【勇者放浪記】トリックスターファンタジーTRPGスレ [無断転載禁止]©2ch.net (184レス)
上下前次1-新
76: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/09(土)17:54 ID:XlQDqo/A(2/2) AAS
「で、その「魔女」ってのはどこにいるんだい?」
トリスタンは地元の冒険者に尋ねた。トリスタンも冒険者かと聞かれたが、冒険”屋”だと訂正している。
「あぁ…ベールで「魔女」っていやぁ、あの子だな。「日輪の魔女」と言われてる子が、魔術学院にいるらしい」
「ん?てことは、そいつが大量のコロシをやってるってことかい?」
「いや、殺しまくってる奴は別の魔女じゃねえかな…このへんで「魔女」っていやその子ってことだよ」
「やばい奴なのかな?」
「いやいや、なんでも特待生だとかで、素行も良いらしい。日ごろから殺ってる訳じゃねえだろ。今月で卒業になるはずだ」
「助かるぜ。この分と、今回の宿代は俺の奢りだ」
「地元のモンだから」と言うのも構わず、トリスタンは食事代と宿にあたる金額をテーブルに置き、店を出た。
ベール魔術学院――
省26
77: 2016/07/13(水)07:08 ID:xxcRwB8R(1) AAS
kitai
78: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/17(日)16:29 ID:wzlTaxK/(1/3) AAS
近づいてきたのは男だった。明らかに守衛ではない。
”能力察知魔法”を素早く唱え、その姿を見ると、非常に膨大な体力を持った相手ということが分かった。
ビビは身構える。
「なぁ…」
特に敵意は無い相手に、ビビは”催眠”の呪文を唱えた。
「うっ…」
相手もどうやらその攻撃が何であるかに気付いたらしい。
男は素早くナイフを抜き、股に突き刺した。血が噴き出し、グッ、という声とともにそれをこらえる。
さらに”痺れ”の魔法を唱える。そこらのものではなく、非常に強力なものだ。
「ぐおぉぉぉおおお…!!!」
省37
79: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/17(日)17:05 ID:wzlTaxK/(2/3) AAS
トリスタンは胸に柔らかい感触を味わいながら、ビビが泣き止むのを待った。
まるで…そう、父親になったような気分だった。
「それでビビ、条件がある。さっきお前と一緒にいた、少年がいただろ?あいつを連れていってほしい」
「…見ていたの?!ロンのこと…?あの子は別に…友達ってだけで巻き込むのだって、かわいそうだわ」
「それでこそお前だ。優しいんだな。ただ、俺とお前が一緒にいたところでただの変質者だ。同い年の男の子、それも気にしてくれてる子がいれば、自然じゃないか?」
「…ええ。それはそうだけど…」
「多分あの感じ、あいつはお前に惚れてるぜ。俺は女を見る目もあるが、男を見る目もあるのさ」
―
次の日の夕方、ビビの能力もあって、トリスタン、ビビ、ロンの三人はベール郊外の町へと入っていた。
そこの酒場で簡単な打ち合わせをする。
省19
80: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/17(日)17:07 ID:wzlTaxK/(3/3) AAS
―
トリスタンが異変に気付いたのは、妙な爆発音が二回ほどしたところでだ。
茂みから外に出ると、そこには黒焦げになった街が残っていた。
すぐに助けに向かおうとするビビを制止し、トリスタンとロンは街の方に向かった。
「あれは…」
トリスタンははっと息を飲んだ。
そこにあったのは、あの時と同じ光景だったからだ。
地上を鎧を着た兵士たちが走りまわり、あちこちで次々悲鳴が上がる。
そして、以前との違いとして、空からも攻撃が行なわれている。
「あれは…!!」
省19
81: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/18(月)13:39 ID:228ClokJ(1/5) AAS
名前:ロン・クーリッジ
年齢:16
性別:男
身長:165
体重:53
スリーサイズ:
種族:人間
職業:魔術学院生
特技:魔術
長所:基本的に優しい
省24
82: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/18(月)13:55 ID:228ClokJ(2/5) AAS
目の前では身の毛もよだつような激戦が繰り広げられていた。
トリスタンが吹き飛ばした兵の肉片の他に、おそらくここの町人と思われる人々の死体が焦げ、折り重なっている。
物凄い異臭に、ロンは意識が吹き飛びそうだった。
敵は重装兵を繰り出し、あっという間にトリスタンを囲む。
上からは天使隊が光輪のような攻撃を繰り出していた。
ロンは寒気がしたが、必死で呪文を唱えた。
「”堅牢なる盾を作り出したまえ”」
とりあえずだが自分とトリスタンに魔法の盾を出す。
「”目の前の敵を焼き払いたまえ”」
炎の魔法をトリスタンを囲む兵に向け放つが、そこを天使の一人が邪魔をする。
省25
83: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/18(月)14:15 ID:228ClokJ(3/5) AAS
トリスタンはクリムゾン・ナイトの半数以上を斬ったが、なおも攻撃は収まることを知らない。
剣によるかすり傷や矢傷、おまけに天使の光輪による攻撃により、だいぶ消耗してしまった。
赤髪の天使は森の方に向かい、なおもトリスタンは騎士たちに囲まれている。
そこに隊長らしき男が現れる。この部隊を率いているのは、例の男ではなかったようだ。
「おい貴様、もう大分ボロボロらしいが、まだ20人はいる兵を相手にするか?今なら命だけは助けてやる…っぴ…」
男はトリスタンから離れた位置にいたが、まさかトリスタンが剣を投げるとは思っていなかったようだ。
巨漢ともいえる体型を特注のフルアーマーに身を包み、ハルバードを持った男は、顔面にバルログを突き立てられ、あっさりと命を落とした。
そして素早く跳躍し、男かバルログを抜き放った。
