[過去ログ] 『読みました』報告・国内編Part.5 (982レス)
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485: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage一方は一人の語り手なのに他方は違ったの 年数表記の違いの意味] 2009/01/17(土)02:55 ID:czDzh1fA(2/2) AAS
「黒百合」多島斗志之(東京創元社)
夏休みに関西の父の友人浅木を訪ねた中学生進。浅木家の息子一彦と
池で遊んでいた時、彼らは一人の少女と出会う。その後3人は
毎日の様に一緒の時間を過ごし、友情を育んでいく。やがて訪れる
別れを意識せぬまま――。
本作は読む際に最新の注意が必要なんですの。何せ、一読したくらいじゃ
内容が理解出来ないというシロモノで、下手すると総スカンを食うとか。
ゴドクでコドクになることだけは避けたいもんざます。あ、オデは
とっくに孤立してるか! ってやかましいわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
閑話休題。230ページと短いし、文章も読みやすく綺麗な印象。
省9
486: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/01/17(土)20:20 ID:uPmSuzBz(1) AAS
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」を読んだ。
昨年の文春4位、このミス2位、読みたいSFでも10位にランクインした作、
そんなこと以上に直木賞候補作(これで受賞して欲しかった)だが、
なんとなくここまで積読してしもうた作。
正直言うて、第1部の主人公万葉が赤朽葉家へ輿入れするまではスローテンポでやや退屈感
あり、失敗したかな、と思い始めた頃に「物語」は急激に動き出し、頁をめくる手ももどかしいぐらい
に作者の語りに惹き込まれてゆく感がある。
なんの取り柄もない女と自称する語り手赤朽葉瞳子だが、千里眼奥様こと祖母の万葉、
レディース上がりの天才漫画家の母毛毬に対する終始クールな視点を失わないのが落ち着いた
読み応えある大河小説足り得た因かと思う。
省11
487: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/01/18(日)11:47 ID:MwBlXvUS(1) AAS
西村寿行「帰らざる復讐者」を読んだ。
既にブームも遠く過ぎ去ったものの、今でも暇つぶしに一気読みさせる面白さは備えている。
ただし、この手の作には付きものな極端な御都合主義(主人公の持論も含む)を許容出来得ると
しての話ではある。
父と妹を惨殺された帝大出青年医師がリベンジャーと化し、父の戦時中の過去が絡んで
いたと思われる事件の真相を追う・・・
ハードボイルドアクションと思いきや、前半謎解き小説風、しかも足で追う松本清張風な面白さ
あり、ただし、活躍時期がコンテンポラリーだった破天荒な大藪春彦作品を読み慣れた目には
主人公が凡過ぎて、物足らない感はあろう。
読書人なら、後に森村誠一作品で話題となったネタに、先行する作ではこれも話題となった
省10
488: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/01/23(金)00:03 ID:B8bQUGza(1) AAS
「裁判員法廷」芦辺拓(文藝春秋)
裁判員制度をテーマにした本格中編集。“あなた”という二人称で
進行していく。芦辺の作品を読むのは3冊目だが、良い仕事してんなぁ
というのが素直な感想。自身も自負してるみたいだが、本格にこだわり
ながら社会性にも重きを置いた姿勢でいるのは好印象。
そこは元ブン屋ってことか。
収録作はどれもアリバイや現場の状況から犯人と目された被告人を
弁護士森江春策が助けだそうとするという筋。
ベストは最後の「自白」かな。鮮やかだった。でも順に読んでね。
一度は裁判員に選ばれてみたい。
489: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/01/24(土)23:34 ID:GKLIPdqN(1) AAS
角田光代「森に眠る魚」を読んだ。
早大一文卒な直木賞をはじめとしたタイトルホルダーだが、
ミステリは書かないためミスオタには無縁な実力派作家の新刊である。
本作は都心の住宅地に住む様々なキャラの5人の主婦をメーンに置き、
子供たちのお受験を絡めた物語。
巧みな描写力により、日常を描きながらもサスペンスフルな作に仕上がっており、
一読巻を置かせぬものがある。
ラストはもう少し暗めの方がベターな感はあれど、前半の笑い含みの展開からサイコな展開さえ
期待させる後半の展開へのシフトチェンジは、なんとも見事としか言い様がない。
お受験ねたということもあって、文京区の凄惨な事件を想起する向きもあろうが、
省2
490: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
