[過去ログ] 【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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214: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:04 ID:DtYvpmWH(1/8) AAS
>「上等や。男にするのも女に戻すのも、完璧にやったるわい。嬢ちゃんが拍子抜けするくらいにな」
祈の問いに対し、品岡はそう約束する。
普通ならばヤクザと交わす口約束など信じられたものではないのだが、
この品岡の言葉は恐らく、品岡が己の術へ寄せる絶対の自信やプライドを賭して吐かれた言葉だ、
と祈は品岡と交えた視線から直感する。
先程まで感じられた祈を試すような色もない。
そうであるなら、その言葉を違えることも曲げることもしないだろう。そう信じられる。
祈は品岡の返事を聞いて、にっと笑った。
「頼むね。品岡のおじさん」
その笑みがややぎこちないのは、やはり恐怖そのものが大きいからだろう。
省25
215: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:08 ID:DtYvpmWH(2/8) AAS
子ども対策。ブリーチャーズの面々が話すように、
コトリバコの呪いにはもう一つの側面があるのだという。
それは女だけでなく子供にも同様の効果を与えるというものだった。
女で子供の祈は余裕でアウトだが、
>「ええ、もちろん。この狐面探偵にお任せあれ!」
橘音が頼もしくそう言うので、そちらは恐らく橘音がなんとかしてくれるであろうから、まずは。
>「鬼の居ぬ間になんとやらや。こっちも嬢ちゃんに施す"対策"を始めよか」
「うん、お願い」
尾弐が席を外したところで、ついに祈へ女へ及ぶ方の呪いへの対策が始まろうとしていた。
己が掛けていた色眼鏡を大幣へと変え、それらしい雰囲気を出していた品岡が、
省41
216: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:14 ID:DtYvpmWH(3/8) AAS
>「……工事完了や。完璧に仕上げちゃおるが小便は身体を元に戻すまで我慢しとくんやで。
>尿道が出来上がったばかりで粘膜同士が張り付いとるからな」
やがて、品岡の声が降ってきた。
それによって、急に視界が開けたようにトランス状態が解けて、祈ははっと目を見開いた。
意識がはっきりと覚醒していくのがわかる。
「はっ……はっ……」
汗ばんだ手。握りしめたソファの革。知らず呼吸が荒くなっていたことに祈は気付く。
思ったよりも早く終わったらしく、祈が時計を見ても5分と経っていなかった。
だがもうずっとソファに座って術を受け、その終わりを待っていたような気がしていた。
トランス状態が解けた時に下半身の感覚も戻っていたようで、
省16
217: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:19 ID:DtYvpmWH(4/8) AAS
>「右手出しぃ」
品岡に言われるがままに祈が右手を差し出すと、
品岡が取り出した紙片が蛇のごとく祈の腕に巻き付いて
リストバンドのような形となり、切れ目すら見えなくなった。鮮やかな手並みである。
>「そいつはワシの妖術を嬢ちゃんの身体に繋ぎ止める呪符や。それを破ればすぐに術が切れて元の嬢ちゃんに戻る。
>戦闘中に切れんよう多少頑丈に作ってあるけど、妖力込めて引っ張ればブチっといくはずや。
>ま、保険やな。ホントは金とるモンやけどサービスっちゅうことにしといたる」
格好をつけて、踵を返す品岡。そして、
>「はぁーしんど。慣れんことするもんやないな、ワシちょっとヤニの補給に行ってくる。
>ああ嬢ちゃん、下半身のバランス変わっとるから今のうちに慣らしとき。ほな」
省35
218: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:25 ID:DtYvpmWH(5/8) AAS
禹歩(うほ。なんとなくノエルが好きそうな言葉の響きだと祈は思う)、
とかいうダンスにどれ程の意味があるのかは、正直なところ祈には分からない。
だが本当にどうしようもなくなった時に役に立つのだと言うし、
この緊急事態にふざける橘音ではないので、とりあえず素直に覚えておくことにしたのだった。
体育の授業でダンスを習っている祈としては覚えるのに大した苦労はなかったし、
慣れぬ下半身の感覚を慣らすだけの時間にもなったのだが、とかくそれを全員が覚えるのに要した時間。
そしてテレビが映すコトリバコが暴れる現場、稲城市の某商店街へと辿り着くまでの時間は、
非常に焦れたものになった。
アベンジャー○じゃねーか。そう橘音の掛け声にはしっかりとツッコミを入れて事務所を後にしたものの、
早く行かねばと気は焦る。
