[過去ログ] 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net (517レス)
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106(1): 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む 2016/12/31(土)14:17 ID:VK/jj9Lp(50/83) AAS
>>105 つづき
大学院時代とその後も長きにわたって、私はクォークの閉じ込めを解明すること
に情熱を燃やしました。しかし、これはきわめて困難な問題であり、私はあまり成
果を上げることはできませんでした。実際、標準模型の方程式を用いてクォークの
閉じ込めを説明するということは現在にいたるまで未解決のままです。もっと正確
に言うなら、コンピュータによる大規模なシミュレーションによって結論が正しい
ことはわかっているのですが、それがなぜかということは、私たち人間の理解を超
えているのです。
この問題を解きたいという願いは叶わなかったものの、この経験からいくつか得
るところもありました。1 つは苦い教訓です。そこでつくづくと思い知らされたこ
とが、現在私が研究を行う際にもっとも重視することの1 つとなっています。す
なわち、研究者は現実に即した態度で臨まなければならないということです。解明
しようとする問題について先入観の持ちすぎは禁物です。チャンスが巡ってきた時
に、そのチャンスを活かせるように準備しておく必要があるのです。
残念ながら私は、クォークの閉じ込めという問題の解明が、自分には難しすぎる
ということを認めざるを得ませんでした。何らかの成果を出すためには、もっと目
標を低く設定して、もっと限定された問題に取り組む必要がありました(後で詳し
くお話ししますが、結局私は、クォークの閉じ込めという問題に少しばかりの貢献
をすることになります。ただし、20年近く経ってからの話ですが)。
しかし、もっとプラスの面についても言うなら、この現実を受け入れ、より限定
的な問題で何らかの成果を出そうとすることで、私は相対論的量子系の強結合での
振る舞いと物理学者が呼ぶ現象――標準的な方法で方程式を解くことが難しい場合
の相対論的量子系の振る舞い――について考察することで、ある程度の経験を積ん
でいくようになりました。そしてこの経験が、のちの私の研究に大きな意味を持つ
ことになるのです。
つづく
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