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スクールランブルIF16【脳内補完】 (756レス)
スクールランブルIF16【脳内補完】 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/
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605: Classical名無しさん [sage] 04/11/27 17:55 ID:5qJsM3J. 面白。GJ。 でも最後にメガネのコメントが欲しかったな。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/605
606: Will be there [sage] 04/11/27 23:04 ID:hnaniC1. ――いつからだろう。 もうそれは分からないけれど。 確かに自分はそいつのことを見つめてきたんだと。 そう彼女は思う。 「――私じゃ、ダメか?」 だから、そう訊いた。 ――過ぎ去った幾つかの季節。 ――踏み越えた幾つかの想い。 その先にある、彼女自身の想い。 ひどく遅れてやって来た、それは。 きっと、『恋』と呼べるんだろう―― Will be there ――――ここに、いるよ http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/606
607: Will be there [sage] 04/11/27 23:05 ID:hnaniC1. Prologue / Winter I 始まりはいつだったか、と訊かれたならきっとその日だと答えるのだろう。 二月十四日。 どんよりと低い空が、午後になって白い雪を舞わせ始める――絵に描いたような光景。ロマンチック、そんな言葉 がぴたりとはまる日。どのみち、今一つ気分の乗りきれない彼女自身にはあんまり関係のないことだったけれど―― ◇ 「気合入ってんなあ、塚本」 放課後のざわめきの中、いつもの人懐っこいような空気とは正反対に、なんだか近寄りがたい、とまでいえそうな 雰囲気を漂わせているその姿。美琴から見れば、微笑ましいようにも感じられる。 「空回りしなきゃいいけど」 「それは大丈夫じゃない? だって相手はあの彼だもの」 晶が突っ込んで愛理がフォロー、いつもとは逆のそんなやりとりも、これもまたなんとなくおかしい。 「……何がおかしいのよ。別にあの子だっていつまでも子供じゃない、って言ってるだけじゃない」 「だから、お前がそういうこと言うのが珍しいんだって」 「そうだね」 「あなたたちね……」 さすがにむっとした様子になってきたので、冗談だよ、と軽く誤魔化しておく美琴。真顔でジョークジョークと繰り 返している晶は放っておくとして――と、そこでふと気がつく。 「そういえばさ、沢近はこんなとこで油売ってていいのか?」 一番に飛びつきそうなのに、そう話を振ってみると、何故か冴えない表情。 「別に興味ないわ」 「あら、去年は確か、」 「去年は去年、今年は今年、よ」 言いかけた晶を遮るように、強い口調。理由はともかく、こりゃ地雷でも踏んじゃったかな、なんて思っていると、 気分の問題、という素っ気ない言葉がやってくる。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/607
608: Will be there [sage] 04/11/27 23:05 ID:hnaniC1. 「今はね、あんまり男の子のこととか考えたくないの。それだけよ」 「なら別にいいけど」 どことなく歯切れの悪いその台詞に、とりあえず頷いておく美琴。少しばかり居心地の悪い空気が流れ始めたそのとき、 視界の隅で天満が立ち上がる。 「っと、そろそろ出陣か?」 出陣、なんて言葉はバレンタインには相応しくないけれど、ぐっと片手を胸の前で握りしめて真剣な表情をするその 姿は、まさしくそれだった。……などと言ってみたところで、かくかくした動きで歩いていく彼女の緊張具合はやはり 微笑ましいものだったりする。 「……大丈夫かしら」 「さっきと言ってることが違うよ、愛理」 「あー……なんとかなるだろ、きっと」 その後ろ姿を見送ったあと、思わず顔を見合わせてしまう三人。だからといって、どうしようもないのだが。 「さて、と。んじゃ私らはさっさと掃除でも終わらせて帰ろうぜ」 ぱんぱん、と手を叩いて立ち上がる。雪が降ろうがバレンタインだろうが、やらないといけないことは変わらずにある。 世の中、結局そういうものである。 ――さて、わずかに時は流れて。 「運が悪いな、お互い」 「……絶対晶が何か仕組んでたのよ」 愛理と二人、一抱えもあるゴミ袋を運んでいる美琴がいる。