省43
219: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)01:42 ID:DtYvpmWH(6/8) AAS
外へと飛び出したのは無数の赤ん坊の亡骸。そして体のパーツだった。
それらを繋ぎ合わせ、出来上がったのは4メートル程にもなる巨大な赤ん坊であった。
その泣き声はあまりに悲しい。
生まれて間もなく訳もわからず殺され、その体の一部を奪われた彼ら彼女らの怨嗟の声。
降りかかった理不尽への怒り。誰も助けてくれることがない悲しみやその嘆きが凝縮された声だ。
コトリバコの赤ん坊の虚ろな眼窩はブリーチャー達を捉え、
そしてその怒りや憎しみのままに、吠えるように泣くと、這い始めた。
巨体に見合わぬ素早い動きで、それがぶつかったとなれば相当なダメージは免れないと思わせた。
その暗い目線の先にいるのは橘音だった。
>「……まぁ、そう来ますよね。ボクがアナタだったとしても、同じことをするでしょう」
省28
220: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)02:05 ID:DtYvpmWH(7/8) AAS
>「ボ、ボクは非戦闘員ですから……体力には自信がないんです、お早めに……お願い、します……よっと!」
やがて橘音の息が上がり始め、弱音を吐き始めた頃に祈は戻ってきた。
見ればどうやら、一体だけでも厄介なコトリバコの赤ん坊が更に増えているようで、
これは厄介だな、などと祈は事態にそぐわない軽い感想を抱く。
祈の姿は、先程までとは異なっている。
白い遮光カーテンか何かをローブのように頭から体を覆うように被っており、それを脚にも巻きつけている。
また、似たような布をいくつも、両手いっぱいに抱えていた。
一時戦場から姿を眩ました祈は、ここが商店街であり物が溢れていることのを良いことに、
自身の防具となるものをその場で調達してきてしまったのだった。
倒れた女性の顔に、祈は白いハンカチを載せた。
省8
221: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/29(日)02:18 ID:DtYvpmWH(8/8) AAS
――例えば、ヘビー級ボクサーのパンチ力が800kg程だという話がある。
どのような計算式を用いて算出されたのかは定かでないが
これを単純にそのパンチ力を運動量で求めたものだと仮定すると、計算式はP=mv。
運動量=質量×速度(m/s。秒速○m)という形になる。
Pにはパンチ力である800kg、mにはそのボクサーがパンチに乗せた自重が入る。
今回は75kgの体重のボクサーが、そのパンチに全体重を乗せることができたと仮定しよう。
そうすると、800=75×……という式ができ、速度までも求めることができるようになる。
大凡10.7を当てはめれば800に到達するので、このボクサーのパンチの速度は秒速10.7mということになる。
時速に換算すれば38キロ程度。
100mを10秒で走る陸上選手でも、その速度を時速に直せば36キロ程度ということになるので、
省40
222: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:17 ID:GMTgkTY0(1/8) AAS
>「いや……なんつーか、お前さん随分とまあ、思春期のガキみてぇな反応だな。
一応言っとくが、祈の嬢ちゃんが言ってるのは那須野が嬢ちゃんへ護法を掛ける事で、那須野にムジナの術を掛けるって訳じゃねぇからな」
>「じゃかぁしい!自分は嬢ちゃんから保体の教科書でも借りて黙って読んどれ!!
無機質なわりに結構エグい図解見て夜眠れなくなったりしとけ!」
>「誰が厨二ファッションオサレ仮面ですかっ!?」
>「ごめん御幸、今のはあたしの言い方悪かったね。
勿論橘音のことは心配してるけど、さっきのは尾弐のおっさんが言ってた方の意味だから」
「えっ……ああ! そっか、そうだよね! ごめんごめん」
総ツッコミをくらったノエルはばつが悪そうながらも何故かどこか嬉しそうだ。
ナレーターの人まで釣られてノエってただって? それは気のせいだ(棒
省30
223: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:20 ID:GMTgkTY0(2/8) AAS
「何? 何か顔に付いてる?」
祈が正気に戻ってみると、いつも通りのノエルがきょとんとした顔をしていることだろう。
>「股ぐらは窮屈やないか?嬢ちゃんが履いとるのが伸縮性のあるスポーツショーツならよほど大丈夫やと思うが、
背伸びしてシルクのパンツとか履いとるんだったらそこの阿呆にブリーフでも借りとき」
「そうやって人にさりげなくブリーフ派のイメージを植え付けようとしないで!
こっちは種族的にイメージとか神秘性とか大事なんだから!
しかも何でパンツの種類にそんなに詳しいんだ、パンツはパンツでいいじゃないか!
