不定期刊行『全てのことがガイダンス新聞』

不定期刊行『全てのことがガイダンス新聞』 (284ﾚｽ)
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280: 魔貴 ◆MIMCibxNUsDm  [sage] 2024/11/22(金) 07:53:20.03 ID:+oBYqcdv0

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第百十八回配信『更に三十年が経ちました』
(副題)『困ったときのお母さん』vol.1-1

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一度憑き物を落とそうと思いまして、丸三日間テレビにもスマホにも触れない生活をしました。外界の情報をシャットアウトして妨害電波に惑わされない生き方をしていたわけです。なにせ「日本の小鬼は地獄に行け」と書いてあるよーとテレビが放送してくるわけですから、全くもって嫌な世の中になったものです┐(´∀｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

何がトラブルになって何と何が争っていたのか私には本当のところはわかりませんが、ひとまずは区切りがついたと、そう信じたいものです。ε-(´∀｀*)ﾎｯ

三日間とにかく自室に籠って暇なものですから古いCDラジカセを引っ張り出して来て、古いCDなどを聴いていました。

最初は歌詞のないインストルメンタルを。段々と飽きてきて、次は歌詞があってもリスニングできない洋楽を。ロバータ・フラックとギルバート・オサリバンとシルヴィ・バルタンとイーグルスと、あとウッドストックコンサートのダイアリー(記録音源)なんかも流してました。ザ・バンドの『THE WEIGHT』とか知ってるかな？
あっ、ウッドストックを聞いたからって薬物をやりながら聴いてたわけじゃないですよヾﾉ･∀･`)。いまは処方薬消化するだけで精一杯です( * ˘ཀ˘)

そうこうしているうちに心も落ち着いてきて、何か日本語を耳にしたくなりました。しかしラジオは禁物です。もしかしたら悪に汚染された電波が私の頭を狙っているかもしれません。
そこでこれまた古いカセットテープを探し出してきました。せっかくのCDラジカセですからね。

そのカセットは何もラベルが貼られていない、その代わり数字が書かれた付箋だけが貼ってある12本組のカセットでした。Konicaの少し良いカセットで片道30分AB面で60分テープです。
私はそれが何だか分かっていました。
私にとってとても大切なカセットテープです。自分の下手クソな字でラベルを書いたらこれが汚されるという思いから付箋のみを貼ったそのカセット。それは1995年にニッポン放送で放送していたラジオ番組『宮崎駿の雑想ノート』の録音テープでした。

『宮崎駿の雑想ノート』は戦争が織りなす人間と兵器の悲喜交交(ひきこもごも)を描いたラジオドラマです。
さすがにドラマの内容は全く憶えていませんでした。最後に聴いたのが何年前なのかも想像つきません。しかしこの番組がやっていたのが'95年の冬であることは直ぐにわかりました。あることを思い出したからです。

http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1727194489/280

281: 魔貴 ◆MIMCibxNUsDm  [sage] 2024/11/22(金) 07:53:56.88 ID:+oBYqcdv0

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第百十八回配信『更に三十年が経ちました』
(副題)『困ったときのお母さん』vol.1-2

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宮崎駿の雑想ノートは毎週日曜日に放送していた30分番組でした。ドラマはだいたい前後編の60分構成で、私は毎週テープの片面を使って一話を1つのカセットテープに収めていきました。もし30分のエピソードの時はB面をブランクにしました。
さらに細かい拘りとして、テープの最初の空白部分、あの白いところを事前に巻いておいて、録音ボタンを押したら直ぐに録音がされるようにスタンバイしていました。

そこまでしてとにかく慎重に厳重に丁寧に録音していたのですが、私の前にひとつ大きな障害がやってきました。
それは当時私が通っていた塾に関係している出来ごとでした。

年が明けて高校受験を控えていた私。学校がない冬休みの間、塾が正月合宿を企画していたのです。それは二週間程合宿所で寝泊まりしながら勉強漬けになり、正月を迎えたらみんなで初日の出に合格を祈願するというものでした。
当時の私にとって学校は友達と会う場所であり学業は完全に塾に頼りきっていました。塾のいうことは絶対。塾はスパルタ式で盲目的な主従関係に支配された世界でした。なにせ講師の先生が竹刀持ってるんですから(ﾉ∀`)ｱﾁｬｰ

それでも成績優秀者の私にとって二週間の合宿など他愛のないこと。目下重大な問題はラジオドラマの録音をどうするか？でした。

そこで頼りになるのが『困ったときのお母さん』です。

私は母にラジカセの使い方をイチから教えることを始めました。母は目的に合わせてオーブントースターのダイアルを調節することができます。何をどうするか憶えてもらえばラジオの録音くらいできるはずです。少なくとも全くの機械音痴の父よりはまだ可能性がある。
一番肝となるのは前後編でA面B面を使い分けることでした。ラジオの内容は放送されるまでわからないので不確定要素が多いのです。

私がラジオの前にいない二回でちょうど前後編の一話分放送されればまだ話は単純です。
最初の週をA面を使って、録り終わったら早送りをしてテープを巻いて、巻き終わったらB面にセットして、再生ボタンを押して少しテープを進め白い余白部分がなくなったら停止ボタン。それでスタンバイ完了。次の週にまた時間に合わせて録音ボタンを押す。
もし電波の状況が悪かったらチューニングをしなくてはいけません。そして前編後編ではなく後編前編の二週間になった場合テープチェンジも必要になります。

