[過去ログ] 【歴史】歴史教科書見直しに坂本龍馬末裔 「一体、何の権限で…」★3 (1002レス)
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432: 名無しさん@1周年 2017/12/01(金)17:08 ID:efa3m9aD0(1/4) AAS
女人禁制の山に女房連れて行って夫婦喧嘩
ピストルぶっぱなして案内の10歳の子供を泣かせ
謝ってイチャイチャして、御神体を引き抜き
その様子を絵図に書き手紙を姉に送るDQNバカッター
或日の龍馬 吉井勇
画像リンク[html]:kyukyo-do.cocolog-nifty.com
或る日のことだった。わたしはやっぱり坂本さんに伴れられて、いつもの森に出懸けて往った。
その日はぽかぽか温かい、木の芽の匂がぷんと漂って來るやうな日で、目の前に聳えてゐる
霧島山の山の襞さへはっきりと分る位、空はからりと晴れ渡ってゐた。が、坂本さん夫婦の間には、
何か氣まづいことでもあったらしく、二人とも妙に沈んでゐるのが、子供の私にもはっきりと分った。
いつもの森に來たけれども、その日は如何したものだか、まるで小鳥の影さへなかった。
何處かで囀る聲だけが聴こえて、姿がまるで見えないのだから、機嫌の惡い坂本さんは、
一層苛苛(いらいら)して來たらしく、だんだん顔が蒼ざめて來ると同時に、蟀谷(こめかみ)のあたりがぴくぴく動いた。
『お龍さん。』
坂本さんは何を思ったか、さう呻くやうにお龍さんの名を呼んでから、突然森の奥の方を目蒐(めが)けて、
續けざまにピストルを二三發撃った。で、暫くじっと凄まじい反響(こだま)の音に耳を傾けてゐたが、
急に體を搖り上げるやうにして、大きな聲を立てて笑ひ出した。
『はゝゝゝゝ、もういいよ。もういいよ。お龍さん。さあ、仲直りをしよう。』
お龍さんの手をじっと握った坂本さんの目からは、私に取っては思ひがけない涙が、とめどなく頬を傳って流れ落ちた。
私達はそれからまた更に山奥の霧島温泉に往き、坂本さん夫婦はそこにゐる間に、二人きりで
霧島山に登った。その時は二人もう仲が好くって、降りて來てから父に向って、頂上に立ってゐる
天(あま)の逆鉾を、二人で抜いて見たと云ふことなぞを、笑ひながら話してゐた。
私は坂本さんと云ふと、きっとあのピストルの音を思ひ出す。その後もう六十數年經ってゐるが、
未だあの時聴いたピストルの音は、ありありと耳の底に殘ってゐるやうな氣がする。
――――――――――――――
父はひどく衰へてゐたが、この話をする時には、微かに頬に血の色が見え、目には涙が光ってゐた。
それを見てゐると私の目には、父の少年時代のいたいけな姿が、幻のやうに浮かんで來た。(終)
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