パンツは皆平等!」
性懲りもなくパンツを連呼しはじめた。やはりさっきのは160%気のせいであろう。
いい加減作画揺れ激しすぎるだろ!で流しちゃっていいんじゃないかな。
省14
224: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:24 ID:GMTgkTY0(3/8) AAS
>「一応種族が雪女のお前さんも持っとけ。万が一の可能性もあるからな」
一瞬意外な表情をしてから「ああそういえば!」といった表情に変わるノエル。
橘音には大丈夫と言われたものの、雪女(イケメン)がコトリバコに近付いてどうだったかという前例はない(そんなもんあったら困る)
コトリバコの明確な性別判定基準も謎なら雪女(中身残念だけどとりあえず見た目イケメン)がどういう存在なのかも謎なのだ。
そこは奥ゆかしくふわっとさせとくつもりだったのに何で女だけ殺す呪いの箱なんてややこしいものが出てくるんだ
という誰かさんの心の声が聞こえてきそうである。
とはいえ、コトリバコに相手を選ぶ権利があるとすればこんな変態はマジで本気で結構ですと全力でお断りだ、間違いない。
ノエルは物事を深く考えないので、この世ならざるイケメン(外見)の自分がよもやコトリバコの餌食になるとは思っていないものの――
「えへへっ、ありがとう!」
気にかけてくれた事自体が嬉しかったのだろう、照れたような笑みを浮かべて受け取ったのであった。
省17
225: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:27 ID:GMTgkTY0(4/8) AAS
場面は変わって、一行は稲城市に来ていた。
お上りさんがやらかしちゃった的なキメ過ぎな和パンクファッション、喪服のマッチョ、Vシネのヤクザ、極めつけは大正学徒のキツネ仮面。
はっきり言って祈以外はコスプレ集団。ただでさえ人目を引いてしまう。
“ヒーロー活動をしているのがバレてはいけない系ヒーロー”の祈の心境は如何なるものだろうか。
「くっ……凄いプレッシャーだ……!」
等とテンプレ台詞を言いながら、ノエルは橘音に伴われて進んでいく。
台詞だけ見るとふざけているように見えるが、表情に割と余裕が無い。
あまりにも状況がぴったりすぎてマジでその言葉が出ているのである。
>「……この妖気!皆さん、来ますよ!」
>「あ……あ……、ああああああああ……!ひっ、ひぎっ……あぁ、ぎ……ぎゃあああああああああ―――ッ!!!」
省25
226: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:32 ID:GMTgkTY0(5/8) AAS
氷粒の煌めきと共に銀髪に青目の妖怪としての姿になり、その手に氷の錫杖が現れる。
変身ヒロインものではメイクアップ!という掛け声があるが、コイツの場合普段の方が化けた状態なのであれとは逆である。
杖を出す事に一見特に意味はなさそうだが、気分で妖力が変動したりもするノエルにとって絵面は重要なのだ。
ちなみに以前魔法少女風のステッキを出して黒雄あたりからブーイングを食らったことがあるとかないとか。
「クロちゃん、祈ちゃん、前お願いね! みんな武器出して! そーおれ!」
杖を一振りし、まずは蹴りを攻撃手段とする祈の靴に向かって、氷の妖力の付与――
靴の裏に霊的な氷の棘が現れ、妖力スパイクのようになるだろう。
他の人にも、こんな感じで任意の武器に付与できるはずだ。
祈はいったんコトリバコを攻撃しようとするも、何かを思いついたらしく近くの店に入っていった。
皆それに特に疑問を持つことはない。
省18
227: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:36 ID:GMTgkTY0(6/8) AAS
というのも、囲まれたら、前を黒雄や祈に任せて自分は後ろから攻撃に専念という盤石の布陣が取れなくなるから困るのだ。
しかも敵がなまじ知能がある奴だったりすると
「あいつ味方の強化とか強い妖術攻撃とかしてきてウザいし見た感じヒョロそうだから先にやっちまおうぜ!」
となるのが鉄板である。
>「あ、あれぇ〜?これは……死んだ、かなぁ……?」
とにかく、このままでは数秒後に橘音が集中攻撃を食らう展開が目に見えている!
