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【スカトロ】排泄系妄想廃棄所18【汚物】 [無断転載禁止]©bbspink.com (693レス)
【スカトロ】排泄系妄想廃棄所18【汚物】 [無断転載禁止]©bbspink.com http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/
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1: 名無しさん@ピンキー [sage] 2018/06/07(木) 03:18:01.40 ID:X6uoStxn 他スレで日ごろ迫害されがちなスカトロ系の妄想ネタやSSなどを吐き出すスレです。 版権物の二次パロ、非版権物のオリジナル、いずれも歓迎です。 ネタはライトな便意我慢やトイレ覗きから、ディープな飲尿吐瀉食糞塗便まで、 女性キャラの排泄関連をテーマとしていれば大小上下固形液ガス問いません。 ふと思いついた一行ネタから、貼るに貼れずお蔵入りしていた長編SSまで、 巧拙に関わりなく、形式その他なんでもありで参りましょう。 sage推奨。紳士はこういう時sageるものです。 ■前スレ 【スカトロ】排泄系妄想廃棄所16【汚物】(実質17) https://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1498741014/ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/1
674: G [sage] 2019/12/21(土) 23:28:48.96 ID:br0TRHM5 ――どうなっていただろう? 「……え?」 由姫は自分の中に奇妙な感覚があることに気が付き、はっとした。 恐怖、そして安堵した後に、心のどこかで全く別の感情を覚えている自分がいる。 自分でも説明できない、不可解な感情の去来…… (私は……あの姿を誰かに見られたかったの……? それとも……) もちろんその問いに答えをくれる者はいない。 平静を装って歩きだすが、子供たちから見えない位置まで来ると、彼女は自然に駆け足になっていた。 まるで犯罪者にでもなったような気分だった。 その場を後にした由姫は、何かから必死で逃げるように、息が切れるまで全力で走り続けたのだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/674
675: G [sage] 2019/12/21(土) 23:34:31.48 ID:br0TRHM5 以上。 それよりも、止まっている話の続きをなんとかしろよと言われそうですが…… 細々とですが頑張ります。 しかし今って、公園の茂みは撤去される流れにありますよね。 仕方が無いんでしょうが、段々と夢がなくなっていく感じがします http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/675
676: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/12/24(火) 05:53:30.14 ID:qeFwjCQR 薫ちゃんは茂みでも隠しきれない程の量出しそう…発見した子ども達から象のウンコと勘違いされちゃう。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/676
677: G [sage] 2019/12/24(火) 22:30:34.58 ID:6PXDkbLS 今から投下します。 かなり久しぶりに、薫ちゃんです。クリスマスの夜の話。 絶対に間に合わないと思っていたんですが、リハビリが効いたのか、一気に書き上げられました。 ただ、途中で容量オーバーになってしまうかもしれません。 この投下の後、ノクターンにも投稿するつもりですが、その時は申し訳ないです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/677
678: G [sage] 2019/12/24(火) 22:39:42.43 ID:6PXDkbLS ヒュージな彼女 祝福を、頑張っている人達に 「じゃ、改めて……いただきます」 「はい。いただきます。今年もケーキありがとう。美味しそうだね」 小さなコタツに入って向かい合い、二人の少女が夜の特別なデザートに手を合わせていた。 師走も残りわずかとなった、12月は24日……時刻は午後9時すぎ。 世間で言うところの、聖なる夜である。 「あはは、どういたしまして。でもスーにお礼言われるほどの事じゃないよ? 余りものを貰っているだけなんだから」 コタツに入ったまま、ケーキに頭が付きそうなくらい深々と頭を下げられ、彼女……風間薫は笑った。 ふわふわの長い髪がトレードマークの彼女と、眼鏡が特徴な小柄な少女、留学生の蘇。 