アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 (1000レス)
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52: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:33 ID:0WgIVZhA0(43/97) AAS
その第4機動艦隊側の指揮官騎から、先ほど、敵戦闘機の触接を受けるという報告が入っていた。
今頃は、ワイバーン隊の眼前にも多数の米戦闘機が迫りつつあるのであろう。
とはいえ、眼前の敵機の数は、少なめに見積もっても150機以上は居る。
対して、第45戦闘飛行団はケルフェラク56機。ワイバーン隊は出撃騎102騎のうち、戦闘ワイバーンは64騎のみ。
計108機で、第54攻撃飛行団のケルフェラク54機、第411空中騎士隊の攻撃ワイバーン48騎を守り抜かればならなかった。
「指揮官騎より各騎へ。敵迎撃機が接近!ケルフェラク隊、戦闘ワイバーン隊は一部の護衛を残し、敵の迎撃部隊を殲滅せよ!」
攻撃隊指揮官を務める第411空中騎士隊の指揮官が命令を伝えて来た。
クレゴート少佐は、コクピットの右側にある四角の箱に向けて了解と返しながら、頭の中でどの隊を敵編隊にあてるか、瞬時に考えていく。
「……こちら指揮官機。各機に告ぐ。聞いての通りだ。これより、敵さんを迎え撃つ。第1、第2中隊は編隊より離れ、敵に向かう。第3中隊は攻撃隊の護衛に当たれ。
本部小隊は俺と共に敵機狩りだ!」
省14
53: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:34 ID:0WgIVZhA0(44/97) AAS
クレゴート少佐は、ある敵戦闘機に狙いを付ける。
(あの小柄な形……あれが、噂のベアキャットと言う奴か。)
彼は、眼前の敵戦闘機の形を見るなり、心中でそう思った。
クレゴート少佐は、今では貴重種と揶揄されているケルフェラク隊初陣時から前線に居る古強者であり、過去に幾度か、アメリカ海軍の戦闘機ともやりあっている。
これまでの経験上、ヘルキャットやコルセアは無骨さを感じさせる姿をしていた。
だが、目の前の敵戦闘機は、ヘルキャットやコルセアと違って、機体が小さく、動きが良さそうな感じがした。
(今日初めて戦う事になるが……貴様の力、見せて貰うぞ!)
クレゴート少佐は敵戦闘機に心中で語り掛けながら、距離200グレルに迫った所で魔道銃の発射ボタンを押した。
ケルフェラクの主翼に搭載された4丁の魔道銃が光弾を吐き出す。
敵機を包み込むようにして吐き出された光弾の一部は、過たず敵新型戦闘機に突き刺さった。
省17
54: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:34 ID:0WgIVZhA0(45/97) AAS
だが、この2機のパイロットはまだ実戦経験が浅かった為か、ケルフェラクに後方200メートル以内に接近されるまで気付かなかったことが命取りとなった。
「遅い!!」
クレゴートは、愛機の姿勢を傾け、反応の鈍い敵戦闘機の未来位置に光弾を弾き出した。
ポリトヴ中尉もまた、クレゴートが狙った敵機目がけて魔道銃を放つ。
1機4丁、計8丁の魔道銃から放たれた光弾がベアキャットの未来位置に注がれ、敵機のパイロットが自らの失敗に気付いた時には、機首からコクピット上面部、
後部と、ほぼ満遍なく光弾が命中していた。
敵戦闘機はコクピットを鮮血に染め、左右の主翼から真っ白な煙を吐きながら墜落して行った。
(主翼部分にも7、8発は当たったはずだが、それでも火を噴かんとは。ナリは小さいが、防御力はヘルキャット並みか……畜生!)