じゃんけんで決めた以上、仕組むも何もないはず――なのだが、 相手が相手だけに、そういうこともあるかもしれない、とわずかに苦笑。 「仕方ないって。どっちにしたって負けは負け、だろ?」 「それは分かってるけど……」 まだ何か言いたそうな愛理を急かして歩き出そうとした、そのとき。 「……ん?」 それが美琴の目に入った。 校舎の影、見てる方が恥ずかしくなるくらいに真っ赤な顔をして、でもとんでもなく嬉しそうに烏丸と話している、 そんな天満の姿。話し声さえ聞こえてきそうな距離なのに、こちらにはまったく気がついていない。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/608
609: Will be there [sage] 04/11/27 23:06 ID:hnaniC1. 「――やるじゃん」 なんだかひどくほっとすると同時、そんな言葉が口をついて出る。なあ、と。そう隣の愛理に訊こうとして、 「……」 その目が、自分とは違うところを見つめているのに気づく。 「……? なに」 見てんだよ、そう続けようとした言葉がそこで止まった。 ――そこに、いた。 楽しげに会話を交わす二人のその向こう、ぽつんと一人立ち尽くす男子生徒の姿があった。ヒゲにサングラス、と くれば、全校探したところで他にあてはまる生徒などいるはずもない。 ないのだが。 「播磨、だよな。あれ」 何故か美琴にはそれが確信出来なかった。 それほどまでに、そこにいる彼の印象は普段とまったく違うものだった。 触れれば壊れてしまいそうな。 今にもどこかへ消えてしまいそうな。 そんな弱々しい姿をした播磨拳児が、そこにいた。 「……そう、天満だったのね」 自分に言い聞かせるようにそう呟いてから、さ、もういくわよ、と歩き出す愛理。その視線はもはや彼をとらえてはいない。 「あ、おい待てよ!」 まるで魅せられたようにその光景に縛り付けられていた美琴も、慌てて彼女の後を追う。 「なあ、あれって」 「さあ? 関係ないことでしょ、私たちには」 不機嫌そうな表情を隠そうとする様子もなく、それだけを口にする。普段からすればアップテンポを刻むその歩みは、止まる ことはおろか迷いさえみせない。 「そりゃ関係ないんだけどさ……」 これ以上彼女にこの話題を振っても無駄だと判断した美琴は、一人肩越しに振り返る。既に視界からは消え、もう見えない はずのその姿。それが何故か、彼女にはまだ見えたような気がした。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/609
610: Will be there [sage] 04/11/27 23:06 ID:hnaniC1. ――そして、夜。 美琴は一人、自室の窓際に立って外を眺めている。どことなく不機嫌そうなその表情は、言うまでもなく彼女の内面をはっきり と表わしている。 『関係ないことでしょ』 昼間に聞いた友人の言葉が繰り返される。 「分かってるよ、そんなこと」 その呟きも、もはや何度目になるのか。くるくるとメビウスの輪を回り続ける思考は、どこにも辿り着かない。 別段珍しい話でもなんでもない、ということは美琴にも分かっている。誰だって恋の一つもするだろうし、それが最後まで 叶うことなんて一握りにすぎない。昼間見たあの光景は、その配役こそ予想外だったかもしれないが、それ自体はよくある話 の一場面に過ぎない、と。 ――なのに。 雪の中に立ち尽くす、あの姿。それが脳裏に焼き付いて離れない。まるでずっと前からその場所にいて、これからもずっと その場所に立ち続けているような―― 「……まさか、ね」 数え切れない堂々巡りを経て、ようやく一つの可能性に行き当たる彼女の思考。 ――まだ、あの場所に。 窓の外を見る。 月が見え隠れする程度には晴れ間が見えているけれど、雪はまだ静かに降り続いている。 しんしんと、世界を覆うように。 「――ああもう」 ただの考えすぎかもしれない。 「ちょっと出てくる! 遅くはならないから!」 けれど、身体は勝手に――否、心に引きずられるようにして動き出していた。 「なにやってんだろ、まったく」 そう呟きながらも、駆けていく足は止まらない。雪の降る音さえ聞こえてきそうな、そんな街を学校に向かってただ走る。 誰もいなかったらどうするか、誰かいたらどうするのか、考えなければいけないことはいくつもあったけれど、あえて考え ないようにする。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/610