適当につけたテレビをBGMに、二人は薫の部屋でクリスマスの女子会を開いていたのだった。 「クリスマスと一緒に、忘年会かな? これ。お酒も飲んでるし」 「そうかもね。一年お疲れさま」 彼女らが囲むコタツの上には、立派なケーキが二個置かれていた。 純白の生クリームの上に、たっぷりの赤いイチゴとサンタクロースの砂糖菓子。 とてもオーソドックスな作りのクリスマスケーキだ。 二人とも家族と離れて下宿し、そしてまだ恋人もいない。 何かと一緒に行動することが多い薫とスーは、去年に続いて薫の部屋で、食事とテレビで聖夜を過ごす事になった。 今は晩御飯が片付き、二人順番にトイレでお腹の中身を抜いて……そして改めて、クリスマスケーキを出したところである。 12月24日の夜、あちこちの家で見られる情景なのだが、しかしこの部屋の場合、少々違和感があった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/678
679: G [sage] 2019/12/24(火) 22:40:24.85 ID:6PXDkbLS 違和感の元はケーキである。 何がおかしいかと言うと、彼女らの目の前にあるケーキが、一人分のカットされた物でなく……6号のホールケーキが一個ずつ、大皿の上に置かれている。 それだけでコタツ上の面積の多くが占められている。 フォークも、パスタや肉料理用の大きなものが添えられていた。 「んん、イチゴおいしい! 本当、クリスマスはカオルのバイトのおかげで助かるよ。食費が浮いて」 「ホントだね。サンタの服で長時間立つの、結構キツいけど……時給いいし、更にタダでケーキ食べられるんだから。ただで。スーの分もいるから、どれだけ残るか最後ちょっと心配だったんだけど」 そこらの大食い系動画を軽く凌駕する勢いで、6号のクリスマスケーキが二人の胃袋に収まって行く。 大量体質の二人ならではの、クリスマスイブの光景であった。 ついでにコタツの傍らには、中身がきれいに骨だけになった、KFCのバーレルパックが2個。 更についでに、その脇にはシャンパンのビンも2本置かれていた。 「いっぱい売れ残って感謝だね」 「ん〜……そうね、お店の人には悪いけど。残ってよかった。さっきのチキンだけでも、40ピースで大体1万円だからね〜。ケーキのお金掛からないのは有難いよ」 チキンの店員さんからは、オマケで色々貰えたけど。 付け足すと、薫は嬉しそうな顔で友人に応える。 笑顔の口元には白い生クリームが、子供のように付いていた。 やっぱり、クリスマスイブのケーキ店でのバイトは素晴らしいと彼女は思った。 去年、同じようにミニスカのサンタ姿で売り子のバイトをしていた、あの店だ。 大量排泄後のアレを袋に隠し、子供たちに追い掛け回されたのは嫌な思い出だが……。 それに正直あの格好もかなり恥ずかしいのだが、リターンが大きい。 普段より時給が高い上、閉店後、余ったケーキを無償で手に入れることができるからだ。(タダかどうかは店にも拠るらしいが) お金を出し合い、夜にチキンを受け取りに行くのはスーの役目。 薫は洋菓子店の閉店までバイトし、売れ残りを引取って、スーが先に待つ自分の部屋に帰る。 一緒に過ごす異性がまだ出来ないのは、花の女子大生として寂しい気持ちはあるものの、心を許せる親友同士、楽しい時間を過ごす日だ。 二人とも、セーターにジーンズとかなり地味な格好だが、それを誰かに見せるわけでもない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/679
680: G [sage] 2019/12/24(火) 22:47:51.61 ID:6PXDkbLS 「このケーキ、もっと長く持ってくれたらなぁ……。とにかくいっぱい貰って、朝昼晩、三日くらいケーキでも大丈夫なのに。そしたらかなりお金浮くじゃない。けど基本は今日中なのかぁ。カオルもそう思わない?」 「わ、私はさすがに三日間ケーキ縛りはちょっと……」 聖夜のスペシャル番組を流すテレビを横目に、二人は話をしている。 食べやすいよう、どちらのケーキも包丁で八等分していたが、それがあっという間に消えていく様はまるで、ピザでもつまんでいるかの様だった。 一人暮らし用とは思えない大きな冷蔵庫が薫の部屋にはあるのだが、今はその大容量も入念に整理されたうえ、クリスマスケーキ四箱に圧迫されている。 薫が明日の朝、パン代わりに食べるケーキが一個。 本当は駄目だが、スーが持って帰って、明日の朝昼晩と主食にする分が三個である。 浙江省温州市の実家は、向こうとしてはそれなりの家で、スーは昨今問題となっているような限界ギリギリの苦学をして留学している訳ではない。 しかし親に送り出して貰っている身である以上、節約は常に心がけている。 常人のかなり上を行く食費が掛かるという事情もあるが。 ちなみに、彼女は自分の部屋でも一回爆破させていた。(例の耐爆おむつで) 昼食も少量で我慢しているので、とりあえずしばらくは危険が少ない状態が続く。 