[過去ログ] (ю:】ニセコイでエロパロ part140 [無断転載禁止]©bbspink.com (1002レス)
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92: 2020/07/05(日)12:17 ID:WtSNqWZG(1/20) AAS
約束のブツだ。受けとれ鴨女

2chスレ:lesbian

たくさん削除されてんなぁw…
95: 2020/07/05(日)13:31 ID:WtSNqWZG(2/20) AAS
なんデスト [無断転載禁止]・bbspink.com
2chスレ:eroparo
102: 2020/07/05(日)16:02 ID:WtSNqWZG(3/20) AAS
そいつは望んで守護者になった。
死んだ後も人々を救えるなら、それは願ってもない事だと。
生前は力がなく救えなかったけど、英霊としてならあらゆる悲劇を打破できると信じていた。
そんな事を思って、世界との取引に応じて死後の自分を差し出して、百人程度の命を救ったんだ。
その後は、もっと多くの、何万人という命が救えると信じきって。

――けど、そんな希望も裏切られた。
英霊、守護者が現れる場所は地獄でしかない。
彼らは世界が人の手によって滅びる場合のみ出現する。
人間は自らの業によって滅びる生き物。
だから、滅びの過程はいつだって同じはずだ。
省7
103: 2020/07/05(日)16:23 ID:WtSNqWZG(4/20) AAS
そいつは誰にも胸の裡(うち)を明かさなかった。
まわりから見ればとんでもない偏屈か変わり者。

なにしろ理由が分からない。
都合よく自分たちの窮地を救ってはくれるものの、そいつは何が欲しくてやっているのか誰一人として理解できない。

成功の報酬はいつも裏切り。
すくい上げた物は砂のように、手のひらからこぼれていく。
それも慣れた。
バカみたいに慣れてしまった。
もとより、そいつにとっての報酬は、

救った者から貰えるものではなく、誰かを助ける事こそが見返りだったらしい。
省6
104: 2020/07/05(日)17:21 ID:WtSNqWZG(5/20) AAS
終わりは、あまりにも速やかだった。
「私にはおまえを愛せなかった」
石造りの部屋に訪れ、男はそれだけを告げた。
死病に冒された女は笑って、立ち上がる事もできぬ細い、骨と皮だけの体で、

「――いいえ。貴方はわたしを愛しています」

そう微笑んで、命を断った。

血に染まった女は、掠れていく意識で男を見上げて、笑った。

「ほら。貴方、泣いているもの」
無論、泣いてなどいない。
女には、そう見えただけの話だ。
省12
106: 2020/07/05(日)18:34 ID:WtSNqWZG(6/20) AAS
「オレには、もはやおまえの記憶などない。
だがそれでもあの光景だけは覚えている。一面の炎
と充満した死の匂い。絶望の中で助けを請い、叶えられ
た時の感情。〇〇〇〇という男の、オレを助け出した時に見せた安堵の顔を」
107: 2020/07/05(日)18:46 ID:WtSNqWZG(7/20) AAS
「―――」

届く。
必ず届く。
壊れているなら壊れていないところを使えばいい。
有るモノ全てが壊れたのなら無い部分を総動員しろ。

体(オレ)がまだ負けていないというのなら、その奥、まだ手つかずの領域に手を伸ばす―――!
109: 2020/07/05(日)18:51 ID:WtSNqWZG(8/20) AAS
「――I am the bone of my sword.」(体は剣で出来ている)

知らず、呟いた。
顔をあげる。
死にかけの体を奮い立たせる。
ごくん、と、喉につまった血の塊を飲み下す。
存在が稀薄だった陽剣干将が確かな実像を帯びていく。
110: 2020/07/05(日)19:00 ID:WtSNqWZG(9/20) AAS
―――それは、ありえない剣戟だった。

斬りかかる体は満身創痍。
指は折れ、手足は裂かれ、本人は気づいてさえいないが、呼吸はとうに停止している。
踏み込む速度も取るに足りなければ、繰り出す一撃も凡庸だ。
彼の知識を吸収し、戦闘に耐えうる域まであがったというのに、その様は元の少年に戻っている。

出鱈目に振るわれた、あまりに凡庸な一撃。
…… だというのに。

その初撃は、今までのどの一撃よりも重かった。

奮われる剣は叫びのように。
省1
111: 2020/07/05(日)19:08 ID:WtSNqWZG(10/20) AAS
「―――」

その煩悶もじき終わる。
敵はとうに限界だ。もって三撃。三度弾き返せば、あとは自分からバラバラになる。

「――――チ」

下らぬ思いつきに舌打ちした。
先ほどはあと二撃と見た。その結果、こうして十を超える剣戟を受けている。

少年は倒れない。
省3
112: 2020/07/05(日)19:16 ID:WtSNqWZG(11/20) AAS
そうして。
繰り返される剣戟に終わりはないと、彼は悟った。
この敵は止まらない。
決して自分からはとまらない。
渾身の力で打ち込んでくるものの、敵の意識は彼を捉えてなどいない。
少年が斬り伏せようとしているものは、あくまで己を阻む自分自身。
信じてきた物、これからも信じていく物を貫き通す為に、敵は剣を奮っていた。

