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彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいた (671レス)
彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいた http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/
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632: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 00:42:03 ID:ngCgEf1mO コンガ「い、いいだいよぅ。マ、ママ……た、助けてほしいんだな。」 泣きべそをかいて、ママに助けをもとめるババコンガ。ホンッッと情けない男。なんだか哀れになってきた。 ……何をしている?敵はまだ生きているぞ。最後まで詰めを誤るな…… まーた、何か渋い声が響いてきた。あー、もう十分でしょ? こんだけ痛めつけてやれば。向こうのほうからお見合いは破談になるっしょ。 ……引き裂け。粉砕しろ。喉笛に喰らい付け。そして 殺せッ!! 花子「え、ちょ……ちょっと!?」 突如、私が別段呼んだ訳でもないのに、亜空間を飛び越えてプロトンキャノンが現れた!! 私の腕や背中からセスの一部とおぼしき白い物体がうにょにょーんと飛び出て、私の身体は直接プロトンキャノンに融合する。 キャノン砲が低い音を立てて振動する。もしかして直接、エネルギーを送り込んでいるの? 「ま、まずいって。いちおう相手は大企業の御曹司だし。お母様の手前もあるしブッ殺しちゃまずいって。」 だが私の意志とは関係なく、陽子キャノンはチャージを完了させ、破壊光線を発射した!! 「や…やめてーーー!!」 ズッピーーーーム!! コンガ「ひぃぃぃぃ!!マ、ママ〜〜〜〜〜〜ン!!!!!」 私の意志が通じたのか、ビームキャノンの狙いは僅かにそれてババコンガの頭上数センチを通過、その後ろの鋼鉄の扉を跡形もなく消滅させ、射線上にあった銀座・高級料亭の日本庭園を焦土と化した。あーあーあ。 コンガ「あぅぅぅぅぅ(失禁)。ぶくぶく……。」 泡吹いて気絶するババコンガ。私はそのまま呆然と立ち尽くす。 プロトン砲は元の次元空間の狭間に消え、身体に充満していたセスのパワァが消えていくのが分かった。 『カンカンカンカン!!ウゥゥゥーーーーー!!パーポーパーポー!!』 消防車とパトカーと救急車のサイレンが響いてきた。どどどどど、どーしよどーしよ!? http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/632
633: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 00:44:17 ID:ngCgEf1mO 同日・午後8:00 警察署 取調室に通される私。やだ刑事ドラマみたい。「カツ丼食えよ?」とか言われるのかしら? それとも食べ物をダシに自白を迫るのは法律違反だから、お茶に自白剤とか混ぜてよこすのかしら? ……どのみち破滅だな。ならばいっそのこと、立ち塞がる輩を全て排除するがいい…… 腕に居候している人面疽が暗黒面バリバリなことを言い出す。 だぁぁ!国家権力を敵に回すようなことが出来るわけねえですよ?あーた!? ガチャ。長身の婦人警官が取調室に入ってくる。そういえばこの人スト3のエレナに似てる。 あああ、どうしよう。いろいろと聞かれたらまずいことが。やっぱり心のダークサイドに従っていっそのこと証拠隠滅を……。 ところが婦警さんは一言 エレナ(に似た婦警)「かえっていいですヨ。アナタ。」 はっ!?危険思想に侵されそうになっていた私に意外な一言。何故でゲスか? エレナ「まず、被害者のババコンガ氏とそのお母様に話を聞いたんですがネ。」 コンガ『で、は、花子ちゃんと愛を営もうと、へ、部屋を鋼鉄の扉で閉ざしたんです。そ、そしたら急に花子ちゃんが凶暴化して……』 エレナ『アナタねえ。馬鹿も休み休み言いなさイ。普通の女の子がアナタの巨体をパンチ一発でぶっ飛ばしタ?』 『う、嘘じゃないんだな。お、オマケに鋼鉄のキャノン砲を呼び出すとこっちに、む向かって、あぁぁぁ!!』 