[過去ログ] 淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目 (533レス)
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505
(1): 2014/12/26(金)13:44 ID:TXEVPhSC(1) AAS
まさかここで真面目な小説が生まれるとは…
506: 93マイル 2014/12/27(土)01:54 ID:8Xmyozrh(1/7) AAS
>>505
真面目ですかね……フランス書院の美少女文庫からエロが抜けたノリですが……。

続き投下。
――――――――――――
翌朝、起きてみればシャーリーはベッドから消えていた。
何のことはない。起きてすぐに出て行ったのだろう。ダイニングで百合は手早く朝食を食べていた。
昨日の残り物を有効活用するためおかずは肉じゃがをメインに味噌汁やら漬け物で茶碗飯を食べている。
「おはよ、お父さん。コーヒー飲む?」
「いや、味噌汁だな……それにしても早いな」
「なんか、早起きしちゃった。なんでだろう目が覚めたらすっきりした。よく寝られたみたい」
省42
507: 93マイル 2014/12/27(土)01:55 ID:8Xmyozrh(2/7) AAS
 百合が小学四年生のとき、聖子は子宮ガンを患った。それは残酷にも子宮を摘出しないといけない規模だった。
「……ごめんね、健二……」
 そろそろふたりめが欲しいと決めた矢先のことだった。年齢的にもギリギリだった。
「良いんだ。百合がいるんだからな……」
 子供がいない夫婦だっている。自分たちは娘がいる。それだけでも幸せじゃないかと納得することにしておいた。
 それでもお互いに無理矢理納得させているような気がしていた。
 だから、それを引きずったのか、二年後にガンが再発した。
 それも転移箇所が多く、もう処置はできないレベルになっていた。
 そして、聖子はあっさりと死んだ。ホスピスを検討した矢先だった。
 まるで弱っていく自分の姿を見せないように。
省15
508: 93マイル 2014/12/27(土)01:56 ID:8Xmyozrh(3/7) AAS
 定時で家に帰ると、ダイニングでシャーリーがお茶を飲んでいる。
 今日はセーターにスキニージーンズといった格好だ。椅子には昨日のダッフルコートが掛けられている。
 しかし巨乳にセーターとはこれまた扇情的だ。
「早かったな」
「入院開けで残業はさせないらしい。まあ、すぐに忙しくなるがな」
「なるほど。安心しておけ今日はさすがに襲わん。週末、ちゃんと休みは取れているのか?」
「それは安心しておけ……というか……すっかりお前のペースに飲まれている気がする」
「男は正直だからな」
 気がつけばこの女の手のひらで踊っているような気がしてきた。
「百合は?」
省20
509: 93マイル 2014/12/27(土)01:57 ID:8Xmyozrh(4/7) AAS
結果的に言えば、週に何度かは我が家を訪れ、百合に勉強を教え、逆に料理をいくつか教わった。
 ついでに俺のために弁当を作るようになった。大抵、朝早く来ては弁当を作っていく。
 百合もシャーリーに合い鍵を渡したことは既に納得しており、ときたま一緒の部屋で寝ているときもある。
 ちなみにシャーリーからは「襲わないから安心しろ」と釘を刺された。娘の精気を吸う気かと疑ったからだ。
 そして、俺は少しだけ週末になると憂鬱にもなる。
 さすがに女を抱くのはたまらないが、相手が強すぎる。精も根も尽き果てるだろうという予感はあった。
 初めての時はこんな感じだったはずだ。正しくは二回目かも知れないが。

 金曜日の夜、百合とシャーリーで食器洗いを終えた途端に、百合はてきぱきと風呂に入って就寝した。
 まるで催眠術でも掛けられたかのように無言で。
「……本当に、ご都合主義だな。まさか、俺も操っているんじゃないか?」
省10
510: 93マイル 2014/12/27(土)01:58 ID:8Xmyozrh(5/7) AAS
 やはり寒さが容赦しない状態になってくれば、厚手のパジャマを重ねて着るなり、ズボン下を履くなりの工夫はする。
