ミカサ「この長い髪を切る頃には」 (933レス)
ミカサ「この長い髪を切る頃には」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/
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876: 滅炎 [] リヴァイ「順調にいってるぜ!」 エレン「気をつけてください…床にバナナの皮がありますから…」 ツルン http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/876
877: 進撃の名無し [sage] 集英高校だけに銀魂かしらん http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/877
878: 滅壊 [] 3年A組リヴァ八先生編 銀魂とパクリですか? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/878
879: 進撃の名無し [] 王宮は贅沢なパーティーを夜な夜な行っている。 しかしタイ王子はパーティーには出ない。部屋に籠って出てこない。 また、一人でパーティーに行かないといけないのか、と思うと気が重い。 レナ王女は一人でパーティーに出席する。その席で一人の召使いがドジをする。 召使い(エーレン)『あ、も、申し訳ありません!』 レナ(エレン)『いい。それよりそちらは怪我をされなかった?』 召使い(エーレン)『お、お気遣いは無用でございます!』 レナ(エレン)『あら、ダメよ。ちゃんと手当をしなければ。こちらにいらして』 控室に召使を連れていく。その様子をぎょっと見つめるギャラリー。 この時は私も背景のモブ役(当然、台詞はない)で舞台に立っていた。 大道具の腰ポーチを外して上から羽織るだけの衣装を着て、このシーンが終わったらすぐ元に戻る。 今のシーンを驚いて見ているだけのモブ役だ。これくらいなら私でも出来る。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/879
880: 進撃の名無し [] この事件を切っ掛けにレナ王女へ対する奇異な視線と風当りが酷くなり、王宮内では評判がガタ落ちする。 そんな非常に面倒臭い事態にレナ王女は辟易していた。 レナ(エレン)『この国の人々は下々に対する感謝の念という物を知らない』 レナ(エレン)『彼らに支えられているのは私達の方なのに』 レナ(エレン)『価値観がまるで違う。ああ、この国を好きになれる日が来るのだろうか?』 レナ(エレン)『帰りたい。あの風の美しい我が国に……』 レナ王女の葛藤。孤独な毎日。それを癒してくれるのは、自国から嫁入りの時に持ってきた、しゃべらないロボット。 自作のロボットだ。彼女は歌や踊りやおしゃべりよりも機械をいじる方が本当は好きなのだ。 丸い形をした可愛らしいロボットに愚痴を零す毎日。 嫁いだ先の夫はまともに相手をしてくれず、話しかけても喧嘩をするばかり。 タイ王子(ジャン)『だから、行きたくないなら無理してまでパーティーになんか出なくたっていいって前から言ってる。アレは兄上の趣味で行っているのだし、そこまで義理堅く、周りと交流なんてしなくていいんだよ!』 レナ(エレン)『しかし……一度くらい一緒に出て貰えませんか? 私達は夫婦として一度も公式の場に出ておりません。周りから何と言われているかご存じならば、せめて……』 タイ王子(ジャン)『言わせたい奴には言わせておけばいいんだ。こっちは忙しい。そんなくだらない事に時間を割かれるのはまっぴらだ。君は自由に過ごしてくれて構わないんだよ』 せめて王女としての役目を果たそうとするものの、タイ王子は結婚当初から頑なな態度を続ける。 そしてレナ王女はタイ王子が毎晩毎晩、何故引き籠っているのかこの時点ではまだ知らない。 レナ(エレン)『はあー分かりました。では私、そうさせて頂きます!』 バタン! また、同じ事の繰り返しだった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/880