『はア。よく解りましタ。とりゃあア(当て身)』 『はぐぉ!?(気絶)』 コンガの母『あぁ!コンガちゃん!?な、何て事を!!』 『お母サン、アナタの息子サン前にも3回ほど爆発事故起こしてますよネ?』 『は、はい。うちのコンガちゃんはお風呂でオナラを思いっきりするのが趣味で。 以前、それが風呂釜のガスバーナーに引火して。』 『分かっタ!謎は全て解けまーしタ!!恐らく被害者はその密室で思いっきりオナラをしたんデス。 酸欠状態で幻覚を見たんデショウ。そして何らかの要因でオナラのメタンガスに引火、密閉されていた部屋の内圧が高まり一気に……』 エレナ「どかーん!料亭は焼け野原に……というわけデス。どうこのワタシの名推理?」 花子「は、はあ。そ、そーだったんですか。いやーあはははは。」 何という迷推理。何という冤罪天国。突っ込みたいところだけど私の疑いは晴れたみたいなので黙っとこ。 「ところで、そのコンガさんは?」 「アァ。完璧なワタシの推理にもかかわらず、『犯人は花子ちゃんだー』とかしつこく言うもんだから。 彼のお母様が『コ、コンガちゃん。もしかして脳に酸素が行かなくなったせいで、うぅ……』とか何とかで、 精神病院を紹介してあげましたヨ。」 「そ、そうですか。」 やっほー!正義は勝ぁつ!!そのまま隔離されて氏ね。二度と姿をさらさないでほしいモノだわ。 取調室を出る。ふぅぅ。助かった。 「残念だった?私が暗黒面に墜ちなくて残念?ざ・ん・ね・ん〜〜んん?」 セス(みたいな)顔の人面疽に向かって思いっきり言ってあげた。 しかし、聞く耳持たないといった感じで人面疽は薄ーくなっていった。 「ほぉら?何とか言ったらどうなの〜〜?……はッ!?」 エレナ「や、やっパリ。花子サン。アナタも酸欠状態で脳が……。」 ぐは!?婦警さんに見られてた!?えぇえ、えーっと。大丈夫ッス。いろいろあってちょっと疲れただけでアリマス!! 「さ、さいなら〜〜。」 ほうほうの体で警察署を出る。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/633
634: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 00:46:08 ID:ngCgEf1mO クミコ「やってくれたわね。花子。」 「お、お母様。」 警察署の前には迎えのリムジンとプリプリ怒ったお母様が。 「せっかく持ってきたいい話をよくもまあ。」 「ご、ごめんなさい。」 「ふん。いいわ。事故じゃしょうがない。それに料亭の弁償は向こうさんが全額負担してくれるみたいだし。」 ご、ごめんなさい。実は犯人は私です。でも言えません。言えるか。 「ここだけの話、彼は会社を継いだはいいけど、組織を私物化してた若(バカ)社長でね。副社長派との内部抗争が激化してたらしいの。」 あ〜なんか納得。って、そんな問題人物をお見合いに薦めたんでござんすか? 「で、今度はその副社長の息子さんとお見合いを予定してるの。相手の名前は雪山フルフルさん。」 「…………」 スッゲー嫌な予感。私の第六感は今ビンビンに危険信号を発しています。 想像図→ ( 口 ) <キョエエエエエ 「しばらくはコンガ氏がいなくなって会社がゴタゴタするでしょうから。お見合いは来月か再来月くらいかしらね。今日の所は帰って寝なさい。」 「え、あれ。お母様は?」 「私は、これからイタリア料理を食べつつ、大事な取引の話よ。お休みなさい、花子。」 「お休みなさい。」 リムジンに乗ると、どっと疲れが出てきた。少し眠ろう。ふぁぁ…… http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/634
635: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 00:49:15 ID:ngCgEf1mO 同日・午後11:00 都内某所・イタリアンレストラン 院長「久しぶりだね。クミコ君。10年ぶりくらいかな?」 クミコ「院長先生こそ、お変わりないようで。体中の骨が砕けてクラゲみたいになっている以外は。ところでそっちの青年は?」 「彼は若いのに優秀でな。ゆくゆくは私の片腕になってもらおうかと考えておるのだよ。」 太郎「初めまして。」 「うーん。顔はいいけどあまり頼りになりそうもない青年ねえ。」 「はぁ。今のところもっぱら雑用係ですしね。」 