[過去ログ] 【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ16【総合】 [無断転載禁止]©bbspink.com (320レス)
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1: ◆pT3tKNJdzbPc 2019/01/03(木)17:15 ID:4ptP2KLj(1/7) AAS
ワードナ率いるヴァンパイア軍団や、ローグ、オークその他のモンスターに凌辱される女冒険者たち。
プリーステス、ウィッチ、サキュバス、獣人などの女モンスターやNPCを凌辱する冒険者たち。
ここはそんな小説を読みたい人、書きたい人のメイルシュトローム。
凌辱・強姦に限らず、だだ甘な和姦や、(警告お断りの上でなら)特殊な属性などもどうぞ。
過去スレその他は、>>2-10辺り。
301: 6 2021/05/05(水)00:25 ID:jBP8fKtB(6/17) AAS
「どうしておまえは市城を去らぬのだ、フェー」
フェーと呼ばれて、イールヴァは胡乱な目つきを向けた。
「森に帰ればいいではないか。せっかくの金貨の使い途もないのだろう」
「あんたの知ったこと、狼の尻尾よ。あたしにだって最近の都合というものがあります」
「なさそうに見える。エルフは気楽そうだ」
庭園を渡っていく初夏の風は池にさざなみを立て、水面に落ちる梢の影を白くかき立てる。
そのとき、向こうの岸に建つ離宮は、つかの間、ざわざわと形を乱し、消えてなくなり、
しばらくの後にゆっくりと再び水面に立ち現われてくる。
それだ……その瞬間が良いのだ。
グリューエラントは、それは幻想の雲の中に出たり入ったりする天上の伽藍のようだと思いながら、
省13
302: 7 2021/05/05(水)00:28 ID:jBP8fKtB(7/17) AAS
家柄や門閥に関係なく女王に遠慮なく直言できる「友人」なる称号をもち、
剣を取っては、武芸は当代並びないものを持ちながら、その剣とて、平和な時世には役に立たず
たまに練兵場に顔を出しても、グリューエラントのすることといえば、尻で道場の床を磨くくらいのもの――
若くて高名は為したものの、実質は日々、空を見上げては欠伸して暮らしている、
直参退屈戦士というものがいればグリューエラント卿のことという。
女王も女王だ、あの方は綺麗な顔をして人を迷わす。ふわふわした友情をもてあそびながら。
もちろん、グリューエラントは女王に対しては女王の幸せだけを願っている。言うまでもなく、彼自身のよりも。
しずかで人気のない、この庭園にグリューエラントが来るのは、自分ひとりの物思いに引きこもるためだ。
エルフもそれは知っているが、居ても決して邪険にはされないので、寄り添うように近くにいて、
何をするでもなく、草をいじっている。
省24
303: 8 2021/05/05(水)00:33 ID:jBP8fKtB(8/17) AAS
水は大して深くもなく、ざばざばと膝まで水に浸かってから、グリューエラントはふと、彼の指にあるものを見た。
かつての功業の報酬であり、現在の身分の証でもある、指輪の宝石はけっこう大きなもので、
宮廷に上がる用でもなければ、剣術の訓練にはしばしば邪魔で外す。
水に落としたり、失くしたりするとは思わないが、裸になって、それだけ身につけているのは変な思いがした。
指輪を抜いて岸に上がるところで、彼は、彼を見つめる視線を感じた。
水際にたつ、彫像のソークス姫は池のほうに向いているので、普段、水に入ってみなければ正面から顔は見ない。
意外なことに、この場所に何度もたびたび訪れていても、
グリューエラントは彫像のソークスと正面から目を合わせたことがなかった。
こう見ればすばらしい美人だと思う。それは彼の日頃知っている女王アイラスと同じ顔なのだけれど、
