紀州【中上健次】熊野 2 (413レス)
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412: 08/05(月)09:04 ID:9PnjhuuY(1) AAS
1970年代、私が早稲田の学生だった頃、学生運動が全盛期で、文学に関心を抱いていると軟弱だと批判されました。当時の文芸誌を見ても、内向の世代と呼ばれる地味なサラリーマン作家が新人扱いされていたのです。彼らは新人なのに40代で、「もう若い人は小説なんか書かない」と悲観的な見方を示す評論家もいました。津島佑子や金井美恵子といった女性作家はいましたが、若い男性作家はほとんど見当たりませんでした。

そんな中でも、中上健次の名前は時々耳にしました。私は高校時代に『文藝』の学生小説コンクールでデビューしていたため、学生の頃から編集者に文壇バーに連れて行ってもらっていました。当時は、文壇バーという古くさい場所がまだ存在していたのです。

そこは純文学の編集者の溜まり場でした。編集者たちは毎日そこで飲んでいたようです。作家を連れて行けば経費で落とせるため、作家も時折姿を見せました。私は無名の学生でしたが、将来有望な若手作家として紹介されていたので、店の人との会話の中で、将来のライバルとして中上健次さんが時々飲みに来る、といった話題が出たことがあります。
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