「今日、クミコ君を呼んだのは他でもない。私がほしいのは君の会社が開発したという宇宙時代の新素材だ。」 「おほほほほほ。圧力鍋の素材をいろいろ試しているうちに偶然出来た副産物ですの。何だ、そんなの正規の手段で会社に発注すればよろしいのに。」 「ふむ。では太郎君。直ちに手続きを。」 「はっ。それでは失礼します。」 「さて、太郎君がいなくなったところで、ここからが重要な本題。君、学園の理事長やらんかね?」 「は!?唐突に何を言い出すかと思えば。」 「なあに。セモリナの極上パスタでも頂きながら話そう。理事をしてもらいたいのは都内の名門私立女子学園だ。 ぶっちゃけて言うが権力者や金持ちの娘さん達が通っている。君の最大のメリットは……。」 「なるほど。うん……悪くないわね。 でも、問題は多忙な私にそんな役が務まるかという事だけど?」 「いやいや。理事長などと言っても、ただただドーンと構えてくれるだけでいい。雑事は全て太郎君にやってもらう。 引き受けてくれるかね?クミコ君?一つだけ条件があるが……。」 「何ですの?」 「君の娘。花子君をその学園に通わせることだ。 承諾してくれるなら現在の理事長をあの手この手を尽くして48時間で退職に追い込んで差し上げよう。」 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/635
636: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 15:59:20 ID:pV32FA7w0 >>631 こんな糞みたいなSSでも読んでるやつはいるんだよ!!!!!111きっと!!! 馬鹿にしてやるな!!! http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/636
637: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 23:44:08 ID:ngCgEf1mO -〜2日後〜 花子「は?なんどぅえすって??」 朝食のコーヒーとサンドウィッチを盛大に吹き出す私。聞き違い?それとも空耳?もう一度言ってくださいお母様。 「私、都内の名門私立女子学園の理事長になることにしたの。社長と掛け持ちで。花子、明日からそこに通いなさい。」 はぁ!!??えええええ??ってかさ、私実は、可憐な16歳だけど高校通ってないのよね。学歴的には中卒。毎日ブーラブラ。でも、それはお母様が、 「中学の時の進路指導で、先生に『高校には行かるつもりはないですから。』とか言ってませんでした?」 「学生やってると結婚に支障が出るでしょう?でもほら、お見合いはおじゃんになっちゃったし。」 そ、それってつまり、最初っからお見合いして結婚することを見越して? 「とにかく。明日の朝は理事長就任の挨拶があるから。」 いやいやいやいや。そんな学習内容の高そうな学校についていける自信ないって。 「とにかく、もう決定したことなの。今日1日でそのための手続きとか、制服を仕立てないとね。」 げぇ。強行軍。 で、件の学園の前に降り立つ私とお母様。丁度校門では学園のネームプレート?みたいなのの改修工事をしていた。 『私立 邪スティス女子学園・校門前』 花子「じゃ、じゃすてぃすがくえん?な、何、この誤変換みたいな学校名?カプコンつながり!?」 「私を理事長に推した後援者の指示で、『正義など何の力もない。この世を支配するのはやはり邪悪!』とか何とかで、学校名を変えることになっちゃったのよ。 分かってないわよねぇ、正義か悪かなんて。『正義は勝つ』じゃなくて、『勝った方が正義』。つまり『正義は何をやっても許されるッ!』が世の中ってもの。」 力説するお母様。どうでもいいけどこの超ダッセーネーミングセンスだけは何とかならなかったのかしらね。 「花ちゃん……いえ、花子さん……。」 名前を呼ばれて振り返る。そこには、 花子「ゆ、ゆに子ちゃん!!ユニちゃんじゃないの!!」 小学校、中学校と、9年間仲良しだった私のお友達、制服姿のゆに子ちゃんがそこに立っていた。 外見は……そうね、ストZERO3のマイナーキャラ、ユーリとユー二を足して2で割ったような感じ?まあどっちがどっちだかあんま覚えてないけど。 「わぁ、久しぶり〜。元気だったユニちゃん?この学校に通ってたの?明日からよろしくねぇ〜。」 いきなり決まって不安極まりなかった学園生活だけども、お友達がいるんなら話は別。俄然張り切っちゃうわ。握手しようと手を差し出す。 パシッ!! 手を払いのけられた。 「ゆ、ユニちゃん……?」 「気安くユニちゃんなんて呼ばないで。花子さん。」 つかつかと校舎の方へ去っていくユニちゃん。なにがなんだかわからず立ち尽くす私。今のやり取りをさもなかったかのようにお母様が切り出す。 「ほら、花子。行くわよ。」 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/637