881: 進撃の名無し [] レナ(エレン)『………一体どうしたらいいんだろう』 言い争った後にすぐ後悔する。これでは何の為に我慢してまでこの国に嫁いできたのか分からない。 レナ(エレン)『もういっそ、ここを脱走してやろうかしら』 でも、何処へ? 何も知らない異国の地で一人でどうやって生きるのだ。 籠の中に囚われたような気持ちになる。自由はあるようで、ここにはないのだ。 レナ(エレン)『外の……世界……か』 女性は男性のお供を無しに外出する事は許されない世界だ。 つまり既婚者は夫を共にしなければ、外に出る事も許されない。 夫に放っておかれるという事は、事実上、ただの籠の鳥と同じ。 レナ(エレン)『少しだけでいい。外の世界の空気を吸いたい……』 そう願い始めたレナ(エレン)は、呟く。 レナ(エレン)『あの鳥のように、自由に、空を……!』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/881
882: 進撃の名無し [] そして場転。 ここからはタイ王子の場面へ移る。 タイ王子(ジャン)『すまない。研究室(ラボ)に来る前に妻に捕まってしまってね。今日も小言を言われたよ』 技術屋(アーロン)『いいんですか? 新婚さんなのに』 タイ王子(ジャン)『構わんよ。今はこっちの方が自分の本当の妻のようなものだ』 技術屋(アーロン)『わはは! 王子は本当、酔狂なお方だね。ま、でもこいつに夢中になっちまうのは、技術屋としては共感できますが』 タイ王子(ジャン)『復元の方は出来そうか?』 技術屋(アーロン)『その点は心配いりません。原型はかなり残ってますし。文献も、正確ではない部分もあるでしょうが、8割方は残っています。ただ、この動力源として使われていたと思われる氷瀑石のガスに関してはわが国で採れる物ではないようです。代替エネルギーが必要でしょうね』 タイ王子(ジャン)『候補はいくつか絞れそうか?』 技術屋(アーロン)『その点も大丈夫でしょう。旧時代の発明品ですからね。いくつか改良点を加えて、軽量化も進めれば……人が人の力で空を飛ぶのに近い物は出来上がると思いますよ』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/882
883: 進撃の名無し [] そしてここから、回想シーン。 かつて。この世界の人類は巨人に支配されていた。 人々は巨人を恐れ、壁の中に安住の地を求めた。 しかし巨人との戦いの為に作られた『立体機動装置』が人類を反撃へと導く。 長い長い戦いの末…… 人類は巨人を滅ぼし、再びこの地に平和をもたらしたとされる。 (*このシーンは簡潔に映像を作ってスクリーンに映した。立体機動装置を使って、私が巨人(作り物)を切ったり、戦っているシーンをCGを使って映像化している。マーガレット先輩の作) 技術屋(アーロン)『しかし奥さんほったらかしにしてまで、どうしてこいつを作るんです? 私にはそこだけは理解出来ませんが』 タイ王子(ジャン)『……山を登る登山家は、何故山を登る?』 技術屋(アーロン)『そこに山があるから……ですか。なるほど。理屈じゃないんですね』 タイ王子(ジャン)『ああ。こいつを復元させることが出来れば……自分の力で空を飛ぶ事が出来るのかもしれない。そう想像すると、わくわくしてくるだろう?』 技術屋(アーロン)『まあ、気持ちは分かりますがね。完成品を使って、実際それを動かす段階になったら、まずは訓練している兵士にやらせて下さいね。いきなり本人が試運転して怪我されたら、こっちが困りますよ』 タイ王子(ジャン)『うっ……それは分かっているよ。大丈夫』 タイ王子(ジャン)『でも自分もいつか、この空を舞う、鳥のように、自由になってみたいんだよ』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/883
884: 進撃の名無し [] 再び、場転。レナ(エレン)のターン。 徹夜して王宮脱走計画を立てる(妄想)。スケッチブックに書き殴っている。 レナ(エレン)『うふふふ…ここをああしてこうして、こうすれば……出来る! 誰にも気づかれずに王宮を脱出する事が!』 レナ(エレン)『ただし! ここにそれを作る材料がない!』 レナ(エレン)『はあ……(がっくり)』 レナ(エレン)『妄想して発散したけど、一人では部品を買いに行くのすらままならない』 レナ(エレン)『せめて、ロボットのメンテナンス用の油くらいは、旦那様に買ってきて頂かないと…』 レナ(エレン)『………』 レナ(エレン)『もう朝の5時か……』 レナ(エレン)『せめてメモ書きでもドアに残して伝言しておきましょう』 メモ書きを持って、てくてくてく…。 レナ(エレン)『あら? タイ様のお部屋に明かりが……』 コンコン。 レナ(エレン)『また、徹夜されたのですか? タイ様』 タイ王子(ジャン)『あ、ああ……すまない。