「―――」
それに気が付いて、彼は忌々しげに歯を噛んだ。
勝てぬと知って、意味がないと知って、なお挑み続けるその姿。
省3
113: 2020/07/05(日)19:30 ID:WtSNqWZG(12/20) AAS
「何をする、などと判りきった事を訊くな。私の目的はただ一つ、この呪いを誕生させる事のみだ」

「言った筈だぞ。私は誕生するモノを祝福すると。コレは今まさに産まれようとしている。ならば、その誕生を阻む外敵から守ってやるのは当然ではないかな」
「正気などとうにない。目的を果たしたところで、我々の末路は同じだ。おまえはコレを滅ぼし、私はコレを守る。
だが、どちらが目的を果たそうと、結果を得る者はいない。それを承知でおまえはここまで来た。
――無意味な争いだ。そんなものをする時点で、私もおまえも正気ではないだろう」
114: 2020/07/05(日)19:49 ID:WtSNqWZG(13/20) AAS
「何もかも無くし何もかも壊したあと、ただ一人残ったモノが、果たして自身を許せるのか。
私がそれが知りたい。
外界との隔たりをもったモノが、孤独(ありのまま)に生き続ける事に罪科があるのかどうか、その是非を問う。
その為におまえの〇を殺し、その為に〇〇 〇を生かした。私では答えは出せない。故に、答えを出せるモノの誕生を願った」
115: 2020/07/05(日)20:04 ID:WtSNqWZG(14/20) AAS
苦しんだ苦しんだ、満たされないまま苦しんだ、何も残せぬまま消えるなど出来るものか、
苦しいまま死ぬなど出来るものか、目の前には聖杯が開いている、ならば我が望みを聞くがいい、
問われれば答えてやろう、我が望みはシニタクナイ、あそこまで、あの崖を登れば願いが叶う、願いが叶うというのにこの体
ではたどり着けぬ、たったあれだけの距離、この五百年を顧みれば塵にも等しい、たったあれだけの距離が、なぜ、なぜこんなにも遠いのか―――――!!!!
122: 2020/07/05(日)20:42 ID:WtSNqWZG(15/20) AAS
「―――」

純粋な問いに、苦しい、という思考が止まる。

何故。
何故。
何故。
言われてみればおかしい。
何故死にたくないなどと思ったのか。
何故死ぬ訳にはいかなかったのか。

終わってしまえばこの苦痛から解放されるというのに、あらゆる苦しみを抱いたまま、なお生にしがみついたのは何の為か。
123: 2020/07/05(日)20:50 ID:WtSNqWZG(16/20) AAS
きっと、まだ始まったばかりなのだ。
彼らの試み、その旅は始まったばかり。五百年など取るに足らぬ。
たったそれだけの年月でどうして届こうか。

我らが望んだものは遥かに眩しく尊く、遠く必ず果たされるもの。

これより幾星霜の時間(とき)を超え、千の年月、万の年月の末に手に入れる、人間という種の成長だ。
124: 2020/07/05(日)22:18 ID:WtSNqWZG(17/20) AAS
〇〇は第三魔法の成功例、ちゃんと今から修行すれば固有結界を使いこなせるようになるし。
〇は一部とは言え、聖杯としての機能を生かしている。おまけに〇〇〇〇なんて反則付き。

で、わたしは第二魔法の真似事ぐらいならなんとか。

「―――」

はっきり言って無敵だ。
いっそのこと協会で魔術大会でも開いてほしい。
サクッと優勝するから、そうしたら賞金でもくれないかしら。ドサっと気前良く五千万ぐらい。
もちろんポンドで。日本人だからって消費税とかつけないで。
125: 2020/07/05(日)22:41 ID:WtSNqWZG(18/20) AAS
あの時、自分の裡(なか)は空っぽだった。

誰もが平等に死んで、自分では誰一人救えなかった。
人間なんてそんなものだと諦めるしか、目の前の恐怖を抑えられなかった。

――だから。

だからこそ、その理想に憧れた。
自分では持ち得ないから、その尊さに涙した。
いけないのか。
自分の気持ちではないから、それは偽物なのか。
偽物だから、届いてはいけないのか。

――違う。それはきっと、違うと思う。
省3
126
(1): 2020/07/05(日)22:58 ID:WtSNqWZG(19/20) AAS
全てを救う事はできないと。
誰かが犠牲にならなければ救いないと、解っている。
大人になったから、それが現実なのだと理解してる。
その上で、そんなものが理想にすぎないと知った上で、なお理想を求め続けた。
傷ついて終わり、ではなく。
多くを救う為に傷つけて、それが最善であっても、それでも――誰も傷つかない幸福を求め続ける。

正義などこの世にはない、と。
現実とは無価値に人が死に続けるものだと。
そんな悟ったような諦め(言葉)が、正しいとは思えない……!

その果てに、ヤツはここに辿り着いた。
省11
127: 2020/07/05(日)23:51 ID:WtSNqWZG(20/20) AAS
荒涼とした世界。
生き物のいない、剣だけが眠る墓場。
直視しただけで剣を複製するこの世界において、存在しない剣などない。

それが、〇〇〇〇の世界だった。

固有結界。
術者の心象世界を具現化する最大の禁呪。
英霊〇〇〇の宝具であり、この身が持つただ一つの武器。

ここには全てがあり、おそらくは何もない。

故に、その名を“無限の剣製”(アンリミテッドブレイドワークス)
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