638: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 23:45:56 ID:ngCgEf1mO 応接室で、学園の人から学校についての説明を受ける。 「であるから、歴史あるわが学園の名に恥じぬよう、規律正しい生活を……」 そんなご高説も上の空。原因はさっきのユニちゃんの態度だ。いったい何があったのだろうか。 小学校、中学校とも私はお母様に『貴方は曲がりなりにも社長令嬢なんだからそれにふさわしい身分のお友達を作りなさい』とかいう理由で 友達を作ることさえお母様のチェックを受けたのだった。そんななか、唯一私の友達として認められたのが彼女。 ユニちゃんの方も似たような境遇だったらしく私達は親友といっても差し支えないような間柄だった。だったのに……。 「以上です。何か質問は?」 あ、終わったの。 クミコ「あとは、オーダーした制服を取りに行かなきゃね。私はこれから色々ここで会議とかあるから。悪いんだけど一人で行ってくれない?」 「うん……。」 「ここからすぐ近くのところのはずだから。」 お母様と別れ、校門を出る私。そこでまた声をかけられた。 「花子さん。」 ゆに子ちゃんだった。私が一人になるのを見計らっていたのだろうか。 「ユニちゃん。さっきは……」 どうして?と続ける前にゆに子ちゃんが口を挟む。 「制服を取りに行くんでしょう?案内してあげる。話したいことがあるの。」 しばらくの間、全く無言で歩く私とゆに子ちゃん。人通りの少ない狭い裏路地に出たところでゆに子ちゃんがポツリと漏らす。 「あなたのお母様が新しい理事長に就任するのよね?」 「あ、ああ……うん。そうみたい。」 突然話しかけられてしどろもどろに答える私。 「昨日ね。私のお祖父様が突然、解任されたの。」 え?ゆに子ちゃんのお祖父さんって何やってる人だっけ? 「この学園の理事長。いいえ、前理事長。」 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/638
639: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/06(土) 23:47:31 ID:ngCgEf1mO は、初耳だ……。 「そして、急遽あなたのお母様がすんなりと理事長になった。あなたのお母様、現役の社長やっててそんな暇ないはずでしょう? まるで何もかも仕組まれてたかのように……。」 「…………」 「お爺様はショックのあまり入院してしまったわ。もうお年だったし。『あの親子を許すな。』と言ってた。」 「そ、そんな。で、でもでも、それはユニちゃんのお爺様とうちのお母様の確執であって、私達には関係ないんじゃ……。」 「お爺様の言うことは絶対よ。それに貴方だってお母様の言うなりじゃない!!貴方がそんなこと言えるの!?」 あまりの剣幕に立ち止まり、何も言えなくなってしまう私。 「excuse me」 「あ、ごめんなさい。」 狭い道だったので邪魔だったか、反対側から歩いてきた小さな女の子とぶつかりそうになってしまう。 金髪のポニーテールに青い瞳、流暢な英語。アメリカ人かな……? ……んんん?あんれぇ?なんか見覚えがあるぞ今の子!? 「………!!」 向こうも気が付いたのか、少し歩いたところで女の子が立ち止まりこっちを向く。 「……ああああああああ!!あなたは!!」 「……ああああああああ!!てめーは!!」 思い出した!!この女の子はハワイで私に銃を突きつけてきた…… http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/639
