[過去ログ] Interーuniversal geometryとABC予想(応用スレ)51 (1002レス)
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341(1): 2021/02/11(木)10:54 ID:xRkvTpwx(4/21) AAS
>>340
つづき
この三つの例に出てくる「モノイド」、「ガロア圏」、「グラフ」は、いずれも、「圏」という概念の特別な場合に当たるものと見ることができる。(例えば、グラフの場合、グラフ上のパスを考えることによって圏ができる。)従って、IU 幾何の(すべてではないが)重要な側面の一つは、
「圏の幾何」
で表されるということになる。特に、遠アーベル幾何の場合、この「圏の幾何」に対応するのは、
絶対遠アーベル幾何
(=基礎体の絶対ガロア群を、元々与えられたものとして見做さない設定での遠アーベル幾何)である。
この6年間(= 2000年夏~2006年夏)の、「圏の幾何」や絶対遠アーベル幾何を主テーマとした研究の代表的な例として、次のようなものが挙げられる
双曲的リーマン面の幾何を二通りのアプローチで圏論的に記述する。そのうちの一つは、上半平面による一意化を出発点としたもので、もう一つは、リーマン面上の「長方形」(=等角構造に対応)や「平行四辺形」(=疑等角構造に対応)によるものである。
固有な双曲曲線の数論的基本群から、その開部分スキームの数論的基本群を復元する理論を展開する。この理論を、有限体やp進体上の絶対遠アーベル幾何に応用することによって、様々な未解決予想を解く。
ガロア圏のような「etale系」圏構造と、(ログ・スキームの理論に出てくる)モノイドのような「Frobenius 系」 圏論的構造が、どのように作用しあい、またどのように類別できるかを研究する。
数体に対する Teichmuller 理論2006年の後半から、目指すべき理論の形がようやく固まってきて、その理論を記述するための執筆活動が本格的に始まった。この理論の「形」とは、一言で言うと、巾零通常固有束付きの正標数の双曲曲線に対して展開する p 進 Teichmuller 理論と、「パターン的に」類似的な理論を、一点抜き楕円曲線付きの数体に対して展開するという内容のものである。因みに、ここに出てくる(数体上の) 「一点抜き楕円曲線」の中に、その楕円曲線の上に展開される Hodge-Arakelov 理論が含まれている。
つづく
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