[過去ログ] 酒の肴に小説を。 (1000レス)
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1: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:40 ID:dcl(1/44) AAS
このお話は

ニュー速VIP
"酒呑んでるんだけど"のスレッドから始まりました。

稚拙な文章でお恥ずかしい限りですが、約束なのでここに記載します。
このお話の続きは要望がもしも有ったら書くことにします。

いつも遊んでくれる。
踊るクズ(ショート)
五時半
扉あけたら誰もいないれす
鬱で禁酒の女装
省17
2: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:43 ID:dcl(2/44) AAS
雲一つない晴天、地平線まで続く草原。
陽炎に揺れる彼方に街の時計塔が見える。
その中、一際目立つ銀色の巨体が街へ向けて進撃していた。
閉ざされた口から白い煙を漏らしながら太い四本足を踏み鳴らし猪突猛進の如く駆けていく。
鱗から垣間見える小さな両眼は真紅の炎に燃えており、巨体を揺らすたびに地響きが辺りを震撼させた。

「龍だ! 龍が現れやがった!」

監視をしていた門番はそう叫ぶと時計塔へと登った。
すぐさま街全体にけたたましく警鐘が鳴らされる。
民衆は悲鳴を上げながら地下のシェルターへと逃げ込んでいく。
ただ、混乱に乗じて街の外へ出る者が五人いた。
省9
3: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:51 ID:dcl(3/44) AAS
「大丈夫、対処法ならある。馬を連れて来てほしい」

 馬で草原を駆けている中、女リーダーは叫んだ。

「いいか、私が見るに奴の鎧は犀の角の様に鱗が異常硬質化し、それが太陽の光を反射して銀色に光っているだけだ」

彼女は腰の手榴弾を高々と掲げた。

「だったら手榴弾で鱗を爆破し筋肉を剥き出しにしてやればいい。特に足を狙うんだ、足を使えなくすればこちらの勝ちだから」
省10
4: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:52 ID:dcl(4/44) AAS
事の始まりは30年前まで遡る。

この国セントラルの北に位置する大国のスミノフから、天山ギムレットを踏破して1人の吟遊詩人がやって来た。
大国スミノフからは普通海路で往来するのが常だったが、吟遊詩人は天山ギムレットを越えてやって来た。
吟遊詩人は王朝へ招かれ事の次第を王に唄う。

スミノフは謎の奇病が蔓延してる。
スミノフ王朝は最早機能していない。
略奪、放火、強盗、殺人、飢餓。
人間のなんと脆い事でしょうと唄う。

この国の王は思い付く。
ギムレットを手中に入れるのは今しかない。
省1
5: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:53 ID:dcl(5/44) AAS
吟遊詩人はこの国の豪族の家に招かれ滞在した。
豪族の家人に唄を歌い。
街の人々にも唄を歌ってまわった。

暫く滞在した後、吟遊詩人は海を渡った東の島国剣菱に旅立つと告げ、島国剣菱との王家管轄定期貿易船に乗り込んだ。
穏やかな凪ぎの日の出港だった。
護衛艦付の出港だったにも関わらず貿易船は消息を絶った。
6: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:53 ID:dcl(6/44) AAS
大国スミノフに派兵された一個大隊は謎の勢力に押され兵を疲弊。
本国との連絡兵数名を残し大隊は消滅した。

以下は派兵された大隊から大本営に向けた定期連絡である。

首都圏は大きいヘビの用な生き物で埋め尽くされている。
人の姿は見られない。

大ヘビには
剣が効かない。
弓もだめだ。
爆薬でも致命傷を与える事は出来ない。

部隊の大半が消滅。
省4
7: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:54 ID:dcl(7/44) AAS
時同じくして西の砂漠の国イイチコの国王もスミノフを手中に納めるべく派兵。
結果は敗走という名の消滅だった。

イイチコ国王は未確認ながら敗走の原因は隣国のセントラルにあると考え宣戦布告をする。
長い争いの始まりだった。
8: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:55 ID:dcl(8/44) AAS
次第に戦火が激しさをましていくなか、異変が起きたのはセントラル国内だった。
吟遊詩人が滞在した豪族の一人娘フェアローゼスの足の皮膚が固く成ってくるという病状で苦しんだ。
固くなる範囲は徐々に上に向かい最後は全身が固くなった。
固くなった皮膚は鱗の用な形をしており、医者に見せても快調の兆しは見えなかった。
フェアローゼスは屋敷のベットに横たわり動かない。
豪族の家人は我が子の変貌に苦しんだ。
完全に娘が動かなく成った頃。
フェアローゼスの体が突然大きくなりだした。
大きく成るのは早かった。
一晩で大きなフェアローゼスの部屋の半分位まで大きくなった。
省4
9: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:55 ID:dcl(9/44) AAS
セントラルの至るところでこの病気の発症がみられ、ついにはセントラル国王も発症した。
衰退するセントラル。
逃げ惑う民衆。
襲いかかる病気と龍。
暫定政府も発足するが出来る対策は民衆を誘導する事で精一杯だった。

砂漠の国イイチコはこの機会を逃がさなかった。
1個師団をセントラルに派兵。
しかしセントラルに派兵した師団は消滅する。
イイチコ国はセントラルと同じ病魔に犯される運命を辿ると知らずに。
数名の連絡兵を残して。
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(1): 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:56 ID:dcl(10/44) AAS
発病を免れたセントラルとイイチコの大都市の南の民衆は森の国ウッドストックに亡命を希望。
しかし森の国ウッドストックはこれを拒否。