491: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
492: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/01/30(金)23:41 ID:1Iw7HSMA(1/3) AAS
「もう誘拐なんてしない」東川篤哉(文藝春秋)
下関に住む貧乏大学生翔太郎は先輩に半ば押し付けられた
たこ焼き屋のバイトで門司に遠征した時、何者かに追われていた
美少女を助ける。その少女・絵里花はヤクザの娘であり、父親の
監視から逃れたいのだと語る。事情を聞いた翔太郎は彼女の望みを
叶えてやるためにある犯罪を実行しようとするのだが……。
久しぶり2冊目。珍しく地方が舞台のミステリー。作者の持ち味である
コメディタッチな筆致には、時に余りのベタさに反応に困りながらも、
楽しめる。しかし、ミステリーとしては大したことない。がっかりした。
今更こんなネタ(だけ)で長編書いていいのか?
省2
493: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage毒殺という殺人方法] 2009/01/30(金)23:45 ID:1Iw7HSMA(2/3) AAS
「ジョーカー・ゲーム」柳広司(角川書店)
戦前の日本に創られたスパイ養成学校通称D機関。そこでは
選抜されたスパイ候補生達が魔王と仇名される怪人結城中佐に
厳しい訓練を受けていた。彼らはやがて密命を帯び世界各地で暗躍する。
連作スパイ短編集。
「はじまりの島」に刮目したものの、以降手を出しかねていたところ、
本作を読んだのはこのミス2位だったからともう一つ理由がある。
去年某テレビ番組を観ていたら本作が紹介されていたのだが、
そこでゲストの一人が「こういうものを読んでいると人間アホになる」
と言ってのけたのである! 何たる悪口! 何たる雑言!
省5
494: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage毒殺という殺人方法] 2009/01/30(金)23:47 ID:1Iw7HSMA(3/3) AAS
(続き)
観れば如何にも××××が原因で××出来ず、××を使って
何とか×××という×××を得ていると言った様な風体の輩である。
恐らく×××が××ない不満を勝手に××××のせいにして八当たり
したものと思われるが、誠にもって度し難い大馬鹿垂れの鎌足である。
こういう奴の存在は百害あって一利なしだと思う。
二度とテレビに出て欲しくない。
閑話休題。スパイものの方法論的に言って短編というスタイルは
難しいのでは思っていたが、中々頑張っている印象。ただ、
結城中佐のスパイ哲学は穿ち過ぎて破綻している様に思われる。
省5
495: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/01/31(土)18:57 ID:KSWvmhJz(1) AAS
山本博文監修「こんなに変わった歴史教科書」を読んだ。
教科書出版会社でもある東京書籍から刊行された、
1972年と2006年を中心に教科書を読み比べ、その差異のトピックを抽出した
歴史ミステリねた満載の本であり、それなり楽しめる。
新書・文庫でミステリばかり読み耽っている奴はこの程度の歴史常識はしっかりと押えて
おけという感がある。
この点で各項目の頁下段に記された「この時代(時代概観である)」「歴史年表」
「同時代の世界の動き」は学習に資するものがあろう。
歴史もミステリも愛好する俺には、有名な頼朝や信玄、尊氏の画像が全くの別人と判明したこと
(この過程の記述が正にミステリの謎解き)が特に面白いものがあった。
省1
496: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/01(日)15:36 ID:bSWw6SC3(1) AAS
角田光代「空中庭園」を読んだ。
縁無き作家と思うていたが、前記した「森に眠る魚」の凄まじいまでのサスペンスに魅せられた。
直木賞受賞作ではあるが、非サスペンスの「対岸の彼女」は今ひとつという感があったが、
本作は首都郊外の大団地に住む一見平凡な一家の深層を抉って読ませるものがある。
連作形式だが、妻の視点で語られる表題作が一頭地を抜く面白さ、
母娘の思惑を描いて間断するところがない。
あとがきを石田衣良が書いているが、「パトリシア・ハイスミスのサスペンスのようだ」という指摘は
ツボを突いたものがあるかと思う。ただし、ラストの親子水入らず貸切状態の路線バスのシーン
を見ると、本作の評に「乾いた絶望」という表現を用いるのはいかがなものか。
それなりに家族相互の受容を描いたものとは理解出来ぬだろうか。
省2
497: [age] 2009/02/01(日)19:31 ID:ebEgqMGM(1) AAS
うるせー!書斎よ、ここはお前のメモ帳じゃねえんだ、妄想は鶴ヶ峰公園の便所のカベでやれや、
いいかげんにしろよ、もう俺たちそろそろガマンの限界だぞ!