「カオルとこうしてるとさ、なんかこう、とうとう一年が終わるんだな〜って感じがするね。そう思うのは、私も日本に慣れたみたい。って言う事かな」 「うん。すごい馴染んだと思う。……そういえば休みの間、スーはいつ帰るんだったっけ?」 「次の金曜日の船に乗るよ。大阪の港から出るんだけど、上海には日曜に着いて、それからもう一回温州へ船に乗るの。毎回すごい時間かかって大変。でも春節じゃないからね。まだ向こうでは移動しやすいよ」 「うわ…… 聞いてるだけで大変そうね。でも飛行機はやっぱり危ない、か」 「危ないね、ぜったい。私のせいで墜落したらって考えちゃうね」 爆発的脱糞体質のスーが、飛行機に乗る。 気圧の関係で、あの爆発が更に破壊力を増し、もし上空で発生してしまったら……? ケーキを食べながら、急に神妙な面持ちになる二人であった。 船で海上移動なら安全とも言い切れないのだが。 ついでに、無事に向こうへ着いたとして、去年の新年に海外ニュースで見た「あの公衆トイレ爆破」をまたやらないかと心配になってくる薫であった。 「でも本当、今年もカオルにはお世話になったよ。ありがとう」 「えっ、そんな、いいって……。お礼言われるような事って私、そんなにしてないよ?」 「ううん? カオルが居なかったら、私きっと、日本でくじけてた。と思う。何回お礼言っても足りないよ」 「だったら、私だって……色々助けてもらった。何より、孤独じゃなくなった。それだけで本当にスーに助けられてる。だから、お礼を言うのは私もだよ」 「それなら私も嬉しい。お礼にいつか、故郷に招待したいよ。そのときは家族と親戚と、友達みんなで歓迎してあげるからね」 「えっ、スーの家族とか、みんなで歓迎って……。何か……凄そうね……」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/680
681: G [sage] 2019/12/24(火) 22:55:46.23 ID:6PXDkbLS いきなり中国の実家に一緒に行こうと言われたら困るが、もし本当に行くとしたら卒業前の旅行とかだろうか。 しかし中国式の歓迎と聞いて、真っ赤で巨大なテーブルを山盛りの料理が埋め尽くす、満漢全席しか浮かばない自分の知識水準が少し情けなくなる薫だった。 「お世話になった人には、礼を尽くさないと良くないって言うの、お父さんは」 「そ、そっか……。じゃあいつか、連れて行ってもらおうかな」 「うん! 約束したよ」 屈託のない笑顔がまぶしい。 いつも元気なスーの姿に、自分もエネルギーを貰う薫だった。 そんな二人の夜は過ぎていく。 が、シャンパンのアルコールが回ってくると、少し様子は変化してくるのだった。 「クリスマス、やっぱり恋人欲しいって思う? カオルも」 「え? そ、そりゃ〜……ねぇ? いつかは出来たらいいなって思ってるよ? 色々、クリスマスに……憧れるものだって、あるし」 「彼氏できたら、私より彼氏と一緒がいい? クリスマスの夜」 「いきなり究極の質問をしてくるのね……。そんなの答えられないよ。簡単には。スーは本当に大事な友達だし……。第一、まだ出来たこともないんだから私。よくわかんない」 くいっと、残ったシャンパンのグラスを傾ける。 自分で言って、薫は肩を落としたのだった。 高校では例の体質のせいで、毎日毎日大量うんちの心配をして、苦労し通しで……彼氏を作ろうと行動する余裕もなかった。 告白されたこともない。 大学に進学したら、素敵な出会いもあるかなと期待していた。 しかしバイトにばかり精を出し、彼女は特定のサークルには入っていない。 ゼミでの集まりで十分に大学生活は楽しかったし、そこで上級生や他大学との交流もあるため、特に趣味ややりたい事のなかった薫は結局、サークルには入らなかったのである。 なのでありがちな、部活やサークルの先輩男子に声をかけられ、飲み会に誘われ、勢いに任せ……と言ったことは、今のところ無いのだった。 「えー、カオル美人なんだから、色んな男からあるでしょ? デートしようとか、色々」 「う〜ん……そりゃ、全く何にも無いってことは無いかったけどさ…… ゼミで三年の先輩とか……。でもいっつも、タイミング悪くてね。結局は自分の身体のせいで、ドタキャンせざるを得なくなったりさ……。空しくなっちゃう」 「あ〜…… うん。それはね……あるよね……」 腕組みをして、考え込む。 酒の入った顔で、ずいっと迫ったものの、そこで大きく理解を示すスーであった。 そしてコタツの反対側で、薫はごろんっと横になる。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/681