現在の女王よりは二つ三つ、若いので、姉なのに、今はアイラスの妹かと見紛う。なんて愛らしい、と。
省20
304: 9 2021/05/05(水)00:37 ID:jBP8fKtB(9/17) AAS
イールヴァは疑念たっぷりに彼のほうを見た。信じないのは無理もない。
彼にもわけがわからない。何食わぬように風を見つめるソークス姫の像が無性に憎らしく、腹がたった。
グリューエラントは途方にくれてしまった。
「困った。あれが無いと王宮に入れない」
「そういう問題じゃないでしょ。あんた、ソークス……様の指に、指輪なんてはめて、一体なんのつもり」
「どんなつもりもない。不慮のことだ。まさかこんな奇怪な」
そういえば、そういう昔話があるな、とグリューエラントは思い当たった。
無考えに、女神像に指輪を与えたせいで、女神に愛を誓ってしまったという騎士の話だ。
何世紀もまえの古い神殿に、昔の神々の像が立ち並んで残る。そこで暇つぶしをする若い騎士達のひとりが、
球戯の合間に、女神像の指に指輪をはめてやった。ちょうど今のグリューエラントのように。
省11
305: 10 2021/05/05(水)00:40 ID:jBP8fKtB(10/17) AAS
エルフを落ち着かせるために、グリューエラントは今思いついた、騎士と女神像の昔話をした。
「その、おとぎ話では、終わりはどうなるの」
「普通、男は死ぬのではないか。徳の高い高僧がいて、悪霊を追い払ってくれる話もあるが、その場合には高僧が死ぬ」
僧侶ならすでに死んでいた。当時の仲間の六人中、四人が死んでいるのは偶然だろうか。
運命《フェイト》にしてはまだ二人生きており、偶然《チャンス》にしては確率より高いと言わざるをえない。
イールヴァは疑わしげに、
「それ、本当なの?」
と言った。彼にしても、なんとも言えなかった。思いつきを話しただけで、自分でも現実のことと思えない。
グリューエラントはひとまず落ち着いて、客観的にものごとを考えてみた。
まず、ソークスは神話の神々と交感できるほどの稀代の魔術師だった方なのだから、
省24
306: 11 2021/05/05(水)00:45 ID:jBP8fKtB(11/17) AAS
階段を上がるとそこは質素な書斎になっていた。彼等の前に女王とそっくりの女性が現われた。
この異次元空間において人の姿を見ることさえ奇怪。ましてこのような――ぎょっとしてすくむ彼等をみても、
彼女の方ではそのような反応は予想のうちというように、軽く諒解と、侮蔑の視線を投げてから、
前置きなく次のように言った。
’そなた達がどう思おうが、この世界はいったん破壊する必要があります。
’わたくしの邪魔をせぬように。
それだけ言うとあとは無関心に、衣の裾を曳いて彼女は奥に消えた。当然ながら彼等は後を追うが、
そのまえに怪物が立ちはだかった!
戦闘を経て追跡した彼等は、迷宮の未知の領域に踏み込んでいった。彼等は追い続けていった。
いつしか、洞穴の石壁はごつごつした木の根に覆われ、その根は互いに絡み合い、無数の網の目を作っていた。
省35
307: 12 2021/05/05(水)00:49 ID:jBP8fKtB(12/17) AAS
その台詞がおそらく、彼女が最後に発した意味のある言葉だった。
見た目はたおやかな麗人といえ、ソークス姫はリルガミンの賢人達に直に学んだ魔法の修行者であり、
博覧強記は師を越えて当代随一といわれた碩学でもある。
魂を離脱して霊の旅のあいだに、冥界に秘匿された知恵の蜜酒を口にしたため、
古代の魔法語《ルーネ》を流暢にしゃべることができ、それを現代の日常語と、宮廷雅語をまじえて話しているせいで、
感情の昂ぶった彼女の言葉を理解できるものは彼等の中に全然いなかった。
彼女はその後も狂女のように金切り声でまくし立てていたが、剣を持って近づく者たちはもはや聞く耳もたなかった。