「おぉぉおおおおお!!!」
トリスタンが雄たけびを上げる。
省18
84: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/18(月)15:06 ID:228ClokJ(4/5) AAS
「ロン―――!!!!!!」
ビビの叫び声と怒りは天を貫く勢いで、魔力の奔流が敵を襲った。あっという間に周囲の魔法兵は粉々になり、
離れていたトリスタンですら、バルログを構えて防御の体勢を取るほどであった。
しかし、イゾルデは”絶対魔法防御”が効いているためか、全く意に介さない。
「くそっ!お前、よくも…!」
イゾルデに向かい斬りかかるトリスタンだが、あっさりと空中に舞い上がり、それをいなした。
オーブから放った無数の赤い魔法刃をトリスタンに放った。
「ぐぉぉおおお…!!」
一撃、一撃の魔法ダメージは鎧を貫通し、それはトリスタンを確実に傷つけていった。
「トリスタン!!」トリスタンを傷つけられさらに激昂したビビは魔法による圧縮光線を放つも、それもかき消されてしまう。
省33
85: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/18(月)15:09 ID:228ClokJ(5/5) AAS
「ビビ…なんてことを…!!」
トリスタンがビビを咎めるや否や、すぐにビビが泣き出した。
「あたし…きっと、好きだったの… ロンのことが… だから、許せなくて…!」
「なんてことだ…」
ツンデレ、などという言葉があるようだが、一緒にいる時間が当たり前のように長く、
ビビ自身がロンに好意を持っていることに気付かなかったようなのだ。子育ての経験のないトリスタンは、
年頃の少女の機微な感情の変化には、頭が回らなかった。
数時間が経ち、日が暮れはじめた。
天使隊は全滅し、そして兵たちは引き揚げていき、ただの廃墟となった街だけが残った。
「埋めるの。手伝おうか?」
省22
86: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/20(水)16:25 ID:tMwTvMgR(1/5) AAS
「バル…ゲ…ル…さ…」
トリスタンはイゾルデのその言葉を頼りに、西マクドネル領ハーグに近い東マクドネルの前線拠点、ティーリの城下にいた。
ハーグではかつて東部を治めていた公爵、バルゲルは攻撃を受けて戦死したとされている。
しかし、もしもバルゲルが生きており、天使隊やクリムゾンなどの禍々しい集団を率いているとすれば、それは世界の破壊をもたらす。
当然、東を治めているイリシアやランスロットの身も危うい。
そういう事で、ハーグの内情を探ろうと嗅ぎまわろうとしたトリスタンだが、
ロンの死やビビの落ち込み様を見て、自分もつい堕落してしまったらしい。
冒険者ギルドで仕事を請け負うも、内容は西側の残党狩りや落ち武者狩り、終いには戦場漁りと、野盗の仕事のような切れ味のない仕事で、
すっかり怠惰になってしまい、それなりの財力とそれなりの腕っ節も相成って、城下町に家を借り、
任務をする度に女遊びと酒浸りになる生活を続けてきた。
省29
87: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/20(水)16:55 ID:tMwTvMgR(2/5) AAS
「大した場所だな…ここは、どこだ?あんたが作ったのか?」
ナタリアは窮屈そうに椅子に腰掛け、脚を組んで仰け反るように寄りかかりながら応えた。
「ご明答。ここは…私の世界。今、あなたは私のモノ。逆らうようなことをすれば、すぐにあの世行きよ」
トリスタンはそれを全部聞くまでもなく、急かすようにナタリアに聞いた。
「どうして俺の居場所が分かった?! 俺をずっと監視していたのか?!」
「まぁ、そう怒らないで。別に取って食おうって訳じゃないんだから」
その瞬間、トリスタンの宝石が熱くなった。紫色のもので間違いあるまい。
「ビビという子に会った。あれはあんたの子だろ?とぼけるなよ」
そうトリスタンが言うと、ナタリアはむっとした表情になってすぐに応えた。
「そう。そしてあなたの子…。あなたが私を襲って、犯して、産ませた子ってこと」
省14
88: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/20(水)16:59 ID:tMwTvMgR(3/5) AAS
―
青空が見えた。おそらくこの世界に朝が来たのだ。既にナタリアは傍に腰掛けており、外を眺めている。
「もう目が覚めたのか?俺はどれぐらい寝ていた」
ナタリアは馴れ馴れしくも近づくと、そのままトリスタンを膝枕するような格好になった。
「さぁ?私はもう、眠らなくても良い体になったから」
「そういえば、歳も大して変わってないな」
「そういうこと。私、普通の人間じゃないから。そして私はこの空間の他にも、沢山家を持っているわ。
例えば、忠実な”兵士”たちで一杯の場所とか、ね」
そのままの体勢で、トリスタンの頭を撫でながら答える。まるで赤子のような扱いだ。ナタリアが遠く感じた。
「あんた、”純血種”か…?」
省32
89: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/20(水)17:21 ID:tMwTvMgR(4/5) AAS
名前:ランスロット・マクドネル
年齢:15
性別:男
身長:175
体重:59
スリーサイズ:
種族:人間
職業:東マクドネル王国第一王子
特技:剣術
長所:とにかく真面目
省10
90: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/20(水)17:21 ID:tMwTvMgR(5/5) AAS
名前:ルイセ・マクマホン
年齢:17
性別:女
身長:158
体重:43
スリーサイズ:85-52-82
種族:人間
職業:盗賊
特技:投擲全般
長所:サービス精神旺盛
省37
91: ピュエラ ◆gpiUEyk8Ug 2016/07/21(木)01:09 ID:mmzqMOJG(1/2) AAS
名前: ピュエラ・エテルヌス
年齢: 32
性別: 女
身長: 130?
