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【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/
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50: ノエル ◆4fQkd8JTfc [sage] 2016/12/12(月) 03:14:26.12 ID:B8OOZaq8 髪さま「いやはや、全年齢版的にどうなることかと思ったゾナ」 八尺様「キーー!この私の催淫術が効かない男がいるなんて…!さては貴様雄んなの子かオネエかっ!?」 ノエル「さあ。ところで知ってる?オスの三毛猫って本当はオスじゃないんだよ。別にいいけど君ここでは喋るんだ」 八尺様「……ポ!?ついうっかりポ! ということで午前3時ブリーチャー……ポ」 >>43 ノエル「鬼とは王道……!よろしくね!」 髪さま「ブリーチャーズはヒョロヒョロの集団かと思いきやマッチョもちゃんといたゾナ」 >>46 ノエル「文章の区切りは雪のイメージなんだ」 髪さま「なるほど、例えば祈ちゃんだったらどんなのがいいゾナ?」 ノエル「ダッシュしてる系の一行AAかな?」 髪さま「なるほど……。ところでバブルの時代じゃあるまいし何三角帽子を買い込んでるゾナ! ノエル「実際はバブルどころではない年寄りだけどねっ」 髪さま「……そうだったゾナ。この業界はジジイババア性別不詳ばっかりゾナ。つくづく祈ちゃんは貴重な存在ゾナ」 >>47 ノエル「お言葉に甘えて戦闘開始までいってしまいますた」 髪さま「イってしまいました……ゾナ!?」 ノエル「そこ、無意味に意味深な変換すな!」 八尺様「本当はガチで術にかかってて寸でのところで正気に戻って 演技だったことにした可能性が微粒子レベルで存在する……ポ!」 ノエル「存在しねーよ!?(必死)もう駄目だ、深夜テンション収集付かない!」 髪さま「いい加減寝るゾナ」 八尺様「ポポポ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/50
51: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE [sage] 2016/12/13(火) 22:15:32.45 ID:6ccLBc3u 曇天。 遍くを照らす陽光は無く、然りとて地を濡らす雨も無い。 或いは、それは夕暮れ時にも似た狭間の情景の中。 黒白の鯨幕で覆われた部屋の中から、男は立ち去って行く一つの家族を見送る。 父親と母親 祖父と祖母 涙を流しながら、励まし合いながら、並んで男から遠ざかって行く四人の家族。 本来は、五人であった家族。 だが、その中に一週間前まで居た少年の姿は今はもうない。 死んだからだ。 原因不明の衰弱死。 それが、元気に遊び駆け回り、人懐っこく、子供たちの中心であった少年の死因であった。 そして……その少年の死に顔は、苦悶と苦痛、何より恐怖によって彩られていた。 異常とも言える、年若い子供に相応しくないその形相。 そんな物を誰にも見せたくなかった為に、少年の家族は身内だけでの葬儀を執り行った。 そして、つい今しがた火葬と告別式を終え、離別の悲しみを抱えたまま帰路に付いたという訳である。 「……全く、やるせないねぇ」 そんな家族を見送る男……喪服を着こみ、髪をオールバックで纏めた大男。 彼は、首元を手で押さえながら小さな声でそう漏らす。 警察は、病死だと言っていた。 病院は、原因不明の奇病だと言っていた。 だが、男は……少年の葬儀を執り行った、尾弐 黒雄 は知っている。 少年は、死んだのではない。殺されたのだと。 人に仇名す人外のモノ――――『妖壊』に憑り殺されたのだと。 不可解な死に方と、少年の死に顔、何より……遺体に纏わりつく、特有の気配が。 尾弐 黒尾がこの仕事を始めてから何度も感じてきた、悍ましい『この世ならざる』気配が、それを伝えていた。 「……おっと、浸ってる場合じゃねぇか。式場の片付けと葬儀代の回収しねぇとな」 けれども、その真実を知っても尾弐が動く事は無い。 感情に任せて動く事が出来る程に尾弐は若くなく、或いは……心自体が時間の経過と共に腐り果てているのだろう。 そのまま欠伸を一つして事務所まで戻った尾弐であったが、ふと壁に貼られたカレンダーに付けられた赤丸を見て思い出す。 「ああ……そういや今日は例の『八尺様』をどうにかする日だったか」 脳裏に浮かぶのは、計画を立ち上げた者達の姿。 正体不詳の狐面に、雪女の雄、都市伝説の混じり者の少女 「bleachers……“ヒョウハクする者達”か。全く、意地の悪い言葉遊びな事で」 皮肉気な笑みを浮かべながら呟き、尾弐黒雄は事務所の椅子に腰かける。 「ま、集合時間まで暫くある事だし……一杯引っかけてから向かうとするかね」 そうして取り出したのは、日本酒の瓶。 先の葬儀の際に、死んだ少年の祖父が「お礼に」と渡してきた高価な日本酒であった。 ―――――――――― http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/51
52: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE [sage] 2016/12/13(火) 22:16:04.78 ID:6ccLBc3u 黄昏時とは、誰ぞ彼……眼前のモノが、この世の者かそうでない者かの区別が付かなくなる時の事。 幽世と現世の境が曖昧になる時の事。 そんな、人ならざる者達の蠢き出す時の中。 都内に在るとある公園で、人外共の狂乱が始まっていた。 「ぽ……ぽぽぽ……」 沈みかけた太陽の残光の中で動き回る、複数の人影。 その中で真っ先に目に入るのは、身の丈八尺はあろうかという大女の姿だろう。 白のワンピースと、幅広の帽子を身に着けた女。 人間では在り得ない長身を有するその女こそは、『八尺様』。 インターネットを媒介として、その恐怖と共に近年急速に世に広がった化生。ネットロアの権化。 正体不明……一部では、祟り神の一種ではと噂される『八尺様』は、現在、この公園でその化物としての属性を露わにしていた。 「ぽぽ……ぽぽぽっ……」 眼前の獲物……先程、八尺様へ不意打ちを行った青年、雪女の類であるノエルに対し彼女が振るうのは、その身長に比例して長い手足。 疾走する自動車にさえ追いつく膂力を持つ八尺様の鞭の如き打撃は、音を置き去りにして触れる物を破砕する。 シーソーは砕け、ブランコの支柱は飴の様に曲げ折られ、埋まったタイヤは地面から掘り返される。 明らかに肉体が繰り出せる威力の上限を超えた破壊であり、物理的に考えれば どう考えても異常な現象だが……現代日本において有数の知名度を誇る妖物である八尺様であれば、この程度は当たり前にやってのけられる。 それは、人間の感情が彼女に力を与えている故。 