ここだけ異能と魔術の洋上学園都市 (1000レス)
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946(1): ◆95S72tfpdk 20/03/29(日)03:17 ID:1Qy(9/14) AAS
>>944
「――――昼後様、私は」
右手に握り締めた鉈を、自身の腕へと叩きつける。
どうにかして覚醒状態を保たねばならない。そうでなければ役目を果たすことが出来ない。
痛みが何なのか認識できていない。だがそれに頼らなければ、意識を保つことが出来ないと――――
「貴方に、褒めて……もらいたいのです……が……」
帰還することが出来ない。この魔導兵器を持ち帰ることが出来ない。褒めてもらうことが出来ない。
これは、何なのだろう。この環状は何なのだろう。分からない。分からないが、きっとこれは特別だと思う。
自分の頭の中をそれだけが締めていく。それさえ達成できれば後はどうでもいい。
階差機関さえ無事ならば、いくらでも取り返しがつく人形の身体だから。そういうものであるわけでもない。
省8
947(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)03:26 ID:Z1s(5/5) AAS
>>946
「一体どういう…」
人形が少女に変わり役目を終えたかのように本がまた其処にある。
間違いなくこれが確保すべき死守すべき代物なのだろう。
拾い上げ、さてどう動くかと思った矢先に足がもつれ倒れこむ。
「……やべぇな、これ」
外はどうなっただろうか。
騒動が収まれば誰かが此処にやってくる可能性もゼロではない。
問題はそれが敵か味方か皆目見当がつかない点であって。
「運任せか、アイツが来てくれりゃあ御の字なんだが…」
省2
948: ◆95S72tfpdk 20/03/29(日)03:32 ID:1Qy(10/14) AAS
>>947
/それでは〆ということで
/お付き合い頂きありがとうございました、お疲れさまでした
949(1): 押井 眞子 ◆vplVQ5Q2UQHz 20/03/29(日)04:01 ID:fFP(3/4) AAS
>>945
「Shut up,Punk!」
無数の弾丸が、眞子へと襲い来る。
圧倒的物量、圧倒的火力。まさしく人一人を消しさるには、過剰すぎる火力。
ただの教師ならばひとたまりもないだろう。
しかし、押井眞子はGTO(グレートティーチャー押井)。賭けのテーブルに乗るだけの奥の手は残している。
「借りるわよ、昼後君」
「収納」の術式が刻まれたタトゥーシールから、一本の杖を取り出す。
「朔の杖」────先日遭遇し指導を行った黎明協会の構成員の一人、昼後葵が落とした品だ。
その効果、魔力増幅は確認済み。だが、過剰稼働状態での使用は試していないぶっつけ本番。
省19
950(1): ◆95S72tfpdk 20/03/29(日)04:40 ID:1Qy(11/14) AAS
>>949
「ああ、ここに居ては巻き込まれてしまうか」
岩倉は、ゆっくりと心臓から下りた。
自分が誘導するまでもなく、そちらへと向かってくれるのであれば、最早ここに立っている必要もない。
後はこれを“上手くやる”事だけだ。目的はその殆どを達成したと言っていい。言葉遊びは、ここで終わりだ。
「木っ端作家の生み出した、下らん怪物の、羽一つを破壊するのに」
この天変夜明要塞《黄金》自体を弾頭とする――――それは岩倉具視も思いすらしなかったことだ。
空を舞う《黄金》へと向かった時、岩倉は落胆した。それは“単独で破壊できる存在ではない”。
それは、彼女の今の行動を見て尚変わらぬ結論である。聳え立つ事実である。個人が兵器に勝利することが出来る事実など存在しない。
だからこそ、《黄金》は強大極まる天変の革命要塞であるのだから。
省18
951: 押井 眞子 ◆vplVQ5Q2UQHz 20/03/29(日)05:22 ID:fFP(4/4) AAS
>>950
「Hmm.Perfectとは行かなかったわね……痛っ」
要塞を叩きこんだのち、適当な建物の屋上へと着地し、眞子の授業もとい過剰稼働は終了する。アドレナリンが切れたのか、無茶の反動か、疲労感と痛みが一気に襲い掛かる。
不審者と要塞、両方一度に片づけることは叶わなかった。今後の課題とするべきだろう。
並の戦艦なら沈没させうるだけの過剰火力、本体までダメージを与えられていれば御の字だが、それを今すぐ確かめるのは難しいか。
「誉めてくれてありがと。次は粋がらず年相応の振る舞いとして、自慢の墓石と一緒にお墓に戻ってくれたらもっとうれしいわ。Old punk(不良ジジイ)」
煙と共に去っていく彼に向ける言葉は、先日同盟を組んだ英国の名探偵のそれと比較すれば、些か直球のアメリカンスタイルといったところか。
省5
952: ◆95S72tfpdk 20/03/29(日)14:31 ID:1Qy(12/14) AAS
邪神戦艦の進行が止まった。
その巨体を動作させる機関構成が完全に破壊されたことで、その肉塊は完全な崩壊へと導かれる。
同時にばら撒かれた眷属達が、壊死していく。急速な停止と同時に、組織の崩壊。まるで灰にでも変化するように文字通り消滅していく。
そしてその巨体もまた、同様に。解けるように消え散っていく。
