◆三島由紀夫の遺訓◆ (511レス)
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抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

346: 2011/04/30(土)11:02 ID:I/SlWehr(1/2) AAS
子供の遊びは無目的、それでいて真剣そのものでしょう。夕方、御飯になって遊びと別れるときの、あの辛さ、
ああいう辛さがなかったら、文学はビジネスにすぎなくなる。御飯は生活です。誰でも御飯はたべなくちゃならない。
しかし「御飯ですよ」と呼ばれるまで、御飯の時間を忘れていられるような真剣な遊びを毎日みつけなくてはね。

市民というものは何を売っても、肉をひさぐことはしない。しかし芸術家というものはそれをどうしても
やらなければならないんですね。そこに市民と芸術家のちがいがある。

色気があり過ぎてもだめ、なさ過ぎてもだめだと思いますが……。あまりあり過ぎると、女蕩(たら)しになる。
生活者になってしまうと思う。生活者になれない程度の色気のなさ、そうかといって考古学者にもなれない色気の
あり方、そういう微妙なところで小説は書けて行くのではないか。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より
347: 2011/04/30(土)11:04 ID:I/SlWehr(2/2) AAS
美は恐ろしいですよ。女も恐ろしいけど……。ただ市民は美を恐ろしいと思わない人種だと思うんだが、やはり
市民は電気冷蔵庫のデザインが美しいとか、1951年型の自動車のデザインが美しいとか、そういう
怖ろしくない美しか理解しない。自分の生活を脅かすようなものを決して美しいと思うな、というのが市民の
修身です。やはり美に脅かされるということが芸術家で、市民になれない最後の一線でしょう。

幸福というものは掴んだ瞬間になくなるからといって諦めるのは、卑怯だと思う。

大体、人体というこんな複雑な機械が故障なく動いてるということは幸福ですよ。そのためには一億くらいの
条件がそろわなければ、こんなことを喋っていられるコンディションにならないんだ。これはある意味で幸福だな。
第一、人間は幸福でなければ生きていませんよ。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より
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