611: Will be there [sage] 04/11/27 23:07 ID:hnaniC1. 「――っ」 噛み締めるような吐息だけが、夜の中に溶けていく。時折すれ違う人影が不審そうな表情をしているのが目に入るけれど、 構わず走る。びちゃり、びちゃりと、積もることのない都会の淡雪を跳ね飛ばす自分の足音だけが耳に響く。 時間の感覚も距離感もごちゃまぜになったような、そんないつまでも続くような気がした道程も、やがて当然ながら終着点 を迎える。 ――学校。 日中はありあまるほどの活気に溢れたその場所も、夜になれば静かな佇まいをみせている――が、そんなことに気を回す 余裕もなく、飛びつくようにして校門に手をかける美琴。ぞっとするような金属の冷たさをその掌に感じつつ、一息によじ 登って乗り越える。 「……」 そして、呼吸を整えてゆっくりと歩き出す。耳に痛いほどの静寂に包まれた夜の学校を。 ――いるわけがない。 そんな常識的な考え。 ――絶対にいる。 そんな直感的な考え。 今更のように、一歩ごとに二つの思いが彼女の中で交錯する。 引き返すというならともかく、このままいけばすぐに出る答に、何を迷っているのかと苦笑を浮かべながら、最後の一歩を 踏み出して―― 「あ――」 ――いた。 灯りの消えたその場所で。 翳っては照らす月明かりの下に。 昼間と変わらず立ち尽くしている播磨の姿があった。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/611
612: Will be there [sage] 04/11/27 23:08 ID:hnaniC1. 「なに、やってんだよ……」 知らずもれた声は自分でも驚くほどに弱々しく、自分はいったいなんのためにここまで来て、何をするつもりだったのかと 自分自身に面食らう美琴。 一方の播磨は、ことここに至ってようやく美琴の存在に気がついたというように、胡乱なその視線を動かして、正面に立つ 彼女にゆっくりと視線を合わせる。 すれ違う二人の視線。その瞬間、唐突に美琴はそのことに気がついた。 どうしてこれほどまでに播磨のことが心に引っ掛かりを残していたのか、その理由に。 何故なら。 ――これは私だ。 失恋がどう、ということではない。 誰にも知られることなく、自分の中だけで始まって終わった想い。それをたたえた、サングラスの向こうの見えるはずもない 瞳がかつての自分とまったく同じものだ、と。 そのことに気づいた瞬間、わずかばかり彼女の中に残っていた考えも真っ白になり、どうしていいのか分からない、そんな 戸惑いだけがぽつんと残る。 「……おい」 「え? あ……」 美琴が自身の思考に翻弄されている間に、いつのまにかその目の前には播磨が立っていた。なんの言い訳をするわけでもなく、 何を訊くわけでもなく、帰るぞ、とただそれだけを口にする。 「そう、だな――っ!?」 動転したまま踏み出した、美琴のその一歩目が濡れた地面の上を滑る。視界がくるりと回転し、次の瞬間にはやってくるだろう 痛みに彼女が身構えたとき。 「あ――」 柔らかくその身体が抱き留められる。大丈夫か、と重ねるようにしてかけられる播磨の声に、ぶんぶんと首を振りながら、 大丈夫、と答える美琴。それを聞いて、そうか、とだけ答えた播磨はゆっくりと歩き出し、今度は慎重に美琴もそれを追う。 「……」 「……」 そして、無言のまま歩き続ける二人。元より話すつもりのほとんどなさそうな播磨に加え、思いの外動揺している美琴もまた、 口を開かない。そのまま黙って校門まで辿り着き、校外に降り立ったその後で、ようやく出がけにコートのポケットに突っ込んだ 折り畳み傘の存在を思い出す美琴。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/612
613: Will be there [sage] 04/11/27 23:09 ID:hnaniC1. 「あー……その、なんだ。貸そうか、これ」 っつーかそのつもりで持ってきたんだけど、と先の動揺のせいか、最後は消え入りそうな声になっている。それを聞いても 黙っていた播磨だったが、やがて、お前はどうするんだ、と尋ねる。 「……あ」 彼女の手にした傘は一本。 つまりは、結局どちらかは濡れて帰らないといけない、ということになる。 「……ダメだね、私」 半ば泣き笑いにも近い表情になる美琴。けれど、播磨はそんな彼女を笑うでもなく、かといって励ますでもなく、 「……わりぃな」 そんな言葉だけを残して背を向ける。そして、差し出された傘は受け取らずに去っていく。取り残された美琴は、ただその姿が 見えなくなるまで見送ることしかできない。 「――播磨」 人影のないその場所で紡がれた、誰にも届かない呟きと、手にした傘の重さ。 それだけが、その場に残された。 ◇ ――そんなふうにして、彼女の高校二年の冬は終わる。 一つの置き土産を残したままで。 そしてゆっくりと季節は巡り、新しい季節がやってくる―― http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/613
