[過去ログ] 『読みました』報告・海外編Part.3 (873レス)
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716: ◆XjFtIkbasQ 2008/03/23(日)03:07 ID:yqEazbAY(1) AAS
マイクル・コナリー『ブラック・アイス』 (扶桑社ミステリー1994)【8点】

モーテルの一室で発見された、ハリウッド署麻薬課の警官らしき死体。
生前の警官と面識のあったボッシュは、自分の抱える事件と警官とが関係する
ことを知る。メキシコに飛んだボッシュに迫る、麻薬王のヒットマン・・・

第一作『ナイトホークス』は若干期待値を下回ったが、二作目のこれはよかった。
死体から発見されたミバエを手掛かりに舞台はメキシコにまで及ぶが、
やや緩慢な前半に較べて後半は一気読みのおもしろさ。過度のケレンはないが、
終盤の展開も上手い。

しかし「メイクラブ」という訳語はどうにかなりませんか。
717: ◆XjFtIkbasQ 2008/03/26(水)01:08 ID:FOMNuaTZ(1) AAS
マイクル・コナリー『ブラック・ハート』 (扶桑社ミステリー1995)【9点】

左遷の契機となった4年前の連続娼婦殺人事件。ボッシュに撃ち殺されたはずの
猟奇的犯人“ドール・メーカー”から、その生存を示唆するようなメモが届く。
折りしも犯人とされる人物の遺族から告訴され、苦境に立たされるボッシュ。
ドール・メーカーは生きているのか? 模倣犯の犯行なのか? 裁判の行方は?

リーガル+サイコ+犯人探しの贅沢な一冊。これは文句なしにおもしろい。
特に、“ドール・メーカー”が撃ち殺されたあとに殺害されたと思しき
コンクリートの中の金髪女の遺体が出てきたりして、どう着地するのか
予想が難しい。上下巻だがハラハラドキドキの一気読みでした。

シリーズ第三弾ということで重複する登場人物やエピソードもあり、
省3
718: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/03/27(木)17:54 ID:dZZl8VRf(1) AAS
「フォーチュン氏を呼べ」H・C・ベイリー(論創社)

久々ライヴァルたち。
「黄色いなめくじ」や「死者の靴」等読んだが、何か毛色の変わった
作風でいまいち好きになれなかったのだが、今回も然り。
この人はあまり「隠そう」という意識が無いのではないか。
でも「気立てのいい娘」のラストや「ある賭け」のプロットは中々良い。
719: 読後感 ◆NQWAR.YQkg 2008/03/29(土)17:32 ID:I1NdfoKw(1) AAS
「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」ウィリアム・ブリテン(論創社)

パロディ+αの短編集。どれもミステリーとしてはK越えしている
ものの、パロディということを考えると表題作が一番印象強いかな。
まあ、これはテーマの着眼点の違いに因るのかも。

純粋にミステリーとしては「うそつき」がベスト。この真相は他に
知らなかった。

「巨匠を笑え」と読み比べてみると良いね。テーマの処理の仕方はあっちのが上やも……?
720: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/10(木)21:52 ID:Cj+SlIPu(1) AAS
「カスに向かって撃て」ジャネット・イヴァノヴィッチ(集英社)

前回の事件以来モレリの家に同居しているステフは偶然強盗を
目撃してしまい、そのせいか凄腕の殺し屋に命を狙われることになる。
しかもこの大事な時にモレリとケンカ別れをしたステフは
ひょんなことからレンジャーの隠れ家を突き止め潜伏しつつ
仕事を続けるのだが……。

ここ数年本格出したり古典出したりマルコ復活させたりと
渋い仕事をしてきた扶桑社ですが、本シリーズに関しちゃ
完全に下手を打ちましたね。不手際過ぎ。

ただ、このシリーズも10作を数えてかなりマンネリ気味。
省6
721: ◆XjFtIkbasQ 2008/04/11(金)03:53 ID:mEkTmjkI(1/2) AAS
ジェフリー・ディーヴァー『エンプティー・チェア』
            (2001→2006、文春文庫)【8.5点】

手術の為ノース・カロライナに訪れたライムとアメリア。地元保安官の要請で、
女性2人を拉致して逃亡中の少年の足取り調査を依頼される。土地鑑がないまま、
地元のアウトロー・反抗的な保安官らに阻まれながら捜査を進めるライムだが・・

ライム物を読むのは久しぶりのせいか、くどいほどの大小のヒネリの連続にも
素直にしめた。南部の湖沼地帯の追跡劇も、終盤のアメリアの置かれた状況も
どうなることかとハラハラ(まあ、アレだからアレになるとは分かっているんだけど)。

何にも考えずにハラハラドキドキして騙されたいときにはやっぱりディーヴァーというのを
再認識。
722: ◆XjFtIkbasQ 2008/04/11(金)11:05 ID:mEkTmjkI(2/2) AAS
ケン・フォレット『ホーネット、飛翔せよ』(2004、ヴィレッジブックス)【7.5点】

