[過去ログ] 酒の肴に小説を。 (1000レス)
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13: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:59 ID:dcl(13/44) AAS
人が龍になる奇病、通称龍病はこの大陸を席巻したのは5年前。
この国セントラルの約4割の国民が発病したと言われている。
感染経路並びに発症理由は一切不明のまま、龍病は国民に蔓延した。
龍病に罹患した患者は、
最初は足に鱗の様な発疹が出来る。
鱗は、おおよそ2日ほどかけて全身に鱗が回る。
この時罹患した患者は、足に鱗が出来たときは意識はあるが、上半身に症状が移行してくるにしたがって意識を失う。
全身に鱗が回った患者はだいたい6時間から8時間程度かけて巨大化。
省2
14: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:59 ID:dcl(14/44) AAS
完全に龍化した患者は自我を失い襲いかる。
全てを忘れ親い人に、動く物が全てに襲いかる。
15: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:00 ID:dcl(15/44) AAS
龍病発症を発端とし王朝は瓦解。
当時の軍部はある施設に避難。
国民を誘導し被害を最小限に食い止めようと奮闘する。
首都を占領する荒れ狂う龍から、軍と生き残った国民とで実行した"必死の作戦"によって首都と王朝の奪還に成功。
その後軍部は暫定政府となった。
元々テロ対策で建てて有った都市部や農村漁村は高い壁で街を囲って有ったのが、その壁は龍避けの壁となって機能する。
16: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:01 ID:dcl(16/44) AAS
僕は2杯目を頼む。
店員はバーボンをグラスに注ぐ
手慣れた手つきは鮮やかで無駄がない。
グラスに僕の前に起く。
「そういや、前の担当だった岩のようにゴツい旦那は?」
「それが行方不明なんですよね。
今回の伝令が遅れたのもそれが原因でして。
僕はこの地区を担する事になった後任のアレフ ストーンと言います。」
店員は強張った表情をする。
「あの旦那は行方不明なんですかい?」
省16
17: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:01 ID:dcl(17/44) AAS
龍の排除に成功し居住空間を高い壁で被い、生活の安全は確保出来たが、困窮したのは物流だった。
壁の外は龍が物流の行く手を阻む。
暫定政府は物流の為に各都市や村や街に軍隊で護衛し、物流と国民の安全を確保しようと試みた。
この目論みは成功する。
物流の為のに暫定政府と各都市や村と街に伝令を伝える役割を持つのが"白い鳩"である。
省2
18: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:02 ID:dcl(18/44) AAS
農耕の街の名物のバーボンでふわふわと酔った僕は夜道を歩いていた。
政府の総合屯所がないこの村では僕は首領の屋敷に滞在していた。
月の綺麗な夜だった。
遠くで地鳴りの様な唸り声が聞こえる。
龍が吠えているんだろう。
ふわふわと酒に酔った僕は首領邸の帰路に付く。
深夜にも関わらず首領は起きていた。
強かに酔っ払った僕を見て、あからさまに嫌な顔をする執事に僕は部屋まで案内される。
案内の途中で廊下出会った首領は見るからに仕立てが良さそうな、ガウンに身を包んでいた。
省7
19: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:03 ID:dcl(19/44) AAS
昼近くに起き出した僕は屋敷のダイニングで執事にブランチを頼んだ。
昨日の醜態を晒したせいか執事の態度は素っ気ない。
「かしこまりました。」
その一言で顔も録に見ずに出ていく。
暫くしてからメイドが僕のブランチを乗せた、銀色のカートを押しながらやって来た。
省25
20: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:04 ID:dcl(20/44) AAS
ブランチを食べて僕は屋敷の外に出た。
酒場に行くのは早い時間で、僕は当てどなくブラつく。
小麦畑の稜線が眼下に広がる。
さらさらと風が流れる。
長閑だ。
僕は取り敢えず酒場の有る市場の方に足を向ける。
ガヤガヤと喧騒に包まれた市場で一人の少年に出会う。
市場をキョロキョロと辺りを見回しながら少年は歩いていた。
僕は迷子だと思い声を掛ける。
省22
21: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:05 ID:dcl(21/44) AAS
オープンテラスの飯屋のテラス席に腰掛け僕と少年は向き合って座っていた。
まだおくびが止まらない少年は他の客から注目されていた。
僕は気まずい。
「なんでも食べてね」
少年はメニューを読めなかった。
僕はウエイトレスをを呼び、この店のお薦めとコーヒーを注文する。
省13
22: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:07 ID:dcl(22/44) AAS
