超自我」といっているものは、
たぶん「自我理想」というほうが正確なのではないかと思う。
33: 2022/06/27(月)09:38 ID:wPLMMf30(1) AAS
「 このように『羊をめぐる冒険』は『千の顔を持つ英雄』と正確に対応している。少なくともぼくにはそう思える。それは繰り返すが村上春樹の小説をキャンベルによって解釈したのではなく、『羊をめぐる冒険』がキャンベルの神話論に従って「物語論」的に物語られているからである。より正確にぼくの印象を記すならば、恐らくこういうことだ。
 村上春樹は「同時代」のアメリカ小説ージョン・アーヴィングやスティーヴン・キングやトルーマン・カポーティ、『スター・ウォーズ』や『地獄の黙示録』に共通の構造があることに「同時代としてのアメリカ」を書く前後には気がついていて、そしてその構造を抜き出す際に、キャンベルを明らかに参照している。
一方では、キャンベルの『千の顔を持つ英雄』の中で単一神話論の構造に従って紹介されていった古今の神話の一部を「ジャンク」として作中に引用している。つまり構造と素材の双方を借用していくことで村上春樹の中に「物語メーカー」というアプリケーションがインストールされたのである。
それが『羊をめぐる冒険』で起きたことである。これ以降、村上春樹はこのアプリケーションのプログラムをリナックスのユーザーのようにあれこれといじりまわしながら本格的に小説を書き始めるのである。」

「 村上春樹論、ないしは中上健次論が物語論として語られる時、一つの共通したアングルとして語られるのは、彼らは物語の構造を文学に敢えて導入することでそのような物語の構造やそれのもたらす陳腐さを顕わにした、という主張である。
(中略)同じ批評家の、ともに構造しかない小説を選択した中上と村上への評価が一八〇度違うのは「文壇」の二人に対する「空気」の問題でしかないが、例えば「村上春樹イエローページ」で加藤典洋も同じような評価を実は村上にしている。
(中略)恐らく四方田もそうであるように、物語構造が「主体」や「自己実現」というベタな主題を小説に代入してしまったことを村上なり中上の文学の支持者は受け入れ難いようにぼくには思える。」大塚英志『物語論で読む村上春樹と宮崎駿ー構造しかない日本』
34: 2022/06/27(月)12:14 ID:skmctN9j(6/9) AAS
wiki
『旅芸人の記録』(希: O Θίασος、翻字: O Thiassos)は、テオ・アンゲロプロス監督のギリシャ映画。

旅芸人の一行が19世紀の牧歌劇「羊飼いのゴルフォ」を上演しながら、アトレウス家の古代神話を基にギリシャを旅し、1939年から1952年の政治史を中心としたギリシャ史が旅芸人の視点から語られる。「現代ギリシャ史と風景を横断する旅」をテーマとし、ギリシア神話に依拠した、叙情詩的、叙事詩的な作品である。
35: 2022/06/27(月)23:07 ID:aU51EeBr(1) AAS
秋幸が実の父を殺そうとする動機はなんなん?
36
(1): 2022/06/27(月)23:29 ID:skmctN9j(7/9) AAS
≫秋幸が実の父を殺そうとする動機

「父殺し」「王殺し」(隆造=「蠅の王」)は、神話的な物語の十八番の演目だから、
話の中心に持ってきたということだろう。
たしか「地の果て…」には、フレーザーの「金枝篇」からの引用があっただろう。

けっきょくのところ、暴れん坊将軍が悪い幕閣の役付きをやっつけるようなものとして、
その種のお話では、「父殺し」「王殺し」のテーマはお決まりなわけです。
37: 2022/06/27(月)23:36 ID:skmctN9j(8/9) AAS
wiki
『金枝篇』(きんしへん、英: The Golden Bough)はイギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーによって著された未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書である。金枝とはヤドリギのことで、この書を書いた発端が、イタリアのネーミにおける宿り木信仰、「祭司殺し」の謎に発していることから採られた。完成までに40年以上かかり、フレイザーの半生を費やした全13巻から成る大著である。映画「地獄の黙示録」でカーツ大佐(マーロン・ブランド)の愛読書として映るシーンがある。
38: 2022/06/27(月)23:59 ID:skmctN9j(9/9) AAS
中上健次は、村上春樹とおなじで、
ポストモダニズムの作家ですよ。
わたしは、ポストモダン的な作風が悪いとは思わないので、
これは肯定的な意味です。
39: 2022/06/28(火)00:04 ID:SFxQv+f9(1) AAS
wiki
エレクトラコンプレックス(ドイツ語: Elektrakomplex、 英語: Electra complex)は女児のエディプスコンプレックスを指し、ユングによって提唱された名称。コンプレックスを日本語訳し、エレクトラ複合と呼ぶこともある。

秋幸三部作はエディプスコンプレックス
「旅芸人の記録」のほうはエレクトラコンプレックス、
それが主題、こういうことでしょう。
40: 2022/06/28(火)04:22 ID:9tI01udN(1/10) AAS
[父親であるとかまえる気など毛頭ないというようにボソボソと話しはじめた実父を見て、私はやりきれなかった。これが私の小説の主人公秋幸が自然そのものの化身とも、蠅の王とも呼んだ浜村龍造かと腹さえ立ち、これでは秋幸という私生児の物語の主人公がかわいそうすぎるじゃないかと、嘲いさえしたのだった。]
(熊野州「桜川」)
41: 2022/06/28(火)04:39 ID:9tI01udN(2/10) AAS
×熊野州
〇熊野集
42: 2022/06/28(火)07:19 ID:ebNLc788(1/3) AAS
中上が文学的想像力を駆使して浜村龍造を造型したことが分かる
中上の小説で最も魅力的な人物だった
43: 2022/06/28(火)10:39 ID:TL8YWmHa(1) AAS
そういや子供のころ、「岬」書いたなあ。
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