 しかし、これからサキュバスは俺を裸で襲いかかるのだろう。
 服を脱がなくても良いのだろうが、何故か薄着になってしまった。これで風邪でも引いたらお笑いぐさだ。
「……起きているか?」
「ああ」
 物音ひとつ立てずにシャーリーが部屋にやってくる。
 さすがに多少の汚れは有ったようだ。洗い髪をゴムで結い上げているので、首回りが見える。鎖骨がきれいだな。
「ふむ……お前も鎖骨が好きか……多い物だな男には」
「まあな。意識して、首回りを見せているのか?」
「そういうわけでもない。埃にまみれるのが不快だから全身隈無く洗っているだけだ。
省19
511: 93マイル 2014/12/27(土)01:59 ID:8Xmyozrh(6/7) AAS
 布団を剥ぎ、身体を起こしていた俺にそっと口づけをする。
 真っ先に舌でも差し込んでくるかと思ったら、ゆっくりと俺の衣服に手を掛ける。
「人間は難儀だな……これくらいの寒さなど私には大したことないのにな」
「……これでも薄い方だ」
「知っている。だから、私にはこういう方法もある」
 その瞬間、部屋の中の気温が上がったような気がする。夏までの暑さではないにしろ、過ごしやすい気温の切り替わった。
「凄いな……寒くない」
「これなら、脱げるだろう」
 俺が落ち着く間もなく、急に唇を塞がれる。そしてそのままシャーリーの舌が俺の歯茎を愛撫する。
 誘われるように俺の舌もシャーリーの舌に触れる。
省43
512: 93マイル 2014/12/27(土)02:01 ID:8Xmyozrh(7/7) AAS
 拡散した意識の断片が集まってひとつの意識として戻った瞬間、俺の隣にはシャーリーがいた。
「気づいたか?」
「ああ……しかし、我を忘れるとはさっきのことだな……」
「気にするな。男はあんな物だ。しかし……途中で他の女のことを考えられるのは、
 少しプライドが傷ついた……完全に屈服させてやろうと思ったのに……」
 少しいじけたような顔になる。どうやら俺が聖子のことを少しでも考えていたのが許せなかったようだ。
 完璧主義者なのかもしれない。
「ふん……百合の父親だけあるな。お前が死んだ妻に対する感情は、下手な物じゃない。
 そこは自信を持て。なるほど、親子揃って意志の強さがあるというのも珍しい……悔しいがお前の妻がいなかったら、
 お前はここまで良い精力を放たなかっただろう……そういう意味では感謝しないといけないな」
省17
513: 93マイル 2014/12/28(日)01:40 ID:md140zW8(1/17) AAS
投下します。
――――――――
 その日、いつものようにキスをされ、少し虚ろな気分になった途端に押し倒される。
「そろそろ良いだろう? お前に関しては抱かれるばかりでは飽いてくる」
 思わず起き上がろうにも身体に少しも力が入らない。
「無理するな。どうせ、こうなることくらい分かっていただろう」
「……まともな社会生活は送れるくらいにしとけよ……何するか知らねえけど……」
「大丈夫だ。その時は記憶を消してやる。それに身体の感覚も戻せるぞ。
やろうと思えば、二十四時間勃起させてやることもできるが、それではお前が死んでしまうからな。
さすがにそんなことはしないさ」
省47
514: 93マイル 2014/12/28(日)01:41 ID:md140zW8(2/17) AAS
「かわいそうだが、今日はお前を私の中に入れてやることはできない」
「そうか……」
「だが、立場は逆転させてもらうぞ……もう、ちょっと我慢できなくなってきたからな」
 いきなり、腰を持ち上げられ、両脚を上に上げた、いわゆる女がやられるまんぐり返しのような姿勢にされる。
「なにしやがる……」
「ここまで来て、どこを責められるのかを聞くのは野暮という物じゃないか?」
「マジかよ……」
 シャーリーの眼前にあるのは俺の尻だ。目的はもちろん、肛門の方だった。
「言っておくが、今のお前はいきなり指が入るのか、という不安もあるだろうが、少し緩くしてやっている。
 指など簡単だ。それに私は唾液をローションのようにすることもできるからな……」
省33
515: 93マイル 2014/12/28(日)01:42 ID:md140zW8(3/17) AAS