ノエルは、橘音のイマイチ分かり辛いながら本気で助けを求める呟きに、高らかな詠唱で応えた。
詠唱してる暇があったらさっさと発動しろよと思われそうだが、通常の氷柱カッキーン等は一瞬で発動できるが、大技にはそれなりの溜めが必要なのだ。
「極寒の地の氷の神よ、我に力を与えたまえ。言葉は氷柱、氷柱は剣。
身を貫きし凍てつきゅ…氷の刃よ、今嵐となり我が障壁を壊さん!」
省19
228: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:40 ID:GMTgkTY0(7/8) AAS
ノエルは少しも妖壊を攻撃するのを躊躇うことは無い。彼は何故か確信しているからだ。
《妖壊》が自分を滅した相手に最後に抱く感情、それは――
山よりも高く海よりも深い、感謝という言葉では言い表せない感謝だと。
全くもっておめでたい思考回路である。
布を纏った祈は、ハッカイの両足を人知を超えた蹴りで吹き飛ばす。
両足が無くなっても浮遊しているので動けないわけではないのだが、それでも機動力はかなり落ちたはずだ。
中学か高校ぐらいの物理の計算をすると祈のキックがどれほど凄いのかが具体的によく分かるのだが
ノエルに物質世界の学問の代表格である物理の理論なんて分かるはずもなく、単純に「祈ちゃんのキックは超凄い」と思っている。
その確固たる物理学の理論に裏付けされた超凄いキックに
ノエルの完全スピリチュアルワールドなよく分からない謎パワーが付与されているのだから、それはもう最強というものだ。
省18
229: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/01/29(日)14:44 ID:GMTgkTY0(8/8) AAS
「あれぇ〜? おっかしいなあ〜」
特に相手の見た目に大きな変化はない。しかし言葉とは裏腹に予想の範疇である。
霊的3D視が出来る者には分かるだろう、実は見た目以上に不可視の切り込みが刻まれ首の皮一枚で繋がっている状態。
あと一発衝撃を加えてやればバラバラに砕け散るかもしれない。
が、見た目にはよく分からない致命傷を与えられて怒ったのかもしれないハッカイにターゲットロックオンされてしまった。
「えっ、ちょ、ビジュアル的に無理! お断りします!」
体当たりを辛うじて避ける。相手の足があるままだったら余裕で死んでたな!
後衛が調子に乗って前に出てくると碌なことにならないのだ。
「たーすーけーてー!!」
省3
230: 2017/01/30(月)00:54 ID:ljciiA5V(1) AAS
間抜けにしか見えないっつーか
もっと分かりやすい文章書こうな
231: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/01(水)23:59 ID:YuWHVBN9(1) AAS
>「ああ良かった!ナチュラルにハブられた思いましたわ!」
「そいつぁすまねぇな。お詫びに、お前さんの葬式は俺の所で挙げてやるぜ。特別価格の2割引だ」
三人に護符を渡した尾弐は、ムジナの軽口と祈とノエルの礼に対して右手をヒラヒラと振って答えると、
そのまま歩を後ろに進めて壁に背を預ける。
――――と。
そんな鬼の元に、何か含みの有る笑みを讃えた那須野が近づいてきた。
「……ん? 那須野、どうした?」
省21
232: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/02(木)00:00 ID:/PrPsy7k(1/5) AAS
稲城市、某所。常であれば親子連れでにぎわうその商店街は、今や死地と化していた。
鳴り響く救急車両の甲高いサイレンと、血に塗れ倒れ伏した数多の女性の死体。
その死体に縋り付いて慟哭の声を上げる、伴侶と思わしき男性。
或いは、死という概念が理解出来ず死体と化した母親を必至に起こそうとする少年。
そして、その凄惨な光景を、掲げた携帯電話のカメラで修めようと躍起になっている野次馬達。
むせ返るような鉄と吐瀉物の臭いの中で繰り広げられるその情景は、正しく阿鼻叫喚。
此処は、地獄に在らずにして地獄で在った。
そして、そんな地獄の一丁目。
血の赤で染まった修羅の巷を奥へと進む、珍妙な集団がここに一つ。
時代がかった服を来た、正体不明の狐面。
省18
233: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/02(木)00:01 ID:/PrPsy7k(2/5) AAS
>「た……、た、助けて……。助けて……ください……」
尾弐達の進行方向の先に在る薬局の中から、フラフラと白衣を着込んだ女性が歩き出て来たのである。
やはり呪いに侵されており、その衣服は赤色で染まっているが……それでも女はまだ生きていた。
「ちっ……!」
けれど、尾弐がその女を助ける為に動く事は無かった。
むしろ小さく舌打ちをしてから右腕を横に伸ばし、一同に背中を見せて壁となり、
女の元へ寄る事を制止をしてみせたのである。
>「……この妖気!皆さん、来ますよ!」
>「あ……あ……、ああああああああ……!ひっ、ひぎっ……あぁ、ぎ……ぎゃあああああああああ―――ッ!!!」
>「祈ちゃん、見るな!!」
省18
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