進行を続けていた両足が中程から圧し折れて、そこに崩折れる。
崩壊とともに轟音を鳴らし、中途から真っ二つに粉砕された。
邪神戦艦アル・アジフ。その中枢であるラヴクラフトの存在とともに、その形を保つことが出来ずに。
「さようなら、ラヴクラフト。さようなら、哀れな幻想作家」
自らが生み出した幻想とともに、無貌とも、白痴とも、それらと共に撹拌していく。
省13
953(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)21:13 ID:ifW(1/5) AAS
斯くして邪神の信仰は終端に至り、戦艦の侵攻による終末は免れた。
破壊の足跡、塵に溶けた幻想、一先ずの収束。数日も経てば最低限の始末が為され、生々しい犠牲の痕は見当たらない。
それでも噛み砕かれた瓦礫や踏み躙られた血痕は、未だ瘡蓋のようにじっとりと大地に張り付いていた。
「…………思ったより、何もないんだ」
規制を悠然と、尚且つ密に潜り抜けて。肉塊が瓦解した、鉄臭さの名残る場所に佇む。
確固とした理屈に基づいた行動ではなかったから、たかだか物見遊山だと指摘されれば成る程否定はできない。
しかし廃墟を眺める縞瑪瑙よりも複雑な虹彩は、深く沈溺した色を孕み。白髪に彩なす赤い房は追悼に流す血を思わせる。
夕鈍の空、雫が罅割れた道路を叩く。どうやら夕立の足音がすぐそこまで迫っているようだった。
954(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)21:55 ID:1Jb(1/4) AAS
>>953
「思ったよりも酷えなこりゃ…ホント読み間違えなくて良かったぜ」
周囲を見回しながら頭や首や腕に包帯を巻いたジャージ姿の少年が瓦礫の間を行く。
「ん?」
騒動が起きた矢先に大階差機関へと向かった少年は外の状況をしらぬまま病院送り。
数日経った事もあり様子見がてらブラブラと無目的に歩いていた少年は淡島を見つけ立ち止まった。
「よぉ、こんな所で散歩かい?」
省1
955(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)22:18 ID:ifW(2/5) AAS
>>954
声をかけられてから振り返るまでの時間は、実に緩慢としたものだった。
こんな時でも制服で出歩いている彼女は、一応は同学年であるからその顔と名前に心当たりがあるかもしれないが。
「……うん。あれからどうなったのか、少し興味があったからね 」
彼女の方は特段何かしらの反応を見せはせず。惨状の跡形を目の当たりにしていても、その面持ちは無表情であった。
蒼紅の瞳が、あちこちに負傷の証を残す身体をじっと見て。
「きみこそ、こんな所を彷徨いていいの?その怪我、入院していてもおかしくないでしょ」
安静を謳い、無用な外出を咎める声色ではなかった。それにしては平坦が過ぎる調子だったからだ。
故に揶揄っているようでもなく。総じて言えば、何を考えているのか非常に分かりづらい言動だった。
956(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)22:28 ID:1Jb(2/4) AAS
>>955
「淡島、だっけ?そっか、まあ気になるよな?」
相手の顔と名前くらいには心当たりがあった。
交流らしい交流はこれが初めてになるだろう。
なるほど、自分だって様子が気になって出てきたのだから何もおかしくはないと。
「ん?今は俺よりベッドが必要そうなのがいっぱいいるからな。
ちょっと気を利かせてコッチから自主的に退院してやったんだ」
身体を鉈で削がれ、銃弾で穿たれ、更には激しい動きまでして。
通常であれば数日程度で如何にかなるような怪我ではないのだが少年は出歩ける。
「そっちは怪我とかしてねえか?結構酷かったんだろ、騒ぎ」
957(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)22:48 ID:ifW(3/5) AAS
>>956
「そうだね……本当は花でも持って来ればよかったんだろうけれど」
一度沈黙を挟み何度か瞬きをして、結局何事もなかったかのように言葉を続ける。顔は見知っているけれど、名前は思い出せない時のそれに近かった。
視線をまた虚空、邪神戦艦の通り道だった瓦礫の空白にやったのも、それに拍車をかけているような。
「ふうん……抜け出したんだね、いけないんだ。本当に平気なの?」
迂遠な言い回しを明快に解釈して、包帯の巻いてある腕に手を伸ばせば怪我の具合を確かめるべく皮膚を摘もうと。
本人は無自覚にやっているが薄皮を抓る、無傷でも普通に痛いやつである。
「うん、わたしは大丈夫。反対側にいたからね。困ったのは、騒がしくて眠れなかったくらいかな」
958(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)22:55 ID:1Jb(3/4) AAS
>>957
「花か、その発想はなかったな…やっぱり人の在り様には程遠いな」
少々難しい顔になる少年。
何か思うところがあったらしく。
「ちょ、ま、それ普通に痛あだだだだだ!」
ぺしぺしぺしと指先が触れるか触れないかぐらいのスイングを繰り返し
皮膚を掴む指に抗議を繰り出す少年。
