[過去ログ] 葉鍵キャラを性別反転させてみよう!その16 (893レス)
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270: 150から続き 正暦1016/04/02(土) 02:16:12 ID:0TjGaCpj0(1/12) AAS
「えっ、あのっ、そうじゃなくて、お、いえっ…わたしは」
ばれた――どうして――ごまかさないと――
「な、なぁに言ってるんですか雄二さん!なんで私が貴明なんて呼ばれなくちゃいけないんですか」
冷静になることが出来ていたなら、もっと上手にこの場をいなせていたかもしれない。
そうは言っても俺の口からはギリギリの弁解と完全に上擦った声しか出せなかった。
「あー。でもさ、さっきの切り替えしって貴明にしかできない呼吸なんだよなぁ。
 それに修学旅行先が北海道で、尚且つ伝統だなんて言った覚えないんだけど?」
「そ、それは…教えてもらったんですよ!
「へぇ…誰にさ?」
「もちろん、タマね……っ」
省19
271: 正暦1016/04/02(土) 02:17:21 ID:0TjGaCpj0(2/12) AAS
何から身を守ろうというのか、両の手は知らず、自身を抱きしめていた。
「は、はは、なんだよ……っ」
するとナニか?
俺はそこまで証拠を披露しておきながら雄二の前で女言葉使ってすました態度とって…。
まったく…なんて滑稽、なんていう惨めっぷりだろうか。
「貴明、なんだろ?あんた…」
「………笑えよ」
「あ?」
「ダチがこんな格好してて、言葉使いまで変えて、さぞお笑い種だっただろうさ。
 そうだよ河野貴明だよ。笑ってやってく―――う、わぁ!?」
省21
272: 正暦1016/04/02(土) 02:18:44 ID:0TjGaCpj0(3/12) AAS
「あ、うん。とりあえずは」
「嘆かわしいわね。突然ケダモノに成り果てて貴子ちゃんを襲うなんて」
タマ姉は雄二にバレたことを知らないために、俺を貴子と区別していた。
「どうしたものかしら。なにが原因か知らないけど貴女をユウと一緒にしておくのは危険ね」
「あの、タマ姉」
「こら、聞こえてるかもしれないじゃない」
俺の禁を破る発言に細々と窘めてくるが、俺はいいんだ、というふうに首を振る。
「こいつにも、バレちまった」
「うそ!?」
雄二が明かしてみせた俺の手掛かりをそのままタマ姉に伝える。
省22
273: 正暦1016/04/02(土) 02:19:37 ID:0TjGaCpj0(4/12) AAS
「えっとタマ姉?なにする気なのかなあ?」
「なにって、水でも掛けてやれば起きるでしょう?全身で浴びれば尚更じゃない?
 あ、もしかしてタカ坊もユウのことシバいてやりたかった?」
ふるふるふる、とおもいきし否定するとタマ姉は「そお?」と何でもない顔で応えながら
雄二を池に突き落とした。
優雅に泳ぐ鯉と「出」みたいなポーズで浮かぶ親友はコントラストというにはギャップが激しすぎた。
どざえもんという言葉が似合うほどピクリともしないソレに不安を覚え始めた矢先、
ごぼごぼと盛大に気泡が生まれていく。
「殺す気か!!」
「何を言ってるのかしら?『暑いから泳ぐ』って私達の静止を振り切って飛び込んだアンタが悪いのよ」
省20
274: 正暦1016/04/02(土) 02:20:45 ID:0TjGaCpj0(5/12) AAS
「言ったそばからあんたは!」
「ちょっ、待てって!…今まではバレないように見え辛くしてただろ?
 だから、女になってからのお前の顔、はっきり見た事無いからよ。駄目、か?」
雄二とこの部屋で話を始めてからも、俺はベッドの上で体ごと顔を雄二から背けていた。
後ろめたさか、先の惨めな感情からか定かじゃなかったが、それは無意識にやったことだった。
語り手はタマ姉が買って出たので俺は相槌を打つだけ。
それも、むこうが見たいと言うなら拒む理由も無い。
「タカ坊…」
下ろした前髪を左右に分けて見せる。
「――――――ぁ」
省21
275: 正暦1016/04/02(土) 02:21:32 ID:0TjGaCpj0(6/12) AAS
俺が二人に軽く笑ってみせると雄二が重たい声でそう訊いてくる。
「なにがだよ?あ!言っとくけどお前の好事家を満たす為じゃないからな!