人間の持つ感情、特に信仰や恐怖と言ったものは、化物の餌となり、化物を強くする。 八尺様程の知名度になれば、その餌の量は膨大……それこそ、狐面を被った妖狐である那須野が張った結界に囚われ、 尚且つ並みの化物では身動き出来なくなる程の威力を持つノエルの一撃を受けても、未だ暴れ回れる程の力を得る事が出来るのだ。 そしてその猛威は現在……というよりも、この公園に八尺様が囚われてからずっと、ノエルにのみ向けられていた。 他の面々の攻撃に対しては、払いのけ、避けたりはするものの、具体的に反撃するまでには及んでいない。 それは、ノエルが八尺様に不意打ちの一撃を入れたという事もあるだろうが、何よりも…… 「ぽぽぽぽぽ……」 彼女が、好みの『獲物』である男装をしている少女、多甫祈と、那須野を、『今は』傷付けない様にと考えている事が大きい。 逆に言えば、八尺様がそう思っている間は、ノエルが存命な限り二人の安全は保障されているのだが…… 「…………ぽ?」 ふと、八尺様がノエルに対する猛攻の手を止めた。そして、首を九十度横に折り曲げ、祈の方へと向き直る。 その目……化物らしい負の感情が堆積した昏い目は、見てしまったのだ。 八尺様の攻撃により舞い起きた風で、祈の被った野球帽がほんの少し持ち上った……その中の顔を。 「ぽっぽっぽっ……」 自分が見たものを確かめる様に、八尺様はその長い腕を祈へと伸ばし…… http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/52
53: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE [sage] 2016/12/13(火) 22:16:21.68 ID:6ccLBc3u 「――――ぼっ!?」 直後、長身の八尺様が『く』の字に曲がり吹き飛んだ。 見れば、八尺様が先程まで立っていた場所に、先程までは居なかった新たな人影が一つ。 黒ネクタイと黒スーツ……所謂喪服を着こんだ、身の丈190cmを超える、筋骨隆々の大男。 右拳を前に突き出した姿勢で佇む、その男の名は……尾弐 黒雄 「……」 まるで子供向けのヒーローの様に颯爽と現れた尾弐は、那須野達の方へと向き直ると 「…………お、おえええぇェェ……!!」 そのまましゃがみ込み、盛大にゲロった。 「……くそっ、あのジーさんよりにもよって鬼殺しなんか渡しやがって……うぷっ……」 どうやら、酒を飲んで遅刻した挙句に、その銘柄が体質に合わなかったらしい。 色々と台無しである。そうして、暫くの間マーライオン状態になっていた尾弐であったが、 胃の中が空になった辺りで少し落ち着いたのだろう。 ポケットティッシュで口元を拭い立ち上がると、那須野の方へと向き直る。 「あー……吐いたらちっと楽になったぜ……で、遅刻しといてなんだが、コレどういう状況だよ那須野。 色男と……新入りっぽい坊主まで呼んだにしちゃあ、随分厄介な事になってるみてぇだがよ」 そうして視線を動かし、ノエルと男装した祈を眺め見た後、最期に八尺様が吹き飛んで行った方へと視線を向ける。 「ぽっぽっぽっ……」 「……おいおい、あれでまだ元気なのかよ。マジで相当厄介な事になってんな。いざとなったら俺、戦略的撤退していいか?」 尾弐の向けた視線の先に居たのは、未だ健在な八尺様の姿。 どうやら……一筋縄では行かなそうだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/53
54: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE [sage] 2016/12/13(火) 23:13:39.31 ID:6ccLBc3u 髪さま「……」 尾弐「……」 髪さま「……」 尾弐「……」 髪さま「……おーい、始めないゾナか?」 尾弐「……あ?何を?」 髪さま「何を?じゃないゾナ!オマケコーナーゾナ!『尾弐黒雄のナイト・ブリーチャー!』とか何とかさっさと始めるゾナ!」 尾弐「いや、なんでいい年したオッサンがンなもん初めなきゃならねぇんだよ。つか、今腰に湿布貼ってんだからちょっと静かにしてくれ」 髪さま「わざわざこのワシを出しておいておまけコーナーで湿布貼り始めるとかどういう了見ぞな!?」 尾弐「うるせぇなぁ、集中させてくれって。湿布が皺になったらどうしてくれんだよ。以外と不愉快なんだぞアレ」 髪さま「知らんゾナ!……ええい!もうこうなったらワシが開始の音頭を取るゾナ!」 髪さま「『尾弐黒雄のナイト・ブリーチャーもどき!』始まるゾナ!司会は亜麻色の髪の貴公子、髪さまと!」 尾弐「あ、やべ。ちょっと湿布の端の方が皺になったから伸ばしてくれねぇか?」 髪さま「本編でゲロ吐いておまけで湿布貼り続けるとか、自由なのも大概にするゾナ!?」 >>46 尾弐「おう、宜しく頼むわ。嬢ちゃん」 髪さま「……んん?そういえば、尾弐は本編で祈の事を坊主って呼んでたのに、なんで普通に宜しくしてるゾナ?」 尾弐「あん?そりゃあ、知り合いが変装をしてる時は見て見ぬふりをするのがマナーだからだよ。空気を読む社会人のスキルって奴だ」 髪さま「とかいいつつ、実は気付いていなかったりするゾナ?」 尾弐「おいおい、これでも俺は葬儀屋だぜ? 男と女の違いくらい一発で見抜けるっての。骨格とかで」 髪さま「割と気持ち悪い見抜き方ゾナね」 >>47 尾弐「ん?ああ、おう。宜しく頼むぜ……つか、八尺様を微妙に動かしちまって悪いな。ああでもしないと捻じ込めそうになかったんだわ」 髪さま「やれやれ、これだから応用力の無い奴は駄目ゾナね。どんな状況も泰然と切り抜けるワシを見習うゾナ」 尾弐「……あ。そういや、新人の仕事ってお前さんの洗髪なんだってな。薬用石鹸しかねぇけど洗ってやるからちょっとこっち来いよ」 髪さま「嫌ゾナあああ!昭和初期の人間並に髪のコンディションとか気にしてないオッサンに洗われたくないゾナアアア!!」 >>50 尾弐「マッチョねぇ……まあ、筋肉質なのは確かだな。つか、色男とか那須野が細いってだけな気もするけどよ」 髪さま「まあ、どいつもこいつもワシの若い頃に比べればまだまだゾナ!」 尾弐「いや……そもそも髪を鍛えるってどうやんだよ。早く育つように引っ張ったりすんのか?」 髪さま「故事成語の由来みたいな恐ろしい事を言うなゾナ!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/54