彼女はだから、異形の住民たちに命じて彼等を殺すように頼んだ。すると、住民たちは快く彼等の殺害を受けあった。
そこで凄惨な殺し合いが行なわれ、虐殺が始まった。
彼等はたった六人を数える敵でしかなかったが、六人に対して無数を誇るはずの住民たちは、
省24
308: 13 2021/05/05(水)00:54 ID:jBP8fKtB(13/17) AAS
彼等は、すでに弱りきった彼女を遠巻きにし、呪文封じと恐怖の結界に閉じ込めたが、
それでも強力な剣の反抗を警戒し、不用意に間合いに近づき、最後の止めをなかなか与えなかった。
重ねがさね呪詛によって弱められた彼女の気力は、しまいに戦意を保つことさえ難しくなった。
たびたび膝は折れ、剣を支えに、瞳に意思を燃やして、絶望と諦めが心に侵入するのを必死に防ごうとした。
そこに、遠間から槍が突き入れられた。
刺し通した槍の柄を握り、彼女は一声、古代語を呟いて絶命した。意味は解らなかった。
死ぬまでに烈しく抵抗したため、ソークス姫は致命傷以外に無傷では死ななかった。
大事に育てられてきた乙女の肢体に幾つも太刀傷を負わされ、ローブはずたずたの血染めになっていた。
それを見れば芸術家は嘆くだろう、天工の繊細な腕は骨折し砕けてしまっており、
誰にも見せたことはなかったはずの、はだけて無垢の胸乳の合間には、刃物が刺さって台無しにしてしまった。
省31
309: 14 2021/05/05(水)00:58 ID:jBP8fKtB(14/17) AAS
イールヴァよ何をする!
グリューエラントは片目を押えて膝を突く。不覚であった。
形見の剣を手にしたとき、魔法使いのエルフ娘の目が、ぐるんと回り、色を変え、赤々と燃え始めたのを
不覚にも見落としていたのだった。
イールヴァは血に濡れた剣先をうっとりと眺め、負傷したグリューエラントにもうっとりと眺め入った。
「傷をつけてあげたわ。あんたはあたしのものよ。本当、人間って見ていないとすぐ死んでしまうから」
あたしのグリュー、エ、ラン。微笑して口許に呟いている。
その呟き声こそ彼女のものとは思われない。悪意にみちて、
――片目になったな、片輪が似合うこと。おまえだからそうしてやったのよ。
おまえにそうなって欲しかったのよ。
省19
310: 15 2021/05/05(水)01:01 ID:jBP8fKtB(15/17) AAS
ドワーフの二人がいきなり打ちかかった。少女のしなやかな手に持たれた、華奢な細工の剣は、
戦士の打ち振る直身の両刃をがっきと受け、軋むほど刃を食い合わせた。金属音が異次元空間に鳴り響いた。
鉄塊のようなドワーフの筋力を、エルフの細腕が軽々と止める。信じられぬ膂力だった。つぎの瞬間、
返す刃は二人のドワーフの首を並べて切り飛ばした。
グリューエラントには信じられない光景だった。イールヴァよ何をする!
冷然と耳のないように、エルフはグリューエラントに斬りかかった。そのまえに盗賊と司祭を斬った。
動揺しつつも、グリューエラントは剣と剣を合わせ、その一瞬にイールヴァを殺す覚悟をきめた。
殺らなければ殺られる、しかない。魔剣に意識を奪われたエルフ娘を救うことは諦めた。
だが次には、組み打ちを試み、抵抗するエルフを盾と鎧の下に押し伏し、手首を捉え、剣をもぎ取ろうとした。
グリューエラントの思うより先に、一連の動作は機械的で、彼女には剣を使わせなかった。
省26
311: 16 2021/05/05(水)01:04 ID:jBP8fKtB(16/17) AAS
『やはり分かってはもらえない。分かっては』
『なにを彼女は犠牲にしてそれほどの魔力と才を得たのか。妹にあって、姉が失ったもの』
それを名残りに、彼は夢の記憶から覚めた。
目を開き、気づいたときはテントの下だ。
見回すと隣の寝袋にエルフ娘が休んでいる。妖精が眠っている。
彼の夢から覚めるのを待っていたように、周囲で一斉に虫たちが鳴き出した。