682: G [sage] 2019/12/24(火) 22:58:40.16 ID:6PXDkbLS 「なんか色々、損してるなって思う。どうしても自分の体のこと優先だからねぇ……。それに、これを無理してでも付き合ってみたいって感じの人は居なかったし。格好良いとか悪いとかは別にして」 「そうかぁ……。でもやっぱりカオルも、そう言うの、あるんだね」 「も!?」 ぽつりと言った、スーの一言に、薫は驚きを隠せなかった。 がばっと体を起こし、コタツの上に大きく体を乗り出す。 「も……って。 ひょっとしてスー、誰かにアプローチされてるってこと」 「うん。私も、アルバイトで行っている運送会社で、同じバイトの男の人にね…けっこう真剣に、色々誘われているんだ。あ、日本人の人ね。別の大学に通ってる。確か二歳上、だったと思う」 「そ、そうなんだ……!? 初めて聞いたし、すごいびっくりした。まさか、って言ったら失礼だけど、今までそんな感じ、スー全然なかったし」 「ごめん。でもこれは、カオルでもなかなか言うの難しかったよ。それにまだ、何かあった訳でもないしね。とりあえずその人、カオルみたいな良い人だと思う。だけど、考えさせてっていう所でずっと止まってる。だから今日もカオルとクリスマスだよ」 「え〜……いいなぁ。待ってくれてるって事でしょ? スーがそう言うなら、本当に良い人なんだろうなぁ。でも、それって一体どんなきっかけで? ぜんぜん想像つかない」 「う〜ん……恥ずかしいなぁ。カオルだから言うけど……この体質のせい、ちょっとあるんだ」 「えっ。私みたいに、爆発したとこ助けてもらったとか?」 「そんなのカオル以外逃げるよ全員。……せまい倉庫で、二人で整理とか作業してたんだけど……。つい我慢できなくて、結構おおきいオナラしちゃって……」 「その人の前で? 大丈夫だったの?」 「うん。その時はただのガス漏れだけで済んで、助かったの。そしたら勿論ものすごく、その人びっくりしたんだけど、二日くらい経ってからかな。その時の、恥ずかしがってた私の顔が忘れられない。すごく可愛いと思った……って言われちゃった」 小さなコタツが、尋問台のようになっていた。 いつの間にやら、スーが薫から質問される側だ。 手持ち無沙汰に短めの黒い髪をいじる、その彼女の顔が赤いのはシャンパンのアルコールのせいだけではない。 もちろんいつもの老酒でもない。 進展は無い、と言いつつ、だが確実にスーの顔は「まんざらでもない」と物語っている。 「……いいなぁ。そう言うの、本当、いいなぁ……。羨ましい。それで引かないって、私だったらもう運命を感じちゃってるよ? スーだって、そこのバイト辞めてないって事はさぁ……。あ〜あ、私だけか。結局みんな、先に行っちゃうんだなぁ……」 「あのね、そういうのじゃないよ、まだ」 「まだとか言っちゃう。せっかくスーと二人で楽しいクリスマスと思ってたのに〜。もう私ヤケ酒飲んじゃうよ? あれ出しちゃうか。前スーにもらった老酒」 「うん。飲もう。私も付き合うよ」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/682
683: G [sage] 2019/12/24(火) 23:08:10.70 ID:6PXDkbLS 戸棚の奥から、老酒の赤いビンを取り出そうとする薫。 その横のキャビネットから、グラスを二つ用意するスー。 まるで勝手知ったる我が家のようだ。 異国の地で、こうしてかなりプライベートな話をする相手が居るというだけでも、スーは幸せを感じていた。 しかし更にアルコールが入り、薫のテンションは聖夜が深まるのと同時に、ちょっとおかしくなって行くのだった。 「あ〜…… 飲みすぎかな? 何か変な気分。でも、ありがとう。この事を話してくれて。クリスマス、その人が居るのに私の所に来てくれたし。スーには本当、感謝しなきゃ」 「だからまだ、そんなのじゃないってば」 「そうなのよ、私……感謝しなきゃいけない人、いっぱい居る。それに迷惑をかけちゃった人も……。謝らなきゃ。クリスマスにプレゼントが来るのを待ってるだけ、それってただの子供じゃない。 助けてもらって、当たり前の事だって何もしないなら、良い事も良い縁もやって来ないよ。そう思わない? スーは」 「え? ええと……うん。感謝は大事だよね」 「クリスマスって、恋人のものじゃなくて、頑張ってる人達に感謝とかお世話になった人にプレゼントをする日って、本来そうだって……どこかで聞いたことあるのよね。うろ覚えだけど」 追加の老酒のグラスを片手に、上体を若干ゆらりとさせながら薫は口を動かし続けている。 段々と、彼女の様子が変わってきてスーは困惑していた。 自分の話のせいか……と反省するも、主因は追加で摂取した老酒の方が大きい。 こんな状態で、この後のトイレは大丈夫かと心配になってくる彼女だった。 そして薫は、そんなスーの心配を他所に、不可解な行動を取り始める。 「……行くわ。私」 「へ!? 今から、どこに? 寒いよ? もう10時回ってるし……」 「すぐそこだから大丈夫よ。ちょっと待って…………うん。まだ居るわ。明りが付いてる。クリスマスでも遅くまで、普通に仕事だろうって言ってたけど、本当だったんだ……」 「誰のこと? それ……」 本当に不可解だった。 薫は何故か突然、寒風吹きさらしのベランダに出て、外の何かを確かめる。 そしてすぐ室内に戻ってきた。 次いで、冷蔵庫からクリスマスケーキの箱を一つ取り出してコタツの上に置く。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/683