クレゴートは心中で毒づきながらも、すぐに狙いを2番機に向ける。
2番機は僚機のあっけない最期に恐れを成したのか、急降下で戦域を離脱し始めた。
省14
55: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:35 ID:0WgIVZhA0(46/97) AAS
唐突に、受信機から声が響くと同時に、後方に付き纏っていたベアキャットがいきなり旋回を止めた。
そのベアキャットの上方から光弾の嵐が打ち下ろされた。
不意打ちを食らったベアキャットだが、避けるタイミングが早かった為か、光弾は1発も命中しなかった。
新手が現れた事で不利と悟ったのか、2機のベアキャットは旋回降下しながら空戦域から離脱していった。
「隊長!ご無事ですか!?」
聞きなれた声が響くと同時に、クレゴート機の右斜めに2機のケルフェラクが並走して来た。
「その声はヴェニか。そっちは大丈夫か?」
「うちらはなんとか大丈夫ですが、他の連中がかなり苦戦しています。」
クレゴートはヴェニから聞いた後、周囲を眺め回した。
省15
56: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:36 ID:0WgIVZhA0(47/97) AAS
攻撃隊についていた護衛のケルフェラクやワイバーンが挑みかかるが、拘束できたのはせいぜい14、5機ほどで、20機以上の戦闘機は迎撃を受ける事無く、
猛然と攻撃隊に殴り掛かった。
ベアキャットの両翼に付いている20ミリ機銃4丁が、重い魚雷や爆弾を抱いたケルフェラクの機体に突き刺さり、大穴を開けて飛行能力を削いでいく。
機首のエンジン部分に被弾したケルフェラクが、被弾箇所から煙を吐きながら急速に速度を落とし、編隊から落伍していく。
そのケルフェラクは、重傷を負った事も気にせぬまま味方に付いて行こうとするが、別のベアキャットがとどめの一撃を繰り出し、ケルフェラクの右主翼を
叩き折った。
攻撃用のケルフェラクは、ヘルダイバーやアベンジャーを見習って後部座席に旋回機銃が設けられており、後部座席の搭乗員はそれを必死に撃ちまくった。
ケルフェラクは、編隊ごとに弾幕をはって米戦闘機の攻撃を食い止めようとする。
運悪く、1機のベアキャットが集中射撃を食らってしまった。
ベアキャットは機首や主翼に多数の光弾を受けた後、エンジン部分と右主翼から真っ黒な黒煙を吐き出し、攻撃を行う間もなく離脱にかかっていく。
省13
57: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:36 ID:0WgIVZhA0(48/97) AAS
クレゴート少佐のケルフェラクが先に速度を上げ、次にポリトヴ中尉も後を追っていく。
彼の言葉に勇気付けられた2機のケルフェラクもそれに続き、尚も攻撃機隊を狙うベアキャットに挑んでいった。
午前10時45分 レビリンイクル沖北北東285マイル地点
「敵編隊、我が艦隊に尚も接近中!戦闘開始まであと5分!」
第58任務部隊第2任務群の司令官であるマイルズ・ブローニング少将は、群旗艦である空母レンジャーⅡのCICで管制員の
口から飛び出た言葉を聞くなり、思わず眉をひそめる。
「投入可能の戦闘機420機を投入したのにもかかわらず、なお250騎以上の敵がこっちに迫っているか。」
「敵攻撃隊の3分の2近くは我が任務群に向かっております。迎撃隊は奮闘してくれましたが、やはり、数が多いと撃ち漏らしも多くなりますな。」
省16
58: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:37 ID:0WgIVZhA0(49/97) AAS
「ここからは、艦隊自身が頑張るしかないな……」
ブローニングはしわがれた声でそう呟きながら、過去に経験した幾つもの海空戦を思い出す。
「これまでにも、母艦の戦闘機隊は敵の完全阻止を狙ってきたが、その度に押し通されて来た。だが、今日こそはそれも果たせると思っていた物だが……
やはり、一度に出す数には限度がある上に、一時に700機以上の敵編隊に襲われては、航空管制も飽和状態になる。正攻法で行く以上、敵編隊の
完全阻止は無理な話かもしれんな。」
「護衛艦の奮闘に期待するしかありませんが……せめて、ウースター級があと4隻あれば……」
「無い物ねだりしても始まらんさ、航空参謀。」
暗い表情で呟くグリント中佐に、ブローニングは苦笑しながら言う。
「それ以前に、TF58の主力を構成する5個空母群のうち、TG58.3とTG58.5には戦艦がいない。戦艦がいないとなると、使える対空火力も
ぐんと減る。この2個任務群は、戦艦がいない穴を埋めるために、4隻しかないウースター級を均等に配置して貰っている訳だ。戦艦が配属されている
省13
