[過去ログ] 艦これSS投稿スレ (1002レス)
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573: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:52 ID:m9hAvWq0o(2/9) AAS
AA省
574: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:53 ID:m9hAvWq0o(3/9) AAS
そう、それは「本」だった。
本と言っても小難しい教本や戯曲、劣悪な紙で作られた三流パルプ雑誌でもなければ、世界の外からやって来た少女と恋愛を育むような漫画でもない。
神をも呼べる魔道書などもっての外だ。
そう、その本はそんな特別な代物ではない。どこの家庭にも一冊はあるだろう。
───アルバムだった。
その表題には「○○新任提督鎮守府日誌」と大きく書かれていた。
暗い空間では流石に細かい字まで目を通すことはできなかったが、中に収められている写真くらいならば朧に視認できる。
懐かしい。本当に懐かしい。
艦砲と装甲を身に纏う少女たち。
工廠や格納庫。
省26
575: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:55 ID:m9hAvWq0o(4/9) AAS
その建物に近づいたとき、最初に聞こえたのは歓声だった。
世界は幸福に満ち溢れていて、この世には善い神様しか居ない。そんな事を疑いもなく信じているような、本当に愚かで楽しそうな声だ。
そして、どこか懐かしい光景と匂いと音と……ありとあらゆるフラッシュ・バック。
一歩、また一歩と歩を進めていく内に私は使命を忘れ、代わりに幸福感と本当の記憶で満たされていく。
歩を進めるごとに今までの暗闇がむしろ異常で、ここが私の本来の世界だったのだと気付かされる。
一歩。また一歩。歩を進め、その度に古い私は塗り替えられ、新しい私が作り出されていく。
いや、新しい私はずっと昔の私だ。ならば新しい私を塗りつぶし、古い私を生み出すのだろうか?
どうでもいい。私の中の現実味さえ奪いつつある幸福感。今はひたすらそれに酔いしれた。
そして、建物の中に入り込んだときには、私は既にとある事を理解していた。
省21
576: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:56 ID:m9hAvWq0o(5/9) AAS
そして、
「……提督。その、ありがとうございます」
そう。
赤城の失踪で一番堪えていたのは姉妹の加賀だ。
赤城が消えてからの彼女の有様については……私の拙い語彙と想像力では上手く表現することはできない。
元々加賀は感情を表にあまり出さない艦娘だった。それも赤城や隊の皆に囲まれて少しずつ感情豊かになって行ったのだ。
そんな彼女の中で赤城はどれだけ大きな存在だっただろうか?それを失った悲しみはそれこそ私には想像もつかない域だ。
あの時───撤退時に殿を引き受けた赤城が帰還していない事を聞かされ、加賀はその場に崩れ落ちてしまった。
それ以来、加賀は演習にすら出していない。精神と神経に限界が来ているのだろう、
誰かが肩を貸さないと一人では歩けないほどに衰弱しているのだ。今も提督の肩を借り、壁に寄りかかってなんとか倒れこまずに済んでいる。
省21
577: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:56 ID:m9hAvWq0o(6/9) AAS
≪当施設に深海棲艦が侵入した模様!繰り返す!当施設に深海棲艦が侵入した模様!
認められたのは単機だが、相当の戦闘力を持っていると推測される!指令官及び全艦娘は綿密な作戦の元、これを撃破せよ!≫
その警報に真っ先に反応したのはやはり提督だった。
「戦艦、空母1に巡洋艦2、駆逐艦3で編隊を組み、6隊は主要施設の警護、6隊は敵の撃破に当たれ!
残りは私と共に加賀の撤退を援護しろ!」
提督の指示の元に彼女たちは散会し、警護に、敵の撃破に、撤退の護衛に従事する。
そして、加賀を入渠させに提督は急ぐ。
しかし、提督と加賀の護衛をしている艦隊達は見てしまった。
幸福を噛み締めていた時になった侵入者の警報。
私は確かに自分の強さには自信があるが、今は単機だ。
省24
578: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日)00:57 ID:m9hAvWq0o(7/9) AAS
AA省
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