第二次大戦中、イギリス空軍はドイツ軍が高性能レーダーを開発し、次々と
戦果を挙げていることを懸念。デンマークにスパイ網を形成し、なんとか
ドイツの軍事機密をあばこうとするが露見。窮地打開はあるデンマーク青年に双肩に・・

史実が元になってるらしいけど、それを考慮したためか小説としてあまり必要でない
人物もちょこちょこ出てきたりして、そのせいか、やや焦点がぼやけた印象がある。
個人的にはデンマーク青年ハラルドと恋人カレンの冒険活劇として楽しめた。
ドイツの手先となるデンマーク警察のペーターとの対立もいい。

すいすい読めるが、スパイものとしてはちょっと抜けてる人が多い。
一部のアレなシーンを除けば、大人の手前の青年とお転婆お嬢さんとの掛け合いが、
省1
723: 2008/04/15(火)00:53 ID:ezx0jxQX(1) AAS
ブラッド・メルツァー『運命の書』読了。

全編通して本当につまらなくてビックリした。
724: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2008/04/19(土)17:55 ID:J7lvVg0B(1) AAS
スコット・スミス「ルインズ 廃墟の奥へ」を読んだ。
帯には「息もつかせぬホラー・サスペンス」と銘打たれているが、実態は秘境冒険小説と言い得る。
あの「シンプル・プラン」のスコットの待ちに待った新作(第2作)であり、前作同様にプロットは
単純ながらも、畳み掛けるような語りと優れた筆力によるリアリティに富んだディテール描写
(「訳者あとがき」に作者は舞台となるメヒコへ行ったことがないとあるのにはびっくり、
密林等秘境の描写の迫力は秀逸であり、この作家の筆力の凄さを実感させるものがある)で
読ませるものはあり、ヒーロー不在、勧善懲悪を廃した展開は同じような特色を有する
ジム・トンプスンのノワール作品とも全く異なる魅力に富んではいる。
ただし、メーンな敵役(?)が50年代アメリカB級ホラー映画まがいなのはさすがに脱力せざるを
得ないものがある。
省2
725: 2008/04/19(土)18:26 ID:1mb/fucW(1) AAS
画像リンク[jpg]:ime.nu
国営放送の主演女優の結婚式での晴れ姿がなぜシャットアウトなのか?

NHK.宮崎あおい夫と「広末をクスリ漬けでマワしたヤクザ」の関係★38
2chスレ:news2
726: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/24(木)14:33 ID:M3eZBqAa(1/3) AAS
「堕ちた天使――アザゼル」ボリス・アクーニン(作品社)

白昼堂々起きた不可解な自殺事件。被害者とおぼしき若者は
当日あちこちで目撃されていた。事件に興味を抱いた若き警官
ファンドーリンは独自に捜査を行うがやがて国際的な謀略が
浮かび上がる――。

1作目。最初は面白味が乏しくて読みにくかったが中盤からまあ読めた。
しかし後味ワルー……。
これが話題になるんだからロシアはよくよく娯楽に飢えた国だったんだな。

でも次で化けたかも知れないので読むわ。
727: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/24(木)14:43 ID:M3eZBqAa(2/3) AAS
「ノヴェンバー・ジョーの事件簿」ヘスキス・プリチャード(論創社)

カナダのホームズこと樵探偵の短編集。
期待の割にフツー。でもこれはライヴァルたちに共通して言えること。
彼らの作者たちはホームズを意識し過ぎたあまり突飛な設定に
しづらかったのかも。まあともあれ、ベストは……特にないや。アハ。
728: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/24(木)14:53 ID:M3eZBqAa(3/3) AAS
「グリンドルの悪夢」パトリック・クェンティン(原書房)

のどかな田舎町に起こった少女の失踪事件。それに前後して
ペットの犬や猿が襲われる事件も多発する。少女の父親は真相を
掴みかけたものの殺されてしまい、またも行方不明者が……。

シリーズものは物理的にも精神的にも読めないからせめて単発の新刊は
読み逃さないようにしたいと思うけどこれイマイチだなあ。
何かたらたら読み繋いでる感じだった。もちっとピリリとした
要素が欲しい。真相も退屈だし。ただラストの( ̄ー ̄)は良い。
ひがしのりにはこういう粋は無いね。

解説読んで登場人物表は敢えて付けなかったのかなとチラリと
省2
729: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/27(日)00:51 ID:n0hUskoO(1/2) AAS
「道化の町」ジェイムズ・パウエル(河出書房新社)

奇妙な味というよりファンタジー本格ミステリ短編集みたいな感じ。
表題作のみマーシィのアンソロで読んでいたが、てっきりあの世界が
舞台の連作かと思ってたら違うのね。良かったそれで。この人の
世界観は「犯人は誰だ」というアンソロジーで都筑道夫が書いた話を想起させるなあ。

ベストは表題作かな。設定がプロットに良く練り込まれてる。
次点は「アルトドルフ症候群」。これは奇妙な味としても
本格としても○。最初の「最近のニュース」も切れ味が良くて
掴みに持って来い。それから「愚か者のバス」は設定が面白かったし、
「折り紙のヘラジカ」の極めて特異な状況設定も笑える。
省2
730: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2008/04/27(日)01:00 ID:n0hUskoO(2/2) AAS
「雨の午後の降霊術」マーク・マクシェーン(トパーズプレス)