684: G [sage] 2019/12/24(火) 23:10:40.78 ID:6PXDkbLS 「もう一個食べるの? 朝の分だったんじゃ……」 「ううん? 食べないよ。それプレゼントにする。今から持って行くから」 「だからどこに……え? ちょっとカオル……それサンタの服!? なんでそんなの持ってるの!?」 「ああこれ? これね〜、今日のバイトで着てたコスなのよ」 さっぱり話が見えないスーを尻目に、どんどんと薫の行動は続く。 彼女が部屋の隅にあった大きなバッグから取り出したもの、それは何と、真っ赤なミニスカサンタの衣装であった。 ついでに、プレゼントを入れるための例の大きな白い布袋。 スーの前で、薫はいきなりそのサンタ服に着替え始めるのだった。 「これ、安物だからもう来年は使えないって……また新調するし、あげるって店長さんに言われてさ。で、迷ったけど持って帰ってきちゃった。今日いきなり役に立つなんて思わなかったよ」 「そ、そうなんだ……。で、一体カオルは何をしようとしてるの? 全然分からないんだけど……」 「何って、プレゼントを持って行くんだから、サンタの方がいいんじゃないの? ……あっ、ちょうど良かった。トナカイのツノもそう言えば貰ったんだった。それ着けてスーも来てよ」 「え、ええええ……?」 酒の勢い、というものは本当に恐ろしい。 さっさと着替え、扇情的なミニスカサンタ姿になった薫には何の迷いも見られなかった。 ふわふわの髪の上に赤いナイトキャップもしっかり被って、ケーキの箱を布袋にしまい込む。 「よしっ!」 なんだかよく分からない気合を入れて袋を背負い、いつものスニーカーを履いて、薫は颯爽と玄関から出て行ってしまった。 全く、何のためらいも無かった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/684
685: G [sage] 2019/12/24(火) 23:14:00.41 ID:6PXDkbLS 「……不知道那是什公意思」 わけがわからない、と呟きながらスーは後を追う準備を急ぐ。 ハイソックスは穿いているものの、真っ赤なミニスカートに、むちっとした太腿がこれでもかと強調される。 只でさえ真っ赤で目立つのに、更にもともと、豊な胸の持ち主の薫だ。 流石に、デパートなどでの販促用のコスなので、いかがわしい店のような胸元の大きく開いたデザインではないのだが……。 それでもどんな男だって、目が釘付けになる。 こんなので夜道を歩いて大丈夫かと不安になる格好で、彼女は……。 ついでに、もちろん寒い。 幸いに風はほとんど無く、雨や雪も降っていないが、風邪を引かないか心配になるスーだった。 彼女に老酒を贈ってはいけなかった。 酒の入った状態で、恋話などしてはいけなかった。 責任を感じつつ、スーは急いでジャンパーを羽織り、薫を追いかけた。 誕生日に父から贈られた、護身用のスタンガンも懐に忍ばせて。 ぽいっ、と薫に渡されたトナカイのツノのカチューシャは、仕方が無いのでそのまま、小脇に抱えていた。 「どこ行くの〜? ちょっと、危ないよ〜……」 「着いたよ。ここ」 「え!? もう!? ……って、ここは……」 四階から階段を降り、下宿のマンションの玄関を出て、そのままミニスカサンタで夜道を闊歩すること、全部でわず三分ほどだった。 もちろんマンション前で、そして横断歩道を渡るとき、すれ違う通行人に凝視されたりした。 が、それもほんの二人ほど、同じくクリスマスプレゼントの包みを下げた、仕事帰りのサラリーマン達だった。 「えっと……工事中のマンション? 前からカオルの部屋来ると、音うるさいな〜って思ってたけど……ここ? 何があるの? 真っ暗だよ?」 下宿からは、本当に目と鼻の先だった。 おもむろに立ち止まり、外灯に照らされる真っ赤なサンタ姿で薫が見ているのは……道を一本挟んですぐ近くに建つ予定の、新しいマンションの建設現場である。 その工事車輌が出入りする仮設ゲート前に、場違いにも程がある、性的な空気と酒気とをまとったサンタクロースが一人。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/685