59: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:38 ID:0WgIVZhA0(50/97) AAS
空母アンティータム艦長、エモンド・グローヴス大佐は、艦橋で駆逐艦群の対空射撃を浴びながら前進しつつある敵ワイバーン群を双眼鏡で確認する。
「左舷方向に7、80騎。右舷方向にほぼ同数と言った所か。いつものサンドイッチ戦法でTG58.2を押し潰すようだな。」
彼がそう呟いた時、5インチ砲弾の弾幕に絡め取られた1騎のワイバーンが急速に高度を落としていく。
ついで、もう1騎が高角砲弾の黒煙を突っ切る直前に新たな砲弾の炸裂を受け、体を一瞬のけ反らせてから海面に墜落していく。
犠牲を出しながらも、敵編隊は前進を続けていく。
対空射撃は、高度4000付近を飛んでいる敵編隊に注がれているが、それとは別に低空侵入の敵ワイバーン群に対しても、駆逐艦群は砲撃を続けている。
射撃を行っているのは、輪形陣外輪部の駆逐艦群だけではなく、やや内側を航行する巡洋艦群や戦艦も射撃に加わっている。
重巡洋艦ノーザンプトンⅡは、陣形の左側に陣取る戦艦アラバマと軽巡洋艦フレモントと共に敵編隊と交戦していた。
「左舷上方の敵騎、さらに1騎撃墜!」
ノーザンプトンの艦橋前に配置された5インチ連装両用砲を指揮するヤン・ハートレット少尉は、両用砲の後部にある観測口から身を乗り出し、
省11
60: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:38 ID:0WgIVZhA0(51/97) AAS
ハートレット少尉がそう呟いた直後、高空の敵編隊は予想通りの動きを見せた。
総計で2、30騎ほどの敵編隊は幾つかの小編隊に別れると、すぐさま急降下に移った。
その中の一部は、ノーザンプトンに向けて突進しつつあった。
「敵の一部がこっちに向かっている!目標変更!左舷上方より接近しつつある敵5機!」
砲術長の指示が、耳元のヘッドホンから響く。
「目標変更!左舷20度!全力射撃!!」
ハートレット少尉の指示が発せられるや、砲塔が僅かに動き、砲身が急降下しつつある敵機に向けられる。
目標を捉えた5インチ砲がすぐさま発砲を開始した。
敵機の前面でVT信管付きの砲弾が炸裂するが、その瞬間、魔法障壁が発動した光が発せられる。
至近弾を受けたワイバーンは何事もなく爆煙を突っ切って来たが、矢継ぎ早に放たれた別の砲弾が、またもや至近で爆発する。
省14
61: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:39 ID:0WgIVZhA0(52/97) AAS
ノーザンプトンⅡはボルチモア級重巡の一員として建造され、基準排水量14500トンを誇る大型艦であるが、先の至近弾は、その巨体を頼りなさげに
感じさせる程にまで揺さぶった。
ハートレット少尉は至近弾落下の際の衝撃で、観測口の縁に思い切り右肩をぶつけた後、足を踏み外して砲塔内部に落下してしまった。
衝撃が収まると、彼は慌てて歩み寄って来た給弾員達に引き起こされた。
「班長!大丈夫ですか?怪我はありませんか!?」
「肩とケツをぶつけてしまったが……何とか大丈夫だ。」
ハートレット少尉は右肩をさすりながら部下に答える。
「シホット共はうじゃうじゃと来ている。俺の体は心配せんでいいから、今は砲を撃ちまくる事を考えろ!」
「りょ、了解です!」
部下達は一様に頷くと、すぐさま持ち場に戻った。
省10
62: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:39 ID:0WgIVZhA0(53/97) AAS
アンティータムも5インチ砲を用いて敵編隊に砲弾を浴びせ続ける。
防空網の穴は容易に埋められぬ物の、残存艦の投射弾量は侮れぬ物があり、今でも敵編隊の周囲には無数の高角砲弾が炸裂し続けている。
敵騎は高角砲弾の炸裂によって、なけなしの戦力をさらに減らされつつあったが……
それでも限界はあった。
「高空より敵ワイバーン12、本艦に接近しつつあり!」
アンティータムの操舵手を務めるケント・コートニー兵曹長は、対空機銃座の指揮官が付けている物と同じ、マイク・ヘッドフォン付きヘルメットから
流れて来る指示に聞き入っていた。
「敵爆撃隊接近中!針路このまま!!」
「針路このまま!アイ・サー!」
コートニー兵曹長は、口元にあるマイクにそう返しながら、舵輪に置いた両手に力を入れた。
省13
63: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:41 ID:0WgIVZhA0(54/97) AAS
艦深部から伝わるの振動は、それからしばしの間変わらなかった。
ライフジャケットを着込んだ体が異様に熱く感じ、彼の顔に汗が流れ始めた時、耳元にそれまでの物とは異なる物音が聞こえ始めた。
(機銃の発射音……来るな!)