ついつい、研究の手を止められなくてね』 レナ(エレン)『以前から気になっていたのですが……一体何の研究をされているのですか?』 タイ王子(ジャン)『ん……女性にはあまり興味のない代物だよ。機械いじりだ』 レナ(エレン)『まあ! 一体、どんな機械をいじっているのですか?』 タイ王子(ジャン)『…………興味があるのかい?』 レナ(エレン)『ぜひ! 見せて下さい。私にも』 立体機動装置を二人で眺める。 レナ(エレン)『これは……見たことのない装置です。これは一体……』 タイ王子(ジャン)『だろうね。これは大昔、兵士が使っていたと言われる「立体機動装置」の原型だ』 タイ王子(ジャン)『その昔、人間は巨人と呼ばれる怪物に支配されていた時代があった』 タイ王子(ジャン)『それを絶滅させる為に人類が開発した装置、それがこの「立体機動装置」だ』 タイ王子(ジャン)『我が国に一つだけ残された、その原型がそれだ』 タイ王子(ジャン)『もう錆びている部分が殆どで、動力源も残っていないが、その構造自体は理解出来た』 タイ王子(ジャン)『だからそれを原型にして、もう少し軽量化して、長時間使える物を作れないかと思って、独自に研究していたんだ』 タイ王子(ジャン)『………まあ、何の為にやってるんだ、と突っ込まれたら「趣味だ」としか言えないんだけど』 レナ(エレン)『まあ……なんてロマンチックな研究! それなら是非、私にも手伝わせて下さい』 タイ王子(ジャン)『え?』 レナ(エレン)『私、機械をいじるのは得意なんです! こう見えても、工作が得意なんですよ!』 タイ王子(ジャン)『し、しかし……』 レナ(エレン)『着替えてきます! ああもう、こんなヒラヒラした服とはおさらばよ! うふふふ♪』 タイ王子(ジャン)『ちょ、ちょっと待ってくれ、レナ! その……気持ちは有難いが、知識のない人にあまり研究室に出入りされてもらっては……』 さあさあ来た。エレンがNGを連発した問題のシーンが。 ここからが、この劇が変わっていくポイントだ。ここを乗り切ればきっとうまくいく。 レナ(エレン)『!』 その時、思わぬハプニングが起きた。 タイ王子(ジャン)がレナ(エレン)の手を強く引っ張り過ぎたのか、レナ(エレン)の仮面の留め具が衝撃で緩んで、仮面がそこで外れてしまったのである。 火傷の言い訳は、実際にそういう特殊メイクをしている訳ではない。あくまで設定だ。 つまり、観客側にエレンのすっぴんがバレてしまった訳で。 こんなの、台本にはない。どどどどどどどうしよう?! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/884
885: 進撃の名無し [] カツーン…… 仮面が舞台に落ちる音がこだました。静寂が、辺りに波紋のように広がる。 ペトラ先輩は顔面蒼白だった。誰もが、言葉を出せなかった。 ここから先はエレンがどうにかするしかない。 エレンが劇を進めなければ、ここで全てが終わってしまう…。 エレンとジャンが見つめあう。 長い長い間のように感じたが、実際は10秒にも満たなかったそうだ。 とにかく劇中の私達はこの時、頭の中が真っ白で、何も考えられなかった。 ただ、エレンを除いて。 レナ(エレン)『あ! (指を適当にさす)』 タイ王子(ジャン)『え? (視線逸らす)』 レナ(エレン)『そ、そうですよね。ごめんなさい。私とした事が、はしたない真似をしてしまって。妻の領分を超えるところでしたわ(仮面をさっと拾って顔を隠す)』 タイ王子(ジャン)『え? え?』 レナ(エレン)『では後で、この油だけ買ってきて頂けませんか? 必要な物なので。お願いします。(メモを渡す)それでは、失礼致します! (ダッシュではける)』 タイ王子(ジャン)『れ、レナー?』 タイ王子(ジャン)『………触ってしまった』 タイ王子(ジャン)『この自分が、か?』 タイ王子(ジャン)『……………(真っ赤になる)』 タイ王子(ジャン)も逃げる。早歩きでレナ(エレン)とは反対側にはける。 戻ってきたエレンがペトラ先輩に小声で謝り倒していた。 エレン「すんません、まさか仮面が途中で外れるなんて思わなくて……大幅に台詞を変えたら減点対象になるし、あれ以上の事は出来なかったです(小声)」 ペトラ「上出来よエレン! 良く劇を止めなかった。本当にありがとう……(小声)」 オルオ「おい、でもこの後どうするんだ。台詞を替えずにこのまま話を進めたら、矛盾する箇所が出てくるぞ(小声)」 ペトラ「そそそそそうよね。タイ王子はレナの顔を見て惚れる訳じゃない。