686: G [sage] 2019/12/24(火) 23:15:20.27 ID:6PXDkbLS (……確かにこの場所、カオルの部屋から見えるけど。でも本当に、何を見ていたんだろう) スーは背後の、ついさっきまで二人で飲んでいた薫の部屋を見上げた。 電気はつけっ放し。 さっき薫があのベランダから確認していたのはここだった。 途中までしか出来ていない建物は、当然ながら廃墟のように明りも無い。 わずかな街灯が照らす敷地は錆び付いた鉄板が敷き詰められ、道路の周りはぐるっと白い仮設壁で囲まれた、とても寂しい場所だ。 小さな男の子ならショベルカーなど見るのが楽しいかも知れないが、静まり返り、暗闇に包まれた今は、普通は近づきたくないと思うだろう。 「よいしょっと」 「え? カオル? 勝手に開けちゃっていいの!?」 「いいのいいの。カギもあいたままだし」 薫の奇行はまだ続く。 そんな工事現場のゲート……ジャバラ状の骨組みだけのそれを、一人分の幅だけずらし、勝手に敷地内に入ってしまった。 「それにほら、そこ。ちゃんと人が居るよ。見えるでしょ? 二階、カーテン閉まってるけど」 「え? ……あそこに行こうとしてたの? カオル」 仮設通路の鉄板の上を、足元に気をつけながらスーは付いて行く。 取るに足らない、酒に酔った無意味な行動なのか、はたまた実は、深い事情があるのか……とにかく分からないが、親友のためだ。 最後まで行こうと彼女は思った。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/686
687: G [sage] 2019/12/24(火) 23:18:14.71 ID:6PXDkbLS 「あ〜あ、腰がいてぇ…… あたま痒い…… 熱い風呂入りてぇな……」 つい、独り言が口から漏れてしまった。 たった一人残った、孤独な職場で。 このマンション工事の現場員の彼は、深夜10時を回ってもなお終わらない、大量の仕事と戦っていた。 (……あと何ページだ? 原価報告と、工程チェック表と……あっ、昨日の安全パトロールの是正報告書もか。……こりゃ今日も12時回るなぁ……) 昼間は現場に出っぱなしで、夜にしか書類仕事は出来ない。 キズの目立つ事務デスクに向かい、これまた使い込んだノートPCを彼は叩き続ける。 ぽりぽりと、短い髪を掻きながら今日の終業時刻を考えたが、どう急いでもそれは今日では無かった。 予算がケチられ、古いタイプしかリースできなかったこの事務所では、すきま風も防げない。 全開でエアコンを付けても防寒着が欠かせないが、会社支給のジャンパーは昼間に鉄筋に引っ掛けて破れていた。 その下の作業着も汚れとほつれだらけだった。 そして現場で働く職人も、先輩の現場代理人もとっくに帰っている。 広い現場の中でここの明りだけが、消えずに残っていた。 昔ながらのプレハブ二階建ての仮設現場事務所で、若い彼は一人、大きな工事を支えるべく頑張っていたのだった。 (書類多すぎだろ……やってもやっても……捌き切れねぇよ。頑張っても先が見えてこねぇ……でも、俺がしっかりしないと……) 体の疲れと睡眠不足から、どうしても手と頭の動きが鈍ってくる。 が、責任感でそれをねじ伏せた。 この若さで中間管理職のようなもの。 下請けの職人からも、上からも、毎日どやされ、走り回り……。 寒さも身に染みる。 20代半ばの手には似つかわしくない、ひどい荒れと赤切れだらけの指でマウスと赤鉛筆を握る。 ……正直、辛いと感じる。 大卒で入社二年目、建設会社の若手社員である彼は、現場代理人見習いとして、やりがいの有りすぎる毎日を送っているのだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/687
688: G [sage] 2019/12/24(火) 23:20:04.58 ID:6PXDkbLS (ちくしょ〜……。でも、イブだろうがなんだろうが、これが俺の仕事だからなぁ……) 孤独を紛らわすため、デスクの上のタブレットでテレビを流していた。 だがやはり、今夜はバラエティーもクリスマス系の番組ばかりなので逆にストレスだ。 いっそNHKの真面目なニュースの方がまだいい。 彼は電源を落とした。 「あ〜……もう、休憩!」 言うと、冷めた飲みかけの缶コーヒーを一口。 気分転換が必要だ。 彼は少し離れたコンビニへ、夜食でも買いに行こうと席を立った。 「こんばんは〜。 ちょっとサンタがお邪魔しますよ〜」 「!!??」 正にそのタイミングだった。 ……突然、プレハブ事務所に、場違いなミニスカサンタの女の子がやって来たのは。 「ちょっ…!? えっ? えっ!? な……なんだあんたらは!?」 青年は驚いた。 驚くのを通り越して、恐怖すら覚えた。 机の上の缶コーヒーを、思わず倒してしまったことにも気付かない。 苦労してまとめた書類の束が、あやうく台無しになるところだった。 「何って、クリスマスですから。プレゼント持って来ましたよ。イチゴのケーキです。いつも頑張ってますよね。お疲れ様です」 「いやいや、ちょっと!? 誰!? こんなところ、こんな夜中…… おかし……」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/688
