[過去ログ] 【スカトロ】排泄系妄想廃棄所18【汚物】 [無断転載禁止]©bbspink.com (693レス)
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682: G 2019/12/24(火)22:58 ID:6PXDkbLS(6/17) AAS
 
「なんか色々、損してるなって思う。どうしても自分の体のこと優先だからねぇ……。それに、これを無理してでも付き合ってみたいって感じの人は居なかったし。格好良いとか悪いとかは別にして」
「そうかぁ……。でもやっぱりカオルも、そう言うの、あるんだね」
「も!?」

 ぽつりと言った、スーの一言に、薫は驚きを隠せなかった。
 がばっと体を起こし、コタツの上に大きく体を乗り出す。

「も……って。 ひょっとしてスー、誰かにアプローチされてるってこと」
「うん。私も、アルバイトで行っている運送会社で、同じバイトの男の人にね…けっこう真剣に、色々誘われているんだ。あ、日本人の人ね。別の大学に通ってる。確か二歳上、だったと思う」
「そ、そうなんだ……!? 初めて聞いたし、すごいびっくりした。まさか、って言ったら失礼だけど、今までそんな感じ、スー全然なかったし」
「ごめん。でもこれは、カオルでもなかなか言うの難しかったよ。それにまだ、何かあった訳でもないしね。とりあえずその人、カオルみたいな良い人だと思う。だけど、考えさせてっていう所でずっと止まってる。だから今日もカオルとクリスマスだよ」
省16
683: G 2019/12/24(火)23:08 ID:6PXDkbLS(7/17) AAS
 
 戸棚の奥から、老酒の赤いビンを取り出そうとする薫。
 その横のキャビネットから、グラスを二つ用意するスー。
 まるで勝手知ったる我が家のようだ。
 異国の地で、こうしてかなりプライベートな話をする相手が居るというだけでも、スーは幸せを感じていた。

 しかし更にアルコールが入り、薫のテンションは聖夜が深まるのと同時に、ちょっとおかしくなって行くのだった。

「あ〜…… 飲みすぎかな? 何か変な気分。でも、ありがとう。この事を話してくれて。クリスマス、その人が居るのに私の所に来てくれたし。スーには本当、感謝しなきゃ」
「だからまだ、そんなのじゃないってば」
「そうなのよ、私……感謝しなきゃいけない人、いっぱい居る。それに迷惑をかけちゃった人も……。謝らなきゃ。クリスマスにプレゼントが来るのを待ってるだけ、それってただの子供じゃない。
助けてもらって、当たり前の事だって何もしないなら、良い事も良い縁もやって来ないよ。そう思わない? スーは」
省16
684: G 2019/12/24(火)23:10 ID:6PXDkbLS(8/17) AAS
 
「もう一個食べるの? 朝の分だったんじゃ……」
「ううん? 食べないよ。それプレゼントにする。今から持って行くから」
「だからどこに……え? ちょっとカオル……それサンタの服!? なんでそんなの持ってるの!?」
「ああこれ? これね〜、今日のバイトで着てたコスなのよ」

 さっぱり話が見えないスーを尻目に、どんどんと薫の行動は続く。
 彼女が部屋の隅にあった大きなバッグから取り出したもの、それは何と、真っ赤なミニスカサンタの衣装であった。
 ついでに、プレゼントを入れるための例の大きな白い布袋。
 スーの前で、薫はいきなりそのサンタ服に着替え始めるのだった。

「これ、安物だからもう来年は使えないって……また新調するし、あげるって店長さんに言われてさ。で、迷ったけど持って帰ってきちゃった。今日いきなり役に立つなんて思わなかったよ」
省11
685: G 2019/12/24(火)23:14 ID:6PXDkbLS(9/17) AAS
 
 
「……不知道那是什公意思」

 わけがわからない、と呟きながらスーは後を追う準備を急ぐ。
 ハイソックスは穿いているものの、真っ赤なミニスカートに、むちっとした太腿がこれでもかと強調される。
 只でさえ真っ赤で目立つのに、更にもともと、豊な胸の持ち主の薫だ。
 流石に、デパートなどでの販促用のコスなので、いかがわしい店のような胸元の大きく開いたデザインではないのだが……。
 それでもどんな男だって、目が釘付けになる。
 こんなので夜道を歩いて大丈夫かと不安になる格好で、彼女は……。
 ついでに、もちろん寒い。
省17
686: G 2019/12/24(火)23:15 ID:6PXDkbLS(10/17) AAS
 
(……確かにこの場所、カオルの部屋から見えるけど。でも本当に、何を見ていたんだろう)

 スーは背後の、ついさっきまで二人で飲んでいた薫の部屋を見上げた。
 電気はつけっ放し。
 さっき薫があのベランダから確認していたのはここだった。
 途中までしか出来ていない建物は、当然ながら廃墟のように明りも無い。
 わずかな街灯が照らす敷地は錆び付いた鉄板が敷き詰められ、道路の周りはぐるっと白い仮設壁で囲まれた、とても寂しい場所だ。
 小さな男の子ならショベルカーなど見るのが楽しいかも知れないが、静まり返り、暗闇に包まれた今は、普通は近づきたくないと思うだろう。

「よいしょっと」
「え? カオル? 勝手に開けちゃっていいの!?」
省10
687: G 2019/12/24(火)23:18 ID:6PXDkbLS(11/17) AAS
 
 
 
