[過去ログ] 【妄想】ショタ小説を書こう!【創作】 (761レス)
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397: 今夜、君の立つキッチンで・3 2008/12/25(木)09:50 ID:c2F4kb9w0(3/10) AAS
【 1−2 】

 若芽色づく五月の始め――ほんの1週間前に、彼女・エドナは眠るよう天に召された。彼女の葬儀は村長をはじめと
する地元の村人達数人によってしめやかなに行われ、見上げるほどに大きく見渡すほどに広いこの屋敷にはキトラ一人
だけが残された。
 少年の姓ともなっている“マクスウェル家”とはキトラの祖父ドレル・マクスウェルが、ライターの開発・製造販売
で労働者階級から成り上がった新興貴族の家系であった。
 その発明品である『ライター』は、『近代を象徴する歴史的発明品』として称えられ、瞬く間に全世界へ浸透――
マクスウェルの名を不動のものとさせた。
 しかしかの家の不幸は、これより始まる。
 折りしもベラトリア・ルドベキア・ワスレモコウ、そしてフリージアの四国による大戦が続いていた激動の最中――
かの発明品(ライター)の出現は、当時の銃器開発においても飛躍的な進歩をもたらすこととなった。
 その独自の構造から容易に火を熾すことの出来る“着火輪”の発明は銃火器の性能を一回りも二回りも向上させ、
結果その兵器の投入によって四国の戦況は激化――それぞれに多大な死傷者(成果)をもたらせることとなった。
 これによりマクスウェル家は更なる富を得ると同時、大量虐殺兵器の開発に携わったという謂れ無き誹謗中傷も
また受けてしまうこととなる。
世紀の大発明を成した“稀代の英雄”は、たちどころに大量虐殺の“死の商人”として――いつしかこの片田舎へと
追いやられることとなった。
 それでも産業革命の追い風も含んだ時代(とき)の中、マクスウェル社のライターは売れに売れた。
 自社製品の売上はもとより、他の会社が製造するそれの著作権料(マージン)、そしてもちろんのことながら銃器製造に
関するそれらも含め、マクスウェルの財は夏の雲のよう大きくなっていった。
 そうした富と名声(誹謗中傷・悪名も含む)の隆盛の中――祖父・ドレルが他界した。
 その死が時を迎え神に召されたものであったのならば、それが後に起こる“かの騒動”を引き起こす契機となることも
なかったであろう。すべての不幸の始まりとなるそんなドレルの死は、衝撃的な“事件”の延長線上にて起きてしまった。
 その日ドレルが視察に訪れていた工場は、不慮の事故により爆破崩壊をしたのだった――そしてそれに巻き込まれて
彼は命を落とした。
 大量のガス燃料を備蓄していた工場の災害はドレルのみに関わらずそこでの従業員、さらには近隣の住民すらをも
巻き込む大惨事となった。
 この事件はその後、保証を求める事故の被害者達とマクスウェル社側との話し合いから幾つもの裁判を起こさせ、
当時の世間を大いに騒がせた。
 そうしてようやく互いの間に和解が成立し、一連の事件にも一応の決着がついた頃――巷には“ある噂”がささやかれ
るようになっていた。
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