「やっぱり、気が変わった。そのままお前を犯してやる」
 急に体勢を元に戻され、シャーリーは騎乗位の体勢に移る。
 拍子抜けしたと思いつつ、中に入っていく熱さを意識した瞬間に、腰に別の箇所から快感が弾ける。
「……がぁっ……おまっ……うぁっ……」
「お前も馬鹿だな……尻尾で犯すと言ったんだぞ。同時にやるくらい雑作もない」
 確かに馬鹿だった。いつも通りになると思ったのが勘違いだった。
 しかも酷いことにシャーリーは動かないまま、尻を犯されていることで自然に動く俺の物の動きを楽しんでいる。
「私の尻尾は優秀だからな。中で粘液を発しながら動いているだろう?」
 確かに動きがスムーズで簡単に腹の中を満たす。だが、圧迫感ばかりが強く呼吸困難のようになってきた。
「むう……少し、無理させたか……やはり浅くしよう」
省35
516: 93マイル 2014/12/28(日)01:42 ID:md140zW8(4/17) AAS
「あー……悪かったな……」
「……うるせえよ」
 やっと責め苦が終わり、眠れることができるようだ。
 ちなみに、さっきまでやられた感覚やらはリセットさせたとシャーリーは言う。
 確かに犯された肛門は普通だし、乳首に触れても変な気分にもならない。
「機嫌を直してくれ……」
「……ときどきなら、今日みたいなのはやっても良いが……来週からは勘弁しろ。
 今やっている仕事が忙しくなる。最近は残業が多いのは分かっているだろ?」
「そうだな……」
 さすがのサキュバスも残業には勝てない。というか、本当に欲望まみれの存在なら、そんなのは無視だろう。
省17
517: 93マイル 2014/12/28(日)01:43 ID:md140zW8(5/17) AAS
「お前は娘の教育に問題を感じたことは無かったのか?」
 ベッドに座らされ、シャーリーが開口一番にそんなことを言ってくる。
「いきなりなんだよ」
 品行方正、成績優秀、生活能力は高い、性格は素直で少し心配性で父親依存が強いところ意外には問題ないはずだが。
「褒めすぎだな……いや、お前が思っていることとは大きく違う」
「なにがだ? あれか? この年になっても恋人ができないことか? 
 あいつが真面目すぎるからの弊害だとは思っているが、その内に……」
「これだから、男親は愚かだ。いや気づかなかった私も愚かだ。
 お前は、私といるときに百合から視線を感じていたのには気づいていたか?」
 百合からの視線。
省29
518: 93マイル 2014/12/28(日)01:44 ID:md140zW8(6/17) AAS
「今日はお前が早く帰ってくることは分かっていた。
 仕事も終わったことだし、少し今日は豪勢にしてやろうと思っていたんだ。
 青椒牛肉絲に焼餃子に中華サラダと杏仁豆腐もつけてやるつもりだった。今は冷蔵庫だがな。
 とにかく、昼過ぎには食材は買い込んでおいた。
 悪かったな。本当はもっと節約してやるべきだったが、私が中華を食べたかったのと、
 仕事の間は薄味の物しか作ってやれなかったからな。
 コッテリしたのは身体に来ると言われたら少し濃い味もできない。
 だがどうせ休みだ。しっかり食べてしっかり寝て、私を楽しませて欲しかったんだ。
 ともかく、そこから大量に焼餃子の準備をしていたんだが、夕方前になったら百合が帰ってきて、
 一緒に餃子の皮に具を詰める作業をしてくれた。
省28
519: 93マイル 2014/12/28(日)01:45 ID:md140zW8(7/17) AAS
誘ってやれば簡単だった。百合は簡単に首肯した。
 私たちサキュバスは魅了の術を使えるが、百合は使うまでもなかった。
 ただ、無心で私に手を引かれていった。だからそのままベッドに寝かせた。
 トレーナーにジーンズなんて格好をしていたから、脱がすのは簡単だった。
 金縛りに遭ったように、身動きを取れずに震えていたよ。展開が唐突すぎるからな。
 まあ、お前も私と出会った頃はそうだったろう。
 すぐに裸にしてやったが、お前に文句があるとすれば娘の小遣いは少し増やしておけ。
 あまり可愛らしくない下着を着ている。金が足りていないんじゃないか? 
