【民主主義】二強、アテネとスパルタ【軍国主義】 (95レス)
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63: [age] 2015/06/02(火)17:19 ID:zyO(1/6) AAS
岩波文庫のツーキューディデースの「戦史」(ペロポンネソス戦史)の第三巻(上中下の下巻)を読んでいると、アルキビアデースとニーキアスがシケリア遠征に関して、互いに賛成、反対の演説をしている。

アルキビアデースは遠征の提案者であり、ニーキアス将軍は反対派だ。

そのアルキビアデースの賛成演説は興味深い。百数十年後のエペイロスのピュロス王の戦略目標と似た本土ギリシャ人のイタリア観、シシリー観、アフリカ(カルタゴ)観が窺える。
64: [age] 2015/06/02(火)17:29 ID:zyO(2/6) AAS
ざっと、申すなら、ギリシャ本土の遠征軍が南伊、シシリーの有力諸都市を領有出来れば、その南岸のアフリカに立地するカルタゴ本国を征服出来る、と言うドミノ理論だ。

BC420年代に活躍したアルキビアデースとBC280年代に活躍したピュロス王の両者とも、シケリア、南伊を隷属させた本土遠征軍は易々とカルタゴ本国を征服出来ると構想しているのである。
これは当時の本土ギリシャ人の世界観では実現可能な、当然のドミノ理論であったようだ。
65: [age] 2015/06/02(火)17:42 ID:zyO(3/6) AAS
以上の前提に立って、岩波文庫「戦史」下巻のアルキビアデースのシケリア遠征演説を考察する。

アルキビアデースのシケリア遠征の真の目標である。

北アフリカ、シケリア(シシリー)、南伊の諸ポリスを併呑した後、それら隷属諸国から徴収した年賦金を以て、十万人の重装兵、数百隻の三段橈(どう)船を新たに編成する。
そうして、対スパルタ(ペロポンネソス同盟諸国)戦線に投入する、と言う構想である。
66: [age] 2015/06/02(火)17:58 ID:zyO(4/6) AAS
このアルキビアデースの演説の意味である。

これは、スパルタ本国とその与党であるペロポネーソス諸国に対抗するには、カルタゴ本国、シシリー全島、南伊ギリシャ諸都市の富(軍資金)を結集させる必要があると言う謂いである。
換言すれば、盟主スパルタ、その同盟諸国、コリントス、エーリス、テゲア、メガラ、シキュオーン、マンティネア、トロイゼーン、エピダウス、プレイウースetc.の実力は、(当時のギリシャ世界での常識に於ては)カルタゴ本国、全シシリー、全南伊の総力に匹敵すると思われていたのだ。
67: [age] 2015/06/02(火)18:00 ID:zyO(5/6) AAS

エピダウス X

エピダウロス ○

だった。惜しい。
68: [age] 2015/06/02(火)18:37 ID:zyO(6/6) AAS
時代は異なるが、BC六世紀前半、サモス島の僣主としてポリュクラトスと言う独裁者が君臨していた。
彼はエーゲ海の諸島の独裁者に過ぎなかったがエジプト王、アマシスと文通を交わす親友であった、とヘロドトスが記している。

同じヘロドトスの記述では、アテーナイの元執政官、ソローンは諸国漫遊の行脚を重ねる中で、リュディアの王、クロイソスに賓客として歓待されている。

すなわち、当時のギリシャのポリスは一国一国が領土国家、大帝国であるオリエントの君主たちと対等の誼を通じる独立独歩の気概を有していた事が分かるのである。
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