55: 那須野橘音 ◆TIr/ZhnrYI [sage] 2016/12/14(水) 20:20:14.50 ID:9M2arDF/ 正直な話、祈が役目を果たせるかどうか自信はなかった。 妖怪には歴史、逸話、知名度――それらによって厳然たる位(ランク)が存在し、頂点はいわゆる魔王、神、と呼ばれる。 極端な話、一般に仏だとか、西洋で天使だ悪魔だと言われている者も、すべては妖怪の一種である。 それらの存在もすべて、人間の豊かな想像力によって生まれたのだから。 そんな妖怪のランクの中でも、神の名を冠するだけあって祟り神は相当な上位に位置する。 人間の感情の中で最も激しく、最も強いもの。それは『恨み』である。 菅原道真や崇徳上皇の例がある通り、人間は自らをも焼き焦がすほどの恨みによってしばしば祟り神に変じる。 恨みとは無限のパワー。対象が滅びるまで、その力が衰えることは決してない。 いくら祈が身体能力において他の追随を許さないとは言っても、正面切って八尺様に勝つことは不可能に近い。 攻撃されるほど、時間が経つほど、八尺様の恨みは激しく、強くなる。 持久戦は不利、といって一瞬で勝負を決められるほどヤワな相手でもない。 恨みつらみを原動力とする八尺様に対して祈に優位な点があるとしたら、人間の血を引くゆえの柔軟な発想力だろう。 『夜にしか姿を現さない』『相撲を挑まれると断れない』等々、妖怪は自らのルーツにまつわる習性に固執する。 八尺様にも『縄張りを周回する』『子供(少年)しか狙わない』という習性がある。 古来より、自らの習性に執着するあまり自滅する妖怪の逸話が数多くあるように。 祈に勝算があるとすれば、そんな妖怪の持つ掟を衝くより他にないのだ。 ……そして。 >来たみたいだね……! 「そのようで。……って……あ、あれ?」 どれほど待っただろうか、足許から忍び寄る夜の冷気が少々つらくなってきたころ、祈と八尺様が公園にやってくる。 祈は見事に自分の役目を果たしたらしい。ほっと胸を撫で下ろしながら、橘音は身構えてマントの内側に左手を入れた。 が、何か想像と違う。 てっきり追いつ追われつしてくるとばかり思っていた祈と八尺様が、仲良く手なんて繋いでいる。 ノエルと同じく戦闘モードになっていた橘音もまた、慌てて頭を切り替えた。 >お姉さんってラインとかするの? コミュ力のあるノエルが八尺様にフレンドリーな対応をする。 ノエルからの密かなメッセージを受け取り、こちらも『OK』とデフォルメされた狐が前足でマルを作っているスタンプを送る。 尤も、五感に訴える術の類は橘音には通用しない。かぶっている半狐面の効果だ。 ともあれそうして話していると、突然ノエルが体調不良を訴え始めた。 さっそく催淫術の効果が表れ始めたというのだろうか? バギュッ!! 八尺様がノエルの身体に両腕を回そうとした瞬間、両者が弾かれたように離れる。 ふたりの間に雪華が散る。真冬ではあるが、ここは東京。本日降雪の予報はない。 ノエルの放った冷気が、束の間周囲の空気を凍てつかせる。 凄まじい凍気だ。並の妖怪なら一溜りもあるまい。――が、直撃を喰らったはずの八尺様は平然としている。 八尺様がアップライトスタイルで構える。どうやら、自分が嵌められたということに気付いたらしい。 「ノエルさん、そこは服を脱ぐくらいのサービスはしてあげなきゃ!」 ノエルの演技が功を奏さなかったことに対して、どうでもいい茶々を入れつつ。 橘音もまた身構え、マントの内側に改めて左手を突っ込んだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/55
56: 那須野橘音 ◆TIr/ZhnrYI [sage] 2016/12/14(水) 20:24:43.74 ID:9M2arDF/ >来るよ、祈ちゃん! 注意を促すノエルの声を合図とするように、八尺様が一気に突っかけてくる。 ドッ!ドウッ!ドズッ! あっという間に距離を詰めてきた八尺様の拳の連撃が、ノエルを襲う。 驚異的に長いリーチから放たれる、迫撃砲のような重い打撃だ。防御をしてもなお衝撃が身体に響く。 それを、八尺様は矢継ぎ早に繰り出してくる。一打一打に憎悪のこもった、致死の拳撃。 八尺様のラッシュを凌げるのは、ノエルが見た目の優男ぶりに反して手練の漂白者であるからと言うしかない。 怒涛の攻勢の隙を衝き、ノエルもまた氷で作った刀を振りかざす。氷華が舞い散り、足許に霜が生まれては消えてゆく。 人外の身体能力を惜しげもなく使った、異能同士の戦闘。 「……いやはや、いつもながら目まぐるしい」 ふたりの熾烈な戦いを少し離れた場所で見守りながら、橘音が呟く。 それから、祈の方をちらりと見る。 「祈ちゃんもノエルさんに加勢を。ノエルさんの盾になるイメージで、積極的に八尺様の前へ出てください」 「八尺様は祈ちゃんには手出しできない。卑怯と思われるかもしれませんが……そこはご容赦願いますよ」 祈に対してそう要請する。八尺様の習性を利用しての戦術だ。 橘音は直接戦いには加わらない。ただ戦闘を傍観しているだけである。 橘音は荒事がまるでできない。跳躍力や瞬発力などは並の妖怪レベルにあるが、腕力は人間と大差ない。 元々頭脳労働者という位置づけだ。自然、離れた場所で戦闘を分析するのが仕事になる。 ――ふむ。 八尺様の能力を、半狐面を通して解析する。 一見リーチと長身から来る単純な拳打のように見えるが、決してそれだけではない。 人外の膂力と速度。そこから発生する衝撃波が、触れることなく周囲のものを破壊してゆく。 まるで意志を持った嵐だ。祟り神と相対するのは初めてではないが、この力は脅威以外の何物でもない。 そして、祟り神の恨みの力は時間が経てば経つほど増大していくのだ。 持久戦はこちらに不利と言うしかない。このままでは、いずれジリ貧で敗れるのはこちらの方だろう。 だが、そんなことはさせない。 仲間が力尽きる前に敵の弱点を看破し、攻略法を伝える。それが自分の役目なのだ。 ――それにしても。 二対一の戦闘であっても、八尺様が怯む様子はほとんどない。むしろ、初期よりその攻撃の威力と速度は上がっている。 げに恐るべきは恨みの力――ということだろうか。 直接戦闘メンバーは二人もいればよかろう、と思っていたが、見込みが甘かったかもしれない。 自らの計算違いに、橘音は内心舌打ちした。 何かに気付いたらしい八尺様が、祈へと手を伸ばす。 ――バレた……か? まずい。ここで祈が少年でないということが露見すれば、八尺様は益々怒り狂うだろう。 ふたりがかりでも若干劣勢気味なのだ。さらに八尺様が恨みを増加させれば、漂白どころの騒ぎではない。 橘音はマントの内側の左手に何かを掴んだ。そして、それをマントの外へと出そうとした。 が、その瞬間。 バギィッ!!! 八尺様の長身がまるでトラックにでも撥ねられたかのように大きく後方へと吹き飛ぶのを、橘音は見た。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/56