少年の食事が終わり、少年は僕に小さく
「ありがとう」
と呟いた。
何から聞いて言いか解らない僕は当たり障りのない質問から始める。
「名前は?」
省23
23: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:07 ID:dcl(23/44) AAS
最後はやはり聞き取れない。
前言撤回。僕に憲兵は無理だ。
泣き出すデュークに飯屋の他の客から注目を浴びて僕は座りが悪い。
しかし話を聞かない訳にはいかなかった。
意を決して僕はデュークに問う。
省4
24: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:08 ID:dcl(24/44) AAS
一通り説明を受けて大筋は理解した。
デュークには父親が居ない事。
デュークの母親は男の家に入り浸ってる事。
母親はパンを置いて行ったので一昨日はそれを食べた事。
昨日からは何も食べて居なかった事。
省5
25: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:08 ID:dcl(25/44) AAS
デュークは説明の中で母親に何日間も置いて行かれ、それでも母親に対して愚痴1つ言わなかった。
デュークは続ける。
「僕が悪かったんだ。
言い付け破って外に出たから、ママはまた帰って来なくなっちゃったんだ………
もう帰って来ないのかな……」
ウエイトレスがアイスクリームを持ってやって来た。
デュークの前にそっとアイスクリームを置く。
省11
26: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:09 ID:dcl(26/44) AAS
おくびが止まらないデュークに、僕はアイスクリームを薦める。
スプーンでアイスクリームを震える手で掬うデュークを僕は黙って見ていた。
通りの方から派手な格好の女が視界に入った。
女は真っ直ぐ僕達のテーブルに近づいてくる。
女は僕達のテーブルまでやって来て頭を下げる。
「すみません。
うちの子が"白い鳩"さんにとんだ迷惑をお掛けしまして。
私もデュークを探しておりまして、困っていた所だったんです。」
省7
27: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:10 ID:dcl(27/44) AAS
女は派手な格好に遜色ないくらいの派手なバッグに財布を出すのだろう。バッグに手をかける。
「探していらっしゃったんですか?
それはそれは御心配をお掛けして申し訳なかったです。
それに礼には及びませんよ。
この子は僕のコーヒーの相手をしていただけですから。
食指代は結構です。
愉しい一時でした。」
女の顔を見ながら僕は制止する。
「あらっ
そう言って頂けるるなら御言葉に甘えさせて頂きます。
省19
28: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:11 ID:dcl(28/44) AAS
その後僕は酒場行き地元の客と他愛のない話をしながら酒を呑んだ。
酔っ払って首領邸に帰宅後首領からふたたび、有難い進言を受けた。
「小麦の政府買い取り価格を2割減にしろとは政府のお役人達は、我々に…………」
お約束。
カンベンしてください。
僕は涙が溢れないように天井を見上げる。
29: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:11 ID:dcl(29/44) AAS
昼近くに起き出しダイニングで昨日のメイドから
ブランチの用意をしてもらう。
僕はメイドのプロフィールを聞き出す事に成功する。
メイドの名前はターニァ。
今年で9歳。
うん。
やはり後10年待つとしよう。
食事後は屋敷を出て市場の方に向かう。
省11
30: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:12 ID:dcl(30/44) AAS
翌日僕はデュークの家のドアの前に立っていた。
昼下がりで、風が気持ちのいい午後だった。
僕はデュークの家のドアを叩く。
反応がない。
一呼吸空けてからふたたびドアを叩く。
省8
31: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:13 ID:dcl(31/44) AAS
ララは市場の喧騒の中を歩いていた。
彼氏の家から3日ぶりに帰る途中だ。
息子は3日前に家に置いて来たきり会っていない。
あいつが居なければ今頃まだ彼氏の家に居れたのに………
パンは一日分だけ置いてきた。
省13
32: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:14 ID:dcl(32/44) AAS
市場を抜け人通りが少なくなった所でデュークが困った様な顔でララを見た。
「ごめんね。
僕。
また外に出ちゃったんだ………
お腹がね……空いたから…
ママを……探しにいこうおと思って………
ママに会いたいし………」
デュークは今に間も泣き出しそうだ。
ララは辺りを見回す。
人の影が無いことを確認してからデュークの頬を思いっきりぶった。
省11
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