ここだけ異能と魔術の洋上学園都市 (1000レス)
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959(2): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/29(日)23:01 ID:1Qy(13/14) AAS
夜の帳下りきった真夜中、瓦礫の山を歩く少女が一人。
短いブロンドの髪に、赤と青のオッドアイ。小柄な身体に、英国陸軍の真っ赤な軍服をきっちり着込んでいた。
その手には何かを持つでもない。ただ、破壊された家屋の瓦礫を、その素手で掴んでは、放っていた。
そしてそれを幾度か繰り返した後、その中から人一人程度の大きさの、動かない物を抱えて、被害の少ない表へと並べる。
動揺の手段で並べられた死体が、そこには幾つも並んでいた。
960(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/29(日)23:09 ID:pro(1/2) AAS
>>959
治療といっても応急処置ではあったが、怪我の手当を終えたシャーロックは街道を歩いていた。
思案すべきことは沢山あれど、そもそも知らぬ存ぜぬ場所で事態が進んでいるという様相。
せめて、暴き立てた黎明術式をより完璧な形に仕上げる論理組立でもしよう───等と耽っていたら。
瓦礫の散乱する街道で見知った顔を見かけたものだから、取り敢えずは声をかけるのだ。
「やあやあ────存外、元気そうじゃないか」
悲惨な光景ではあるが────シャーロックにとっては故郷で一度経験したものであり、だからこそ表層的に平静と。
普段通りの微笑みを浮かべながら、かつて自分の命を狙った相手に碧眼を向けるのだった。
961(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)23:15 ID:ifW(4/5) AAS
>>958
何かを考えこむ苦い顔を伺いながら、気を遣っている様子は更々なく。
しかれどそれに対する疑問を口にする事はなかったから、慮ってはいるのかもしれなかった。
「やっぱり痛むんでしょ。勝手をやって悪化しても知らないよ」
どう考えても彼女の抓み方に問題があるのだが、しれっと訓戒する態度はごくごく平然としていて。
確信犯、とまではいかないが。案じているのと楽しんでいるのが、半々でもおかしくはない。
そも、それらを読み取るには表情が欠如しているのだが。温い風を送る抗議が掠める前に、すいと手を離した。
「その馬鹿な事のお陰で、被害が抑えられたんじゃないの」
「噂で聞いたよ。憲兵や軍隊の他に、一般人も色々と活躍したらしいね」
それに対して、やはりなんらかの感情を抱いているようには見えないが。
省2
962(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/29(日)23:22 ID:1Jb(4/4) AAS
>>961
「自己管理は出来る方だ、本当にやばかったら大人しく寝てるって」
痛むのはオメーのせいだよ!と吠えない辺り未だ本調子ではない。
どうにもこの手合いは知り合いを彷彿とさせるので然程気にもならないのではあるが。
「あー、何か頑張ってたらしいな?
俺は巻き込まれて怪我しただけだからホントに馬鹿やっただけだよ」
自分は何もしていない。あの日の事はそう言うことにした少年。
事実、目の前に広がっている惨状の痕は少年が大階差機関内部で体験した事とは無関係。
俺も頑張って大事なものを守ったんだぜ!と言える実感すらない。
963: 深山比良太◆fnkquv7jY2 20/03/29(日)23:34 ID:CtJ(1/2) AAS
>>959
「……あの悪夢も終わったんだな」
眷属の襲撃にあった街、復興が済んだとは言えない瓦礫の山の前で茫然と立ち尽くして一言つぶやく。
眷属によって命を奪われた無辜の人々のために彼が今、出来る事は祈る事だけであった
964: 深山比良太◆fnkquv7jY2 20/03/29(日)23:34 ID:CtJ(2/2) AAS
(しまった、安価消し忘れた)
965(1): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/29(日)23:37 ID:1Qy(14/14) AAS
>>960
暗澹たる空の下、その作業に没頭していたのは贖罪のつもりだろうか。とにかく、自分が出来ることをしたかった。
避難指示を下されると、そのために取り付けられた義手義足を使って病院を飛び出して、こうして外側に飛び出してきた。
邪神戦艦に対して大きな戦果を挙げるようなことはなかった。避難誘導と、眷属に対する指示で手一杯。
後はずっと、外でこうしている。昼間は建物の影で体を休めて、軍や警察の作業が終わる夜にこうして外で同じことをする。