難民となる両国民衆。

難民となった民衆はちりじりに行動する。

セントラルとウッドストックの国境付近にある街に暮らし始める者。

東の島国剣菱を目指し出港する者。
省7
11: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:57 ID:dcl(11/44) AAS
愉しそうな喧騒の聞こえる酒場の前に僕は立っていた。

僕は一呼吸空けてから酒場のドアを開く。
キィとドアが鳴く。

一瞬だけ喧騒が止む。
皆が僕を見つめる。

僕が余所者だからだろう。

注目を浴びるのが苦手な僕は少し怯む。
省1
12: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:58 ID:dcl(12/44) AAS
街の規模から考えても大きい酒場だった。
テーブルが20ほどと、カウンター席が30席。
客入りは6割ほど。
客層は農耕の街らしく、みな浅黒く腕力には自信が有りそうな面子が揃っていた。

僕は空いてるカウンター席に腰掛け店員に酒を注文する。
すかさず正装した店員が氷入りのグラスにバーボンを注ぐ。
氷が軽く弾ける用な音がする。
その音を聞きながら僕は思う。

豊かな街だな。

店員が僕の前にグラスを静かに置く
省9
13: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:59 ID:dcl(13/44) AAS
人が龍になる奇病、通称龍病はこの大陸を席巻したのは5年前。
この国セントラルの約4割の国民が発病したと言われている。

感染経路並びに発症理由は一切不明のまま、龍病は国民に蔓延した。

龍病に罹患した患者は、
最初は足に鱗の様な発疹が出来る。
鱗は、おおよそ2日ほどかけて全身に鱗が回る。

この時罹患した患者は、足に鱗が出来たときは意識はあるが、上半身に症状が移行してくるにしたがって意識を失う。

全身に鱗が回った患者はだいたい6時間から8時間程度かけて巨大化。
省2
14: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)13:59 ID:dcl(14/44) AAS
完全に龍化した患者は自我を失い襲いかる。
全てを忘れ親い人に、動く物が全てに襲いかる。
15: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:00 ID:dcl(15/44) AAS
龍病発症を発端とし王朝は瓦解。

当時の軍部はある施設に避難。
国民を誘導し被害を最小限に食い止めようと奮闘する。

首都を占領する荒れ狂う龍から、軍と生き残った国民とで実行した"必死の作戦"によって首都と王朝の奪還に成功。

その後軍部は暫定政府となった。

元々テロ対策で建てて有った都市部や農村漁村は高い壁で街を囲って有ったのが、その壁は龍避けの壁となって機能する。
16: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:01 ID:dcl(16/44) AAS
僕は2杯目を頼む。
店員はバーボンをグラスに注ぐ
手慣れた手つきは鮮やかで無駄がない。
グラスに僕の前に起く。

「そういや、前の担当だった岩のようにゴツい旦那は?」

「それが行方不明なんですよね。
今回の伝令が遅れたのもそれが原因でして。
僕はこの地区を担する事になった後任のアレフ ストーンと言います。」

店員は強張った表情をする。

「あの旦那は行方不明なんですかい?」
省16
17: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:01 ID:dcl(17/44) AAS
龍の排除に成功し居住空間を高い壁で被い、生活の安全は確保出来たが、困窮したのは物流だった。

壁の外は龍が物流の行く手を阻む。

暫定政府は物流の為に各都市や村や街に軍隊で護衛し、物流と国民の安全を確保しようと試みた。

この目論みは成功する。

物流の為のに暫定政府と各都市や村と街に伝令を伝える役割を持つのが"白い鳩"である。
省2
18: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:02 ID:dcl(18/44) AAS
農耕の街の名物のバーボンでふわふわと酔った僕は夜道を歩いていた。
政府の総合屯所がないこの村では僕は首領の屋敷に滞在していた。

月の綺麗な夜だった。
遠くで地鳴りの様な唸り声が聞こえる。
龍が吠えているんだろう。
ふわふわと酒に酔った僕は首領邸の帰路に付く。

深夜にも関わらず首領は起きていた。

強かに酔っ払った僕を見て、あからさまに嫌な顔をする執事に僕は部屋まで案内される。

案内の途中で廊下出会った首領は見るからに仕立てが良さそうな、ガウンに身を包んでいた。
省7
19: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:03 ID:dcl(19/44) AAS
昼近くに起き出した僕は屋敷のダイニングで執事にブランチを頼んだ。

昨日の醜態を晒したせいか執事の態度は素っ気ない。

「かしこまりました。」

その一言で顔も録に見ずに出ていく。

暫くしてからメイドが僕のブランチを乗せた、銀色のカートを押しながらやって来た。
省25
20: 黒霧芋マスター 2015/03/31(火)14:04 ID:dcl(20/44) AAS
ブランチを食べて僕は屋敷の外に出た。
酒場に行くのは早い時間で、僕は当てどなくブラつく。

小麦畑の稜線が眼下に広がる。
さらさらと風が流れる。
長閑だ。
僕は取り敢えず酒場の有る市場の方に足を向ける。

ガヤガヤと喧騒に包まれた市場で一人の少年に出会う。

市場をキョロキョロと辺りを見回しながら少年は歩いていた。

僕は迷子だと思い声を掛ける。
省22
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