[過去ログ] 新番組改編の局や枠を予想&検証するスレ Part251 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
983: 2016/11/17(木)19:59 ID:jvXeJjRJ(3/17) AAS
わたしは、今日から居候になることを話した。
名前くらいしか聞かされていなかったらしく、少し戸惑いながらも飼っている兎と一緒に自己紹介をしてくれた。

その後、アルバイトをしているリゼちゃんに加えて、私も喫茶店で働くことにした。
チノちゃんは少し人見知りをするらしかった。
それでも、わたしが明るく振る舞うと、少しずつ受け入れてくれているようだった。
ラビットハウスをもふもふ喫茶に改名しよう、なんて冗談を言ったら、彼女は面白そうに笑ってくれた。
すなおな美しい笑いだった。
984: 2016/11/17(木)20:00 ID:UbE3UBAW(5/5) AAS
>>980
ソースを出せや(笑)
985: 2016/11/17(木)20:00 ID:jvXeJjRJ(4/17) AAS
その日は一緒に晩御飯を作った。
そのあいまに、チノちゃんは父について話した。
今は喫茶店とバーのマスターで、そとではクールな顔をしているけれど、家ではとてもやさしいんですと言った。

夕食の後は、一緒にお風呂に入って、チノちゃんの部屋で髪を乾かしてあげた。

「この街、とってもすてきだね。これから楽しく過ごせそう!」

「そうですか」

「これからいろんなことをしようね。もし街の外へ行きたかったら、私が連れて行ってあげるよ」
省3
986: 2016/11/17(木)20:00 ID:jvXeJjRJ(5/17) AAS
ある休日の朝に、わたしはチノちゃんを散歩に誘った。
彼女は休日はもっぱら、喫茶店で働くか、ボトルシップを作るなど一人で過ごすことが多いようだった。
散歩しながら、この街のことを教えてもらった。
昔は職業ごとに家の色が違っていたと言うので、わたしが将来はピンク色の家のパン屋さんになるのかと話すと、チノちゃんは少し驚き、また嬉しそうな顔をしていた。
買い物をしているリゼちゃんとすれ違い、アルバイト中のシャロちゃんからクレープを買った。
千夜ちゃんがあんこを連れ帰るのを見送り、野良ウサギと戯れていると、チノちゃんの友達のマヤちゃんとメグちゃんや小説家の青山さんに会った。
987: 2016/11/17(木)20:02 ID:jvXeJjRJ(6/17) AAS
こうして、チノちゃんの周りにはいつしか人が増え始めていた。
わたしに友達ができれば、積極的にチノちゃんに紹介した。
また、わたしは一人のときには本を読んだ。
ふさわしい話題の種を補充しておかねばならないのだ。
また、物置で手品の道具を見つければ、早速説明書を読んで披露したりもした。
帽子から出てくる花の勢いを見誤り、あごに直撃したときには彼女は呆れた顔でくすくすと笑っていた。

チノちゃんと一緒に、たくさんのことを話して、たくさんのことをした。
はじめのころは照れてそっぽを向かれてしまうこともあったけれど、次第にすなおに笑ってくれるようになった。
そして、年上の友人への好意が少しずつ愛に変わってきつつあるのが、わたしにもわかった。
988: ナックル星人 ◆jzcSo72bTRQy 2016/11/17(木)20:02 ID:qChFNMd7(9/9) AAS
>>979
こいつも頭おかしいよ
ガラライブスレでは静岡市民だと
うるさいからな

もう名古屋もかなり厳しくなってきた
二桁が精一杯来年は一桁もある
そうなれば撤退だな。
989: 2016/11/17(木)20:03 ID:jvXeJjRJ(7/17) AAS
それから私が高校三年になった春のある日、いつもの公園を散歩しているとき、チノちゃんは何度もためらったあげく、わたしにささやいた。

「愛しています」

「わたしだってそうだよ」

「結婚したいです」

彼女はぽつりと言った。
これだけ口にするのに、心の中でどんなに努力をしたことだろう。
声には動悸の激しさが含まれ、美しい顔はこわばっていた。
省5
990: 2016/11/17(木)20:03 ID:jvXeJjRJ(8/17) AAS
「なにか困ったことでもあるんですか?」

「問題と言えるかどうかはわからないけど、故郷にいるわたしの両親のことなんだ。
理解はあるし、だからこそ実家を離れることもみとめてくれたんだけど、やっぱり芯は古風なんだと思う。
ひとつだけ約束をさせられてしまったの。
わたしもまた、その約束だけはまもりたい……」

「どんなことなんですか?」

「かけおちみたいな、やましい結婚だけはしないでほしいって言われたの。
相手の家からも祝福されるような結婚をしてほしいと。
いなかの旧家だから、言うことが古風なんだよ。
おかしいかな」
991: 2016/11/17(木)20:04 ID:jvXeJjRJ(9/17) AAS
わたしの説明の途中から、チノちゃんははればれとした表情になった。

「おかしくありません。
そんなことなら古風な方がいいじゃないですか。
私、もっと難問題なのかと思ってしまいました。
大丈夫です。
父も賛成してくれます。
私のお願いなら、なんでも聞いてくれるはずです……」