689: G [sage] 2019/12/24(火) 23:22:37.49 ID:6PXDkbLS 言葉が続かない。 外の階段を上がって、がらがらと事務所の引戸を開けるなり、にこにこ笑顔でそのサンタは侵入してきた。 ついでに、トナカイの角を頭につけた、もう一人の女の子もあとに続いて入ってきた。 こちらはぺこっと頭を下げ、非常に申し訳なさそうな表情をしていた。 ……たまにニュースで見る、家にナマハゲがやって来て、あまりの突然の恐怖に号泣する子供。 恐らくそれに近い衝撃であった。 微笑みながらサンタが迫ってくる。 (マジで何なん…… ドッキリ!? あ…ドッキリだなこれ!) 後ずさりしながら、彼は思考をめぐらす。周囲にカメラを探す。 それ以外に可能性はあり得なかった。 こういったイタズラを仕掛けそうな先輩に、若干心当たりがある。 もしくは、さっきまで流していたバラエティーでも見た、アポ無しの突撃ドッキリのロケか……。 「……えと、誰に頼まれた? それとも、どこの局? 番組?」 「あ、ドッキリだと思ってるんですね。だいじょーぶですよ、何度もお会いしてるじゃないですか」 いや絶対、そんな知り合いは居ないぞ……。 大して広くない事務所の奥、薄い外壁の際まで追い詰められ、もはや反発の言葉が口に出てこない。 が、書類やら工具やらコンビニ袋やらが散らかったデスクの上に、ちょっと空いたスペースを見つけると、サンタは迫ってくるのをやめ、袋を置いた。 そして、やはりにこにこ微笑みながら、例のケーキの箱を取り出した。 一緒にやってきた、ジャンパーにトナカイのツノを付けた女の子は、後ろからおろおろした様子でそれを見ていた。 「毎日毎日、大変ですよね。日曜とかも、全然休まないで頑張ってますよね。見てました。で、時々、迷惑もかけてしまいました……。 だから、お礼です。今日はクリスマスですから、ケーキ食べて、元気になって下さい」 「は、はぁ……確かに頑張ってますが。え? 近隣の方? でもいきなり……」 彼の方は、警戒を解かない。 あまりに非現実的だったからだ。 不審なサンタから一定の距離をとって、身構えたまま受け答えをしていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/689
690: G [sage] 2019/12/24(火) 23:25:32.64 ID:6PXDkbLS 「なんで離れちゃうんですか?」 「いやいや、そりゃだって」 「悲しいです」 「へっ!?」 ――と、サンタ姿の薫は突然ダッシュし、その青年に飛び掛った。 「う、うわっ!? なにを……!」 男らしからぬ、畏怖の混じった声が出てしまった。 スタイル抜群の、サンタ姿の女の子が、ぎゅっ…と抱きついてきた。 あまりの衝撃的な事態に、彼の思考は全く追いついていかなかった。 「ケーキだけじゃ足りないですよね。頑張ってるあなたに、ハグのプレゼントです。これくらいが、私の精一杯ですんで……」 「……!!!」 全く声を失う。 真っ赤な服の下、離れて見ていても分かる、大きな彼女の胸が、押し付けられている……! ジャンパーの上からでも、柔らかさが感じられる。 柔らかな彼女の身体が、しなやかな腕が、自分を包み込んでいる。 普通なら、天国を感じるだろう。 だが……猛烈な酒臭さを放つ彼女の息が、すんでの所で彼の理性を引き止めるのだった。 そこまでだった。 「クリスマスの…… 感謝で……かん…… んん……」 「……? え? ちょっと、え? ……あの、寝てますよ、この人」 彼が、後ろで見ていたスーに声をかけた。 老酒が、時間差で更に彼女に浸透していったのか……。 彼の体に抱きつきながら、薫はとうとうアルコールに負け、寝息をたて始めたのだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/690
691: G [sage] 2019/12/24(火) 23:27:38.60 ID:6PXDkbLS 「あのですね……すいません。本当にすいません。この人は酔っ払っていまして……」 「で、でしょうね。この顔は。あと息も」 薫がアルコールに呑まれ、寝落ちしてから、初めてスーは口を開いた。 事務所の隅にあった来客用のソファに寝かされた薫。 若干のいびきを立てているその寝顔を、傍らに立つ二人が見ていた。 着ているサンタコスほどではないが、明らかに顔が赤い。 そして酒臭い。 「家で二人でお酒を飲んでたら、突然、お世話になった人に感謝したいとか、迷惑かけた人に謝らなきゃ、といったことを言い始めまして。 で、突然これを着て、プレゼントするとか言って外に出て行ったんです」 「はぁ……」 「どんどん歩いていって。サンタの格好で。……あ、これは今日の、ケーキ店のバイトで着てた服らしいんですが。もう、完全に酔ってました」 「はぁ」 「それで、ここだ! …って言って、この事務所に入って行っちゃいまして。私は心配でついて来ただけなんですよ」 「そ、そうなんですか……」 「こんなカオル、初めて見ました。でもカオルとあなたって、どんな関係の人なんですか? 一体」 「ええ!? いや自分にそんなこと聞かれましても。かおるさん、ですか?」 「全然、知らないですか」 「歩いてきたってことは近所の人……? 近隣説明会とかで来てたか……どっかで苦情とか……いや……。 しかし突然こんな場所に夜中来るって、こっちが訊きたいくらいで……ん? …んんっ? あれっ!?」 寝ころがったせいで、頭の赤いナイトキャップが外れていた。 