あくまで研究を通じて好きになっていくのに、こんなシーンがあったら、あの時素顔を見ちゃったから、好きになったように観客に思われる(小声)」 エレン「細かい部分は流れに任せましょう。今は、とにかくこのまま続けますよ! (小声)」 エレンの汗が凄かった。それはそうだ。ずっと仮面をつけていたのだ。 仮面のせいで顔は余計に蒸し暑く感じていたはずだ。 今は、その汗をタオルで軽く押さえてあげるくらいの事しかできない。 エレン「……サンキュ、ミカサ(小声)」 ミカサ「頑張って(小声)」 もうこの劇の行方はエレンのアドリブ力にかかってしまった。 乗り込んだ船だ。エレンの舵に任せるしかない。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/885
886: 進撃の名無し [sage] とりあえず、ここまで。続きはまた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/886
887: 進撃の名無し [] ジャンが再び舞台に戻る。 メモ紙を見つめながら、ブツブツ続ける。 タイ王子(ジャン)『この油は……食用油ではない。まさか、本当に? 彼女は機械工学に通じているのか?』 タイ王子(ジャン)『女性でありながら、こういった泥臭い作業が好きなのか?』 タイ王子(ジャン)『いや、でも、彼女はほぼ毎日パーティーには出席していた』 タイ王子(ジャン)『一人でも出席するくらいだ。パーティーが好きなのだろう』 タイ王子(ジャン)『……でもこんなマニアックな油の名前を、何故彼女が…』 タイ王子(ジャン)『分からない。分からない……』 ツナギ姿のレナ王女。ロボットの解体をしている。 タイ王子(ジャン)『?! レナ?!』 レナ(エレン)『あ、おかえりなさいませ、タイ様』 レナ(エレン)『油の方はございましたか?』 タイ王子(ジャン)『ああ、あったよ。それに使うのか?』 レナ(エレン)『ええ。動力部分に適度に油を刺さないと動きが悪くなるので』 そして再び組み立てて見せる。少し時間がかかる。かちゃかちゃと音がする。 レナ(エレン)『はい、完成です。見ててください。ちゃんと動くんですよ』 ウイーン…… これはアシモ君のような小さなロボットを想像して貰うと一番分かりやすいかもしれない。 スカーレット先輩が実際に作ったミニロボットだ。フィギュアとか立体造形に関してはスカーレット先輩はエキスパートなのである。 まさかロボットもいける口だとは知らなかったが、簡単な動き(手をあげたり足をあげたり)が出来る物を作った。 エレンが舞台上でやってるのは、油をさすふりをしながら、一回電池の蓋をあけて、また入れなおしている動作だけである。 タイ王子(ジャン)『おお?! これはすごい。動力源は一体……』 レナ(エレン)『サン・単電池という物です。太陽のエネルギーを蓄えて動力源にしているんですよ。我が国で独自に開発した技術を使っているんです』 タイ王子(ジャン)『…………』 タイ王子(ジャン)『レナ。君が機械に携われる知識を持っているというのは、どうやら本当のようだな』 レナ(エレン)『はい。あくまで基本的な部分ですが、助手程度であれば出来ると思いますが』 タイ王子(ジャン)『では、本当に………一緒に研究室に入ってもらえるのか?』 レナ(エレン)『むしろ、させて下さい。私にも触らせて下さい』 タイ王子(ジャン)『………分かった。では早速今日から、お願いするよ。レナ』 レナ(エレン)『はい!』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/887
888: 進撃の名無し [] それから数日間、夫婦は研究室に籠りっぱなしになり、滅多に人前に顔を出すことが無くなった。 そしてようやく研究の大枠が固まり、立体機動装置の改良版の試作品1号が完成する。 それが完成した時、やっと二人は外の光を目に入れた。 レナ(エレン)『うっ……眩しい』 睡眠不足の頭に朝日は眩しいものである。 タイ王子(ジャン)『ああ……でも、いい朝だ』 レナ(エレン)『あとはこれを実際に動かせるかどうか。協力して貰える兵士を募らないと……(ヨロッ)』 タイ王子(ジャン)『レナ! (支える)』 レナ(エレン)『!』 タイ王子(ジャン)『…………』 レナ(エレン)『だ、大丈夫ですよ(照れる)』 タイ王子(ジャン)『あ、す、すまない……つい(照れる)』 レナ(エレン)『ええっと、ちょっとお手洗いに……』 タイ王子(ジャン)『ああ……どうぞぞうぞ』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/888