安心感と幸福感で茫然となったためか、チノちゃんはわたしにもたれかかってきた。
わたしはそれを受け止め、抱きしめた。
彼女のからだは、力をこめたらこわれそうな、ガラスの芸術品のようだった。
992: 2016/11/17(木)20:04 ID:jvXeJjRJ(10/17) AAS
それからしばらくすると、彼女の顔はやつれ、見違えるように変わっていった。
わたしが聞くと、彼女はため息とともに言った。

「父に何度か話したんですけど、いけないと……」

「もっと、詳しく教えて?」

「私、どんなにココアさんを愛しているかを真剣に説明したんです。
でも、みとめてもらえませんでした。同性との結婚は許さない、と。
いままで、ほかのことでは、あんなに物わかりのいい父でしたのに……」

チノちゃんは泣き、すぐに家を出て一緒に暮らしたいと言った。
わたしは、それは困るし、だいいち軽率だと言った。
長い間話し合ったあげく、二人でそろってたのんでみようということになった。
993: 2016/11/17(木)20:04 ID:jvXeJjRJ(11/17) AAS
チノちゃんのお父さんは、わたしが話し始めると、気難しく顔をしかめて言った。

「言い分はわかっている。そのことについて話し合うことはない」

とりつくしまがない口調だった。
わたしは反論した。
同性での結婚は条例で許可されているし、近所にもそういった女性達はいる。
郷里の家だってちゃんとしている。

しかし、いくら言っても、耳に入らないかのようにチノちゃんのお父さんは表情を変えなかった。
わたしは引き上げた。
994: 2016/11/17(木)20:05 ID:jvXeJjRJ(12/17) AAS
チノちゃんは父とわたしの板挟みになって、ますます悲しそうに、苦しそうになっていった。
やけを起こすような性質ではなく、まじめに考え、何とか方法を見つけようとしていた。
しかし、方法は無かった。
995: 2016/11/17(木)20:05 ID:YybugSr6(1) AAS
次スレ

新番組改編の局や枠を予想&検証するスレ Part252
2chスレ:anime3
996: 2016/11/17(木)20:06 ID:jvXeJjRJ(13/17) AAS
父親にたのみ、そのたびに拒絶されているせいか、チノちゃんは痛々しいまでに弱ってきた。
悩みつづけ、気力も弱ってきたようだった。

「私、死にたいです」

思い詰めた、鋭い一本の光のような口調だった。
いっしょになれないのなら、生きていてもしかたがないと言った。

「チノちゃんに死なれたら、わたしだって生きていられないよ」

とわたしが言った。
彼女が、ココアさんは死ぬことなんてありません、と言うかと思ったら、それは言わなかった。
彼女の表情は明るくなった。
省2
997: 2016/11/17(木)20:06 ID:jvXeJjRJ(14/17) AAS
それからは、二人で話すときは死の話ばかりをした。
わたしといっしょに死ぬことを考えると、彼女は楽しくなるらしく、動作もいきいきとしてきた。
それがいかにすばらしく、美しく、幸福なことかを、くりかえして口にするのだった。

わたしたちは話し合ったあげく、その場所を相談した。
わたしは海の近くがいいと言ったが、彼女は湖のある高原がいいと主張し、わたしはそれに賛成した。
そして、出かけた。
998: 2016/11/17(木)20:06 ID:jvXeJjRJ(15/17) AAS
景色のいいホテルだった。
部屋の窓からは、湖だの、森だの、遠い雲だの、すがすがしいものばかり見えた。

わたしは一日のばそうかと言ったが、チノちゃんはすぐのほうがいいと言った。
そして、鞄から薬の入ったビンを取り出した。
とてもうれしそうだった。
ビンの中には、二人を永久に結び付ける力がこめられている、そう信じているからだった。
999: 2016/11/17(木)20:07 ID:jvXeJjRJ(16/17) AAS
チノちゃんはビンから錠剤を出し、手のひらにのせた。また、わたしの手のひらにも半分をのせてくれた。
彼女はためらうことなく薬を口にいれ、目をつぶってコップの水を飲んだ。

そのあいだに、わたしは薬をポケットに移し、水だけを飲んだ。
このことは何回も練習してきたため、うまくできた。
少しぐらいうまくいかなくても、わたしを信じ切っているチノちゃんは疑わなかっただろう。

チノちゃんはゆっくりと目を開き、まっすぐにわたしを見つめた。
すばらしい目だった。
すみきった、美しい、幸福感にみちた目だった。
わたしにはとても正視できなかったが、全身の力をふりしぼってそれをやった。
とても長い時間が流れた。
1000: 2016/11/17(木)20:07 ID:jvXeJjRJ(17/17) AAS
「眠くなってきました……」

と彼女が言った。わたしの頭はさえきっていたが、やはり同じように言った。

「わたしもだよ」

「これで、わたしたち天国へいっしょに行けますね」

「そうだよ、もうすぐね。そして、もう二度とはなれることはない……」
省4
1001
(1): 1001 Over 1000 Thread AAS
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
life time: 16日 2時間 39分 13秒
1002
(1): 1002 Over 1000 Thread AAS
2ちゃんねるの運営はプレミアム会員の皆さまに支えられています。
運営にご協力お願いいたします。

───────────────────
《プレミアム会員の主な特典》
★ 2ちゃんねる専用ブラウザからの広告除去
★ 2ちゃんねるの過去ログを取得
★ 書き込み規制の緩和
───────────────────

会員登録には個人情報は一切必要ありません。
月300円から匿名でご購入いただけます。
省4
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.147s*