57: 那須野橘音 ◆TIr/ZhnrYI [sage] 2016/12/14(水) 20:28:01.45 ID:9M2arDF/ 「……あ、あなたは……!」 思わず頓狂な声を出してしまう。仮面の奥で、橘音は目を瞬かせた。 今しがたまで八尺様がいた場所には、代わりに黒ずくめの大男が佇立している。 もちろん、その姿には見覚えがある。東京ブリーチャーズのひとり、尾弐黒雄。 「クロオさ―――んっ!来てくれたんです……ね……?」 >…………お、おえええぇェェ……!! 予想外の援軍に橘音は満面喜色を湛えたが、すぐにその口許がひきつる。 この上なくかっこいい登場の直後に、この上なくかっこ悪い嘔吐。バンジージャンプ並に高低差が激しい。 若干引き気味に見守っていたが、黒雄が復活し、 >で、遅刻しといてなんだが、コレどういう状況だよ那須野。 と訊ねてくると、はっと気を取り直して一度咳払いした。 「今日は葬式があるから行けるかわからん、期待するなって言ってきたのはクロオさんでしょ?だから先にやってたんですよ」 「いやあ……相手は祟り神とは言え、バックボーンのない都市伝説系。三人でも何とかなるかな、と思ったんですが……」 「やっぱり、腐っても祟り神。ちょっと荷が重いと考え直してたところだったんですよねぇ。グッドタイミング!」 そんなことを、後頭部をポリポリ掻きながらあっけらかんと言う。 戦力が足りないと思っていたのは事実だ。しかし、これでぐっとこちらの勝機が増した。 ノエルの凍気。祈のスピード。そして黒雄のパワー。 三者三様のこの強さがあれば、怒り狂う八尺様とて漂白することは充分可能、と算段する。 あとは―― ぽっ、ぽぽっ、ぽっぽぽぽ…… はるか遠くまで吹き飛ばされたはずの八尺様が、暗闇の中でぼんやりと佇んでいる。 今までの戦闘で少なからずダメージを受けている筈なのに弱っているそぶりがないのは、汲めども尽きぬ恨みの力によるものか。 その周囲の地面から、八尺様の肌の色と同じ蒼白い色の『腕』が無数に生え、化生たちを捕えようとおぞましく蠢く。 禍々しい怒りと恨みの波動が伝播し、離れたところにいる四人の産毛をピリピリと刺激する。 >いざとなったら俺、戦略的撤退していいか? 「いいですよ、ただしボクが逃げた後でよろしく!」 黒雄の軽口に軽口を返す。こんな遣り取りはいつものことだ。 「ノエルさん、祈ちゃん、クロオさん。もう少しだけ彼女のお相手をお願いします。ボクに時間を下さい」 「そう。八尺様をどうにかする方法を考える時間を――」 ぽぽっ、ぽぽぽ、ぽぽ…… 八尺様が悠然と歩を進める。息苦しいほどの憎悪の力が公園内に満ち、地面に生えた腕の群れがノエルたち三人へと伸びる。 戦いは、まだ続く。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/57
58: 那須野橘音 ◆TIr/ZhnrYI [sage] 2016/12/14(水) 20:51:59.29 ID:9M2arDF/ 八尺様とは本来、ワンピースを着た女性型怪異のことを指す単語では『ない』。 八尺様の起源は古く、室町時代にまで遡る。 中世の日本ではしばしば大規模な飢饉が発生し、人々は貧困と飢餓にあえいだ。 そういった自然相手の天災が発生した場合、人々の取る方策とはひとつしかない。『神頼み』である。 人々は自らの境遇を神の怒りによるものと考え、状況を打破するため神に祈りを捧げた。雨乞いなどその最たるものであろう。 しかし神とは狭量なもので、無手の祈りには耳を傾けない。願いの対価には供物が必要である。 人々は願いを叶えて貰うため、なけなしの食べ物や酒を神前に興じた。 そして、そんな供物の中で最も価値があるとされたのは、人間の命であった。 川の氾濫を食い止めるため、水神へ生娘を嫁に出す。豊作を祈願し、山神に屈強な若者を捧げる。 そんな人身御供の逸話は、枚挙に暇がない。 飢饉のときにも、人々は日照り神への供物に人間の命を捧げた。 一番多く捧げられたのは年若い子供、少年の命である。 育ち盛りの少年は漲る命そのものであるし、第一よく食べる。 神に捧げる供物としては、これほど適した者もない。口減らしにもなって一石二鳥である。 生贄に選ばれた少年は死ぬことで神の許へ遣いにゆき、地上の人々の窮状を訴える使者とされ、『橋役様』と呼ばれた。 神と人間のあいだを取り持つ橋渡し役。ゆえに『橋役様』―― 『八尺様』とは、その『橋役様』が転訛したものである。 『橋役様』は村の中から適任とされる少年が無作為に選ばれたが、選ばれた方は堪らない。 特に反対したのは『橋役様』に選定された少年の母親である。 腹を痛めて生んだ子を、村のため生贄にして殺すといきなり言われるのだ。しかし、拒絶することなど許されない。 結果、底知れぬ恨みと憎悪を抱いて子を手放すことになる。 それで首尾よく飢饉が終わるなり、雨が降るなりすればまだ救いはあろう。だが、そうならなかった場合はなお悲惨である。 実子を奪われたうえ、あの子は役目を果たせなんだ、役立たずだと陰口を叩かれる羽目になる。 そうして子を奪われた多くの母親たちの怒り、嘆き、憎悪や恨みはやがて形を成し、女怪の姿を取った。 本来八尺様が年端もゆかない少年を愛でるのは、性欲ゆえではない。 八尺様は求めているのだ。 理不尽な理由によって奪われた子供を。その命を。 もう一度、愛する我が子をこの手に抱きたいと。そう願っているだけなのだ。 八尺様が少年を犯し、精を搾り取って殺すというのは、最近のネットロアによって付与された属性に過ぎない。 なぜなら、妖怪とは人々の想いによって生まれるもの。 人々が「そうあれかし」と思えば、それはそうなるしかないのだ。――例え、事実とはまるで異なる話であっても。 いつしか供物の少年を指す言葉『橋役様』が『八尺様』となり、その名も祟り神と化した女怪を指すものとなった。 八尺様の背が高いのも、名前から来るイメージが外見に影響されたもの。 『背が高いから八尺様と呼ばれた』のではない。『八尺様と呼ばれるようになって背が伸びた』のである。 従って。 八尺様の怒りと恨みを和らげるには、その根本的な問題を解決してやるしかない。 「じゃっじゃーん!狐面探偵七つ道具の壱!『召怪銘板(しょうかいタブレット)』〜!」 どこかの猫型ロボットのような口調で、橘音はマントの内側からこれ見よがしにタブレットを取り出した。 一見すると単なる10インチタブレットだが、フレームに髑髏など禍々しいレリーフが施されている。 もちろん、このタブレットは単なる市販の電化製品ではない。 日本妖怪の双璧、山本五郎座衛門と神野悪五郎。 『稲生物怪録』にあって魔王と呼ばれる二体の超大物妖怪の妖力が、このタブレットには宿っている。 魔王傘下の妖怪を一瞬で召喚し、その能力を行使できる妖具――それが『召怪銘板』。 音声認識機能付きでフリック入力の手間も省けるスグレモノである。 さっそく、橘音はタブレットへと一体の妖怪の名を告げた。 ……ひたり。 ひたり、ひたり。ひたり……。 戦闘の続く公園内に、新たな何者かの足音が響く。 八尺様がそちらを見る。 真っ黒いシルエットの、しかし少年のような輪郭のそれ。 それを目の当たりにして、八尺様の攻撃の手が束の間緩んだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/58