889: 進撃の名無し [] むずがゆいシーンがきた。練習中はここもしょっちゅう、エレンが笑い出してしまってNGを連発したものである。 今では大分慣れたが、それでも見ている分にもむずむずするのは否めない。 そしてレナ(エレン)のお手洗い後のシーン。 ここの台詞が少しだけ矛盾点をはらんでしまう。エレンはどうするのか…。 レナ(エレン)『……………』 考え込んでいるようだ。大幅な台詞の改良は減点対象になる。 多少の語尾や言い回しの変更は許容範囲だが、劇の内容を変えるような物はNGだ。 レナ(エレン)『ああ、やっと。タイ様の素顔を見る事が出来た。こんな事ならもっと早く、旦那様の事をもっと知ろうとするべきだったわ』 レナ(エレン)『でも彼に本当の事を打ち明けなくて、いいの?』 レナ(エレン)『彼は本当の自分を見せてくれたのに。私は素顔を隠し続けたまま……』 レナ(エレン)『本当は火傷なんかしていない。アレは縁談を破談にさせる為の嘘だったのに』 レナ(エレン)『もし、彼にいつか、本当の事を知られてしまったら、どうしよう……』 というのが、本当の台本の台詞だ。 これはあくまで火傷のない素顔をタイ王子(ジャン)に知られてない事が前提の台詞まわしだ。 でもここをこのまま言ったら、『さっきバレたじゃん』という話になってしまう。 レナ(エレン)『……………』 エレンはどう、切り抜けるのか。頑張って……。祈るしかない。 レナ(エレン)『ああ、やっと。タイ様の素顔を見る事が出来た。こんな事ならもっと早く、旦那様の事をもっと知ろうとするべきだったわ』 レナ(エレン)『でも彼に本当の事を打ち明けなくて、いいの?』 レナ(エレン)『彼は本当の自分を見せてくれたのに。私は自分を隠し続けたまま……』 レナ(エレン)『本当は火傷なんかしていない。アレは縁談を破談にさせる為の嘘だったのに』 レナ(エレン)『もし、彼にいつか、本当の事を知られてしまったら、どうしよう……』 一部だけ変更した。素顔→自分を変えてきた。この程度の変更なら恐らく許容範囲だろう。 でも、自分を隠す? え? どこを隠しているの? レナもタイ王子に自分の趣味を曝け出したし、火傷のない顔もバレてしまった。 他に隠している事、あったかしら? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/889
890: 進撃の名無し [] レナ(エレン)『………いっそ、本当に火傷をするべきかしら』 レナ(エレン)『そうね。それが一番、いい方法なのかもしれない』 レナ(エレン)『でも、それが出来なかった私は、本当は臆病者なの』 レナ(エレン)『自分を傷つけるのは怖い、卑怯者』 レナ(エレン)『だから、逃げる事ばかり考える。空想するの。現実から、逃げる自分を』 レナ(エレン)『機械を弄っている時だけは、現実を忘れられる』 レナ(エレン)『夢中でいられる時間が終わると、急に夢から醒めてしまうのよ』 レナ(エレン)『ふー……』 レナ(エレン)『何だか頭がぼーっとするわ。寝不足ね』 レナ(エレン)『少し疲れちゃった。ラボで休ませて貰おう』 ラボに戻ると、タイ王子(ジャン)が先に仮眠用のベッドで眠っていた。 その隣でレナ(エレン)も眠る。そして、暗転へ移動した。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/890
891: 進撃の名無し [sage] 眠い。もう限界。寝ます。続きはまたね。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/891
892: 進撃の名無し [sage] 怒涛の更新ありがとう! いつも楽しみにしてる http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/892