口で説明するだけでは心配なので予行演習を開始しました。電源ボタンを入れる。まずはそこからです。

母はあまりラジカセの操作がわかっていないのにどこか余裕の表情で真剣味が足りません。焦るのは私ばかり。
思い切って作業を単純化し、120分テープを用意して、押すボタンは電源・録音・停止のみ！にして、あとからダビングで編集しよう。そうだ、それが一番いい！と閃いたところで、番組は年末進行となり60分特番をやったあと年明けまで休みとなりました。

母の余裕の源がわかりました。

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とここまで書いたところで、裏取りとして本当に放送期間が正しいか調べました。間違いなく'95年の冬だったのですが放送日に関する情報がやや不正確であることがわかりました。年末休みはなかったようです。
それより何より私の高校受験が明けて'95年の冬だったので、話の時間軸が一年噛み合わないことに気が付きました。

うーん記憶と現実のギャップです。

このネタを記事として配信できるものか？
「フィクションです」とつけるか？
丸ごとボツか？

正直悩みました。

もはやいつの時期なのか、なんの番組なのかわかりまそんが、私がお母さんを頼ってラジカセの操作を教えていたのは事実です。だからそれは伝えた上で、ガイダンスの主題を再考し、記事のタイトルを付け直すことと致しました。

http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1727194489/281

282: 魔貴 ◆MIMCibxNUsDm  [sage] 2024/11/22(金) 07:54:33.20 ID:+oBYqcdv0

sssp://img.5ch.net/ico/boruzyoa2.gif
第百十八回配信『更に三十年が経ちました』
(副題)『困ったときのお母さん』vol.2

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自主的に謹慎している最中(さなか)流していたラジオドラマ。録音されているのは人間と兵器が織り成す悲喜交交を描いた作品『宮崎駿の雑想ノート』。
その第五話「知られざる巨人の末弟」というお話からエピソードを拝借します。

1995年(放送当時)は阪神淡路大震災とオウム真理教のテロ事件が起きた年です。戦後五十年が経ち、戦後復興から急成長急拡大した無理が祟り、弱者にしわ寄せがいっても見えないフリをしていたそのツケが、一気に噴出したかのような年でした。

登場人物の青年はそんな日本に嫌気がさし、いまだ戦火の絶えないヨーロッパへ行き戦場ツアーに参加します。実際に当時は戦争のリアルを知らず、戦地に見学ツアーに出かける若者や軍事マニアがままいました。
95年当時といえばクロアチアなどバルカン半島できな臭い紛争の匂いが漂っていました。物語の青年もクロアチアに入り観光バスで前線に向かうのですが、そのバスがロケット砲を被弾。ひとりバスから抜け出し戦場を走ります。助けを求める同じ穴のムジナ達から、地獄に引きずり込まれまいと夢中になって走ります。しかしそれも虚しく狙撃兵に撃たれ瀕死の状態になった時、どこからか鳥がやってきて青年に語りかけました。
それはヨーロッパの戦争の歴史を語る、ある小国の王でした。王の霊とのセッションでした。

その王は1901年ボストニア王国(注.恐らくボスニアのパロディだろうか)に生まれました。定められた運命に従い帝王学を学ぶことに飽き飽きとしていた若き王(王子)は、航空隊の練習機に乗せて貰った高揚感が忘れられず、それ以来ずっと飛行機で空を飛ぶことに憧れを持っていました。
第一次大戦後兄王が暗殺され18歳の若さで王位に就きます。第一次大戦後のヨーロッパはけして平和な世ではなく、新たな大戦に向けての準備期間でした。
ボストニア王は航空戦力の増強に力を入れました。しかしその実は、国家財政も顧みず、ただただ自国の空軍を航空博覧会場にするが如くでした。道楽が過ぎた王は陸軍の怒りを買い……。

半世紀に渡りヨーロッパの終わらぬ戦争を見てきた王は青年を諭します。こんなところで無駄な血を流すなと。そして、実体を持たない自分に代わり自分の声を未来へ届けて欲しいと願いました。

作中、王は、何世紀にも渡り若者が戦火に倒れ、その血を奪い吸い込んだ大地に言及していました。
畑の五大栄養素と言われているものは『リン酸』『窒素』『カリウム』『カルシウム』『マグネシウム』です。どれも人間の体にもある栄養素です。
何世紀にも渡り戦争を繰り返してきたヨーロッパ。大地に伏し息絶えた尋常ならざる人の数。

第二次大戦から五十年が経ち、、、
ヨーロッパの歴史の因果から、たまたまそのタイミングで紛争を起こしていたバルカン半島は、ヨーロッパで最初に農耕が根づいた地と言われています。肥沃な大地が広がっています。

1995年のラジオ放送から更に三十年が経ったいま、ヨーロッパではロシアとウクライナを舞台に戦争が繰り広げられています。ウクライナもまたヨーロッパ有数の穀倉地帯です。

そういえば当新聞の第八十一回配信でフランス国歌を取り上げました。リフレインされる部分の歌詞の意味が「行け！行け！奴らの血で田畑を満たせ」でした。フランスは言うまでもなくヨーロッパ最大の農業国です。

これは輪廻と言ってよいのでしょうか、、

人間が生きることの"業(ごう)"をそこに感じずにはいられません。

(レポート:ピンゾロの魔鬼(-□д□)✧)
(レポート:泣き虫のハチ<(　｡ - д -｡))

http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1727194489/282

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