498: 2009/02/01(日)22:06 ID:uc5h7gRN(1) AAS
どうしてボクチンが行くと、店員が迷惑そうな顔をするのか?
書斎馬人 著
499: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/02/05(木)23:11 ID:jMLXDiVT(1/2) AAS
「狂犬は眠らない」ジェイムズ・グレイディ(早川書房)
CIA専用の精神病院通称<キャッスル>で精神科医が殺された。
死体を発見した5人の患者達はこのままでは自分達が容疑者にされる
と考え、独自に犯人を捕らえるべく病院から脱走する。しかし、
彼らはそれぞれ心に傷を負った病人であり、薬を服用しなければ
やがてはどうなるか判らない。果たして
間に合うのか?
バカミスアワード受賞作だっけ?
やたら分厚いから一瞬SFかと思った。設定が秀逸やね。究極の
デッドライン・サスペンス。しかもそれぞれが特異な弱点を
省7
500: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/02/05(木)23:12 ID:jMLXDiVT(2/2) AAS
すいません。スレ間違いました。
501: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/07(土)23:10 ID:zvaZ1Ztm(1) AAS
広瀬正「T型フォード殺人事件」を読んだ。
表題作はSFオタには神的存在の作者によるレトロムード満載(野村萬斎ではない(w )のミステリ。
ただし、T型フォード車内を密室に見立てた謎解きは小技で全く面白くない。
SF作品にも見られるこの作者の悪い性向なのだが、序盤のクラシックカーねたも長過ぎて
うざったい。
他2編の収録作品に関しても簡単に講評しておこう。
「殺そうとした」
火サス・昼ドラレベルな作。サイドブレーキねただが、
このレベルのミステリでは今ではどうしょうもないという感あり。
「立体交差」
省5
502: 2009/02/08(日)08:24 ID:biuaTwOG(1) AAS
クロック城殺人事件
なんだよコレ…orz
久々に読むのが苦痛に感じた逸品
503: 2009/02/08(日)23:54 ID:epl9+Z7x(1) AAS
アリスミラー城をオススメする
504: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage外側は掃除する] 2009/02/10(火)01:18 ID:fC+zhX5j(1/2) AAS
「聖女の救済」東野圭吾(文藝春秋)
IT社長が自宅で毒殺された。しかし毒物は発見されず、
有力な容疑者であるはずの妻には鉄壁のアリバイがあった。
捜査に当たった草薙警部は容疑者に一目惚れしてしまい、
それを危惧した内海刑事は独断で湯川に助力を求める……。
何か「こんなトリックで長編を書き切るとは!?」的な前評判を
見かけたのですが、読んで納得。これは確かに短編のネタです。
それを長編に上手く溶け込ませているかと言えば……
まあまあ成功してますかね。タイトルの意味にも掛っていますし。
でも(メル欄)でしょう。
省3
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