コートニーはそう確信した。
直後、ヘッドフォンに航海長の声が響いた。
「取舵!」
「取舵!アイ・サー!」
コートニーは胸元のマイクにそう返しながら、舵輪を心持ち左に回す。
(定石通りに行くか……妥当だな)
彼は艦長の判断に適度な感想を添えた。
省14
64: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:41 ID:0WgIVZhA0(55/97) AAS
この瞬間だけは、ベテランである彼と言えどもかなり緊張する。
運が悪ければ、爆弾が艦橋に命中してしまう事もある。そうなれば、コートニーは艦橋もとろも吹き飛ばされてしまうであろう。
(この瞬間だけは毎度毎度、生きた心地がしないな)
彼は内心そう思いながら、敵の爆弾が外れてくれることを切に願い続ける。
程無くして、至近弾が落下したのか、爆発音と共に艦体が揺れ始めた。
揺れ自体は強い物の、彼は振動からして命中弾を浴びていないと確信した。
それが合図であったかのように、艦の前部付近、または後部付近から幾度となく振動が伝わって来る。
(5発は落ちて来たな。)
コートニーは振動の伝わる回数を数えながら、次の指示を待つ。
更に左舷中央部付近から至近弾炸裂の振動が伝わる。ダメージを受けたのか、ブザーが鳴り響くが、体感からして直撃弾を受けたようには感じられなかった。
省13
65: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:42 ID:0WgIVZhA0(56/97) AAS
彼はそう呟きながら、護衛艦群の奮闘を心の底から期待していた。
アンティータムは左回頭を止めた後、今度は右回頭を行い始めた。
外の様子が分からないコートニーは、ただただ味方艦の奮闘を祈りながら舵輪を回すしかないが、それでも、彼はアンティータムが致命傷を受ける事は
無いだろうと思っていた。
爆弾を受けたアンティータムは、被弾箇所から白煙を引いていたが、それでも舷側の機銃座と両用砲は健在であり、激しい対空砲火を放っていた。
外からの喧騒は相変わらずであり、航海艦橋内も相変わらずやかましいが、コートニーとって、それは艦がまだまだ元気一杯であるという証と感じており、
さして不安を抱いていなかった。
だが、敵の次の出方を考えると、弱い不安感も徐々に強くなっていく。
(爆撃隊があれで終わりとなると、次は雷撃隊が来るな……うまく数を削れていればいいが)
コートニーはそう思いながら、先ほどと同じように指示を待ち続ける。
省16
66: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:43 ID:0WgIVZhA0(57/97) AAS
舵を切ってから40秒ほどが経ち、ようやくアンティータムの艦体が左に回頭を始めた。
回頭中も、両用砲や機銃座は激しく撃ちまくっている。
今頃、アンティータムの上空は高角砲弾の炸裂煙と機銃の曳光弾で埋め尽くされているであろう。
(いや、あるいは海面スレスレを行く雷撃隊を狙っているかもしれんな)
コートニーは心中で呟いた。
直後、その心の呟きを証明する事態がアンティータムに襲い掛かった。
唐突に、下から突き上げるかのような衝撃が伝わって来た。
航海艦橋の同僚や上官数名が、文字通り床から跳ね飛ばされてしまった。
コートニーは衝撃に負けてなるかと、必死に舵輪を掴む。
彼は辛うじてこの衝撃に耐え、舵輪も話す事は無かったが、息つく暇もなく、新たな衝撃が艦体を揺さぶる。
省14
67: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:43 ID:0WgIVZhA0(58/97) AAS
「そうだ……艦を……アンティータムを操らなければ!」