640: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/12(金) 17:34:06 ID:3e6WWHu30 読んでる俺。頑張れ頑張れ。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/640
641: ゲーム好き名無しさん [] 2009/06/13(土) 21:45:26 ID:YrjbMFPr0 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/641
642: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/14(日) 01:47:05 ID:/8+sgXUA0 >>640 よう作者 自演してないで続き書こうぜ http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/642
643: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/14(日) 05:18:03 ID:IASzmgNIO 女の子「ここであったが百年目ぇぇぇ!!幸先いいなこりゃ!!」 なぜ?どうして?ハワイの強盗少女がこんな所にいるのかしら? 「自慢じゃないがアタシは執念深くてな。受けた屈辱は100万倍にして返してやらないと気がすまねぇのよ!!」 ゆに子「???」 状況が全く分からず、私と少女の顔を交互に見比べるゆに子ちゃん。当然の反応だ。私だって飲み込めてない。 相変わらず、道行く人を脅してお財布を失敬しちゃおうと?可哀想に、そうでもしないと生きていけないのね。 花子「ほら、500円玉あげるから。これでハンバーガーでも買って。ね?」 「そのナメ腐った態度が気にくわねぇんだよキャミィ(に似た女)ッッ!!!!来いッ!!新兵器!!」 ちゃっかり500円をポケットに入れながら、腕時計(?)のスイッチをおす女の子。 「……?」 何にも起こらない。ん〜? どうしよう。なんか間が持たないから、とりあえず何か話でもしてみようかな(←日本人的発想)。 「え、えぇと。私は花子。似てるかもしんないけどキャミィじゃないんよ。んで、こっちは友達のゆに子ちゃん。あなたのお名前は?」 「あ?あぁー?そういえばお互い名乗ってなかったっけ?てっきり知ってるものとばっか。アタシは……」 そのとき、シュワッと風が切れ、風圧で私とゆに子ちゃんの体は舞い上がった!! ゆに子「キャーーーーーーーッ!!」 花子「ほんげぇぇぇーーッ!?」 ぶっ飛ぶ二人の間すり抜けて、人型のマシーンが狭い路地裏を疾走してきたのだ。 そのまま路地裏のポリバケツに激突する私。ポリバケツの中身をぶちまけ生ゴミまみれになる。臭っ!汚っ! 「アタシはクリスってんだ。だが覚える必要はねぇぜ。これからおっ死ぬ人間にはなッ!!」 シュタッとそのマシーンに乗り込む少女・クリス。やだ、殺る気満々!? 「日本じゃ対戦車バズーカはおろか拳銃すら持ち歩けねぇからな。 表向きは洋服店を経営してる、闇の武器屋から買った土木作業用ライドアーマーだ。車両じゃないから無免許上等だぜ!そーらよッ!!」 鋼鉄の拳を繰り出してくるライドアーマー!!甘いわね!!強化骨格の持ち主にそんなぬるい攻撃が通じるとでも…… ごしゃッ!! ライドアーマーの右ストレートをモロに食らって、鼻血を撒き散らしつつ回転しながら飛ぶ私。 「ぶっへへーーーッ!!?」 忘れてた。今、私は普通の女の子と変わんない能力だったっけ?今度はポリバケツに頭から突っ込む私。ふごーーー!! http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/643
644: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/14(日) 05:20:57 ID:IASzmgNIO 「きゃぁぁ!!」 ]に出てくるみたいなライドアーマーは、ゆに子ちゃんをガシッと掴むと、後ろ向きにダッシュする。 「すわっ!?ゆに子ちゃーん!!??」 「ハハハハハハッ!!お友達を助けたくば……ってやつだな。こんな狭い路地裏じゃ遠慮なく戦えないだろう?ついてきな!!」 「待ちなさーい!!」 私の叫びも虚しく、ゆに子ちゃんを掴んだままライドアーマーは空高くぴょい〜んと跳びあがった。 「あれは、学校の方角……!?」 「ありゃりゃ。こりゃあ予想外の展開になってるな。」 聞き覚えのある声がした。