 
「あ〜あ、腰がいてぇ…… あたま痒い…… 熱い風呂入りてぇな……」

 つい、独り言が口から漏れてしまった。 
 たった一人残った、孤独な職場で。
 このマンション工事の現場員の彼は、深夜10時を回ってもなお終わらない、大量の仕事と戦っていた。
 
(……あと何ページだ? 原価報告と、工程チェック表と……あっ、昨日の安全パトロールの是正報告書もか。……こりゃ今日も12時回るなぁ……)
省19
688: G 2019/12/24(火)23:20 ID:6PXDkbLS(12/17) AAS
 
 
(ちくしょ〜……。でも、イブだろうがなんだろうが、これが俺の仕事だからなぁ……)

 孤独を紛らわすため、デスクの上のタブレットでテレビを流していた。
 だがやはり、今夜はバラエティーもクリスマス系の番組ばかりなので逆にストレスだ。
 いっそNHKの真面目なニュースの方がまだいい。
 彼は電源を落とした。

「あ〜……もう、休憩!」

 言うと、冷めた飲みかけの缶コーヒーを一口。
 気分転換が必要だ。
省12
689: G 2019/12/24(火)23:22 ID:6PXDkbLS(13/17) AAS
 
 言葉が続かない。
 外の階段を上がって、がらがらと事務所の引戸を開けるなり、にこにこ笑顔でそのサンタは侵入してきた。
 ついでに、トナカイの角を頭につけた、もう一人の女の子もあとに続いて入ってきた。
 こちらはぺこっと頭を下げ、非常に申し訳なさそうな表情をしていた。
 ……たまにニュースで見る、家にナマハゲがやって来て、あまりの突然の恐怖に号泣する子供。
 恐らくそれに近い衝撃であった。
 微笑みながらサンタが迫ってくる。

(マジで何なん…… ドッキリ!? あ…ドッキリだなこれ!)

 後ずさりしながら、彼は思考をめぐらす。周囲にカメラを探す。
省17
690: G 2019/12/24(火)23:25 ID:6PXDkbLS(14/17) AAS
 
「なんで離れちゃうんですか?」
「いやいや、そりゃだって」
「悲しいです」
「へっ!?」

 ――と、サンタ姿の薫は突然ダッシュし、その青年に飛び掛った。

「う、うわっ!? なにを……!」

 男らしからぬ、畏怖の混じった声が出てしまった。
 スタイル抜群の、サンタ姿の女の子が、ぎゅっ…と抱きついてきた。
 あまりの衝撃的な事態に、彼の思考は全く追いついていかなかった。
省15
691: G 2019/12/24(火)23:27 ID:6PXDkbLS(15/17) AAS
 
「あのですね……すいません。本当にすいません。この人は酔っ払っていまして……」
「で、でしょうね。この顔は。あと息も」

 薫がアルコールに呑まれ、寝落ちしてから、初めてスーは口を開いた。
 事務所の隅にあった来客用のソファに寝かされた薫。
 若干のいびきを立てているその寝顔を、傍らに立つ二人が見ていた。
 着ているサンタコスほどではないが、明らかに顔が赤い。
 そして酒臭い。

「家で二人でお酒を飲んでたら、突然、お世話になった人に感謝したいとか、迷惑かけた人に謝らなきゃ、といったことを言い始めまして。
で、突然これを着て、プレゼントするとか言って外に出て行ったんです」
省21
692: G 2019/12/24(火)23:28 ID:6PXDkbLS(16/17) AAS
 
「若い女の人が、普通こんな汚い場所でトイレ借りたりしませんよね? 時々ですが、何回も。だから覚えてました。あとは工事の予定とか世間話しただけだな……。
しかしこんな格好で、夜中に突然だったんで、何のドッキリかと思ってしばらく分からなかった。でも、うん。間違いない」

 言い終えると、腕組みをする。
 彼もやっと腑に落ちたと言った様子で、ため息をついた。

 あとの処理や、便器を詰まらせる心配無しに、思う存分排便できる。
 工事現場においてある仮設トイレは、風間薫が、この世で一番心安らぐトイレである。
 だが、何度も行けば、もちろん顔を覚えられる。
 それを承知で薫がつい行ってしまうのは、大量排便体質の彼女にとって、それだけ抗いがたい魅力があるからだった。
 これだけ近所、部屋から見える場所にそれがある、というのは……。
省15
693: G 2019/12/24(火)23:30 ID:6PXDkbLS(17/17) AAS
 
「あなたも、いつも頑張っているんですね。私は今日初めて会ったけど……きっと真面目な人なんですね。カオルがこんな風に、男の人の所へ行ったのは、初めて見ました」
「え? は、はぁ」
「お酒のせいとは言っても、きっとカオルはあなたを応援したかったんだと思います。近所で、頑張っている様子を見ていて……。
だから、仕事をしている所に突然来て、驚かせてすいませんですけど。彼女のクリスマスプレゼント、受け取ってあげて下さい。私が代わりにお願いします」

「……まだよく分かってませんが。プレゼントは、ありがたく頂きます。どうも俺、孤独じゃなかったみたいですね。……そうか」

 ツノをはずし、もう一度、深々と頭を下げるスー。
 そこでやっと彼は、柔らかな表情を浮かべたのだった。

「――じゃあ、これで帰ります。お仕事中にすいませんでした」
「いえ、大丈夫ですから」
省16
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