それを繰り返していたのだが。
「――――シャーロック・ホームズ……!」
火事場泥棒にやってくる不届き者もそこには存在する。
そういう輩を追い払うのは手慣れたもの。然しそこに立っているのは、見知った顔ではないか。忘れるはずもない。
丹碧の瞳が揺れる。敵意はないが、果たして動揺の色が強かった。
省2
966(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/29(日)23:46 ID:ifW(5/5) AAS
>>962
自己評価に口を出せるほどに人となりを理解している訳ではないし、例えそこまでの付き合いがあったとしても。
それが極めて肝心であったり、揶揄い甲斐が期待できない限り、正論であろうと気が向かなければ突きつける気にはならない。そういう人間だった。
「それはお気の毒。生きているだけ幸運だよ」
だから怪我の仔細についても追及せず、降りかかった些細な不幸を不憫とするのみ。
一度も引っかかる事なく髪を通り抜けた指に視線を落とし、そのピントは目下の赤黒く汚れた地面へと。
「ああ、でも……自己管理をするなら、その日の天気も確認しておいた方がいいんじゃないかな」
白雨の兆しがすぐそこに迫る。天から雨雫が疎らに降り注いで、道路にいくつかの染みが生まれた。
それは何よりも唐突で、突発的で、何より急激だった。にも関わらず、少女は微かに微笑みを浮かべて。
省1
967(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/29(日)23:52 ID:pro(2/2) AAS
>>965
「ふむ、どうやら感動の再会とは行かないらしい。当然といえば当然か」
まあ、それに関してはシャーロックとて歓迎するような事象でもないが。
とは言え碧眼は彼女を捉えて、その姿をちらりと観察しただけで凡そは推測できる。
小さく溜息を零せば、シャーロックは飽くまで普段通りの自然体で言の葉を紡いでいく。
「庇護される側の人間が無理したところで、後々それを助ける人員に余計な負担を強いるだけだ
そうする理由は理解できるが、かといって看過するものでもない────まあ、言ったところで聞かないのだろうけど」
当然の正論を口にしつつも、それに対する返答も予想できるものだから、それ以上言及することもなく。
瓦礫の一つに腰を下ろして、ふうと溜息を零すのだ────驚いているのは彼女の方だろうから、落ち着くまではこうして寛いでおこう。
968(1): ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/30(月)00:20 ID:7ms(1) AAS
>>966
「おおっと、それはやばいな。流石に傘は持ってきていない」
空を見上げ言わんとするところを察する。
立ち上がり踵を返す。
「じゃあ帰るとするわ。学校…まあ数日中に再開するだろうしな、またな?」
少し急ぎ足でその場を後にするのだった。
969(1): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/30(月)00:26 ID:jGj(1/4) AAS
>>967
彼女の言う通り、その再開を素直に喜び合うような中ではないだろう。
洗脳の末、刃を向けて殺しにかかった相手だ。非があるのは自分であるのは分かっている。だが、いざこうして相対すると。
何を言えばいいのか分かっていても、その踏ん切りがつかない。
「わ、私は庇護される側なんかじゃない……!
それに、もう身体は復調してるんだ……お前の方こそ、それはどうなんだ」
実際、身体の傷は問題ないし、日常生活を送るのに問題はなかった。
手足に関してはぶっつけ本番でくっつけたが、問題なく動いている……というのが、メアリー・シェリーの言い分であるのだが。
そも、そうした不具の人間が戦っている事を指しているのだとしたら、まさにホームズの言うとおりで、何を言うことも出来ないが。
それよりも、生身の人間であるホームズの事が気になった。自分が与えた傷もそうだが、先の交戦による傷だ。
省14
970(1): 淡島豊雲野◆HnQRCeqIrM 20/03/30(月)00:40 ID:qqq(1) AAS
>>968
「そうそう、急がないと。その怪我で風邪までひいちゃあ、目も当てられないね」
なんて毛先を雨粒に委ねながら急かす声は、本当に僅かだが愉しげで。
自分は空模様の予報を知っていて尚、ここまで無手で来ているというのに。
その場から動こうともせず、まるで濡れ鼠になるのを心待ちにしているようでさえあった。
「うん。また、学校で。だからあまり無理をしちゃあいけないよ」
結局その背中が見えなくなり、全身が水を吸って重たくなっても立ち尽くしたまま。
恵水に溶けて混ざった血糊と土埃が流れていく。破壊の痕が洗われる様を、沈黙に身を包んで眺めていた。
//それではこの辺りで〆でしょうか!