893: 進撃の名無し [] そして少しの月日が流れ。 タイ王子(ジャン)『レナ』 レナ(エレン)『なんでしょう?』 タイ王子(ジャン)『やはり君は立体機動装置を使用するのはやめた方がいいのでは…』 レナ(エレン)『い、いやです! 絶対、完成したら私も一度、使ってみたいんです!』 タイ王子(ジャン)『しかし……いつまで逆さまでいる気だい?』 ブラーン…… レナ(エレン)が立体機動装置の訓練用の装置でひっくり返っている。 レナ(エレン)『うっ……今はバランスを取れませんが、いつかは必ず!』 タイ王子(ジャン)『でもなあ……やはりこの装置を使うにはある種の才能が必要なのかもしれないよ』 と、タイ王子(ジャン)がレナ(エレン)を元に戻してやるが、また、ブラーンと逆さまになってしまう。 タイ王子(ジャン)『ん?』 タイ王子(ジャン)『あ』 レナ(エレン)『え?』 タイ王子(ジャン)『すまない。良く見たら体を支える留め具が緩んでいたようだ。整備ミスだ。ちょっと一回、外すよ』 カチャカチャカチャ タイ王子(ジャン)『よし、これでいいはずだ。もう一回やりなおすぞ』 今度はちゃんと、レナ(エレン)はブランコのようにバランスを取れた。 レナ(エレン)『やった! これで私も、あの装置が完成したら使う事が出来ますね!』 タイ王子(ジャン)『………本当に大丈夫かな』 レナ(エレン)『文献に残っていた訓練方法がこれ、なんでしょう? 正確に再現して器具を作りましたし。大丈夫ですよ』 タイ王子(ジャン)『うん……』 レナ(エレン)『それに女性も多くこれを使って空を飛んでいた、とあります。大柄な男性より小柄な女性の方が使いやすいのかもしれないですよ?』 タイ王子(ジャン)『でも、失敗したら死ぬよ。確実に』 レナ(エレン)『そ、その為の訓練です。大丈夫です。私、毎日練習しますから』 タイ王子(ジャン)『………やれやれ』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/893
894: 進撃の名無し [] 場転。王宮内。 ライ王子(オルオ)がタイ王子(ジャン)に話しかける。 ライ王子(オルオ)『お、久しぶりだな。引きこもり王子』 タイ王子(ジャン)『兄上……お久しぶりでございます(ぺこり)』 ライ王子(オルオ)『夫婦そろって顔を全く見せないとは……アレか? 子作りにでも専念してんのか? (ウリウリ)』 タイ王子(ジャン)『はあ?! 何を馬鹿な事を言ってるんですか!』 ライ王子(オルオ)『隠すなよ〜夫婦で部屋で籠ってやる事なんてひとつだろう。ま、お前にはお似合いのお姫様なんだろ? どうなんだ? 夜の方は』 タイ王子(ジャン)『下世話な話はやめて頂きたいのですが、兄上』 ライ王子(オルオ)『おっと、お節介が過ぎたか。まあたまには俺のパーティーにも顔を出せ。出ないとますます誤解されるぞ。ふふふ』 と、意味深に笑ってからかって退場するライ王子(オルオ)。 タイ王子(ジャン)は仕方なく、一度だけ、レナ(エレン)とパーティーに出席する事を決意する。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/894
895: 進撃の名無し [] 場転。王宮内。夜のパーティー。 レナ(エレン)『……どういう風の吹き回しですか? あんなに嫌がっていたのに』 タイ王子(ジャン)『聞かないでくれ。とにかく、今夜だけは出る事にしたんだ』 レナ(エレン)『? はあ……』 はてなが浮かんだままのレナ(エレン)。 そして次から次へやってくる来賓の挨拶。それをにこやかに答えて対応するレナ(エレン)。 タイ王子(ジャン)の方はそっぽを向いて遠巻きにしている。 来賓1(マーガレット)『お初にお目にかかります。私、一度、レナ様とタイ王子様とずっとお会いしたかったのですわ。最近、なかなか顔をお見せ頂けなくて、とても残念でしたから余計に、今日という日を喜びに感じますわ』 レナ(エレン)『ありがとうございます。ずっと席を外していて申し訳なかったわ。いろいろ諸事情がありまして』 来賓1(マーガレット)『いえいえ、分かっていますのよ。新婚ですものね。みなまで、察しておりますわ。うふふふふ』 レナ(エレン)『?』 来賓1(マーガレット)『早く第一子の御子がお生まれになられると、きっと両国の陛下もお喜びになられると思いますわ。うふふ』 レナ(エレン)『え……っと……』 ここでようやく事情を察したレナ(エレン)。赤くなってタイ王子(ジャン)に視線を送って確認する。 タイ王子(ジャン)は微妙な顔をして頷いていた。 レナ(エレン)『そ、それは御神が決める事ですので……おほほほほ』 と、愛想笑いでかわして逃げるレナ(エレン)だった。 そんなレナ(エレン)を遠くから眺める召使い(エーレン)。 そこには明らかに思慕の念が混ざっていた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/895
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