59: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/17(土) 00:06:48.89 ID:qDvHNRhH 「……おっかぁ?」 橘音が呼び出した真っ黒なシルエットが、不安げな子供の声で言う。 そのまま暗闇に溶け込んでしまいそうな影のようなそのシルエットは、 よくよく目を凝らせば人間の少年のものであることが分かる。痩せた体に、この時代にそぐわない粗末な着物。 足は裸足だろうか。 だが顔は分からない。輪郭もぼやけて曖昧だ。 それはこの黒い少年が、己の顔すらも忘れてしまっていることを意味していた。 意志の弱い幽霊や力の弱い妖怪には時折あることだが、 長い時を経るなどすると彼らのことを誰もが忘れてしまう。というよりも覚えている者がこの世から消えてしまうのだが、 そうなると現世との結び付きが薄弱になり、己の姿を保てなくなっていくのである。 有名な妖怪ならばいい。噂や伝説などで語り継がれることができる。 それによって力を保ち、あるいは増し、今生にも存在を残すことができる。 だが全てに忘れ去られた力の弱い妖怪はそうではない。 今はかろうじて人の形を保っているが、やがては不定形の影となり、 己がなぜ現世に執着しているのか、なぜ妖怪なのか、なぜこの世を彷徨っているのかすらも忘れて ただただ、世を揺蕩うだけの存在になるのだ。 そんな存在になる一歩手前のそれ。黒い少年の声を受けて、今度こそ八尺様の動きが止まる。 再び攻撃しようと振り上げた長い腕を脱力したようにだらりと落とし、 今しがたまで戦闘していたノエルをも忘れてしまったように黒い少年に向き直り、ただ一心に見つめている。 黒い少年もまた八尺様を見つめて、八尺様へ向かって歩いていく。 恐る恐る、というような歩調。何かを確かめるような、危なげな足取り。 そしてひと時だけ少年が動きを止める。何かに気付いたような気配があった。 「せぇ、でっかくなってるけど、やっぱりおっかぁだ! おっかぁ!」 八尺様へと近づく少年の足が早足になる。 顔はないが、その弾むような声音や動きで、少年が喜びに満ちているのが分かった。 その声を聴き、姿を見た八尺様の姿に変化が生じた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/59
60: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/17(土) 00:13:41.68 ID:qDvHNRhH ――自分の息子をかわいがる隣家の女を見ると涙が滲んだ。 私にはあの子がいないのに、どうしてお前だけ。私にもあんなかわいらしい笑顔を向ける子がいたはずだったのに。 すがる思いで神に手を合わせたが、息子は帰ってこなかった。 雨が降らないからと、生贄に捧げた息子を役立たずだと罵った男を殺してやった。 私に我が子を差し出させておきながら、己の娘だけは守ってのうのうと暮らす村長を鎌で刺したが、殺すことはできなかった。 村の男衆に捕まり、気狂いだとして閉じ込められ、殺された。首を絞められた。 あらぬ限りの力で叫んだ。返せ。 どうして。お前たちの所為じゃないか。 返せ。 お前たちの所為だ、お前たちの所為だ。我が子を返せ。もう会えない。 祟ってやる呪ってやる、殺してやる。我が子を返せ、もう一度会わせて。会いたい。 どこにいるの。殺してやる。私の子は。どこに。 「おっかぁ?」 「――あ……あぁ……あぁあああああ……!!」 おっかぁ。 己をそう呼ぶ姿は、見間違うことがない。山に森に、川に、谷底に。 どこにいるのかと、どこかにいるのではないかと、ずっと探し求めていた姿。 供物として捧げられた、救ってやれなかった我が子。生贄にされてしまった可哀想な我が子。 もう会えないと思っていた愛しいものが、駆け寄ってくるのを感じる。 ああ、こんな背の高さではあの子を抱きしめてあげられない。 どうして己はこんな姿になっているのだろう? 前の姿に戻って、我が子を安心させてあげなくては。 悲鳴を上げた八尺様の姿が、見る見るうちに縮んでいく。 その背丈は一五〇センチもないかもしれなかった。 また、着ているものはワンピースなどではなく、少年と似たような粗末な着物であるように見え、 先程のような若い女の雰囲気は微塵も感じられなくなっていた。 その輪郭はまるで陽炎のようにぼやけて、幾重もの、何人もの影が重なっているように見えた。 陽炎のような姿になった八尺様は、膝をついて諸手を広げ、走ってくる影のような少年を抱きとめた。 そして強く胸に抱きよせる。 「あいたかった。もうずっとあえないかとおもったよ、おっかぁ……」 その陽炎の腕の中で、安らいだような声を上げる、影の子供。 「太一かい?」 「次郎?」 「ぎん」 「一、一だ。あぁ……」 「六助……?」 陽炎の女が口々に、子どもの名を口にする。陽炎が一層揺らいで、複数の女の姿がブレて見えた。 八尺様。その元になった『橋役様』とは、 愛しい我が子を生贄に取られた母親達の怨念や魂が祟り神と化したものだ。 故にその存在にある想いや魂は一人のものではない。何人もの母が、その存在に囚われていたのだ。 母親が呼びかけると、少年の影から一人、また一人と、 顔の判別できる少年が剥がれるように出て来て、返事をした。 母の記憶が、少年たちにかつての姿を取り戻させていく。 橘音が呼び出した黒い少年もまた、『橋役様』として選ばれた少年たちの魂だった。 その無念や寂しさ、痛み。母を求めるその声が、やがて名も形も知られぬ妖怪として一塊になった姿だったのだ。 彷徨い歩いていた両者。母を見つけた子と、子を見つけた母は、 強く抱き合ってはやがて、天に昇るように消えていく。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/60
61: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/17(土) 00:19:56.65 ID:qDvHNRhH その光景を見て状況を理解できないのは、橘音以外のブリーチャーズ全員だっただろう。 ノエル、尾弐、そして祈の3人は、事態の推移を見守りながら、橘音の傍らへとやってきた。 「どういうことだよ、あれ」 先に口を開いたのは祈だった。あれ、と顎でしゃくって、八尺様たちを示す。 先程まで激しく戦っていたかと思えば、 橘音がいつもの妖怪時計もとい便利妖怪召喚タブレットによって黒いシルエットを呼び出し、 それが八尺様に語り掛けると、どうやら八尺様は満足してその黒いシルエットと共に成仏していくようである。 打ち合わせでは、自分達が戦闘で八尺様を叩きのめし、会話でなんとか納められれば良し、 できなければ封印等で漂白ということであったのに、話と違うではないか。納得できる説明を求む。 そう言いたげな不満そうな顔で、パーカーのポケットに両手を突っ込んでいる。 