夜、周囲を包む虫の声は寄せ返す海の波のようだ。そのただ中に彼と、眠っているイールヴァと、
大海の小舟のようなテントに二人。二人きりの旅だった。
都を遠ざかれば、森と湖水の間を行く旅だった。荒野の夜はわびしいものだ。
女王の友人たる身分を証す、証の指輪は手にないのだから、
省21
312(2): 2021/05/05(水)01:15 ID:jBP8fKtB(17/17) AAS
>>296-311
おわり。
ひとこと詫びを入れておきたいのだが、スレ的にはあまり、エロくはない…。
というのは、この二三日まえ、たまたま保管庫にあるSSを覗いてしまい、それが、
とてつもなく昔に、たぶん自分が書いたもので、文章をみるかぎりどうも自分が書いたとしか思えない。
気がついたら外伝を掘り返して書いてみていた。いろいろ思い出があったが、
ソークスというキャラは、原作ではほとんど動機がわかんない。
その、ぶっきらぼうで「わかんなさ」が良いとは思うけど、誰かが彼女を思い出してあげたいとは思った
313: 281 2021/05/05(水)11:52 ID:pUhcBkyS(1) AAS
>>312
乙。
314: 2021/05/10(月)23:05 ID:hTwRWaZn(1) AAS
>>312
保存してあるデータとかないの?
アップする前の奴とか。
315: 炎と愛 2021/05/14(金)05:16 ID:uUFUdK3i(1/6) AAS
この地獄だってさ、魔法仕掛けのテーマパークのひとつだって、わかってるんだ。
地獄の底で生き残り……仲間が、たった二人になっても、そんな口を叩く口は彼に残っていた。
悪態をつくしかなかった。
メイルストロームの迷宮を歩くかぎりは、いつどこに、どんな悪辣な仕掛けがあるかは油断できない。
それを、踏み板に気づかなかったのは彼、錠前屋の失態だ。
長い長い回廊の突き当り、扉になにかあるなとは用心したが、開けたとたん足下が全部崩落するとは思わなかった。
わぁー……と、長い悲鳴をひいて、冗談みたいに長いトンネルを下へ下へ、底へ底へと彼らは落ち続けたあげく、
転がり出た先は地獄だった。
地獄は比喩ではなくて、ずっと昔にダンテとウェルギリウスの訪問したという場所がそこだったのは、
そこにあった嫌味らしい歓迎プレートと、そこで出会った幽霊たちが教えてくれたのだ。
省11
316: 2 2021/05/14(金)05:18 ID:uUFUdK3i(2/6) AAS
そのうえ、二人の潜む結界の端には火のような姿が来て、言葉をかけ、
ローズと錠前屋にそこから出てくるように誘った。
主の御名において悪魔よ退け、――剣の十字の柄を立ててローズが唱え、この期に及んで彼女は気丈だった。
ローズは六人の冒険仲間のリーダーだった。全員が若かったが、彼女も若かった。それが今は悔しいにちがいない。
彼女と対峙し、結界の端にいるその姿は、きららかな衣装を身につけているが、
両手にも腰にも武器らしいものを帯びていない。
二人がこのキャンプに落ち延び、止血と荒い息をついているところに、それは荒野から歩いてきた。
形は人の姿に似て、それは人でなく、火のように燃える光をまといながら、熱はなく冷たい。
青ざめた美しい顔をしていて、穏やかな声で語る。ローズにも錠前屋にも、わかる言葉で彼は話した。
「そなたらと争いにきたのではない」と言い、
省22
317: 3 2021/05/14(金)05:22 ID:uUFUdK3i(3/6) AAS
「信じるより死んだほうがましね。下がれ悪魔、その線より近づくなら、われわれは死を顧みず戦うまでだ」
「勇敢で恐れをしらぬ、称賛に値する魂よ。そなたのような戦士が昔は多くいたものだ」
薄く微笑をうかべたまま、魔王はローズの、女君主の銀甲冑を観賞しつつ、
