[過去ログ] 怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
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366: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 2017/12/15(金)13:32 ID:aqAbC2Xe(4/5) AAS
改めて闘志を燃やすアクアメロディに、しかし屋敷の主は不敵に笑う。
「残念だが、君が自分から盗みを働くことは絶対に不可能だ」
「残念だけど、今まで私にその台詞を吐いて実際に成功させた者はいないわ」
「いいや、今回に限っては絶対なのだよ―――オイ」
パチン、と豪水が指を鳴らすその仕草にすわ開戦かと身構える美音。
しかし罠が発動することも、黒服がなだれ込んでくることもなく、動きを見せたのはただ一人。
自分をここまで案内してくれた後は無言で退室していたメイドだった。
背後から入室してきた彼女はこちらに襲い掛かってくる気配などまるで見せずにしずしずと近寄ってくる。
両手で抱えたお盆の上には一枚のメモリーカードと、淡く輝く濃蒼の宝石が乗っていた。
「どうぞ」
「これは……」
「市長への不正献金に違法な薬の使用による品種改良など、それには自分の悪事の証拠が詰まっている。
宝石のほうは知っているだろうが、秘蔵の『グランレイクブルー』だ」
「……どういうつもりかしら?」
「言っただろう、盗みを働くことは絶対に不可能だと。何せ盗まれる前に差し出すのだからな」
ハハハッと愉快そうに笑う初老の男に怪盗少女は困惑を隠せなかった。
偽物、あるいは罠かと考えたがそんな様子は見えない。
しかしこれが本物だというのならば、後は屋敷を脱出するだけでミッションはクリアとなる。
「おやおや、そんなに眉間にしわを寄せては折角の美貌が台無しだぞ」
「ふざけ―――」
「クハハ、冗談だ、そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。だがね、前言を翻すことはしないよ。
何故ならば―――」
それは怒りによって視野の狭まった美音の隙をついた一瞬の出来事だった。
流れるような無駄のない手慣れた動きで懐に手を伸ばし、引き抜く。
時間にすれば一秒にも満たない中で、青広豪水はその右手に黒い棒状の何かを掴み
そして、それが拳銃であることに気がついた時には既に照準は怪盗少女の胸元にセットされていた。
「―――君はここで死ぬのだから」
引き金にかかった指が曲げられ、発砲。
パァン! という乾いた音がその場に響いた。
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