[過去ログ] 【エロゲ特任教授】東浩紀スレッド126【ゼロアカ帝国皇帝】 (653レス)
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121(1): 2008/07/16(水)00:03 ID:/9PQApmk0(1/7) AAS
そう、もうはっきり言ってしまったほうがいいかもしれない。つまり都市はテクストではない。
あるいはアンチ・オイディプスの著者達の言い方からすれば、都市は劇場ではなく工場なのです。
さてこの工場をサーベイしていくには一体どうしたらいいのだろう。それには例えばこの東京
という都市、物質とエネルギー、情報とイメージのこの一大工場の脈関係ともいうべきこの道路網、
千に分岐しながらこの回路の全体を、そのいちいちを辿りながら漂流していくこと、それしかないの
ではないかという気がしないでもないです。全体像を鳥瞰するなどというのではない、むしろしばし
呆然と流れに身を委ね、千に分岐した回路の一つずつを辿っていくこと、ま、こうして我々は今東京、
このニュートラルなシミュレーション都市をあてどもなくさ迷っているわけです。
そう、東京こそがシミュレーション都市の典型といってもいいのかもしれない。かつてロラン・バルトは
東京のことをこんな風に語った、つまり、この都市は中心を持たない、もっと正確に言えば中心はある
省10
122(1): 2008/07/16(水)00:05 ID:/9PQApmk0(2/7) AAS
この都市を覆う映像のこの徹底した深さの無さ、この徹底的な表層性というものを、しかしどうやって理解
すればいいのか。そのためには第一章でこのエレクトロニクスな映像を十七世紀のオプティカルな映像と
比較してみたい、ここでもう一度大きく迂回してこのエレクトロニクスの映像というものを例えば鏡の映像、
あるいはそれとは質的に異なる写真の映像、そういったものと比較してみる必要があるのではないか
という気がします。
鏡の時代というのがヘーゲル的な意識の時代であり、それに続く写真の時代というのがフロイト的な
無意識の時代であるとすれば、エレクトロニックな映像の時代というのは何なのだろうか。
まあそういった意識や無意識といった全てを断片化する、千の破片に砕いて表層に飛散させる時
なのかもしれない。かつてアンディ・ウォーホルはあれら表層的なイメージの残酷にして愚鈍な反復に
よって解をみせてくれたように。
省11
123(1): 2008/07/16(水)00:09 ID:/9PQApmk0(3/7) AAS
文字起こししたよ、パート2(^o^)ノ
浅田彰 No.9(1986年テレビ放送)
外部リンク:jp.youtube.com
エレクトロニクスの産み出したシミュレーションの宇宙から出発し、メディアネットワークに覆い尽くされた
シミュラークル都市をくぐってきたビデオ・エボリューションの企てはそろそろ終点に近づいたようです。
これまでみてきたように、現代がかつての科学革命と同じくらい重大な変化の時代だとすれば、
今問われているのは十七世紀、十八世紀のバロック文化に比肩しうる文化、テクノ・バロックとでもいった
ような文化を産み出せるかどうか、このことでしょう。
そのために必要なのは一体何なのか、バロックの時代、それが旅と交通の時代であったことを思い起こす
必要があります。実際、ヨーロッパ中を旅してまわったデカルトからライプニッツに至る哲学者をはじめ、
省10
124(1): 2008/07/16(水)00:12 ID:/9PQApmk0(4/7) AAS
今必要なのは、そういう閉じた世界を破って、差異や矛盾を突出させていくこと。そのためにもマスメディア
に抗して、無数のマイナーな声が移動し交錯する、多様な交通の状況をつくり出していくことでしょう。
いやそもそも、今のように巨大なマスメディア自体これからも必要なものなのかどうか、それは平均的大衆
という虚像に向けて、浅く広い同質的な情報を投げ与える送り手であることをやめ、むしろ異質な声の
呼び交わす分散的なメディア網の局所的中枢点(?)へ発展的に解消されていくべきなのではないか。
そのために多様なマイナーメディアの実験が必要とされていることはいうまでもありません。
しかしまた、そう、例えばテレビ局が最も完全なエレクトロニックメディアである電話網の交換台のように
なる日を夢見ることもできます。電話網のなかではある一定の瞬間ビジネスの話がなされているかと思うと、
愛が語られていたり、軽い冗談が交わされたり、また同時に極めてハードな科学の情報や哲学の議論が
交換されていたりもする、その傍らをデジタル化された様々な情報がパルスの列となって走り抜けていく
省6
125(1): 2008/07/16(水)00:14 ID:/9PQApmk0(5/7) AAS
実際このプログラムが至って特殊な形でつくられたことを付け加えておく必要があるでしょう。
本論はマスを対象として意識(?)することなくつくられ、そもそも台本も無しにともかく今この時考えている
ことをテレビだからといって角を落とさず、生のまま即興的に語るという形で構成されたのです。更に四時間半
といえば実質一時間番組一ヶ月分、いや六週分にもあたるという。わずか二週間で、いや、カメラを回した日数
に至ってはたった四日間でつくられた。しかもほとんどテレビの放送にはタッチしたことのない人達、いわば
テクノ・キッズ達ばかりの手によってつくられた。それはまさに、こうして気軽につくられた強いバイアスをもつ
映像が電波に乗って流れてもいいのだということを示すためでもあったのです。
願わくば、これが呼び水となって、こうした試みが次々に続いて欲しい、いや、今となってはもうそうなるより
他はない。TVエボリューションはとっくの昔に始まっているからです。
<終>
省6
126(1): 2008/07/16(水)00:25 ID:/9PQApmk0(6/7) AAS
>>120
ローティにそれほど詳しくわけじゃないけど、公はプラグマティックにやりましょうと
ゆう話だったと思った。
それからアイロニカルとは、自分自身に対しても含まれるからアイロニカル。
公的意識に対してのみならず、今自分が語っている言葉でさえ信用ができないという意識
かな?
132: 2008/07/16(水)19:56 ID:/9PQApmk0(7/7) AAS
>>129
>>130
>>131
( `・ω・)人(`・ω・´)人(・ω・´ )人(・ω・´)ナカーマ!!
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