才能はあるのに不遇を囲っている霊能力者マイアラは夫と共に
思い切った行動に打って出る。資産家の子供を誘拐し、居場所を
言い当てることで自分の評判を上げようと企んだのだ。
いくつかのミスを孕みながらも計画は進んで行くのだが――。

この瀬戸川さんの出版社は厨房時代ポール・ジェニングスの
奇想天外な短編集に嵌った時にお世話になったけど、本書が含まれる
叢書もアームストロングの作品もあり中々興味深い。

でも本作は駄目。詰まらんかった。ちょっとオチが洒落てるだけの代物。
読んでて退屈だった。大して長く無かったから良かったけど。
省1
731: ◆XjFtIkbasQ 2008/04/30(水)02:28 ID:/LicCmbI(1) AAS
リチャード・ノース・パタースン『サイレント・ゲーム』(上下)
(2003→2005、新潮文庫)【8.5点】

恋人殺害の容疑者として地元から孤立したため、故郷を捨てたトニー・ロード。
親友サムが少女殺害の容疑者として苦境に立たされたことを知り、28年ぶりに帰郷。
弁護を進めながら、親友の言動に違和感を覚えるトニー。事件の真相は?
そして28年前のあの夜、一体何が起こったのか・・・?

一応続き物らしいけど、本作だけでも特に問題なし。第一部のトニーやサムの
青春時代の物語はややスローペースだが、このときの人間関係が裁判シーンに
深く関係してくる。人種・宗教問題をからめながら、事件は混迷を深めていく。

事件としてはシンプルながら、親友に疑惑と後ろめたさを抱きながら弁護する、
省2
732: ◆XjFtIkbasQ 2008/05/07(水)03:41 ID:zUqZc5WD(1) AAS
リチャード・ノース・パタースン『ダーク・レディ』(上下)
                     (2004、新潮文庫) 【8点】

麻薬犯専門弁護士が、女装・倒錯性行為の首吊り死体で発見される。
元恋人の検事補ステラは、人種問題・市長選挙戦に絡む別の殺人事件を追いながらも、
市中を牛耳る麻薬王らの犯罪事件に巻き込まれていく・・・

『サイレント・ゲーム』で敵役をつとめた検事ステラ・マーズが主人公だが、
本作では作者お得意の法廷シーンはなく、後書きによれば「ポリティカル・サスペンス」。
市長選挙・人種問題・雇用問題・新球場建設問題など、やや固いテーマが出てくるが、
元恋人の謎の死をめぐるサスペンスはこれまでどおり。

ただ本作は、旧作にもましてスロースターターであり、上巻はやや退屈さも覚える。
省2
733: ◆XjFtIkbasQ 2008/05/08(木)04:24 ID:Ns2s1/FC(1) AAS
ヘニング・マンケル『殺人者の顔』(2001、創元文庫)【8点】

外国移民排斥の気運高まる90年代、スウェーデン南部の寒村で発生した老夫婦殺害事件。
虫の息の老妻が遺した「外国の……」という言葉と、見慣れないロープの結び方に
警察は戦慄する。さらに何者かに無関係の移民が殺害され、警察当局は苦境に立たされる・・

ここ数年気にはなっていたヴァランダー・シリーズの第一弾。
老夫婦の殺害が明らかになる冒頭ですぐに物語に引き込まれた。
やもめで中年の主人公のキャラや新任の美人検察官などキャラの配置はさほど目新しくなく、
事件の捜査も堅実で、地味な印象はぬぐえないが、読みやすい訳文もあいまって、一気読み。

もっとも事件の解決も真相も「けれん」は少なく、ちょっと物足りない気もするが、
それまでの地道な展開もあいまって「まあ現実はこんなもんだよな」と納得はいく。
省1
734: 2008/05/08(木)12:42 ID:bL0xVrIQ(1) AAS
マンケルジャクソン
735: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2008/05/10(土)16:32 ID:S2aiBuHJ(1) AAS
デズモンド・バグリイ「高い砦」を読んだ。
ハイジャックされアンデス山中に墜落した飛行機の生存者たち、
乗客のひとりである政治家(前大統領)の命を狙い一行への襲撃が繰り返される・・・
反共的描写や南米のルーズな面に対するシビアな視線は、いかにも60年代の英国作家の手に
なるものらしく、CIAに対する好評価など、その後(70年代以降)の国際情勢を見ると、
今では疑問に感じざるを得ないような面も多い。
まあ、この辺はスパイ小説でないから大目に見るとしても、
過去に非常に面白く読んだ記憶があったわりには、再読してみてガク−リという作であった。
中世風の手作りの武器(クロスボウ、カタパルト等)で迫り来る共産軍に対抗というメーンの
アイデアは面白いのだが、今読むとそれだけで、ストーリーは御都合主義のヒーロー談に
省5
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