 なに、節約志向で貧乏性だと? 
 全く、百合は難儀な性格をしているな。人間ならもう少し欲望を出しても良いのにな。
省40
520: 93マイル 2014/12/28(日)01:47 ID:md140zW8(8/17) AAS
「私の仲間には、古い者だと吟遊詩人の真似事をしている奴もいたな。
 男の次に音楽が好きだという変わった奴だった。三十年も前の話だがな。
 そいつだったら五時間でも余裕で話し続ける。叙情詩とかを暗唱できるからな。
 それに比べれば、私の話など雑談と同じだ。いや、一人勝手にしゃべっているだけだから呟きか」
 好き勝手にしゃべっているが、その仕草は少し愛嬌があった。
 こういうところを見ると、俺にも多少の未練があるという。そして、彼女は俺のことを誘っている。
「良いのか?」
「構わんよ。餞別をくれと言っただろう。
 しばらくは夢から夢で精気を奪っていけば良いが、せっかくだから最後にお前の精気を直接頂きたい」
 そう言い切った瞬間に、心臓の鼓動が高鳴る。意識もしていないのに勃起しているのに気づいた。
省11
521
(1): 2014/12/28(日)07:46 ID:SFuHKBkW(1) AAS
エロパロ板でこれだけ読ませる作品も珍しいな
悲しげな展開だが期待
522: 93マイル 2014/12/28(日)21:51 ID:md140zW8(9/17) AAS
>>521
期待ありがとうございます。

一応、今回で最終回の予定。投稿規制ギリギリなので、途中止まるかもしれません。
―――――
「……今日は服を着たままか?」
「そういうのも良くないか? 俺も早く帰りたいし……」
「悔しいな。私はお前にとっては三番目なのか?」
 そりゃな。でも、今この瞬間だけは一番だ。
「だからお前は、どうしてそう大事なことは口にできない? そういうところで、人生損していないか?」
 呆れたようにシャーリーは苦笑する。ため息までつかれた。
省42
523: 93マイル 2014/12/28(日)21:51 ID:md140zW8(10/17) AAS
「……重いな……」
「すまないな……さすがにおっさんだと、どうしても太る……」
「ああ分かっている……残念だが、お別れだ。とりあえず、部屋の時間が余っている。十分ほど寝ていろ」
 見送らせない気か、と気づいたときには遅かった。俺の意識は一瞬の内に途切れてしまった。
 起きてみれば、ご丁寧に服は背広以外は直されていた。背広はコートと一緒にハンガーに掛けられている。
 時計を見れば、本当に十分くらいしか経過していない。
 そして、枕元には休憩時間分の現金が置かれている。本当に気が回る。

 帰宅したのは九時前だった。着替え終わると、百合が起き上がってきた。シャーリーの言ったとおりだった。
「寝てたのか?」
「うん……なんか、変な夢見てた……おかえり。ご飯、もう作ってあったけど待ってたら寝ちゃった。
省11
524: 93マイル 2014/12/28(日)21:52 ID:md140zW8(11/17) AAS
一年後。

 俺は相変わらず仕事をしている。そして、百合は受験生になった。
 進路については国公立と私立を受験するという結果になった。浪人はしないとのこと。
 偏差値については当落線上よりは上。現状では勉強をしていれば問題は無い。
 家政科ではなく、一般の方面に行くのは予想外だった。
「料理を作るのを仕事にしたら、楽しくなくなるからね」
 なんてことを言う。まあ、それは娘なりに考えた結論だ。親がとやかく言うことじゃない。
 ちゃんとやっていけるのであれば、文句なんてない。
 相変わらず彼氏、彼女の気配は無かったはずだった。
 
省26
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