紀州【中上健次】熊野 2 (440レス)
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44: 2022/06/28(火)13:52 ID:9tI01udN(3/10) AAS
地域開発の記録文学/思想文学 : 中上健次『地の果
て 至上の時』をめぐるメモランダム
渡邊英理

↑の論文に詳しいが、中上文学には、
日本の戦後の「下部構造」の根幹といえる権威主義的開発体制の「マイクロポリティクス」の様相についての批判
という面があるだろう。
養父が土方の親方で、実父が流れ者から名士になりあがったデベロッパーということで、
そういうものに対する肉感を伴う分析がある。
その種の分析力というのは、村上春樹や村上龍のようなありふれた中間層から出てきた人にはなかなか身につかないものだ。

春樹の場合は、核になる文化的背景が学生むけの消費主義文化的風俗、龍の場合は、背景子供向けの劇画・マンガ文化的風俗みたいなことになるので、
私が思うに、中上とちがって、大人の鑑賞にはむかないところがある。

三島由紀夫の場合には、開発主義についての官僚的な計画者レベルの観点というのはあるのだが、
机上の分析というかんじで、肉感がとぼしい。
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