すっかり戦闘状態が解除されたと見ているようだった。 尾弐も似たようなもので、あくびなどしている。 八尺様と真正面から戦っていたノエルはその点冷静で、微かな冷気を体に纏わせたままであった。 祈の質問に答えず、橘音は人差し指を立てて仮面の口の前に持ってきた。 「説明は後です。まだ最後の戦闘が残ってますから」 そう言って、仮面の口の前に持ってきた指を、八尺様へと向ける。 その先には、一人の女が残されていた。 全てが成仏した訳ではなかった。 黒い少年達も、陽炎のようになった女達も消え去った後で、残されているモノがある。 陽炎の女たち、祟り神『橋役様』が居た場所に残されているその女は、 白のワンピースを着た、若い女だった。 それは八尺様の姿。 だが八尺という程に大きなものではなく、身長は180センチ前後と言った所か。 「――うふっ、ふふっ」 女から笑い声が聞こえる。 女はそれを恥じているのか、両手で己の口元を塞いだ。 「うふ、うぷぷ、……ぽっぽぽ」 口を両手で塞いでなお、堪えきれない笑いが、泡が弾けるような奇妙な破裂音を生んだ。 男か女かも判別つかぬ、不気味な笑い声となる。 この女こそが。橋役様が八尺様という都市伝説へと転ずる元凶となった者であった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/61
62: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/17(土) 00:39:45.67 ID:qDvHNRhH ある田舎の村で男児を狙った陰惨な事件が起きた。 犯人はなかなかに長身の女で、犯行時白いワンピースを着ていたことがわかっている。 女は、男児への歪んだ性愛を抑えることができなかった。 公園で見知らぬ男児に声を掛けるというだけでも充分に異常な行動だが、 女はある時は2mを超える塀をよじ登ってでも男児の姿を眺めている、というような常軌を逸した行動に出ることがあった。 男児たちはその女の視線に気が付いて言うのだ。 「とても大きな女の人が塀から顔を出して、じっとぼくを見ていた」と。 塀を超すほど背丈の大きな女が子供を見つめていると言う噂は、実しやかに囁かれ、村中を駆け巡った。 ある時誰かが言った。それはもしや『八尺様』ではないか、と。 当時その村では、既に橋役様の名前は訛りはじめて、八尺様という名で定着しつつあった。 八尺様と言う言葉の響きから八尺にもなる大柄の女というイメージが独り歩きしており、 それは塀を越して男児を見る女の姿に合致していたのである。 そして八尺様は生贄として我が子を捧げているとも伝わっていた為、 八尺様は男児たちに失った我が子の姿を重ねて見ているのでは、という話になってしまった。 こうしてその異常な性愛を持った女と、 八尺様へと名を変えた橋役様のイメージは奇妙に結びついていくことになる。 念の為、異常者かも知れないという事で自治会などから児童や保護者らに注意喚起がなされたが、 身長が2mを超えるという話や、秋でもワンピースを着ているという特徴、 ぽぽぽという奇妙な笑い声がするという話はどうしても噂話や子どもの怪談の域を出ない。 注意喚起も虚しく、それは八尺様と言う怪談話として面白おかしく伝播していくことになったのだった。 しかし女はやがて、男児を攫い、犯した後に惨たらしく殺すという事件を起こした。 これで女が捕まればまだよかっただろう。 八尺様などいなかった、背がそこそこ高い異常者がいただけだと、 犯人は捕まりもう脅威は去ったのだと、村の住民は安心することができたし、八尺様の噂も消えただろう。 だが女は決して捕まることはなかった。それがいつまでも住民を恐怖に陥れることになった。 実際には女は警察を恐れて山に入り、誤って谷底へと転落して死んでしまったのだが、 それが誰にも知られなかった為に、まるで妖怪のように、本物の八尺様が出たかのように、 住民たちを心のどこかで怯えさせ続けてしまった。 それがこの八尺様を生み出した。 人々の恐怖は、死した女を八尺様として蘇らせ、そして女は完全に八尺様に成り代わってしまった。 八尺様とは『生贄として男児を奪われた母親の無念の集合体であり、祟り神』……ではなく、 『八尺ほどの背が高い女の妖怪で、気に入った男児を攫い、犯し、取り殺すもの』の意味となり、 その元となる橋役様の噂も、橋役様という祟り神となった女たちの強力な力をも自らに取り込んで、 主導権を握り、八尺様は暴れまわるようになる。 そして暴れた形跡の一部が、ネットで拡散される今の八尺様の都市伝説を形作ることへと繋がるのだ。 この女こそ。もう一つの八尺様。 祟り神・橋役様を取り込み、その力で勝手気ままに子供を攫い殺していた悪鬼。 異常性愛者にして、子供を犯して殺して回る快楽殺人者の妖怪。 「うぷっ……ぽぽっ、ひはははは!!」 もう一つの八尺様は哄笑する。そして大きく見開いた眼で、4人を見る。 楽しみを邪魔した者を許さない、そんな怒りの籠った眼。 それを向けられて尚、動じることなく橘音は淡々と言った。 「祟り神としての力は削ぎました。アレは八尺様の抜け殻とも言うべき、大したことのない妖怪となったはずです」 一拍置いて、続ける。 「お三方なら大丈夫だとは思いますが、気を付けてくださいよ?」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/62
63: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/17(土) 00:53:44.16 ID:qDvHNRhH 祈 「多甫 祈の! えーと、オマケ……にすらならないコーナーだッ!」 祈 「もうあたしのターンかなと思って続きを書いちゃったけど、 もし>>58が途中で、橘音が残った2日ぐらいで続き書こうとしてたらどうしようって今更思ってさ」 祈 「そんでちょっとだけこう、書いてんだけど……」 祈 「もしそうだったら、ご、ごめんな? その時はあたしの方は無視しちゃっていいから!」 祈 「てことで、その。ごめんっ! そんだけ! じゃーねっ!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/63
64: 那須野橘音 ◆TIr/ZhnrYI [sage] 2016/12/17(土) 07:01:37.85 ID:7Y34/ubK 橘音「皆さんおはようございます。毎度おなじみ流浪のコーナー、那須野橘音のモーニング・ブリーチャーのお時間です」 髪さま「もう少し節操を持てゾナ」 >>63 祈ちゃん 橘音「何も問題ありません!というか、祈ちゃんにはボクの目論見をことごとく看破されてしまいました……」 髪さま「もう、チームのブレーン交代した方がいいんじゃないかゾナ?」 橘音「そしたらボクはお茶くみだけしてればいいですか?……それはともかく、いい流れだと思います」 髪さま「橘音が当初想定していたシナリオよりよっぽど面白いゾナ」 橘音「ぐうの音も出ません……」 髪さま「じゃあ、あれがブリーチャーズが本当に漂白するべき《妖壊》ということゾナね。後はノエルと尾弐に任せるゾナ」 橘音「遠慮なくやっつけちゃってください!ではまた次回!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/64