体重: 27kg
スリーサイズ: つるぺた
種族: 草原妖精
職業: 吟遊詩人
特技: 呪歌・魔法舞踏
長所: 明るくおめでたい性格
省16
92(1): ピュエラ ◆gpiUEyk8Ug 2016/07/21(木)01:15 ID:mmzqMOJG(2/2) AAS
賑やかな前夜祭の背景に溶け込み、ステージで踊っているのは一人の幼女とも言える少女。
――とぱっと見誰もがそう思うだろう。しかしよく見ると少女の耳は異種族特有の尖った形をしている。
彼女は草原妖精――歌や踊りを好むとにかく陽気な種族だ。
「ピュエラ、今回も頼めるか?」
ステージにさりげなくマスターが近づき、問いかけた。
ふピュエラはステップを止めず、ピンクブロンドのツインテールを揺らしながら答える。
「今回の依頼は単なる待ち伏せやろ?
あんな屈強そうなメンバー揃うとったらウチいらんのちゃう?
……なんて野暮なこと言わん、お安い御用や!」
ステージからぴょんっと飛び降り、トコトコと冒険者の一団の方へ駆けてゆく。
省18
93: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/22(金)10:52 ID:LVatemQN(1/5) AAS
>>92
【どうも、よろしくです。】
【うっかりしてました(笑 ルイセのキャラプロフ修正します 】
名前:ルイセ・マクマホン
年齢:17
性別:女
身長:158
体重:43
スリーサイズ:85-52-82
種族:人間
省12
94: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/22(金)11:45 ID:LVatemQN(2/5) AAS
「今回の任務、聞いてる?」ルイセが問いかける。
トリスタンはそれを聞いているかいないかのような感じでチビチビと飲みながら、催し物に興じていた。
ステージには子供そのものともいえる女の子が、可憐な踊りを披露していた。
それはそこらの子供ではなく、良く見ると魔力の波動が感じられる。とがった耳。恐らく妖精系の亜人の一種だろう。
フェアリーより大きくエルフより小さい、といったところだ。
そちらに見とれていると、テーブルの向かいのルイセがバンと音を立てる。わざと胸の谷間を強調する格好だ。
「ちょっとー、このルイセ様のボディを前に、あんな子供なんか見てるの?やらしー」
トリスタンもようやく口を開く。
「あぁ、今回も東側の攻撃の掃討作戦らしいな。控え以下のゴミ拾いってとこか…退屈で嫌だな。
カネにはなるとはいえ、死体を見るのは嫌なもんだ」
省38
95: ◆zTA3Hlbo9w 2016/07/22(金)12:17 ID:LVatemQN(3/5) AAS
―
翌朝、いつものように冒険者ギルドのメンバーが出発した。総勢は10人ほど。
ルイセを初めとして見知った顔も数人いるが、ピュエラと大女は明らかに初めてだ。
以前、留守に無理をして参加し悲運の戦死を遂げたブッシュを思い出したが、今回は充分な人員だ。
ピュエラの良く分からない鼻歌が聞こえる中、トリスタンはルイセを隣にしながら、前線へと進んでいった。
今回はハーグ最前線の砦を東軍が落とす、そう伝えられていた。待機地点まではもうすぐだ。
目の前の岩が動いた、と思ったら大女だった。
「よう、兄ちゃん、そして嬢ちゃん。二人は付き合ってんのかい?あたいはギルミアってんだ。
連中からは姐さん、姐さんて呼ばれてるけどね。この体だけが取り得だから、何かあったら頼ってくんな」
「ギルミアか、覚えた。俺はトリスタンっていう冒険屋だ。頼りにしてるし、俺を頼りにしてもいい。
省45
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 89 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 1.470s*