この声は!! 「太郎君!?」 がばっと跳ね起きる私。生ゴミまみれになった私の前に太郎君が立っていたのだ。 何でまたここに?本当は小一時間問い詰めて、一発殴ってやりたいところだけど、今はそれどころじゃない。 「お、おい。ちょっと!?」 「……行かなきゃ。」 太郎君はため息をつく。 「じゃ、せめてこれを持って行くといい。今日はこれを渡すために来たんだ。」 え?え?何?もしかしてこのピンチをどうにかできる新兵器とかパワーアップパーツとか……? 「じゃーん!熱海のお土産。温泉まんじゅう!!このまんじゅうは特別製であんこの量が……げべェ?」 言い終わる前に私は渾身のパンチを顔面にぶち込んでやった。非常時にふざけるのもたいがいにしとこうね? さあ、こんな事してるバヤイじゃない。さっさとあのライドアーマーを追わなきゃ!! 「ひ、人の話は最後まで聞こう……よ(がくっ)」 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/644
645: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/14(日) 05:24:07 ID:IASzmgNIO 〜私立邪スティス学園・校庭〜 「はあはあはあはあ!!」 来た道を全力で戻り、学校のグラウンドに出る。 私の読み通り、ライドアーマーに乗った少女クリスと鋼鉄の腕にとらわれたゆに子ちゃんはそこにいた。 「来たな。ここならお互い全力で戦えるだろう?」 「その前にゆに子ちゃんを離しなさい!!」 「いつものアタシだったら人質を盾になぶり殺してるとこだが……ふん。まあいいだろう。 テメーとの闘いはアタシにとって特別なんだ。」 ライドアーマーはゆに子ちゃんをその場に解放する。だが、反応がない。 「ゆに子ちゃん!!?」 「…………」 よくも……よくもゆに子ちゃんを!!怒りに燃える私の心に例の声が語りかけてくる。 ……憎いか?悔しいか?敵を叩きのめしたいか?…… 言うまでもない。体中に熱いエナズィィが充満し、私の強化骨格が起動するのが何とな〜くわかった。 「つーか、どーせならライドアーマーに小突かれる前に、覚醒(?)してほしかった。」 殺気を込めた視線をゆっくりとライドアーマーに乗った少女に向ける。 「んじゃ。行くぜッ!!」 ライドアーマーが猛ダッシュのスピードに乗せて豪腕を振りかざしてくる。機械仕掛けの右ストレート!! 「ちょわ〜〜〜〜ッ!!!」 私もまた猛ダッシュ。そのスピードを乗せた音速の右ストレートを繰り出す。 ガキィィン!! 鋼鉄の拳と私の拳がぶつかり合い、両者ともに衝撃で後ろによろける。 「へへへ。そう来なくっちゃな。楽には死なせねぇーよ。パパの居場所を吐いてもらうまではなぁ!?」 なーに言ってんのかしらこの子? 「あなたの父親なんて知らないわよ〜〜だ。」 「しらばっくれんじゃねー。なーら内蔵引きずり出してでも聞き出すまでだゼ。」 ライドアーマーの胸部ハッチが開き、何とも物騒なキャノン砲が姿を現した。 「銃刀法なんかもごまかしが効く。圧縮空気で発射する暴徒鎮圧用のゴムボール弾だ。」 パキュウン!!何倍にも高められた瞬発力と反射神経で飛び退る。私の足下に大穴が開く。 うわ!?何じゃこの威力!? 「ふふん。特別チューンかけたからな。空気鉄砲とはいえこの威力。」 冗談じゃなーい。普通の人間が喰らったらスイカ割りみたいに粉々よ。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/645
646: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/14(日) 05:30:46 ID:IASzmgNIO 「そらそらそらそら〜〜〜〜〜〜!!」 「どぅわわわわわわ〜〜〜〜〜〜!!」 乱射してくるアーマーの周りを旋回して回避する。 流れ弾がグラウンドに、校舎に、窓ガラスに命中し見るも無惨な損害状況に。そうだ、ゆに子ちゃんに当たったらまずい!? ちらっとゆに子ちゃんの方を確認する。 太郎「もしも〜し?ここで寝てると流れ弾に当たって頭撃ち抜かれちゃうよ?お〜い?生きてる?」 ゆに子「うぅ……。」 「気を失ってるだけか。この学園の保健室を借りよう。はぁ。僕もお人好しだなぁ。」 太郎君がゆに子ちゃんを担いでその場を離れようとしていた。