――幾百年ごとに起こる異変のたび、訪れるそなたら、地上の戦士とまみえることが
剣と、魔術とを揮っての戦いの時間が、悠久を経たる我らにとって、めったにない楽しみなのだから――
「俺らにとっては命がけの戦いが、あんたらにとっては遊びごとだっていうのか」
「そのとおり。ゆえに、抗う力のないものから生命は奪わぬ。いずれにせよ、そなたらの心しだい。
わたしと戦い、ここで滅ぶも。さなくば、わたしとともに来よ。選べ、わたしは自由意志を尊ぶ」
結界の境に立ち、悠揚と微笑んでいる彼の美貌に気圧されながら、錠前屋はそんな甘い言葉に騙されちゃいないぜ、
そいつははっきり嘘だ。死にかけて身動きできない相手に寄り付いて、甘い言葉で希望をちらつかせるのは決して、
省22
318: 4 2021/05/14(金)05:25 ID:uUFUdK3i(4/6) AAS
「ただ愛ゆえに救うと……わたしの傷を癒して、この空間からも出してくれるなら、私はあなたを信じよう」
十字の鍔を向けたまま、ローズは膝立ちに身を支えた。立てないのだ。
魔王はそんな彼女を見つめ、表情から微笑の消えたいま、美しいその顔は造り物のように冷酷になった。
その言葉を――地上の教会では、僧侶たちはそのように教えている。
言えばイエス・キリストの代名詞のようにだ、古き神々はその言葉を恐れ、あらゆる魔術は力を失う、と。
「使い魔や、無力な子鬼どもなら、その言葉を聞くのすら恐れ、逃げ惑うであろう。
だが、そなたは相手を見誤っているのだ。剣の少女よ。わたしにそれを語ってはならぬ」
眉を曲げ憐れむような眼で、悪魔はローズを見、錠前屋のことなどは念頭から消えた。
ローズ、こいつは、そんなんじゃないかもしれない。
「わたしは、そなたの思っているような霊ではない。悪魔として、善意さえ施すことができるが、
省26
319: 5 2021/05/14(金)05:28 ID:uUFUdK3i(5/6) AAS
わたしの人生はこんなものだった。
生まれた村、十五歳の日に、天啓のような「訪れ」を得たときから、わたしは普通の村娘ではなくなった。
記憶はもうだいぶ、はっきりしないが、天使に会ったのだと思う。
噂が噂を呼んで、いつかわたしは、親元から離され、城塞都市の賢人たちに引き渡された。
練兵場で検査の結果、数万人、もしかしたら数十万人に一人、
君主の資質がある子供だと、生まれつき聖なる祝福を受けた娘だといわれた。
それから戦いのために剣術と、聖なるわざの訓練とが続き、二年経って十七の日に同じ冒険の仲間と出会った。
それからの探検や戦いは、このわたし、若い女伯爵のローズ自身を鍛える試練だった。
伝説に語られるリルガミンの宝珠を預かり、ブラザーフッドの信託を得て……
わたしは、そうした不思議な導きは、いつからか決められた、わたしの運命に引かれていると思っていた。
省25
320: 6 2021/05/14(金)05:31 ID:uUFUdK3i(6/6) AAS
マントにくるんだ彼女の身体を、負って歩く錠前屋は、ようやく第五層まで昇った。
そこで一度、彼女を下ろし、休める安全そうな片隅の暗闇を探した。人ひとり、担いで運ぶ重労働に喘いでいた。
ローズは一度、目覚めて、殺してほしいと彼に頼んだ。
彼は聞き入れなかった。
魔物にもてあそばれ、辱められた身で、地上にもどっても、
後ろ指さされて暮らすだけ。女君主も落ちぶれたものと、人に笑われたくないのだと、
弱々しく言った彼女にもとの面影はなかった。生まれて一度も剣を持ったこともないように、ただ怯えた。
石壁にもたれる彼女の、マントの合わせが解けて、彼女の体がみえた。
ちらちらするランプの色に、浅い息をつくローズの胸の、綺麗な胸を見たときに、
錠前屋は堪えきれない衝動にかられて、抵抗できないローズを犯した。
省8
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