 勘違いすんなよ」
「ばーか。見損なうな!」
「ふん、どうだかな」
ようやく俺達はいつも通り笑いあう事が出来た。
やがて今度は雄二がハッとしたように顔を背けてしまったけど。
「これまで通りなら貴子ちゃん、て呼んだほうがいいか?」
「好きにしろ。でも人前で貴明なんて呼ぶなよ?」
「言わねぇよ!」
省20
276: 正暦1016/04/02(土) 02:24:11 ID:0TjGaCpj0(7/12) AAS
「おい、誰が暇人だよ。俺だって明日から修学旅行なんだからな」
「準備くらいとっくに済ませてあるんでしょう?」
雄二にはタマ姉が求めてるほどの几帳面さは無いだろうがこの場はハイと言わざるを得ない。
「要るものがあるならついでに買ってくるも良し。それにあんた、女の子に重たいもの
 持たせて自分は家で安穏としてるつもりなの?」
女の子という単語に雄二は固まったように俺を凝視して、目が合うとすぐあさってを向く。
大方「女の子ぉ?どこにいるんだよそんなの」とでも吐いてしまいたんだろう。
「了〜解。馬車馬のように扱き使うがいいさ」
「ですって。遠慮せず全部こいつに持たせてやって構わないから」
そう言い残し、タマ姉は買出しのメモを俺に渡して自分の部屋に戻ってしまった。
省18
277: 正暦1016/04/02(土) 02:25:35 ID:0TjGaCpj0(8/12) AAS
「雄二。俺、お前になんかしたか?」
「へ?なんだよ突然」
「いつもならさ、こういう時ボケるのはお前の方だろ。最近そっけないし、なんだか…」
寂しいんだ、とまでは言えなかった。つかず離れずが丁度いい俺たちの間柄で、それを
言ってしまうのは憚られる。
「貴明―――」
「雄二。誰が聞いてるとも知れないんだぞ?その名前は…」
「いや、やっぱりまだ呼び慣れなくてな。今は誰もいねぇし、いいだろ?」
「まぁ…」
「お前さ、変わったよな」
省22
278: 正暦1016/04/02(土) 02:27:27 ID:0TjGaCpj0(9/12) AAS
「向坂様とは妹伝手の御知り合いなんです」
「嘆かわしいことにね」
「ミルファ、いけませんそんな態度。
 申し訳ありません。この通りメイドロボに似あわずガサツ者でして」
「いいっていいって。ミルファちゃん学校でもこの調子だし」
雄二の発言にイルファさんはまあ…とミルファさんを睨みつけるが、当のミルファさんはどこ吹く風。
しっかし姉妹機でこんなに反応が違って、それでいて人間くさいんだから。
だいこんいんげんあきてんじゃー恐るべし、だな。
三人のやり取りを見ていたら、何時の間にか珊瑚ちゃんが俺の前に立ってじっとこっちを窺っていた。
まずい…今は普通の格好だし、前髪の細工もない。……バレたのか?
省21
279: 正暦1016/04/02(土) 02:30:06 ID:0TjGaCpj0(10/12) AAS
「そうかあ?イルファさんとミルファちゃんは全然違うって。トライアルならイルファさんに
 来て欲しかったぜ、まったく。でも二人ともロボとは思えないよな。
 いちいち人間くさいし」
「だな。あれは珊瑚ちゃんのプログラムの恩恵らしい」
「人は見かけに寄らないっつ〜か」
行きと違い俺達の間にはいつもの『俺達』があった。
それも今限りのものなのだろうか。
屋敷の入り口を前に俺は雄二に漠然と抱えていた疑念をぶつけてみた。
「なあ雄二。俺さ、お前に嫌われたわけじゃないんだよな」
雄二は一瞬質問が理解できないといった顔をしたが、すぐしまった、と表情を変化させる。
省16
280: 正暦1016/04/02(土) 02:30:53 ID:0TjGaCpj0(11/12) AAS
「ふふ、懐かしいなあ」
確かに、良い思い出ではある。
「―――え」
「ん?ああ、お帰り」
声に振り向くと雄二が立っていた。予想より随分と早い帰りだけど。
なんでそんなに驚いた表情を湛えているのか。
「いま……懐かしいって言ったよな?」
「そう、だけど…なに…っ……!」
―――あ!まさか…。
「お前が、君が…あの時の…」
省3
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(3): 正暦1016/04/02(土) 02:31:47 ID:0TjGaCpj0(12/12) AAS
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