これは……私を助けてくれるの? と、とにかくこの鋼鉄の化け物の注意を逸らしましょう。えーと、うーんと。 「あぁぁッ!!西の空にイャンクック先生が飛んでる〜〜!!」 「ぬぅわに〜〜〜!!」 逆方向のお空を指さす私。 「って。そんな手にアタシが引っかかるかボケェ!!それ以前にんなもんが存在するかドアホゥ!!」 キャーーー!甘かった?それとも例えが悪かった? ポポポポーーーーン!!私に襲いかかる無数の高速ゴム弾!!避けきれない……!? 「ほわわわわわーーーー!!」 だけど私は諦めない。キアヌ・リーブスも電脳世界に逃げだしそうなマトリックスばりの上体反らし避け!!どうよ!? だが、何たる不幸。避けた高速ゴムボールの一つが後ろの地面で跳ね返り、これ以上ないぐらいの絶妙な角度で私の後頭部に直撃した!!メゴォ!! 「ふぶぅ〜〜〜〜っ!!」 脳震とうを起こしてピヨピヨ状態になる私。ライドアーマーの巨大な腕にがっしりと身体を掴まれる。 「さぁ〜〜てと。キリキリ白状してもらおうか。パパは何処にいる?オメーらはいったい何を企んでる?」 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/646
647: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/21(日) 23:54:53 ID:G/Xjb/7wO ギリギリギリギリ ライドアーマーに握り締められ身体がきしむ 「アイダダダダダ!?言う!言います!言うから放して〜…」 苦痛から少しでも早く解放されるべく口からでまかせを吐いちゃった私。鋼鉄のアームの力が少しゆるんだ。 「じゃ、改めて聞くぜ?アタシのパパはどこだ?」 「知りません。」 グショッ!まるでアルミ缶を潰すみたいに私の身体は圧搾されました。グギャアアアア!! そしてグラウンドにポイ捨てされると、 「流石は生粋の戦士。やっぱテメーにゃ拷問なんて意味ないか。なら、戦士らしく敬意を払って葬ってやんぜ!」 いや、本当に知らないんだってば。 私にトドメを刺すべく、ライドアーマーの足が上がる。このままカエルみたいにペチャンコにされるのかしら?い、イヤー! 踏み潰される最後の瞬間、私は思った。 まあ、ゆに子ちゃんが無事ならそれで……いい……か…… http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/647
648: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/24(水) 20:25:18 ID:WXOwMjtUO 「アデュー。」 仏語のお別れとともにのしかかってくるライドアーマーのあんよ! 私はなすすべもなく挽き肉に…… なりはしなかった。それどころか、 花子「ドスコーイ!」 スモウレスラーばりの雄叫びを上げ、私の腕は搭乗者もろとも鋼鉄の塊を持ち上げる! ……私の意志とは裏腹に! 「うおっ!?しまっ……た!」 機械仕掛けの人型兵器は私の上でジタバタする。私の口はこれまた勝手に合成音みたいな言葉を発する。 花子’「……度し難い。全く度し難い。」 ボイスチェンジャー風の声。自分が話してる訳じゃないので便宜上花子’(ダッシュ)と命名する。 つーかプライバシー保護の為、音声を変えてお送りしてるの?私ゃ警察ドキュメント番組の万引き女か? シュウシュウと体の傷が再生してゆく。 花子’「最高のポテンシャルを持ちながら、戦闘中に気を取られるとは。もはや任せてはおけぬ。この身体渡してもらおうぞ。」 ほぇ!?いやいや!?まさか、そげな!?なんてこったい!! なんと私の身体は私に侵入した例の異種生命体に乗っ取られてしまったのだ! 私の体!私の体が目的〜!?太郎君の嘘つき〜!乗っ取られる事は無いとか言ってなかった? http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/648
