[過去ログ] 【第13号機】新世紀エヴァンゲリオン【第13使徒】 (821レス)
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683: 2019/09/07(土)15:49 ID:RDVGnz9y(1/6) AAS
短編投下します。
タイトル:どうせ、壊れるのだから
作者名:名無し
内容:破ラストのシンジと綾波。エヴァ旧作も含んでいます。性的描写はありますが淡白で実用的ではありません。
名前欄にタイトル名と投下数のナンバーを入れますので、スルーはそれをご参考にお願いします。
684: どうせ、壊れるのだから(1/4) 2019/09/07(土)15:50 ID:RDVGnz9y(2/6) AAS
14歳のシンジが生まれるずっとずっと昔から海は当然赤い色をしていて、それが世界の常識だった。
でも、どうしてだろう。海は、青かった気がする。
まるで晴れた夏の空のような濃く深い、永遠に広がる青い色。
知らないはずなのに、そのひたすらに広い青い海を、自分は知っている気がする。
シンジの中には、自分自身でも理解できない不可解な何かが破片のように散らばっていた。
(綾波、綾波、綾波、綾波ーー)
少年のか細い喉から獣のような唸り声をあげ、シンジはその壁に全身全霊で両腕を押し付ける。
心の中で、一人の少女の名前をひたすらに呼びながら。
自分は今、どうなっているのだろうか。まだヒトの形をしているか、何か鬼のような醜い何かになっているのか。
この壁を壊せるのなら鬼の姿でもいいと、壁に両手の指を突き立てるようにして渾身の力を込める。
省9
685: 2019/09/07(土)15:50 ID:RDVGnz9y(3/6) AAS
どうせ、壊れるのだから(2/
ただ、遠く、夢に見たことがあるのだ。
ーーいや、そんな気がするという程度の不確かな妄想の断片だ。
断片の中。何もない世界で、綾波と自分は交わっていた。
仰臥した細い少年の裸体に、それよりも細い、切ないほどに華奢な少女の裸体が跨っている。
股がられた箇所、互いの股間は境目なく合わさって繋がっていた。
二人は、一つになっていた。
シンジの細い陰茎は屹立していただろうか。綾波の幼い女性器ははたしてそれを飲み込んでいたか。
だが、そこは一つに溶けていて、お互いの肉体の区別がつかないほどに繋がっていたからシンジには分からなかった。
ただ、綾波と溶けて一つになっていたその時間は静かで、安らいでいた。
省9
686: どうせ、壊れるのだから(3/4) 2019/09/07(土)15:52 ID:RDVGnz9y(4/6) AAS
現実の世界の中で、シンジは咆哮とともに壁をこじ開けた。
腕を、上半身を、必死に壁のあちら側の深い闇へと捩じ込む。
「綾波!手を!!」
そこに小さく見えた少女の姿に叫んだ。
でも、使徒に飲まれた綾波は生きる事を諦めている。
諦めたまま、裸の体を丸め胎児のように闇に落ちている。
(私が死んでも、かわりはいるもの)
「違う!」
そんな言葉は、無数の断片の中でもう聞き飽きたのだ。幾度も聞かされるたびに幾度も否定して、それでもまた聞かされる。
ふと、シンジの皮膚に焼けるような痛みが走った。
省8
687: どうせ、壊れるのだから(4/4) 2019/09/07(土)15:53 ID:RDVGnz9y(5/6) AAS
やっと、綾波を救った。
やっと、また一つになれる。
二人以外の外界を全て放棄して、シンジは初号機の中で綾波を抱きしめた。
制服の布地越しに綾波の乳房や乳首の感触があった。
溶け合ってはいないが、こうして個々のカタチのままに体を寄せている今が、シンジには心地良かった。
これからこの世界は崩壊するのだろうか。人類は滅びるのだろうか。
でも、知った事ではない。
次の世界の海は、赤いのか、青いのか。それも今はどうでもいい。
どうせ、この世界はシンジに対して残酷なのだ。シンジを苦しめるために構築されているのだ。
きっと、綾波を抱きしめているこの現実も、どうせすぐに壊される。
省8
688(2): 2019/09/07(土)15:53 ID:RDVGnz9y(6/6) AAS
投下以上です。
2番目の名前欄とタイトルをミスって申し訳ありません。
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