使命感に駆られたコートニーは、先程と同じように艦の操作に専念しようとしたが……そこで、彼は違和感に気付いた。
「……おい。行き足が落ちてるぞ。それに、船も傾いている。まさか……魚雷を食らったのか。」
「ああ。左舷側に3本、右舷側1本食らったらしい。恐らく、機関部は前部、後部共に酷い事になっているかもしれん。」
「なんてこった……」
コートニーは、驚きのあまり目を見開いた。
「アンティータム被雷!行き足、止まります!!」
「最悪だ……!」
省14
68: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:44 ID:0WgIVZhA0(59/97) AAS
ハートレット少尉は険しい表情浮かべながらそう独語する。
目線をアンティータムから離し、そこから右舷800メートルほどの海域にいるもう1隻の空母に向ける。
「シャングリラも手荒くやられているようだな。あっちも魚雷を食らったのか、動きが止まっているが、火災も酷い様だな。」
ハートレット少尉はそう呟きながら、首元に下げていた双眼鏡を使ってシャングリラの状況を確認する。
シャングリラは右舷に傾斜しており、飛行甲板の前部と中央部から濛々たる黒煙を吐き出している。
シャングリラの詳しい状態はまだ分かっていないが、控えめに見積もっても、今回の海戦で戦い続ける事が出来ない程の損害を受けた事は、ほぼ確実のようであった。
午前11時15分 レビリンイクル沖北北東300マイル地点
TG58.2が猛攻を受けている中、TG58.1も敵編隊との間で激しい戦闘を繰り広げていた。
省13
69: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:44 ID:0WgIVZhA0(60/97) AAS
フレッチャーの居る艦橋内にもその発射音は常に響き続けており、非常に喧しい。
掩護を受けるリプライザルも、舷側の単装両用砲と機銃を撃ちまくり、敵騎の阻止に努めている。
2騎が被弾し、海面に叩き付けられた。
更に1騎が40ミリ機銃の集束弾を受けてバラバラに引き裂かれた。
1騎、また1騎と撃墜されていくが、ワイバーンは仲間の犠牲なぞ知らぬとばかりに、リプライザルに向けて突進していく。
海面は高角砲弾の炸裂と機銃弾の弾着で常時泡立っており、まさに地獄の様相を呈している。
「魔法障壁の効果もとっくに切れているのに、尚も突っ込み続けるとは……いつもながら思うが、敵も大した物だ。」
フレッチャーがそう呟いた時、生き残った3騎のワイバーンが一斉に魚雷を投下した。
魚雷は回頭中のリプライザルに迫っていく。
3本中、2本は艦尾方向に逸れていったが、1本はリプライザルの左舷後部に命中した。
省13
70: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:45 ID:0WgIVZhA0(61/97) AAS
「幾ら練度が低下しようが、やる時はやる………今行われている攻撃は、まさにそうですな。」
「全くだ。ニミッツ長官も、TF58の損害状況を知れば顔を暗くするかもしれんぞ。」
フレッチャーは頷きながら、ヴォーリス中佐に答えた。
空襲はそれから5分ほどで終わり、艦隊に響いていた発砲音も次第に終息していった。
午前11時25分 第5艦隊旗艦ミズーリ
「長官。TG58.2司令部より被害報告が届きました。」
省19
71: ヨークタウン◆vpdKySpD2. 2013/11/18(月)09:47 ID:0WgIVZhA0(62/97) AAS
SS投下終了です。
それにしても……E4は地獄だったorz
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