「ああ、寝れなくとも部屋で大人しくしてるほうが正解だったろうな。
下手に出歩いたせいで此の様だもんよ。我ながら馬鹿なことやっちまったよなあ」
省2
959(2): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/29(日)23:01 ID:1Qy(13/14) AAS
夜の帳下りきった真夜中、瓦礫の山を歩く少女が一人。
短いブロンドの髪に、赤と青のオッドアイ。小柄な身体に、英国陸軍の真っ赤な軍服をきっちり着込んでいた。
その手には何かを持つでもない。ただ、破壊された家屋の瓦礫を、その素手で掴んでは、放っていた。
そしてそれを幾度か繰り返した後、その中から人一人程度の大きさの、動かない物を抱えて、被害の少ない表へと並べる。
動揺の手段で並べられた死体が、そこには幾つも並んでいた。
960(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/29(日)23:09 ID:pro(1/2) AAS
>>959
治療といっても応急処置ではあったが、怪我の手当を終えたシャーロックは街道を歩いていた。
思案すべきことは沢山あれど、そもそも知らぬ存ぜぬ場所で事態が進んでいるという様相。
せめて、暴き立てた黎明術式をより完璧な形に仕上げる論理組立でもしよう───等と耽っていたら。
瓦礫の散乱する街道で見知った顔を見かけたものだから、取り敢えずは声をかけるのだ。
「やあやあ────存外、元気そうじゃないか」
悲惨な光景ではあるが────シャーロックにとっては故郷で一度経験したものであり、だからこそ表層的に平静と。
普段通りの微笑みを浮かべながら、かつて自分の命を狙った相手に碧眼を向けるのだった。
961(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)23:15 ID:ifW(4/5) AAS
>>958
何かを考えこむ苦い顔を伺いながら、気を遣っている様子は更々なく。
しかれどそれに対する疑問を口にする事はなかったから、慮ってはいるのかもしれなかった。
「やっぱり痛むんでしょ。勝手をやって悪化しても知らないよ」
どう考えても彼女の抓み方に問題があるのだが、しれっと訓戒する態度はごくごく平然としていて。
確信犯、とまではいかないが。案じているのと楽しんでいるのが、半々でもおかしくはない。
そも、それらを読み取るには表情が欠如しているのだが。温い風を送る抗議が掠める前に、すいと手を離した。
「その馬鹿な事のお陰で、被害が抑えられたんじゃないの」
「噂で聞いたよ。憲兵や軍隊の他に、一般人も色々と活躍したらしいね」
それに対して、やはりなんらかの感情を抱いているようには見えないが。
省2
962(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)23:22 ID:1Jb(4/4) AAS
>>961
「自己管理は出来る方だ、本当にやばかったら大人しく寝てるって」
痛むのはオメーのせいだよ!と吠えない辺り未だ本調子ではない。
どうにもこの手合いは知り合いを彷彿とさせるので然程気にもならないのではあるが。
「あー、何か頑張ってたらしいな?
俺は巻き込まれて怪我しただけだからホントに馬鹿やっただけだよ」
自分は何もしていない。あの日の事はそう言うことにした少年。
事実、目の前に広がっている惨状の痕は少年が大階差機関内部で体験した事とは無関係。
俺も頑張って大事なものを守ったんだぜ!と言える実感すらない。
963: 深山比良太◆fnkquv7jY2 20/03/29(日)23:34 ID:CtJ(1/2) AAS
>>959
「……あの悪夢も終わったんだな」
眷属の襲撃にあった街、復興が済んだとは言えない瓦礫の山の前で茫然と立ち尽くして一言つぶやく。
眷属によって命を奪われた無辜の人々のために彼が今、出来る事は祈る事だけであった
964: 深山比良太◆fnkquv7jY2 20/03/29(日)23:34 ID:CtJ(2/2) AAS
(しまった、安価消し忘れた)
965(1): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/29(日)23:37 ID:1Qy(14/14) AAS
>>960
暗澹たる空の下、その作業に没頭していたのは贖罪のつもりだろうか。とにかく、自分が出来ることをしたかった。
避難指示を下されると、そのために取り付けられた義手義足を使って病院を飛び出して、こうして外側に飛び出してきた。
邪神戦艦に対して大きな戦果を挙げるようなことはなかった。避難誘導と、眷属に対する指示で手一杯。
後はずっと、外でこうしている。昼間は建物の影で体を休めて、軍や警察の作業が終わる夜にこうして外で同じことをする。
それを繰り返していたのだが。
「――――シャーロック・ホームズ……!」
火事場泥棒にやってくる不届き者もそこには存在する。
そういう輩を追い払うのは手慣れたもの。然しそこに立っているのは、見知った顔ではないか。忘れるはずもない。
丹碧の瞳が揺れる。敵意はないが、果たして動揺の色が強かった。
省2
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