614: Will be there [sage] 04/11/27 23:11 ID:hnaniC1. ――と、いうわけで。 需要はどうなのか果てしなく不明の鉛筆モノ(予定 特に意味もなく連載形式、五、六回と踏んでいます。 地味に埋めを兼ねつつ、まったりと進行していくのでまったりお付き合いしていただければ。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/614
615: Classical名無しさん [sage] 04/11/27 23:17 ID:3R9FgKsY GJ 話の雰囲気が伝わってきて おもしろかったです。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/615
616: Classical名無しさん [sage] 04/11/27 23:23 ID:hvjRRNbI 超GJ! 目茶目茶雰囲気良いです。 空気が感じられて、それが伝わってくるみたいで凄い。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/616
617: Classical名無しさん [sage] 04/11/28 03:54 ID:uxLKxP2I 茶道部の一室 「麻生先輩!茶道部の部室でお昼いっしょにしませんか?!」 と、後輩の女子に誘われて部室にきたものの... 麻生は顔をあげてテーブルの対面に座る人物を見た。 播磨拳児 なぜコイツがここに...? 英国風少女趣味の部室にサングラスの不良。違和感ありありだ。 いや、それはまだいい。 問題はこのまま部室に居続けたら、あの後輩の女子が帰ってきて 自分に一緒に昼飯を食べることを強要することは明白だった。 ...コイツが目の前にいようといまいと だが、ここで帰ってしまうと後であの女子に 「む〜〜先輩!なんで帰っちゃったんですかぁっ?!ひどいです!」 って教室まで乗り込まれるに決ってる。 逃げる事も留まることもできない袋小路。 普段の冷静沈着さはどこへやら、麻生はただ対面に座る播磨を見つめ続けるしかなかった。 男二人の秋の夕暮れ メルヘンであった。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/617
618: Classical名無しさん [sage] 04/11/28 05:16 ID:NnBzrNNs >>617 実相寺昭雄風の映像が頭に浮かんだ… http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/618
619: Classical名無しさん [sage] 04/11/28 10:59 ID:Zw1gWj8Q >>614 GJ! つーか果てしなく(゚д゚)ウマー 情景描写が神がかってますね。頭の中でしっかり映像化されました。 この二人は好きなので続きが激しく楽しみです。 連載頑張って下さい。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/619
620: Classical名無しさん [sage] 04/11/28 11:01 ID:LdPmAMJE めるへんかよw http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/620
621: 向こうで要請があったクリスマスSSこんなんどうでしょうか? [sage] 04/11/28 11:28 ID:DXDskhA. プロローグ 12月24日 クリスマスイブ 街にはカップルがごったがえし、街路樹は嫌そうにライトアップされている。 そんな中塚本家の前に一人の男がいた。 彼の名は播磨拳児。服装は冬に合わせてコートを羽織っているがどこか暗い不陰気を出している。なぜなら、彼は知ってしまったから。そしてそのことについて多大なショックを受けている。 今、塚本家ではクリスマスパーティーが行われている。 参加者は天満、八雲、沢近、周防、高野は当たり前だが他に八雲の友達のサラはいいとしても、一条もいいとしても、花井、今鳥、そして烏丸までもが居る。そう彼、播磨拳児は呼ばれなかったのだ。そしてあきらめきれずに家の前まで来ていた。 いやただのパーティーなら彼もあきらめがついたかもしれない。しかし、今回はあきらめきれない『訳』があった。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/621