65: ノエル ◆4fQkd8JTfc [sage] 2016/12/19(月) 00:46:46.38 ID:TmQU6R+e ノエルは端から見ると八尺様とほぼ互角の戦いを繰り広げながらも、内心かなり焦っていた。 でかいし速いしリーチは長い。何より特筆すべきはその怨念の強さ。 凌いでも尚腹の底に響く、物理的な意味だけではない生気を抉り取るような衝撃。まともに食らえば一撃KOだろう。 もはや一体の妖怪を相手にしているとは思えない……複数の存在の集合体だろうか。 最初こそ「純粋な乙女心を弄んでサーセーン!」とか「顔は勘弁してね!」とか軽口も出ていたものだが、その余裕すらなくなってきた。 その様子を察してか、橘音が祈に加勢に入るように要請する。 どうやら八尺様は、自分好みの美少年の振りをしている祈には攻撃できないようだ。 しかしそれなら、微妙にストライクゾーンを外れている橘音が狙われないのは何故か。 そう、まるで自分だけが狙われているような……。何故だろう、胸の奥がざわざわする。 何時もなら強烈な憎悪も完全スルー出来るのに、責められている気がして罪悪感に苛まれる。 まさか……以前どこかで因縁があるのか――!? そう思ってはみるも、特に思い当たることはない。 その心の迷いが微妙な反応の遅れに繋がり、次第におされていく。 「がァっ!!」 かわし損ねた拳撃の余波をくらい、吹っ飛ばされる。 とどめを刺しに来るかと思いきや、八尺様が手を伸ばしたのは前にいた祈。 自分は純正の妖怪だから最悪どうなっても死にはしないが、人間分の多い祈はどうなるか分からない。 「祈ちゃん! 逃げ……」 >「――――ぼっ!?」 突然強烈な拳打を受け、吹っ飛ぶ八尺様。 >「……あ、あなたは……!」 心底喜んでいるような声音。仮面を被って普段はミステリアスキャラで通している橘音が、不意に垣間見せる素。 絶体絶命のピンチに颯爽と登場したのは、ブリーチャーズのパワー系マッチョ枠、尾弐 黒雄。 氷属性クール(※体温的な意味で)枠としてはこういう時はあからさまに喜びを表現せずに 余裕だった振りをしてクールな台詞で出迎えるのが様式美である。 立ちあがって服の埃を払いつつ言う。 「――遅かったじゃないか。危うく僕だけで倒してしまうところ……ってえぇえええええええええ!? クロちゃん大丈夫!? 誰か背中さすってあげて!」 予想外のゲロのため、クールな台詞を言い終わることすらかなわなかった。 尚、現在変化解除中で超低体温のため、自分で背中をさすっては更に大変なことになってしまうのだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/65
66: ノエル ◆4fQkd8JTfc [sage] 2016/12/19(月) 00:51:51.68 ID:TmQU6R+e 「……げぇ! 何あれ、マドハンド!?」 安心したのも束の間、八尺様の周囲の地面から無数の腕が生えていた。 少しでも気を抜けば飲み込まれてしまいそうな禍々しい瘴気。 >「ノエルさん、祈ちゃん、クロオさん。もう少しだけ彼女のお相手をお願いします。ボクに時間を下さい」 >「そう。八尺様をどうにかする方法を考える時間を――」 いつもなら一瞬にして対処法を弾きだす橘音が、時間をくれと言う。それだけ厄介な相手なのだ。 おまけに本当に聞こえているのか、幻聴なのか分からない声が聞こえてくる。 (まだ分からぬか? 自分が何故恨まれているのか) 「来るんじゃない……!」 地面から生えた腕を一気に凍らせ、砕け散らせて粉々にする。しかし次から次へと無尽蔵に生えてくる。 (所詮どんなに取り繕っても人に仇なす化け物よ……!) 「違う……」 (お前が正義面して除霊の真似事やってるなんざお笑い草だ。私の息子を奪ったお 前 が な!) 「―――――ッ!!」 ノエルは糸が切れた操り人形のように膝から崩れ落ちた。 妖怪は、永遠の時を生きる存在。 妖怪が皆が皆崇高な精神性を持っていれば何も問題はないのだが、見ての通りそうではない。 長い年月の間に負の感情を澱のように堆積させ、妖壊化する者も少なくないのだ。 永遠という名の毒に蝕まれぬために、ある者は尾弐のように心を動かさなくなっていき、またある者はノエルのように忘却という手段を取る。 忘却――大昔のこと、特に都合の悪いことから優先的に忘れ、リアルに「記憶にございません」状態になる、前都知事もびっくりの便利機能である。 しかしこれには致命的な欠点がある。 運悪く当時の当事者と出くわして真実を突きつけられた時、公正中立な第三者に検証してもらうまでもなく、全てを思い出してしまうのである。 もともとそれ程精神が強靭ではないから忘却という手段を取っているわけで、不意に思い出してしまった時の動揺たるや半端ない。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/66
67: ノエル ◆4fQkd8JTfc [sage] 2016/12/19(月) 00:54:55.52 ID:TmQU6R+e ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。゚+。*゚+。。+゚*゚+。。+゚*。+゚ 遥か昔――ノエルがノエルという名前と今の姿を得るずっと前。 雪ん娘と呼ばれるまだ子どもの雪女だった時の話。 まだ発生してからそれ程時が経っていない、雪山に住まう雪の精のような存在だったころ。 唯一無二の親友がいた。それは人間ではなく、かといって妖怪でもなかった。 ふわふわの毛皮にもふもふの尻尾の暖かい生き物。 一緒に雪の中を駆け回って、冷たいのも嫌がらずに抱き枕になって眠ってくれた。 しかし永遠を生きる妖怪たるもの、刹那で死んでしまう普通の生き物と馴れ合ってはいけないというのがその当時の掟で 案の定と言うべきか大事件が起きてしまった。 ある日親友が死んだ……人間に殺されたのだ。 そこまでであれば「残念だけどよくある話」で済むのだが、その先がまずかった。 まだ不安定な存在だったその雪の精は、怒りと哀しみのあまり力の制御が出来なくなってしまったのだ。 現在で言うところの妖壊化――というやつかもしれない。 討伐隊でも来て適当に怒りをぶつければ収まるかもしれない、いっそのこと滅されてもいいとも思ったものだが、そんなものは来なかった。 ふもとの村は大寒波と冷害と季節外れの降雪に見舞われた。行きつく先は当然飢饉である。 そんなある日、雪の中に置き去りにされている少年を発見した。 