649: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/24(水) 20:27:02 ID:WXOwMjtUO 花子’「どりゃせいぃーーーッ!」 やめいやめいやめーい!私の口からそんなはしたない言葉を発しないでぇー! ライドアーマーを担いだまま校庭をギュワンと疾走する花子’ その助走で天高くジャンプ!学校の屋上よりも舞い上がりしゅぴぃっと一回転。その勢いでライドアーマーを投げつけた!あろうことか学園の体育館へと! クリス「フライングマッスィーン!?」 翼の折れた鳥人間コンテスト出場者みたいな悲痛な叫び上げて、ライドアーマーは体育館の屋根を突き破って床に激突!! 落雷みたいな轟音と大地を揺るがす振動で体育館はペチャンコに崩壊したッス。この時間帯に体育の授業が無いことを祈るのみッス(体育会系風)。 花子’「…………。」 私の意思の外でとんでもない大破壊をやってのけた私の身体。花子’は元体育館だった瓦礫の前に軽やか鮮やかに着地し、なお油断なく周囲を警戒する。 ボゴォ! 瓦礫の中からライドアーマーが姿を現す。あちこち損傷しバチバチと火花が飛んでいた。 クリス「や、やるじゃねーかよ。ちぃっとばかし今のは効いたゼ。」 額から流血しながらも射抜くような憎悪の視線をこちらに向ける。 なんという闘争本能。少女ながらも一体どんな修羅場をくぐり抜けて来たのだろうか。親の顔が見てみたい。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/649
650: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/24(水) 20:29:52 ID:WXOwMjtUO クリス「ウオリャアアアア!」 ライドアーマーの機動力はいささかも落ちてはいなかった。一直線に突進してくる強盗少女!! それに対して私の身体を無断使用している花子’は微動だにしない。 鋼鉄の右ナックルがジャストミートする瞬間、花子’はアーマーの腕を両手で抱きかかえ、目にもとまらぬ素早さで自分の足をライドアーマーの肩に絡みつかせた。 花子’「腕ひしぎ逆十字固めーー!」 クリス「ジュ…ジュードー技!て、てめぇやはりニンジャの末裔かッッ?」 違います。何だその偏見に満ち満ちた日本観。 振り払おうと腕をばたつかせるが、その間もグイグイと機会仕掛けのアームを極める。そしてついに。 ベキン ズズゥン ライドアーマーの右腕は根元からボキっと折れ、地面に転がった。 ははあ。『人型』である以上人間の関節技も効くのね。こんな戦い方もあるのか。 クリス「シィット……!片側のバランスが崩れて思うように操作が……。」 ま、何はともあれ彼女も無力化したみたいだし、そろそろ私の体を返してちょーだいな。 花子’「……貴様は甘い。このままトドメを刺す。」 ……へい? 動きの鈍くなったアーマー胸部に高速の中段キックをお見舞いする花子’ クリス「ぐふァー!」 クリスが駆るライドアーマーは軽々と吹っ飛び校舎の壁にめり込む。だ、だめー! いくら向こうから仕掛けてきたとはいえ、相手は小さな女の子よ。これ以上やったら死んじゃうー! だが、奴は私の叫びをニヤリと嘲笑い、次の攻撃に移る。 花子’「……プロトン……キャノン……!」 や、やめてー!!! http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/650
651: ゲーム好き名無しさん [sage] 2009/06/28(日) 20:00:00 ID:dbsCD06jO 時空間の彼方からひょっこりでてくる超兵器。狙うは校舎に埋まった土木作業用ライドアーマー! こないだと同様にプロトンキャノンと同化する私のボデー。銀座の料亭を更地にした件が頭をよぎり私は青くなる。 校舎には全校生徒の諸君がいるだろうし、なによりお母様は会議があるからとか何とか言っていた。ゆに子ちゃんだって太郎君が校内に避難させたかも知んない。 こりゃ大変だー!何としてでもこの凶行を阻止せねばー!うりゃー!そりゃー!!おぅおぅいい加減にしないと後悔するよ〜!? 花子’「……発射……!」 私は現実から逃避することにした。間もなく陽電子ビームが発射しまーす。白線の内側で来世に思いを馳せてくださ〜い。 だが!花子’がトリガーを引く寸前、校舎の中から何か茶色い小さな物体が飛んできた! 花子’「……んがッ!?」 うまい具合に口の中に入る謎の物体!口腔内に広がるまろやかであまーい餡の味。 ……これは、温泉饅頭!? http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1191233008/651
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