//ロールありがとうございましたっ
971: ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/30(月)00:42 ID:dhV(1) AAS
>>970
/ありがとうございました
972(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/30(月)00:48 ID:9G7(1/3) AAS
AA省
973(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/30(月)01:11 ID:9G7(2/3) AAS
//すみません、凍結をお願いしてもよろしいでしょうか…?
974: メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/30(月)01:11 ID:jGj(2/4) AAS
>>973
/了解しました、こちらも凍結をお願いしたく思っていたところです
/明日はまた返信は夜からになると思います、一旦お疲れさまでした
975(1): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/30(月)01:15 ID:jGj(3/4) AAS
>>972
「……黎明式の仕組みを暴いた!? ……掠め取ったのか、それは!!」
あの、黎明式という存在について、メアリー・シェリーは情報を握っていない――――その式を埋め込まれていなかったということもあるが。
説明自体は受けたが、よく分からないという感想だった。……それを全くの情報もなしに、暴いたとは。
そしてエジソンと戦った上で、その電撃を見せられるということの意味に思い至らないほどに、阿呆ではない。
これに関しては、感嘆の声を挙げるしか無かった。はぁ、と思わず間抜けに声が出てしまうほどであった。
「……い、いいのか……? そ、そうか、良かった。私の識ることで良ければ、何でも話そう!」
思っていたよりもあっさりと受け入れられたことには、実に拍子抜けであったのだが。
ともあれその時は安堵した。拒絶されたとて自分一人でも動くつもりではあったものの、こうして協力関係が作れるのは心強い。
その時は単純に安心したのだが。
省14
976: ディ(以下略◆bKRvPQDCyg 20/03/30(月)21:05 ID:Tna(1) AAS
某日港倉庫群。
もともと荒廃していた一角は、
先の騒ぎで一層酷い状況であり、
修復の目途も立っていない有様であった。
「隔離されているこの状況下で海から来たって事は…連中のアジトは船か浮島なのかね?」
瓦礫の一つに腰かけ思案顔で海を見つめるのは、
頭や首や腕に包帯を巻いたジャージ姿の少年である。
「散った連中も町に潜んでいるのか、そもそも海に拠点があるのか…
Mの書もまさか本当に本の形で存在してたとはなあ、てっきり人の形でもしてんのかと」
ブツブツと独り言としては大きな声で続ける。
省3
977(1): シャーロック・ホームズ◆KZ.unZS3k2 20/03/30(月)23:11 ID:9G7(3/3) AAS
>>975
「ははは、実際は張りぼての贋作だよこんなものは」
「しかし根本はアウトプットの仕方が特殊かつ量が膨大な計算式────存外
出力の手段だけ確立させて、後は階差機関に演算を放り投げさえすれば、誰にでも扱える術と成り得るかも知れない」
こんな台詞を黎明機関の誰かに聞かれたら、それこそ背中を刺されてしまうかもしれないが。
そもそもが発明王を徹底的に煽り倒したこの少女であるからにして、今更そのようなことに気にかける道理もない。
とはいえ、そのような真似をする必要があるかどうかはまた別の話────それでも準備くらいは進めてもいいかもしれないが。
嫌いかと問われたならば、心底不思議そうに首を傾げる。
はて、今の台詞のどこに彼女を蔑ろにする要因が含まれていただろうか────これは難問である。
「嫌いだって?まさか」
省14
978(2): メアリー・シェリー◆95S72tfpdk 20/03/30(月)23:49 ID:jGj(4/4) AAS
>>977
「……ど、何処で聞かれてるかわからないんだぞ。
よくそこまで言えるな……でも確かに、実際それらしい話をしていた」
それが数式であるならば、階差機関を以て計算を代替させることが出来る――――というのは、的中した話である。
実際に英国学園都市を地獄に陥れた切っ掛けは、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンがとある数式を大階差機関に実行させたことにある。
数式とは、誰もが正しく解けばそのように答えを出すものだ。そしてだからこそ、それらは数式と例えられるのだから。
「……その興味って、私が持ってる情報だけなんじゃ……」
そうは言っても、メアリー・シェリーにとっては彼女が余りに端的に答えのみを追い求めているように見える。
そう思うこと自体は仕方ないが、そうも露骨に態度に出されると流石に傷つく……というのは、思考方向の差であるのだろう。
メアリー・シェリーは情緒を何より大切とする。その情緒は後に繋がり、作家として大成するかもしれない。その程度の敏感を有している。
省17
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