少年はすでに事切れる寸前で、それにも拘わらずその雪の精が厄災の原因だと直感的に気付き 息も絶え絶えに人間達の窮状を訴え、どうか怒りを鎮めてほしいと懇願した。 こんなに綺麗な神様に看取られて幸せだ、残された母親のことだけが心配だとも。 雪の精は問い詰めた。自分がお前を死に追いやったのに、どうして罵らないのか、憎くないのかと。 少年はこう答えた。 「名誉ある『橋役様』に選ばれたんだから、立派に役目を果たさなきゃ」 ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。゚+。*゚+。。+゚*゚+。。+゚*。+゚ 気が付くとどうやら数秒間気絶していたようで、祈と黒雄に助けられていた。 「……。ごめん、ちょっと貧血で……。そんなことより……分かったかもしれない、アイツの正体!」 確かにいつも血色は悪いが、そもそも妖怪は貧血にならない。 言い訳にすらなっていない言い訳をしつつ、橘音の方に向き直る。早く告げなければ、重要な手掛かりを。 「橘音君! 八尺様は……橋役様で……えーと、つまり……」 そもそも音が似ているから一緒になったのであって、文字で見ればまだ分かるが、言葉で伝えるのはなかなか難しい。 逡巡している間に、橘音は秘密道具を取り出した。 >「じゃっじゃーん!狐面探偵七つ道具の壱!『召怪銘板(しょうかいタブレット)』〜!」 >「どういうことだよ、あれ」 訳が分からないという風に橘音に問いかける祈。 目の前で繰り広げられる光景を見てほぼ察しがついたノエルは、必死で何の事だか分からない振りをする。 ――いや、でも姿変わってるし大丈夫か? そんなことを考えているうちに、最後の一人の影の子どもがノエルの方に向き直る。 紛う事無きあの日の少年。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/67
68: ノエル ◆4fQkd8JTfc [sage] 2016/12/19(月) 00:59:52.11 ID:TmQU6R+e 「あれ? “いめちぇん”した? 前の美少女も良かったけどそれはそれでいいな!」 益々何のことだか分からなくなる祈達と、動揺しまくるノエル。 この際人違いで押し通してやりたいと思うが、それは無理な話である。 妖怪たるもの、姿が変わることは稀によくあるが、妖力の形質のようなものはおいそれと変わらない。 純粋な子どもには、変装(?)している知人を気付かない振りをするという高度な気遣いは無かった! ついに観念したノエルは土下座する。 「ごめん……! 僕は神様なんかじゃない……。 どうしようもなく弱かったから人に仇成す化け物になったんだ!」 「妖怪は人々がそうだと思えばそうなる……君が何と言おうとオラにとっては神様だ。 ……せめて立派に役目を果たせたと思わせてくれたっていいだろ? 橋役様から神様に一つお願いだ。おっかぁ達を利用した悪い奴をやっつけてくれ――!」 そして彼もまた、母親の魂と抱き合って消えていく。 そこに残されたのは―― >「説明は後です。まだ最後の戦闘が残ってますから」 白いワンピースの女、元祖「八尺様」。全ての元凶――! ノエルはその八尺様をびしっと指差し…… 「お前に一つ言っておくことがある……。 YESショタコンNOタッチ! 美少年とは触れずに愛でるものとみつけたり! なのに手を出しあまつさえ捕食するとは言語道断! てめぇのパンツは何色だぁ!」 一連の何やかんやを何とか誤魔化そうと、怒涛の勢いで意味不明なことをまくしたてる。 「というわけで、新たな扉を開いてショタコンを卒業しよう! さあ!」 なにが「というわけで」なのかは知らないが、両腕を開いて八尺様を迎え入れるポーズを取るノエル。 雪女には死の抱擁というオーソドックスな必殺技があるため、満更ふざけているわけでもないのだが、流石に素直に乗ってくるわけはない。 流石の異常性愛者の八尺様もこの手の変態紳士の対処は管轄外のようで若干引きつつも、普通に大上段からチョップをかましてきた。 「隙ありッ!」 ノエルは一気に姿勢を落とし、八尺様の足の間をスライディングの要領で潜り抜ける。 ちなみにこれ、業界的にはちょっとしたお呪い的意味がある行動で、人間の足の間をくぐって呪い殺す妖怪なんかもいる。 別に小学生男子的発想でパンツの色を見るためではない。多分、いや、断じて。 その証拠に八尺様は怒り狂いながら振り返ろうとするが……一歩も動けない。 いつの間にか両足が足元の地面ごと凍り付いて固定されていた。またとないチャンスだ。 「今だ―――!!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/68
69: 品岡 ◆VO3bAk5naQ [sage] 2016/12/19(月) 07:28:38.80 ID:4A123NSi 名前:品岡ムジナ(しなおか - ) 外見年齢:24 性別:男 身長:175 体重:60 スリーサイズ:中肉中背 種族:元のっぺらぼう現式神 職業:暴力団構成員 性格:お調子者・チンピラ・似非関西弁 長所:義理堅い 短所:強い者には媚びへつらい弱い者には横柄な小物メンタル 趣味:夜遊び 能力:顔以外の肉体と触れた物体の形状変化 容姿の特徴・風貌:ウルフカット、柄シャツに色眼鏡の人相悪い男 簡単なキャラ解説: 広域指定暴力団『山里組』の組員、つまりヤクザ。 山里組はいわゆる極道とは色合いの異なる資金集めの為の下請組織であり品岡は更にその下っ端。 歌舞伎町を拠点に地域の飲食店や風俗店などへのみかじめの集金を担当している。 その正体は江戸時代から関東地方を荒らし回っていた"化かし系"の妖怪、のっぺらぼう。 旅人を化かしては食糧や金銭を奪っていたところ、幕府属託の陰陽師によって化け物退治に遭い、 のっぺらぼうの能力である変幻自在な『顔』を封印され、陰陽師の式神となる。 契約により七代後まで陰陽師の一族の式神となって働かされており、 現在の当主であるヤクザの組長のもとで下っ端としてこき使われている。 『顔』を封印されている為に人相は固定されており、代わりに顔以外の肉体と触れた物体の形状変化妖術を持つ。 チャカやドスの他釘バットやスレッジハンマー等を形状変化で小さく纏めて体内に収納している人間武器庫。 もちろんこの能力を銃器や薬物の密輸に使ったりもしているわりと真面目に凶悪犯罪者。 "化かし系"の本家である『御前』とは親戚関係にあり、妖狐一族と繋がりのある陰陽師組長の命令で 東京ブリーチャーズの非正規メンバーとして必要な時に呼ばれてはやはりこき使われている。 ブリーチャーズが最後に漂白すべきは多分こいつとその飼主。 【今の話が終わったら参加したいです、ヨロシャス】 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/69
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