その薫の顔を改めて確かめると、彼の表情が変わった。 軽く自分の膝を叩く。 「あ〜…… ひょっとしてあの人か……。しかし、びっくりした本当に……」 「何か、思い出したんです?」 「ええ。この方、たま〜になんですが、この現場にトイレを借りに来られてました。日曜夕方とか祝日とか、職人が居ない時ですね。 事務所の外で、私が資材の点検とかやってると、ゲートの所から声をかけられて」 「トイレ借りに!? それは……知道了。いや、なるほど」 やっと繋がった、とスーは思った。 工事現場の汲取りの仮設トイレ、旅行中などよく薫は緊急避難に使っている。 そして「なるほど」という彼女の言葉に若干の違和感を覚えつつも、彼は説明を続けた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/691
692: G [sage] 2019/12/24(火) 23:28:34.40 ID:6PXDkbLS 「若い女の人が、普通こんな汚い場所でトイレ借りたりしませんよね? 時々ですが、何回も。だから覚えてました。あとは工事の予定とか世間話しただけだな……。 しかしこんな格好で、夜中に突然だったんで、何のドッキリかと思ってしばらく分からなかった。でも、うん。間違いない」 言い終えると、腕組みをする。 彼もやっと腑に落ちたと言った様子で、ため息をついた。 あとの処理や、便器を詰まらせる心配無しに、思う存分排便できる。 工事現場においてある仮設トイレは、風間薫が、この世で一番心安らぐトイレである。 だが、何度も行けば、もちろん顔を覚えられる。 それを承知で薫がつい行ってしまうのは、大量排便体質の彼女にとって、それだけ抗いがたい魅力があるからだった。 これだけ近所、部屋から見える場所にそれがある、というのは……。 日曜や祝日、作業員が休みでも現場員は関係無しに大抵出勤している。なので仕方なく、いつも現場に詰めている彼にだけは、挨拶して使わせてもらっていた。 ……工事に興味があるからちょっと敷地の中で見ていてもいいか、など適当な理由を付けて入らせてもらう事はしない辺り、嘘が苦手な彼女の性格を表していた。 「せっかく美人なのに……。よほど酒癖が……良くない人だったんだなぁ……」 ため息をつきながら、彼は小さく言った。 残念な美人とは、こういう人を指すのだろうか……とも思った。 そんな彼に、スーは頭を下げる。 「ええ本当……すいません。飲ませてはいけなかったです。ところで、あなた」 「はい?」 「独身ですか?」 「ええ」 「付き合っている人は?」 「いませんよ?」 急に、もう一人の女の子にあれこれ質問され、また彼は困惑する。 と言うか、この人もトナカイのツノ頭につけて何やってるんだか…… http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/692
693: G [sage] 2019/12/24(火) 23:30:26.14 ID:6PXDkbLS 「あなたも、いつも頑張っているんですね。私は今日初めて会ったけど……きっと真面目な人なんですね。カオルがこんな風に、男の人の所へ行ったのは、初めて見ました」 「え? は、はぁ」 「お酒のせいとは言っても、きっとカオルはあなたを応援したかったんだと思います。近所で、頑張っている様子を見ていて……。 だから、仕事をしている所に突然来て、驚かせてすいませんですけど。彼女のクリスマスプレゼント、受け取ってあげて下さい。私が代わりにお願いします」 「……まだよく分かってませんが。プレゼントは、ありがたく頂きます。どうも俺、孤独じゃなかったみたいですね。……そうか」 ツノをはずし、もう一度、深々と頭を下げるスー。 そこでやっと彼は、柔らかな表情を浮かべたのだった。 「――じゃあ、これで帰ります。お仕事中にすいませんでした」 「いえ、大丈夫ですから」 再び、寒空の下。 現場ゲートのすぐ手前の位置で、スーは帰りの挨拶をした。 眠ったままの薫を連れて階段を降りるには、スーは力不足だったので、サンタ姿のまま彼に負ぶってもらった。 暗く、足元も悪い。 そのままゲートの所まで行ってから、そこで改めてスーが薫をおんぶした。 すぐ近くで感じる彼女の息は、相変わらず臭い。 「もし何か… 無いと思いますが、忘れ物とかあった時は、あれに伝言を」 「はい」 スーが言っているのは、さっき手渡した、自分の捨てアドレスのことだ。 短い返事のあと、鉄板の上に冷たい足音を響かせて、彼は仕事の場へと戻って行った。 「う〜…… 寒い……頭がへん……」 「あ、起きた? カオル」 酒の臭いがする、か細いうめき声。 それと一緒に、スーの小さな背中で薫は目を覚ました。 好き放題やった挙句の頭痛か、もぞもぞと体を動かしている。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1528309081/693
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