世界や常識がエロくなる話 part9 (831レス)
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810: 03/03(月)12:15 ID:fhT0VyXq(2/8) AAS
「だってさ……」
俺はテーブルに両肘をつき、顔を覆うようにして呟いた。
「俺達の住む世界が《創作者》による文字情報世界だなんてさ……そんな話、頭で理解しろって方が無理だろ」
衝撃が抜けきらないまま、俺は目を閉じて深く息を吐いた。隷子の言葉が脳裏にこびりついて離れない。
《創作者》。その存在がこの世界を文字で紡ぎ、俺達をその中に閉じ込めた登場人物として生きさせている――そんな突拍子もない話だ。
「でもさ、理人くんだって薄々気づいてたんじゃないかな。この世界の秘密に」
隷子がそう続ける。彼女の視線が俺に絡みつく。
藍色の瞳が、まるで俺の心の奥底を暴こうとするかのように鋭く光る。思わず息を呑む。
見透かされてる――そんな感覚が全身を包み、逃げ場がない。

「……ああ、そうだよ」
俺は観念したように頷いた。隷子の視線に抗うなんて、最初から無理だったのかもしれない。
「正直さ、俺、昔からなんか変だなって思ってたんだよ。この世界が、どこか作り物っぽいって」
隷子は小さく首を傾げて、興味深そうに俺を見つめる。俺はその視線に押されるように、言葉を続けた。
「生活の中でさ、細かい違和感がずっとあった。
例えば、俺にとって都合の良いことがやたらと起こるんだよ。偶然にしては出来すぎてるってくらいにさ」
「へえ、都合の良いこと?」
隷子が軽く身を乗り出してくる。アイスコーヒーの氷がカランと音を立て、彼女の指がストローを離れた。
「どんなことが理人くんに起こったの?」
俺は一瞬言葉に詰まった。だが、隷子の穏やかで、それでいて好奇心に満ちた表情を見ていると、自然と口が動き始めていた。
「まあ、いわゆる……ラッキースケベってやつだよ」
隷子の眉がピクリと動く。だが、彼女はすぐに口元に薄い笑みを浮かべた。
「具体的には?」
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