622: 向こうで要請があったクリスマスSSこんなんどうでしょうか?2 [sage] 04/11/28 11:29 ID:DXDskhA. 「カンパーイ」 それぞれのグラスがぶつかり楽しそうな話し声が外にもあふれてくる しかし乾杯には一人外でおしるこ片手に参加しているやつもいるが 「さびーな」 そういって彼は襟を立てた 手の中のおしるこ暖かさが身にしみる 「(どうして天満ちゃんは俺を誘ってくれなかったんだ? あんなにアピールしたのに)」 といっても彼のアピールは『冬だな〜クリスマスが近いな〜』と言ったり、座席の後ろにある黒板にサンタの絵を約20近く描いたくらいであるが 「あははははは」 「んなことあるわけねーだろ。ははは。」 家から漏れる笑い声。彼の身に寒さよりも堪えるものがあった。 「(あ〜。楽しそうだ。ってかなんで烏丸がいるんだよ。あいつが一番クリスマスとか関係なさそうじゃねーか。いや待て拳児、こんなことを考えるよりもとにかくあれが始まるまでに中に入る方法を考えねーとな)」 ゴクッ 彼はおしるこを一口飲み込む 「(どうやって入るかな。窓は危険だな。完全に不審者だ)」 もともと人の家の前に突っ立っている時点で不審者であることに彼は気づいていない 「(やっぱし正面から堂々といくか。しかしだ、そんな風に入ったら『来たくてしかねぇ』 みたいに見られそうだしな・・・。そうだ!)」 彼は一つの閃きを脳内に握り締め街に走っていった http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/622
623: 向こうで要請があったクリスマスSSこんなんどうでしょうか?3前半 [sage] 04/11/28 11:31 ID:DXDskhA. 15分後 「ふう。まだあれはやってなさそうだな」 彼は塚本家の玄関にいる。それもサンタの格好をして、さらにケーキを持って。 「(どうだ、この完璧なカモフラージュは。これならみんなも仕方なく来たとわかるだろうよ)」 彼の脳内を補足説明するとつまりこういうことになる 1、サンタの格好でケーキを持って入る→2、そこで俺の一言『ケーキ売りのバイトしてたんだけどケーキ余っちまってさ、一ついらねえか?』→3、そこで天満ちゃんはやさしいから『播磨君じゃない。どうぞあがっていって』 となっている。 「(ではピンポンを押すか)」 ピーンポーン 「はーい。誰ですか?」 天満が玄関に走ってくる 「あっ播磨君」 「あ、あ、あんさケーキ売りのバイトしてたんだけどさケーキ」 そこであれの言葉はさえぎられた 「遅いよ播磨君。招待状見た? もう時間30分も過ぎてるよ」 「えっ? (招待状? そんなのあったか?、もしかしてあんとき・・・)」 今から1週間と少し前。彼の下駄箱には封筒が入っていた。しかし彼は『また天王寺かよ』 と言うだけで中身も見ずに捨てたのである。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/623
624: 向こうで要請があったクリスマスSSこんなんどうでしょうか?3後半 [sage] 04/11/28 11:32 ID:DXDskhA. 「さあ、とにかく上がってよ」 「ちょっ(そんじゃあこの格好はただの気合は入りすぎになるんじゃ・・・)」 「みんな〜播磨君が来たよ〜」 全員の視線が一人の男、播磨に集まる 「あ、ども」 『はははははは』 一斉に全員が笑い始める。高野、烏丸を除いて(しかし高野は写真を撮っている) 「お前気合は入りすぎだろ」 「もーミコちゃん。笑っちゃダメだよ」 「(て、天満ちゃん、俺を気遣って。やっぱり君は最高だ天満ちゃん)」 「播磨くんはこのパーティーを『サンタの格好をして来るパーティ』と間違えただけだよ。ね、播磨君」 「(違う! って言えない。ってかどっちかというとそっちの方が馬鹿じゃねーか。けどしかたない。天満ちゃんのため)そう・・・です」 『あっはははは』 笑い声が一段と増す 「播磨、お前はバカだな」 「うっせー花井!」 「なんだ? やるのか?」 「まあまあ、全員そろったし。仕切りなおそうよ。」 天満は呼びかける 「そうだな。まあいっても乾杯するぐらいだけどな」 「さっすがミコちゃん話が早いね。さっ、播磨君座って」 「あっああ」 「では僭越ながら塚本天満が仕切らしせてもらいます。みなさんかんぱーい」 『かんぱーい』 まだまだ夜は始ったばかり。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/entrance2/1099026765/624
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